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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 「京之進、後は任せたぞ」 山賊団は夕堂と風荻の留守を狙って、強襲した。 それまで何度も遣り合った因縁の相手、今度ばかりは最期と覚悟した。 葉子は夫であり、副隊長である久留間京之進に村人の避難を任せ、一人で殿を引き受けた。 「いや、残るなら俺が」 「力不足だ。――そんな顔をするな、必ず生きて戻る。村人を頼む」 葉子は折れた得物の代わりに京之進の刀を借り、愛する者達に背中を向けた。 「――っ」 京之進が、半兵衛と夕堂達と一緒に戻った時、村の中は屍山血河。多数の山賊の骸、そしてズタズタに刻まれた警備隊長の遺体。 アヤカシにも負けず、山賊盗賊にも負けず、20年間、辺境の小さな村を守り通した警備隊があった。 平和を獲得し、村人に疎まれ、存亡の危機に二代目隊長が戦死した。 まだ明日は分からない。 開拓者ギルド。 ご隠居と係員が世間話をしている。 「息子が、ギルドに行くのは止せと言いだしましてね」 「年寄りの冷や水」 隠居は咳で痰を切り、続ける。 「ゴホン、この間から皆さんが護衛みたいに付いて来るでしょう。それで、恐ろしくなったようなので」 「みたい、でなくて護衛ですよ。喜平治の件とか、息子さんの心配は尤もだ」 係員としては、素人が厄介事に深入りするのは止めたい。先月から何度も繰り返している会話だ。 「警備隊の件も、ですよ。御隠居が依頼人を続ける必要は無いじゃないですか。領主の宇鬼田様からも、依頼したいと言って来てるんです」 隠居は苦笑する。係員は自分を関係者と思っている。だから、そんな話をするのだろう。 「ほう。しかし、どうする気です。依頼主が変われば、内容は正反対に変わりますでしょう?」 依頼人は領主か、警備隊か、それとも村長か。何れに与するかで、仕事内容は違ったものになる。人間同士の揉め事はこれだから難しい。 「それは、よく調査してですね」 「これが久留間葉子さんの資料ですか」 隠居は目敏く、調査結果をまとめた紙を見つける。 20年前の開拓者。仲間と分かれて村に残り、警備隊を立ち上げた中心人物。十数年前に、辺境を荒らし回る山賊団との抗争で亡くなっている。村では伝説的存在だが、警備隊が疎まれてからは忌避されても居る。 「ん? 娘さんが居ますね」 京之進との間に19歳の子供が居る。開拓者になると言って5年前に村を出たが、現在は消息不明。 「亡くなった隊長さんも、色々と御苦労されていたんですねぇ」 「‥‥息子さんの忠告を聞くつもりは無いんですね?」 「おや、私をそんな薄情な人間だと思いますか。最後まで、見届けるつもりですよ」 隠居は中立の自分こそが、最適だと胸を張る。 「中立って、あんた丸投げしてるだけじゃないか」 「嫌なら、領主でも誰でも、別の依頼主を立てたらいい」 その通りだった。 係員は逡巡を隠居に見透かされて、懊悩する。 「最後は皆さんが決めることですけど」 「本当に、それで良いんですか?」 「当たり前です」 さて、どうなるか。 |
■参加者一覧
秋桜(ia2482)
17歳・女・シ
時永 貴由(ia5429)
21歳・女・シ
无(ib1198)
18歳・男・陰
ネシェルケティ(ib6677)
33歳・男・ジ
雨傘 伝質郎(ib7543)
28歳・男・吟 |
