最小限の破壊〜興志王〜
マスター名:天田洋介
シナリオ形態: シリーズ
危険 :相棒
難易度: 難しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/01/31 22:01



■オープニング本文

前回のリプレイを見る


 千代が原諸島の無人島に存在した秘密の飛空船造船所。
 興志王と開拓者達が活動を停止させて帰還した後、超大型飛空船『赤光』を中心とする船団によって制圧作戦が実行された。
 働いていた技師や職人は朱藩のため興志王のためと騙されていたこともあり、無血を信条として完了する。
 首謀者は朱藩・狩須貝領主『鞠蹴 葦風』。
 これまでに勃発した国家転覆、再鎖国の動きは鞠蹴葦風が画策したものだと興志王は断定した。様々な形で疑心暗鬼を生じさせ、その影に隠れて着々と飛空船などの戦力を蓄えてきたのである。
 判明しているだけで秘密の飛空船造船所から大型飛空船が三隻、中型が三十一隻、小型は二百隻以上が狩須貝に引き渡されていた。
(「国全体を巻き込んだ戦いはだけはしたくはないな‥‥」)
 興志王は安州城下の甘味茶屋で汁粉を頬張りながら一人考えていた。
 無人島から救出した密偵『里葦』から得た情報を鑑みても、全面交戦ならば負ける要素は皆無だった。狩須貝の鞠蹴葦風に味方する他領主がいたとして、想定の敵戦力を三倍に見積もったとしてもだ。
 隙を突かれたのであれば、あるいは安州を奪われるような失態もあり得たのかも知れない。しかし敵の正体が判明した以上、対策を怠らなければ何も問題はなかった。
 だが敵戦力は侮れず狩須貝の鞠蹴葦風が一か八かの勝負を仕掛けてきた場合、戦火は国土全体に広がるだろう。
 共通の敵アヤカシの存在のおかげで各国との協調も比較的良好な状態だが油断はならなかった。国家間に真の友情はあり得ないからだ。国という単位が生存の共同体である限り。
 更なる国力低下は朱藩の未来に大きな影を落とす。
 現在と未来。どちらも朱藩の国王として有り様を示さなければならなかった。
 城に戻っても興志王はどうすればよいのかを模索し続ける。
「これしかないな」
 そして興志王が導き出した結論は狩須貝が所有する大型飛空船五隻の破壊。
 以前から所有が判明している二隻と建造されたばかりの三隻を壊してしまえば、敵が大規模戦闘を展開する場合の核がなくなる。つまり戦闘組織として骨抜きにできる。
 一時の脅威さえなくなれば経済と流通を利用して一領地に過ぎない狩須貝を弱らせることなど容易い。
 狩須貝の鞠蹴葦風を隠密に亡き者にする案も浮かんだが、こちらは遺恨が新たな戦禍を生じさせるので脳裏の奥底に沈めた。
 興志王はさっそく狩須貝に潜り込ませるための精鋭の配下を集める。誰もが志体持ちばかり。また自らが乗り込む為の要員として開拓者にも声をかけるのであった。


■参加者一覧
玲璃(ia1114
17歳・男・吟
和奏(ia8807
17歳・男・志
磨魅 キスリング(ia9596
23歳・女・志
フィーネ・オレアリス(ib0409
20歳・女・騎
朽葉・生(ib2229
19歳・女・魔
エラト(ib5623
17歳・女・吟
ライ・ネック(ib5781
27歳・女・シ
ルカ・ジョルジェット(ib8687
23歳・男・砲


