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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 興志王が統べる朱藩。 再びの鎖国を勝手に宣言した『矢永』の領主に対し興志王は使者を送っていた。対外的にも同族が戦う事態は避けねばならないのだが説得は難関を極める。引き続き行われたものの、いつ解決するのか不透明な状況だ。 現在の状勢で避けなければならないのが矢永に同調する領地を出さない事であったが、すでに一つは興志王を狙う形で態度を顕わにしていた。 朱藩の首都、安州。 (「どうしたもんか‥‥」) 興志王は茶屋の団子を食いながら考える。 矢永の中心地『日坂』に攻め入るとすれば市井の者達に危険が及ぶ。領主『妙全』ならばもしかするとそれらの人々を盾とするかも知れなかった。 鎖国においての独占という甘美な世の中が忘れられない者にとっては、どのような手を使ってもあの頃に戻りたいのであろう。 「あっち! あちゃ!」 気にせず口に含んでしまった湯飲みの茶が熱くて興志王は思わず声をあげた。 「だ、大丈夫で御座いますか?」 「平気、平気だ。驚かせちまったな」 興志王は駆け寄る茶屋の看板娘に照れ笑いをして誤魔化す。 (「力で攻め落とすのは簡単‥‥。だがそれじゃあいけねぇな。アヤカシ相手の方が楽だぜ‥‥」) もう一皿、団子を看板娘に頼んだ興志王は再び考える。 飛空船を使っての空からの突撃には無理があった。日坂の城内にはすでに飛空船が多数配置されているし、空中巡回も行われているはずだ。日坂上空で戦ったのならば、地上にも甚大な被害が及んでしまうだろう。 悩んだ末、少数精鋭の突入しかないと興志王は決断する。 各自バラバラに矢永に潜入。そして事前に決めた時刻に作戦開始。 組は分けて東西南北の四方向から。狙うは領主『妙全』のみ。もちろん立ち向かってくる臣下も敵だ。 「その場で臨機応変‥‥しかねぇな」 興志王は団子を平らげると看板娘に勘定を済ませる。たまに忘れたときはツケにする場合もあるが、基本はいつも現金払いだ。 城へと帰り道、ふらりと安州・開拓者ギルドに立ち寄った。開拓者に手伝ってもらおうと募集を忘れない興志王であった。 |
■参加者一覧
紅鶸(ia0006)
22歳・男・サ
柊沢 霞澄(ia0067)
17歳・女・巫
守月・柳(ia0223)
21歳・男・志
和奏(ia8807)
17歳・男・志
セシル・ディフィール(ia9368)
20歳・女・陰
磨魅 キスリング(ia9596)
23歳・女・志
アレン・シュタイナー(ib0038)
20歳・男・騎
フィーネ・オレアリス(ib0409)
20歳・女・騎
ライ・ネック(ib5781)
27歳・女・シ
マハ シャンク(ib6351)
10歳・女・泰 |
■リプレイ本文 ●集合 夜明け前、朱藩に位置する矢永の中心地『日坂』。 数日前から町に潜伏していた開拓者十名は日坂の北側にある空き地へと集まる。今は日坂城を攻める合図となる夜明けを告げる鐘の音を待っていた。 「必ずお護りしますので離れないようにしてください」 和奏(ia8807)は人妖・光華と一緒に仲間達よりも一足先に出発する。 見かけられても怪しまれないよう、普段は和奏の肩程度の高さを飛んでいる人妖・光華に地面を歩くふりをしてもらう。 (「武力行使‥‥。こうなってしまっては、仕方の無い事、ですね」) 和奏と同じく徒歩で日坂城を目指したのがセシル・ディフィール(ia9368)だ。