■リプレイ本文 「この道も、すっかり覚えちまって――来れば銭の貰えるお話ではござんすが、因果な稼業でござんすねぇ」 村に一つきりの桜が、はらはらと花道を作り、雨傘 伝質郎(ib7543)の来訪を歓迎した。 「また来たのか」 「おかげ様で」 勝手知ったる村長の家の敷居をまたぐ雨傘、大貫仁之丞はしかめ面だ。 「よくよく見れば、ただのチンピラでは無い。それが辺鄙な村までやって来て、何をするでも無し。牛鬼蛇神とはお前のこと、目的は何だ?」 「ご明察。顔色がすこし良くなられたようでやすなぁ。村長さんのお達者な姿を拝見しやして、あっしも嬉しい限りでやすよ‥‥あっしはただの騒動屋でさぁ。この村に、血の雨が降るのをまってやす」 まさに不敵。 板敷に胡坐をかく姿は、どこの疫病神か。 「騒動屋――つまりは、開拓者か同じ穴の狢だと。‥‥解せない。依頼は断ったはずだ、誰の依頼でこの村に」 村長に睨まれ、雨傘はくくっと笑みをこぼした。 「御言葉ではござんすが、あっしは人間ですぜ? 誰に頼まれなくとも、二本の足は動きやす。おっと、誰に付くかは雨模様次第、儲かる方に寄らせて頂きやすよ」 雨傘の凶相に笑みが滲む。 仁之丞が何か言いかけるが、横槍ならぬ棒が、鋭く空気を切り裂いた。 「何だぁ?!」 顔面を狙う棍棒を、拳で打ち落した雨傘。畳を這うように後方に逃れた彼の面前に、両手で棍棒を握った男が現れる。 「四郎!? 何の真似だ、止めなさい!」 村長の制止を無視し、四郎と呼ばれた青年は雨傘に棒を繰り出した。 「どこの坊ちゃんか知らねぇが、いきなりは止しねぇ」 棒をかわした雨傘、彼の拳骨が青年の腹にめり込む。 「あ‥‥どっかで聞いた名だと思いやしたが、お前さんは村の娘さんを手ごめにしたって警備隊員」 「う‥‥るせぇ。俺は知ってんだぞ、てめぇ柏木さんに捕まったチンピラのくせに、宇鬼田に尻尾振りやがって。今度は村長の所にまで押しかけて、何企んでやがる!!」 「あぁ」 自他共に認める不審人物だけに、返す言葉が無い。 「何なんだ。お前が来てから警備隊は、おかしくなっちまって‥‥おかしな開拓者は来るし‥‥隊長は殺されちまうし‥‥何なんだよ!!」 絶叫する四郎。青くなった家人がわらわらと駆けつけ、その中で5歳になるという村長の末娘が泣き出した。 「今日のところは、帰ってくれ」 「そうさせて頂きやす。村長さん‥‥こんだけの御家族と、村思いな若い衆を悲しませちゃいけやせんぜ。よっく思案しなさることですなぁ」 蝙蝠の外套を肩にひっかけ、慇懃に頭をさげて村長宅を出る雨傘。 「悪党だな」 「見てたんですやすかい?」 村長の家を離れた場所で、時永 貴由(ia5429)に背中をとられた。 「村人の態度が気になったから、ちょっと調べている」 見れば服が少し汚れていた。天井裏か、軒下にでも潜んでいたか。さすがはシノビと雨傘は苦笑した。 「村人の混乱を、うかうかと掻き回すのは止めないか」 辺境の村を同時期に訪れた旅芸人、学者、チンピラ、そして開拓者。 開拓者の予言通りに現れたアヤカシが警備隊長を殺し、来訪者達は村の領主にも接近した。 「我々は、この村に災厄をもたらすためにやってきた悪党のようだ」 普通の依頼なら、騒ぎは既に起きていて、事態の収拾が彼女らの仕事。 所が、発端はとうの昔に意味を無くし、開拓者が動くほどに新たな騒ぎを生む。 「表裏一体なのかもな。おもてを歩いていた時には、気にならないが、今の私達は裏側を歩いているようなもの」 ならば、表に返す必要があるのか。 「真面目でやすなぁ。このまま騒ぎが起こるに任せて銭を頂くのも悪かねぇと思いやすがね」 「あなたが何をしようと自由だ。だが、村人に害を及ぼすなら排除しよう。