■リプレイ本文

●到着
 深夜、開拓者七名は精霊門で訪れた朱藩・安州で興志王と合流する。そして飛空船で移動、途中で下ろしてもらって馬車へと乗り換えた。
 すでに朱藩領地『狩須貝』へ踏み入れていたが、目的の軍事飛空船基地が望めるようになったのは暮れなずむ頃である。
「聞いていた通り海風が強いです」
「これは利用できるかもしれません」
 馬車から下りたフィーネ・オレアリス(ib0409)とエラト(ib5623)は乱れる髪を抑えながら広がる海を眺めた。基地は海沿いに存在していた。
「助かったぞ。帰りはてめぇらで調達するから気にするな」
 興志王は馬車の御者へ労いの言葉と一緒に金子の入った小袋を手渡す。
 御者はこの周辺に根付いて生活している『草』と呼ばれるシノビ。つまり興志家が放った間者なので情報が洩れる心配は無用である。
「ここで班分けを確かめておきましょう。あちらが壱班でこちらが弐班です」
 磨魅 キスリング(ia9596)は二本の木を順に指さして移動を促す。二隻の大型飛空船が係留されているとの事前情報に沿って一行は二班に分かれた。
 壱班は興志王、エラト、ライ・ネック(ib5781)、玲璃(ia1114)の四名。弐班は磨魅、フィーネ、、和奏(ia8807)、朽葉・生(ib2229)の四名。もう一名参加予定であったのだが急用で来られなかったようである。
「地図でみたところ基地から北東の離れたところに村があるようです」
「その村から野菜などの日常品が運ばれているのでしょうか? 飛空船で長距離搬入といった手も考えられますが」
 和奏と朽葉生は風に飛ばされないよう地図を地面に抑えつけながら、実際の基地周辺と相違がないかを見比べた。
 地図は軍事上非常に重要なものであり、わざと間違ったものを世間に流して煙に巻くといったことも日常茶飯事である。飛空船基地周辺に人家はなく、荒涼とした雰囲気を醸し出していた。
「今晩から天気が崩れます‥‥。ですが明日いっぱいまでは曇りで済みそうです。海風は強いまま――」
 玲璃は基地の方角を向くと、あまよみで当分の天候状況を探って仲間達に報告した。
 まずは基地から発見されにくい場所を選んで一晩の野営地とする。
「戻ってくるのは深夜になると思います。明日早朝まで戻ってこなかったときにはいないと扱ってください。それでは」
 ライは野営の準備を手伝い終わると一人で基地へと向かった。夕日で赤く染まった風に揺れる枯れ草に紛れて。やがて仲間の誰にも判別出来なくなる。
 ライが戻ってきたのは日が替わっての深夜二時頃。事前の情報通り、基地には二隻の大型飛空船が停泊していた。
 一隻は滑走路上で待機状態。もう一隻は整備のためか格納庫内に収容されている。基地敷地の一番長い辺は約一・五キロメートルあり二隻は両端周辺に分かれていた。
 滑走路上の一隻は以前からのもので内部構造は不明。格納庫内の一隻は新造のもので設計図によって内部は確認済みである。
 壱班が格納庫内の一隻、弐班が滑走路上の一隻を担当することが最終決定される。
 作戦決行は夜明け前。睡眠によって人が一番隙を生じやすい時間帯を興志王は狙うのだった。

●予想外の事態
 雲のせいか星明かりもない夜明け前。
 壱班、弐班共に枯れ草の野に隠れながら軍事飛空船基地へと歩んでいた。目立たぬよう足下だけを照らす工夫を凝らしたランタンを頼りにして。
(「あれは‥‥?!」)
 興志王はまだ遠くにある滑走路を眺めて眉をひそめ、疑いの表情を浮かべた。
 破壊目標の一つである滑走路上の大型飛空船まで輪郭が視認出来る程度までは近づいている。興志王が出した腕の合図で全員が立ち止まった。
「滑走路の飛空船、離陸しようとしているな。プロペラが回転しているように見えるぞ。確認してもらえるか」
「少しお待ちを。‥‥‥‥そうですね。興志王様の仰る通りです」
 フィーネが望遠鏡で興志王の判断を再確認した。離陸まで時間的余裕は残っていなかった。
 弐班は滑走路上の大型飛空船を強襲すべく即座に行動。壱班は格納庫に到達次第、攻撃開始するとして分かれた。本来ならば同時刻に攻めるのが一番よいのだが状況はそれを許さない。
 距離関係からして弐班が先行するのは明白。少しでも時間差を無くすために壱班はある程度目立っても構わない心持ちで先を急いだ。