連れてきた炎龍・イグニィはもしもに備えて郊外の小屋に待機させていた。 駆鎧とも呼ばれるアーマーを所持するフィーネ・オレアリス(ib0409)も自らの足で先を急ぐ一人である。背負ったアーマーケースが目立つので広い通りは避けて裏路地を進んだ。 (「譲れない想いが戦にまで発展するとは哀しいことです。それでも、新しい未来を作るために力を尽くしましょう‥‥」) 領主『妙全』を必ず確保しようと心の中で誓うフィーネの足取りは自然と早くなってゆく。 フィーネとは違って最初からアーマーを装備した上で作戦に参加しようとしていたのが、アレン・シュタイナー(ib0038)と磨魅 キスリング(ia9596)の二名である。 「久々に、派手にいくさね」 アレン・シュタイナー(ib0038)は宝珠を解除してケースの中からアーマー・リーリエ・イェーガーを取り出すとさっそく搭乗する。足を備え付けのブーツに入れ、ヘルメットを装着し、手には専用のグローブをはめた。 「ギュンター、磨魅キスリング。準備完了!」 磨魅は一度アーマー・ギュンターを起動させ、関節部の動きを確かめてから休止モードに入る。少しでも長時間、稼働出来るようにと。 鐘の音はまもなく。アーマーを動かす為の騒音は覚悟の上であった。 龍を駆る開拓者六名は夜陰に紛れて郊外からこの空き地へとやってきていた。敵の監視にはまだばれていないはずである。 「気合を入れてかかるとしましょう!」 紅鶸(ia0006)は炎龍・大火の龍具を確認してから背中へと飛び乗る。瓶と油、布を使っての道具も万端だ。 「紅焔、一緒にがんばろうね‥」 柊沢 霞澄(ia0067)は炎龍・紅焔の頭を撫でてあげてから龍騎する。すると炎龍・紅焔は小さく啼いた。 「全ては興志王の意の侭に‥‥」 騎乗した守月・柳(ia0223)は炎龍・風花と自分を命綱で繋げた。激しい戦いを想定していたのである。 合図となる鐘の音が日坂の町に鳴り響く。それは朝日が地平線から顔を出す瞬間だ。 (「笛は‥‥ちゃんとあります」) 首にぶら下がる呼子笛を確認したライ・ネック(ib5781)は手綱をしならせて駿龍・アリスイを飛翔させる。高度をとると城からの砲術の的になってしまうので出来る限りの低空飛行が求められた。 (「ふん‥‥自分の領地の者さえ従えられぬとは‥‥底が知れる」) 駿龍・ピーで飛び立ったマハ シャンク(ib6351)には依頼主の朱藩の王、興志宗末に対して思うところがある。 開拓者による北からの進攻が始まった頃、東、西、南からも同様に城を目指す者達がいた。興志王は南の部隊を率いる。シノビの風歩も南隊に含まれる。 早朝の日坂に最初の銃声が鳴り響いたのはまもなくであった。 ●日坂城の攻略 南・西・東 早朝、東西南北の四方から攻撃された日坂城は混乱に陥る。 各方面から攻め入った者達の数はせいぜい野盗の集団程度の規模でしかない。しかし全員が志体持ち。一騎当千といっても大げさではなく、実質的にはそれぞれの方角から一軍によって攻撃されているといってよかった。 どの各方面が陽動で本隊はどれなのか。迷う日坂城側の護りに隙が生じる。 「砲撃の撃ち手を狙え!」 興志王が率いる南隊は砲術士による一斉砲撃を主とした。矢永の中心地、日坂もまた朱藩領内故に砲術士を多く抱えているので城からの攻撃方法もまた砲撃だ。 双方、砲術士の集まりとはいえ純然たる違いがある。使っている銃砲、命中精度に弾装填の早さ。特に数十メートル先の針の穴を通す精度は志体持ちの砲術士の真骨頂だ。 