仲間が道を踏み外すのを見るのは忍びない」 「あっしのような屑に、有り難てぇ言葉でござんすねぇ」 警備隊の砦裏、墓地。 「久留間‥‥そういうこと。やられたわ。完敗よ。褒美に私を一晩好きにしていいわ」 墓前でしなを作るネシェルケティ(ib6677)。 「隣に奥さんが居るのに。何やってんだって感じですねぇ、このおっさんは」 正直な感想を漏らした无(ib1198)は、直後ネシェルの苛めを受けるが、些事なので略す。 「冗談はさておき、宇鬼田の所に行くつもりなら、ひとつ、仕事をお願いしたい」 「あら、自分で行けば良いじゃないの」 人手が足りていないのだと言う无に、 「あんた、抱え込み過ぎじゃない? 私なんて、適当だけど、何とでもなるもんよ」 ネシェルは墓を愛おしげに撫でていたが。 「‥‥けど、新領主の男ぶりも探るのは、悪くないわ」 ぺろりと舌を出す巨漢ジプシー。 无から仲間の動向を聞く。 開拓者は、ここに至るまで、依頼の事を公言していない。无は辺境の地歴調査にやってきた学者を名乗っているし、時永と秋桜は姉妹の旅芸人、雨傘は挙動不審者、ネシェルは開拓者という身分は偽らざるものだが、その依頼は偽物。 現在は事実上、頼み人である隠居が放任しているので、この件をどうするかは、自ずからに由る――自由だ。 つまり、でっちあげの報告書一枚で片付けても構わない。彼らはそうはしなかった。より良い解決を模索した。 「隊長に娘が居たなんて初耳よ。しかも志体持ちだって話じゃない、何でここに居ないのよ?」 隊長代理の風荻に、久留間響のことを聞くネシェル。 「家出娘の所在が分かれば、お前さんの相手などして居らぬよ」 「ふーん。家出ってことは、その子、隊長と何かあったのね」 お定まりの親娘喧嘩だと風荻は昔を思い出すように言った。 娘の夢は母親のような立派な開拓者になることだった。同時に、父親のように小さな村を守る一生は嫌だった。 「だから隊長‥‥京之進は、響が開拓者になるのも反対した。しかし、有力な氏族の庇護下にあるのでない限り、志体持ちを鍛えるにはギルドに入るのが一番だ。そのことを京之進は身を以って知っていた」 仕方なく、京之進は期限付きで響が開拓者になる事を許し、小杉半兵衛に娘のことを頼む長い手紙も書いたそうだ。 「何となれば、久留間の忘れ形見。半兵衛も承知したが、訓練を終えてすぐに響は姿を消した」 「最初から、そのつもりだったのかしらね。小娘にまんまと騙されて、可哀想な隊長」 半兵衛も探したが足取りを見失ったというから、少なくとも開拓者にはならなかったのだ。それ以来、消息不明。生きているか死んでいるかも、分からない。 「本音をいえば、小娘を三代目に据えたい所だけど、一筋縄ではいかないわね」 鵜鵯田右兵之介を質問責めにする无。 「色々と聞かせて貰おう。まず、久留間、響、葉子という名に聞き覚えはないか?」 「無い訳があるまい」 警備隊の一件は鵜鵯田も知っているし、話も聞いている。今は偽物の事もあるから、相当に気にかけているようだ。 「確認ですよ。今回の件より前に、知っていましたか?」 「20年前から、か。ふーむ、ギルドで顔を見たことはあったやもしれぬが、思い出せぬ。ああ、娘の方は覚えておる。半兵衛があれこれと世話を焼いておったので、隠し子かと尋ねた。しかし、それきりだな」 ギルドに登録だけされている開拓者は、かなりの数だ。无も一々、気にとめないし、そんなものだろう。 「それでは、これまで宇鬼田領に入った事は?」 「あの辺りは街道から外れておるからな。たしか一、二度商人の護衛のような仕事で通った事はあったように思う」 「うひょうひょ仮面の格好で?」 