●弐班の破壊工作
「船体が動いたように見えました」
「私もそのように」
 堀を跳び越えた和奏とフィーネは小声で言葉を交わす。
 すでに弐班は基地の敷地内に到達していたが大型飛空船までは距離が残っていた。二百メートル程度だが、目標が浮かび始めた今となっては絶望的な間隔にもなり得る。
「考えがあります。私の背中に」
 磨魅に望まれて朽葉生は理由がわからないまま背中に抱きついた。
 朽葉生を背負ったまま全力で駆ける磨魅。和奏とフィーネも基地の状況に目配せをしながら追いかける。
 磨魅は浮き上がる大型飛空船の真下周辺で息を切らせながら立ち止まる。朽葉生は磨魅に飛空船の上昇阻止を望まれていることに気づいて魔法の詠唱を始めた。
 メテオストライクの火球が大型飛空船の左舷後方を包み込んだ。船体内部の風宝珠と連携しているはずのプロペラが吹き飛んで滑走路に突き刺さる。
 姿勢を崩した大型飛空船は傾きながら滑走路へと墜落。わずか数メートルの高さだが激しい衝突音が響き渡った。結果、左舷を下にして大型飛空船は横倒し状態になる。
「ここはよじ登るしかありませんね‥‥」
 和奏は舞い落ちている土を被りながら大型飛空船の上部を仰いだ。まもなく右舷の乗降口を発見する。まだ船員達の姿はなかった。
「ここは私に任せてください」
「いや、自分もやりましょう」
 フィーネと和奏は自前の武器を利用しながら船底をよじ登る。時には船体へ突き刺し、突起部分へと柄や刀身を引っかけて。
 大型飛空船の外部を短時間だけ壊したとしても修復は可能である。確実に破壊するためには内部からの工作が必要であった。
 和奏とフィーネは無事に乗降口付近へと到達。集まりつつあった船員達をフィーネが蹴散らす。
 和奏は地上まで縄梯子を垂らした。回復した磨魅を殿として弐班の全員が船内突入に成功する。
「おそらくあちらです」
 朽葉生は横倒しの状態に戸惑いながら竜骨までの順路を示す。
 新造の三隻については内部構造が判明しているのだが、今いる飛空船は以前に建造されたもの。しかし基本的な飛空船の構造については事前に勉強していた。
 和奏は『心眼「集」』で船員の状態を把握して立ち止まる。仲間もそれに習う。
「抵抗しないで退去を望みます――」
 和奏は遭遇した船員達へと声をかけて暫し待つ。しかし飛んできたのは返答ではなく銃弾。密閉空間で立ち往生するのは愚の骨頂だとして強行突破をはかった。
「退きなさい!」
 前傾姿勢で駆ける磨魅が炎纏うグニェーフソードで船員の長銃を弾き飛ばす。
「戦うのは無意味でしょう」
 フィーネは『蛇矛「張翼徳」』で船員達をまとめて払い、足下の開いた扉へと落としてしまう。飛空船が横倒しになっているせいで部屋の出入り口扉がまるで落とし穴のようになっていた。
 時には弐班の者達が侵入者だと気づかない船員とすれ違うこともある。
 船内に響き渡る伝声管での通達だと横倒しになった理由は不明とされていた。つまり現時点で弐班が侵入した事実は船長などの上層部には伝わっていない。ただいつまでもそうであるかの保証はどこにもなかった。
 本来ならば船を駆動させる宝珠もすべて破壊したいところだが、状況がそれを許してはくれない。そこで一番の要である竜骨の破壊をしようと弐班は船内を駆け巡った。
 横倒し故に本来なら簡単に通れるはずの通路がまるて縦坑のような状態になっている。弐班の面々は覚悟を決めて順に飛び降りた。
 足で両脇の壁を蹴って落下を調節しながら突起物を掻い潜る。その隙間数センチメートル。時間にして数秒の出来事であったが寿命が縮む思いをする。
 竜骨部分に到達する頃には存在が完全にばれていた。迫る船員達の隙間をすり抜け、または弾き飛ばして先に進む。そしてようやく竜骨が剥きだしになった空間へと辿り着く。
「ララド=メ・デリタでいきます」
 無防備な朽葉生を弐班の三名はしばし守る。出現した灰色の光球が竜骨の一部を消滅させた。何度か繰り返す間に虫食い状態となった。
「仕上げにこちらも使いましょう」
 フィーネは外套の裏側に竹筒に入れて運んできた火薬を竜骨に空いた穴の部分に仕掛けた。そして頃合いをはかって爆発させ、煙に紛れて脱出を図る。
 船底をぶち破るにはかなりの時間が要すると判断した弐班は甲板側へ。ようやく開放口へと辿り着いたものの地上までかなりの高さがあった。
 そこで朽葉生は眼下の大地にアイアンウォールで鉄の壁を出現させた。壁の天辺を足がかりにするのならば、地面へ降りるのは志体持ちにとって造作もない。
 弐班はまだ暗く騒がしい基地敷地内で脱出用の飛空船を探すのであった。