遠方の城塞壁に作られた銃眼の隙間に弾を潜らせて狙撃手に命中させるなど造作もない。大砲を撃つための櫓の上の敵については赤子の手を捻るのも同じだ。手際よく敵を排除しながら南軍は歩を進めた。 南隊と同じく西隊と東隊も砲術士を多く要していたが戦い方には違いがある。 西隊の一部砲術士達は龍騎して上空から射撃を遂行する。地上の仲間達と合わせての二面攻撃だ。その代わり、盾となる障害物がない状況故に空中の龍騎砲術士の護りはかなり無防備になってしまう。龍の回避に任せるのみだ。それまでして敢行するのは死角を無くす為。傷つきながらも妙全の配下を片づけてゆく。 東隊の戦い方も独特である。城堀の近くに林があるのを利用し、木々の枝葉や茂みに潜みながら狙いを敵砲術士に定めた。 派手さこそなかったが少しでも敵が身を晒せば銃撃によって殲滅する。敵の応援が駆けつけても瞬く間に無力化していった。 ●日坂城の攻略 北の開拓者 「この銃声、西方面に賊でも現れたか?」 「東からも聞こえ‥‥、それより何か近づいているような」 日坂城に架かる橋の門番兵達が周囲を見回す。 遠くから聞こえる銃声に紛れて激しい叩きつけるような響きが近づいていた。それが土を蹴る音だと気づくまでにはわずかに時間を要する。 薄暗い景色の中で門番兵達が目撃したのは二機のアーマー。 胸部装甲に図案化された盾とユリの花が描かれているのは、アレンが駆動させている黒色のアーマー・リーリエ・イェーガー。 もう一機は磨魅が扱うアーマー・ギュンターである。 怯みつつも門番達は所持していた長銃を構えた。 「これより介入行動に入りますわ!」 駆けるアーマー・磨魅。銃弾を浴びながらもクラッシュブレードで兵達を払う。兵達が堀へと落ちる度に水しぶきが舞い上がる。 「アーマーの装甲を舐めるなよ?」 アーマー・アレンもそのまま城へと架かる橋へと突入。門番兵との戦闘に入った。 門番兵達などアーマー二機にとって取るに足らない相手。しかしそのわずかな時間稼ぎの間に城庭側の門番兵達によって橋桁が外された。城庭側の約半分が堀へと落とされたのである。 橋の全てを落とす作業が門番達によって引き続き行われる中、四つの影が朝焼けの空に浮かび上がる。それは龍騎した紅鶸、柊沢霞澄、守月柳、ライの四名。さっそく超低空飛行を行う事で橋を落とす作業の邪魔をする。 半分が残された状況にアレンは賭けた。橋の端から城内までは約五メートル。十メートルすべてを飛び越える難度と比べれば、悩む理由などどこにもなかった。 アーマー・アレンは銃撃を浴びながらも土塊を抱えて橋の先端に盛り、さらにギガントシールドを置いて簡易なジャンプ台を作り上げる。 「さあ、飛んでみろよ!」 一旦下がってから助走をつけて城を目指すアーマー・アレン。わずかでも勢いがつけばとポジションリセットのオーラを噴出させて踏み出す。 堀の上を跳ぶアーマー・アレン。 右手が橋の支柱を掴んだ。落ちそうな体勢であったが、堀の壁にあった突起に左足を乗せてさらに跳ねて無事に到達する。 アーマー・磨魅もアレンを真似て跳ぶ。堀を越えて着地に成功するとさらに激しい戦闘が待っていた。 「我が名は磨魅キスリング。悪断つ義の刃なり!」 アーマー・磨魅は狙い撃ってくる敵砲術士をねじ伏せる為に城壁上部を目指す。上からの銃弾を浴びながら今にも壊れそうな階段を登った。 「武器を手に、攻撃をしてきたんだ。やる覚悟とやられる覚悟は出来てるんだろ? なら、死んでも恨みっこ無しだ」 アーマー・アレンは敵砲術士の隊列へと突っ込んで翻弄する。その際、弾避けの土塀を蹴散らしていった。 