「まさかな。あれは詰まらぬ洒落だった。正体を隠す意味が無い故に止めたが、今頃になって詰問されることになろうとは」 名前を短縮しただけなのですぐ正体がばれる、それが仮面を止めた理由だそうだ。 「不思議ですね。20年前ならともかく、何でその名前が今出て来るのか?」 「下手人はこの俺に恨みを持つアヤカシの可能性が高い、か。或いは、他人の空似かもしれぬが」 「アヤカシに恨みを買う覚えは‥‥愚問ですね。ならば鵜鵜田、私としてはキミにうひょうひょ仮面の偽物退治を依頼したいのですが、どうでしょう」 戦力不足は逼迫している。特に今回は、秋桜の不在が痛い。普段はぽわぽわした娘だが、あれは歴戦のつわもの。この一件では、最大戦力といっても過言ではない。 「断る」 「どうしても駄目ですか。報酬が御不満ならば相談に乗ります。あ、依頼料は御隠居に請求して下さいね」 刀に手をかけて立ち上がる鵜鵯田。 「偽物退治など、余人に頼まれる事では無いと申しておる。避けて通れぬならば、これは俺の仕事よ。ついて来ると申すなら、同行くらいは許さぬでも無いがな」 不良開拓者は珍しく、やる気満々。 「鵜鵯田さんは行ったよ」 「そうか。あの男にも、武士の一分があったと見える」 時永は酒場で小杉半兵衛と飲んでいる。 「死にかけの男が、何をフラフラとしている? おっと、酒は程々にな」 差し入れを持参した時永だったが、床はもぬけのから。呆れたことに、酒場から小杉の笑い声が聞こえたのだった。 「くたばるから、飲むのさ。死んだら飲めない」 「地獄で呑め。そんな事より、隊長の娘って見た事あるかな?」 小杉は隠さず話した。その内容は風荻が語ったものと大差ない。 「初代隊長とそっくりなのかな? 単なる好奇心からだけど」 「依頼に関係する事だ、遠慮は要らんぞ。‥‥姿は似てる。頑固な所も、だが手段を選ばないところは父親似か」 久留間はお人好しで、人に迷惑をかけるようなことはなかったと話す。とはいえ、志体持ちの若者が、多少の無理をしてでも辺鄙な村を捨てるのは良くある話。 「そうか。正直、警備隊の代替わりは考慮しなかったし、初代が女だったと聞いて驚いている。どうも、こっちの不備が目立つな」 警備隊が作られて20年、色々なことがあったのは想像出来るし、依頼と無関係でないとは思いながら、思考停止していたと時永は反省する。 「警備隊を退治するだけなら、必要の無い話だ。完璧には出来ん。勘働きの鋭いのも居るが、その辺だけは年季だな」 開拓者は想定内のトラブルには強いが、想定外には弱い。誰もがそうだが、経験を重ねることで腹が据わる。 「ふう‥‥久留間さんに去られたのは、想定外だったか」 小杉の様子をちらっと見ながら酒瓶を傾ける時永。 「やたら荒れていたらしいが、フラられたのをスネてた事じゃないよな?」 「それも、単なる好奇心か」 小杉は静かに返したが、不機嫌なのは丸わかり。 「うん」 「忘れた」 小杉は遠くを見つめる。 「何?」 「確かに、このあたりの酒場で、ガキが出禁になるまで暴れた。依頼は成功させたのに仲間を失った理由が分からなくてな。昔の事だ、そいつの気持ちは思いだせん」 「ふむふむ、20年経っても若い娘に愚痴たれてるアンタは、さしずめ中年のガキだわ」 ネシェルは背後から小杉の首を絞めた。 「久留間倒したアヤカシは強いわ。警備隊じゃ勝てないわね。夕堂も死ぬんじゃない? で、領主に依頼された猛者が、金貰って簡単に倒すのよ。 あんたは畳の上でそれを眺めながら惨めに死んでくといいわ。