●壱班の戦い
 格納庫への突入に備えて小屋の裏側に身を隠した壱班の面々に遠くから轟音が届いた。
「あれは‥‥きっと弐班がなされたことなのでしょうね」
「だな」
 玲璃の呟きに興志王が頷く。壱班の位置からも滑走路上に横倒しとなった大型飛空船が垣間見えた。
「こちらも始めましょう。もう少し奥へと潜り込んだので案内できます」
 ライを先頭にして壱班は格納庫内への潜入を開始する。
 滑走路上の横倒し事故を確認しようとしてなのか格納庫内から警備兵が外へ姿を現していた。中には助けに向かう者達もいたが殆どは野次馬のようである。騒ぎに紛れて格納庫内に入るのは比較的簡単だった。
 壱班は格納庫内の支柱をよじ登って甲板へ到達。そこから内部へと侵入する経路を採った。遠回りのようだが設計図に描かれていた整備用通路を使えば各所を回るのに一番の近道だったからだ。
(「こんな朝早くから働いてる奴なんざいないと思ったんだが‥‥」)
 宝珠が設置されている機関室の前で興志王達は息を潜める。機関室は六室あったが、そのうちの四室で計七名が整備を行っていた。
(「任せてください」)
 エラトは『リュート「激情の炎」』を構えて鳴らす。奏でたのは『夜の子守唄』。念のために興志王達はエラトから離れていた。
 効果はすぐに発揮される。整備員七名全員次々と床に倒れて夢の世界へと旅立つ。寝ている間に手足を縛って一室へと閉じこめた。
「ヴォトカを撒き終わりました」
 玲璃の準備が終わると興志王が宝珠に向けて魔槍砲を構える。
「誰かがいっていたが、確かにもったいないんだよな。しかしまあ、こいつらをそのまま残してしまうと転用されてしまうからな」
 そう呟くと興志王はすべての宝珠を破壊し尽くす。ヴォトカに引火して各機関室で炎が燃え広がった。
 煙が立ちこめる中、玲璃とエラトは整備員二名を縛る縄を斬った。自由になった二名が他の整備員の縄をほどく間に壱班は移動を開始する。
「こちらからの方がより近いです」
 ライは仲間達が宝珠を破壊している間に忍眼を使って次の経路を確認し終えていた。
 飛空船のさらなる奥へと壱班は進んだ。火の手は解放した整備員達が応援を呼ぶことによって消されるかも知れず、確実に船を使い物にならなくするにはやはり竜骨の破壊が不可欠だったからだ。
(「ばれるのはもう時間の問題か。とはいえ火消ししようとたくさんの者が機関室に向かえば他が手薄になる。そうなればこちらも動きやすい」)
 興志王は梯子から最深部の廊下へと飛び降りると人影を発見する。即座に魔槍砲で閃光練弾を放つ。廊下の奥が激しく輝いて船員達を眩しさで撹乱した。
「先に行ってくれ! すぐに追いつく!」
 興志王は先に壱班の仲間達を奥へと進ませる。三名が辿り着いたのは竜骨が露出する細長い空間であった。
 エラトは竜骨付近にいた五名の船員を夜の子守唄で眠らせてから縛り上げた。
 玲璃はヴォトカで竜骨で濡らしてライが預けていった焙烙玉も仕掛ける。
 ライは重要な退却順路の確認だ。
「危ない!」
 玲璃は竜骨付近までやってきた興志王を狙う船員を精霊砲で狙い撃つ。
「助かったぜ」
 玲璃に礼をいった興志王は魔槍砲で竜骨を破壊。引火して炎が一瞬のうちに広がった。
 縛っていた整備員五名を解放した上で壱班は撤収を始める。
「こちらに!」
 壱班全員はライが用意しておいた縄梯子で廊下の天井裏へとあがる。そして煙に巻かれながらも四つん這いで狭い隙間をひたすらに進んだ。
 途中、上の壁を破って部屋へと出た後で玲璃が精霊の唄で仲間を治療する。騒ぎが大きくなっていたのでここからは強行突破しか残っていなかった。
 覚悟を決めて廊下へと飛び出し、襲ってくる船員達を排除しながら外を目指す。
「どうやら機関室すら鎮火できなかったようですね」
 乗降口から格納庫の床へと飛び降りたライが飛空船へと振り向いて呟く。
 あまりの煙に誰かが格納庫の扉を開いたせいで海風が吹き込み、消火が不可能ほど燃え広がっていた。あきらめた船員達が次々と飛びだしてくる。
 業火は大型飛空船の殆どを包み込む。やがて格納庫にも燃え移るのだった。