砲術による遠隔攻撃だけでなく中には刀や槍で迫る門番兵もいる。それらにも容赦なく鉄塊を喰らわせていったアレンである。 出来るだけ派手にと磨魅とアレンは立ち回った。 アーマー二機の無事を確認した紅鶸、柊沢霞澄、守月柳、ライの四名は龍を庭の片隅へと着陸させた。駿龍・ピーを駆るマハは遅れて合流する。 日坂城には脱出用の地下の隠し通路があるという噂が存在していた。事実だとすれば領主の妙全が天守閣にいるとは限らない。むしろ地下への隠し通路へと繋がるであろう一階周辺に待機している可能性が高かった。空からよりも地上からの日坂城突入を選択した開拓者達だ。 囮になってくれた仲間達のおかげで、和奏、セシル、フィーネの三名も無事に堀を渡りきる。飛龍の者達と合流を果たす。 開拓者達はそれぞれに自分の任務を全うすべく動き出した。一部の龍は主人に命じられた通り、郊外へと退くのだった。 ●激戦 北から突入した開拓者達に少し遅れて、興志王率いる南隊が堀を越えて城庭内に辿り着く。 龍騎砲術士の一部が南隊の興志王と合流したものの、東と西の両隊は堀を挟んで戦闘継続。結果的に堀を囲む敵を引きつける陽動の役目を担った。少人数ながら日坂城側を圧倒。志体持ちの優れた攻撃力の賜物なのは当然だが、日坂城側の志気が落ちているのも無関係ではないと思われた。城勤めの氏族であっても必ずしも領主の妙全と同意見ではないのだろう。 とはいえ本城の護りは物量にものをいわせて非常に厚いものだ。城庭内に踏み入れた興志王側の者達もなかなか進攻の機会を得られないでいた。 変化が起きたのは日坂城の東側から。わずかに残った日坂城側の兵達が東隊に降伏したのである。ここから日坂城側の心理的な瓦解が始まった。 (「妙全は何処に?」) 先陣を切ったのはアーマー・ロートリッターのフィーネだ。仲間の支援もあって無事にアーマーの起動を果たしたのである。ギガントシールドを構えて銃弾を避けながら城の内部に踏み込んだ。 フィーネに続いて仲間の開拓者達が突入する。 「退きなさい! 死にたくはないでしょう」 穂先が白く輝いた鎌槍で敵を斬りながら進む紅鶸。しかし命を奪う事は極力避ける。追いかけてこられないように足を狙い、時にはみぞうちなどの急所を叩いて気絶や昏倒で済ませる。 紅鶸は離れて戦っているアレンと磨魅に位置を知らせる為、そして視界を確保する為に火炎用の瓶を投げてまだ薄暗い朝方の景色を明るくする。敵側の混乱を煽る意味も含まれていた。 「守月柳‥推して参る‥‥!」 守月柳は炎龍・風花と共に城にへばりつくよう配置された飛空船に立ち向かう。外装に牙を立てて噛み砕く。空いた穴に火炎を吹き込んで内部から破壊する。 (「なるべくならば命まで取りたくないもの‥‥」) 迫り来る敵龍騎兵を察知した守月柳は弓を構えた。狙うは龍の眼。敵の戦闘力さえ奪えばよいと守月柳は立ち回る。 (「さて、臆病者だとすればどのように動く?」) マハは駿龍・ピーに騎乗した上で一歩退きながら、真夏の蚊のようにまとわりつく敵龍騎兵を拳で退ける。城の内部は仲間に任せてもしもの状況に備えていた。領主の妙全が庭から逃げようとしたのなら捕らえるつもりである。 「こちらに移動しましょう」 「はい‥‥」 和奏と柊沢霞澄は共に仲間達が行く手を切り開いた城の内部へと進んだ。 柊沢霞澄の炎龍・紅焔が吐く炎で迫り来る敵を圧倒。それでも退かない敵兵達を和奏は『刀「鬼神丸」』で倒しきる。 「精霊さん、皆さんの怪我を癒して‥‥」 「少しの我慢よ」 傷ついた仲間達を治すのが柊沢霞澄と人妖・光華の役目となる。