お似合いよ」 動かなくなった小杉を、ひょいと肩にかつぐネシェル。 「殺すことは無い」 「まだ生きてるわよ、‥‥多分」 宇鬼田屋敷。 「警備隊、腰引けてアヤカシ討伐しようとしないのよ。ここで領主様が討伐すれば、存続意義失って勝手に瓦解するわよ、あれ」 警備隊と協力体制にあるネシェルが、宇鬼田好政を訪問したのは、及び腰の警備隊に愛想をつかしての事であった。海千山千の開拓者の言う事を、好政もそっくり信じたとは思えない。表面上は、手厚く歓待した。 「ネシェルケティ殿、率直に聞くが、あの森に大鬼は居ると思うか?」 「あ、そう。真直ぐなのね、それなら私もぶっちゃけるけど、知らないわ」 アヤカシとはあやふやなもの、人の道理の及ばぬもの。確信は無いのだと、そこだけは本心の答えだ。 「ふむ。しかし、久留間が居なくなれば、あの警備隊も脆いものだ。父上を悩ませていた警備隊が、この程度の存在だったとは」 「まだ、久留間の娘が居ると聞いたけど?」 「響には期待しない方が良い。幼馴染みが言うのだ、間違いない」 久留間響は一時、村と警備隊と領主の捩れた関係の中心に居た。村長は養子にして後を継がせようとしたし、前領主は好政の嫁に、と考えた。彼女が村を出たのは、そんなシガラミを嫌っての事だと、好政は思っている。 「どんな娘だったの?」 「そうだな、周りの環境もあるだろうが、意固地で英雄願望の強い女だった」 好政は響が村に戻る事は無いと考えている。だが、村が自分を必要としているとしれば、帰って来る見込みはあるようにも思えた。 (どうせ、手掛かりは殆ど無いし、その線でやってみるか) 勝算というには程遠いが、正論を振りかざして勝った気でいるこの青年を教育してやろうと、ネシェルは奮い立つ。 「そうそう、来る途中で変な学者から預かったんだけど」 ネシェルは胸元から紙の束を取り出す。それは无が書いた警備隊取り込み策の意見書。人心や防衛力の低下を鑑みて、宇鬼田が警備隊に歩み寄り、最終的には配下に組み込みつつも、両者の共存が望ましいとしている。 「机上の論理だな。水は低きに流れるもの、然様に上手くはいかん。学者は試すだけで良いから好き放題に言うてくれる」 (気負ってるわね。ま、最初の大仕事で失敗したら若領主も立場無いものね) 改革を唱える若者が一敗地に塗れる様を想像し、ネシェルは苦笑した。 「開拓者に、一度見せた技は通用せんぞ」 鵜鵯田は長槍を手にしてアヤカシの刀の間合いを外した。触手のように穂先に絡む長髪は、虚しく宙を掴む。槍を引く素早さもさるものだが、森の中で長物を苦も無く振るう腕前は日頃のぐうたら振りからは想像し難い。 ここまでは、久留間の時と変わらない。業を煮やしたアヤカシは角を伸ばす。ためが少ないので、初見であれば回避は至難。 「無駄!」 なぜか絶好調の鵜鵯田、十分に警戒して守りを崩さない彼は二度、三度と避けた。 「今だ、やれ!」 前に出た所を狙って脛切り。大きく跳び退ったアヤカシに、隠れていた无と夕堂が術を放つ。 「グ、グガガガガガガっ」 明らかに動きの鈍ったアヤカシに鵜鵯田は攻勢に転じ、二人の陰陽師も畳み掛ける。異常にタフだったが、最後は長槍で背中から串刺しにされてアヤカシは沈黙した。 「‥‥む、こやつ‥‥?」 流れ者の開拓者が警備隊と協力して森のアヤカシを倒した。その報せを聞いた領主は、喪が明けたとばかり、警備隊に対して、配下となるか解散か、二者択一を要求。 風荻はあくまで警備隊の独立を守ると固辞し、両者は争う姿勢を見せた。一方その頃、无は柏木の情報を得、雨傘も山賊の生き残りを意外な所で発見する。 次回、決着!? 天運:29 |