●脱出
「飛空船を奪うにもこれでは!」
「弐班は何処に!」
 興志王は閃光練弾、エラトは夜の子守唄で追っ手を食い止める。
 壱班は飛空船を盗む機会もなく基地の者達に狙われていた。グライダー相手は特に厄介である。
 朝焼けの中、突然周囲が暗くなって興志王は天を見上げた。低空飛行の中型飛空船に走る壱班が追いつかれた瞬間だった。
「あれは‥‥?! 興志王様、味方です」
 玲璃も最初は追っ手と思ったのだが飛空船の乗降口に磨魅を見つけて気づいた。この飛空船は弐班が奪取したものだと。
 中型飛空船は壱班の動きに合わせて低空飛行を続ける。
「早く登ってください!」
 ライが飛空船から垂らされた縄梯子にしがみついて重しとなった。おかげで縄梯子はそれなりに安定する。
 玲璃、エラトに続いて興志王も縄梯子を登る。ライは片手で縄梯子に掴まったまま手裏剣で地上の追っ手を威嚇し続けた。
「これ以上近づくと巻き込まれますよ」
 磨魅と反対側の乗降口に立った朽葉生は、迫るグライダーを威嚇するためにメテオストライクを空中で爆発させた。敵わないと感じたのかグライダーの編隊は飛空船から遠ざかる。
「よかったです。みなさん無事で」
 和奏が手を貸して壱班の全員を船内に引き込んでくれた。
「代わろうか?」
「お願いします」
 フィーネと興志王は操縦を交代する。いろいろとあったが大型飛空船二隻の破壊は成功した。
 朱藩の首都、安州に戻ってからわかるのだが他の大型飛空船破壊計画もすべて成功。狩須貝が所有していた大型飛空船五隻はすべて無力になるのであった。