屈強な志体持ちの開拓者とはいえ流れ弾に当たることもあり、これだけの戦場では無傷とはいかなかった。特に激しい戦いに身を投じた仲間には柊沢霞澄によって加護結界が施される。 「妙な感じがします。変です」 一階の捜索中、忍眼を使ったライが壁面の一部に違和感を持つ。セシルが壁の篝火用の鉄籠を触ってみたところ壁の一部がずれた。押すと中に隠し階段が現れる。 「とても怪しいですね‥‥。行ってみましょう」 セシルとライの二人は仲間に知らせる為に呼子笛を強く吹いてから階段を駆け上った。地下ではなく一旦二階へ移動。近くの壁内にまた隠し階段があって、こちらは下方へと続いていた。二段階の隠し通路の入り口になっていたのである。 「いませんね‥‥」 セシルは人魂で作った鼠の視覚を活用して二階に妙全がいないかを探る。妙全が残っていたのなら隠し通路の入り口部分を破壊するつもりでいたが、そうではないようだ。 呼子笛を聞きつけた仲間達が二階の隠し通路入り口部分に集まった。ちなみにフィーネはアーマーを解除済みである。 妙全はすでに隠し通路で逃げたとその場の一同が決断した時、臣下三名を引き連れた興志王が現れる。 「ん? この入り口は?」 銃砲を肩に担ぎながら興志王が覗き込んだ。 すぐに察した興志王は下へ続く階段を指差しながら告げた。もしも城に妙全が残っていたとすれば自分達が対処する。開拓者には逃げたかも知れない妙全の追跡を託すと。 開拓者七名は一斉に階段を駆け下りた。完全に閉鎖された一階部分を抜けてそのまま地下へと突入する。城内で手に入れた提灯で暗闇を照らしながら狭い空間の先を急いだ。 それからまもなくしてアーマーを解除した磨魅とアレンが興志王達と合流。敵兵達を降伏させながら隈無く城の上階を探したが妙全の姿は見つからなかった。 後は隠し通路内の開拓者達に期待するのみである。 「何かを叩いているような音が聞こえます」 ライの超越聴覚が味方以外の存在を耳で捉える。腰を屈めながら先を急ぐと遠くに灯りが見えた。 そこは隠し通路の突き当たり。妙全と配下数名が頭上の蓋を外して外へと出ようとしていた。 「装填中ですね‥。次は‥‥」 砲術による弾による攻撃が一旦止むと柊沢霞澄が精霊砲を放った。 「逃がしませんっ」 セシルは斬撃符を打ち、カマイタチを使役する。 攻撃を受けて負傷し怯んだ妙全配下の砲術士達目がけて前衛の開拓者達が斬り込む。 妙全が連れていた配下達は志体持ちであったが、戦い慣れた開拓者の敵ではながった。ある意味ではぬるま湯の世が続いた鎖国の弊害ともいえる。 妙全は配下を見捨てて半端に開いた蓋の隙間から地上へと這い上がった。 「ここさえ爆破すればまだまだ!」 妙全は自分が脱出した後で隠し通路の出口を爆破しようと考えていた。その為の炸薬を手にしていたのだが扱いを間違う。地下から這い出る為に開拓者が上へとはじき飛ばした蓋に驚いたからである。 這い上がってきた開拓者達へ投げる前に炸薬が爆発。巻き込まれて火炎の中で炭となった。 騒ぎを知ったマハが駿龍・ピーと共に合流する。 すでに日坂城は制圧されていた。興志王と一緒に駆けつけたアレンと磨魅も妙全の最後を見届けるのであった。 ●そして 後始末は臣下達に任せて興志王と開拓者達は安州へと戻る。 手配した物資が日坂を始めとした矢永の人々に届くのはすぐだと興志王は開拓者達に語った。本格的なてこ入れはこれからである。 「これで一つ片づいたな‥‥。助かったぜ」 興志王は開拓者が消費した品々を補充する。そして感謝の意味を込め、城でたっぷりと休養してもらってから依頼を終了させるのであった。 |