秘めたる何か〜儀弐王〜
マスター名:天田洋介
シナリオ形態: シリーズ
危険 :相棒
難易度: 普通
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/07/25 12:44



■オープニング本文

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 理穴の儀弐王が願った幼なじみである波路雪絵の失踪調査。消えたといわれる宿場町で開拓者達はいくつかの痕跡を発見する。
 特に鏃と矢羽根に関しては儀弐王の心を揺さぶった。非常に忠誠心の厚い理穴の有力氏族『綾記家』の特徴が見て取れたからだ。
 後日、儀弐王は開拓者達を連れて綾記家を来訪して調査。軟禁されていた雪絵と再会する。そして病に伏せていた当主の明全を問い質した。
 明全によれば雪絵が嫁ごうとしていた鶴時家には深遠な知恵を持つアヤカシが巣くっているらしい。真実を知るために間者を放ったものの全員が闇に葬られてしまい、確証は得られていなかった。
 鶴時家へ入る前に攫うしか雪絵を助ける術はなかったと明全は釈明する。
 明全の言葉を確かめるべく、儀弐王は開拓者達に鶴時家への急襲を依頼した。表向きは高価な黒茶碗の奪取。真の目的はアヤカシが本当に巣くっているかを確かめる為だ。
 結果、鶴時家当主の妻『梔』がアヤカシだと判明した。
 疑いから確固な状況に変化し、儀弐王は再三に渡って鶴時家次期当主『鶴時君義』に理穴の首都、奏生への上洛を命じる。
 謀反を起こすかと思われていたが君義は登城。儀弐王に無実の申し開きをし、そして婚姻がうやむやになってしまった波路雪絵との再会を果たす。
 その時、奏生の城を襲う二隻の飛空船。君義の救出と儀弐家に対する反旗を鶴時家が明白にした瞬間であった。
 そして君義は逃亡した。雪絵に謎の問いを残して。


(「雪絵が必要‥‥君義がそういっていたと‥‥」)
 流水で冷やされた羊羹を座敷で頂きながら儀弐王はこの間の出来事を考えていた。
 事もあろうに君義はこの理穴を正す手伝いとして波路雪絵に協力を求めた。おそらく登城の目的は雪絵に会う為。元より申し開きをするつもりはさらさらなかったに違いない。
 雪絵本人にも見当がつかない秘めたる何か。
 雪絵が隠している可能性もなきにしもあらずだが、儀弐王は信じていた。決して雪絵は自分を裏切らないと。
 儀弐王は爪楊枝の先をじっと見つめる。
 安全を考えて雪絵を綾記家には戻さずに今も城に残していた。その雪絵だが精神的にかなり参っている様子が窺える。先程も一緒にこの羊羹を食べようと雪絵を誘ったのだが遠慮されてしまう。
 儀弐王はその時も今も表情を変えたりはしなかった。心に沸き上がる鶴時家への憎悪を隠す為に。
 とにかく急いで暴かなくてはならないのが雪絵にまつわる秘めたる何かの正体だ。
 儀弐王はその役目をこれまで期待に応えてくれた開拓者に任せる事にした。配下の者を奏生内の開拓者ギルドに向かわせたばかりである。
「惹かれた相手が私に反目する者でしたか‥‥」
 降り出した庭の雨を眺めながら雪絵を心配する儀弐王であった。


■参加者一覧
剣桜花(ia1851
18歳・女・泰
ルオウ(ia2445
14歳・男・サ
神鷹 弦一郎(ia5349
24歳・男・弓
設楽 万理(ia5443
22歳・女・弓
只木 岑(ia6834
19歳・男・弓
井伊 沙貴恵(ia8425
24歳・女・サ
ルエラ・ファールバルト(ia9645
20歳・女・志
パラーリア・ゲラー(ia9712
18歳・女・弓
ジークリンデ(ib0258
20歳・女・魔
琉宇(ib1119
12歳・男・吟


■リプレイ本文

●初日
 開拓者十名は精霊門を利用して神楽の都から理穴の首都、奏生へと移動した。そして儀弐王の城へと出向いて朝を迎える。
「多岐にわたる調査、苦労をかけますね」
 儀弐王との面会時に各自の行動予定が伝えられた。
 波路家の領内に向かうのは剣桜花(ia1851)、神鷹 弦一郎(ia5349)、設楽 万理(ia5443)、パラーリア・ゲラー(ia9712)の四名。
 安州に残るのはルオウ(ia2445)、只木 岑(ia6834)、井伊 沙貴恵(ia8425)、ルエラ・ファールバルト(ia9645)、ジークリンデ(ib0258)、琉宇(ib1119)の六名。
 準備の為に波路家へ向かう開拓者も一日目は奏生に留まった。その間に儀弐王や雪絵から情報を得ようとする。
 剣桜花はジークリンデに氷霊結で手を貸し、雪絵を持て成すためのアイスティを用意した。その他に小麦粉を練って焼いたジルベリア風のお茶菓子もある。
「失礼かとは存じますが調査する許可が頂ければ幸いです」
「構いませんがどれも普通の物と思いますよ」
 深々と頭を下げた剣桜花は雪絵本人と持ち物検査の許可を得た。術視が使える巫女の力を借りてざっと調べてみたもののどれも普通の物だった。それに特殊な条件下で浮かび上がる可能性は否定しきれないが、雪絵の身体には入れ墨などはなかった。
「宜しければ冷えた茶など如何でしょうか。菓子も用意いたしました‥」
「頂きます」
 後で剣桜花は儀弐王の元にアイスティとお茶菓子を差し入れる。今は雪絵の事に触れずにそっと立ち去った。
 次に雪絵の部屋を訪れたのはパラーリアだ。
「雪絵お姉さんのお母さんは何処の出身なのかな?」
「母は元々、波路家の者です。儀弐の遠縁にあたる家柄で――」
 パラーリアは指を折って数えながら波路の血族についてを雪絵に訊ねた。
 父の名は友平。母の名は氷魅。どちらも息災である。友平は波路家に婿として入ったようだ。
 縁起担ぎは理穴の風習に乗っ取ったもの以外には特にない。そして波路家の伝承について雪絵はほとんど知らなかった。
(「なんでだろう〜?」)
 パラーリアは天井を見上げながら不思議に思う。いくら格式張った家柄といっても御先祖の逸話や子守歌、おとぎ話を聞かされていてもおかしくはない。というよりある方が普通である。
 波路家の人達はそのような話を避けてきたのではとパラーリアは考えるのだった。
 夕食後、神鷹と設楽万理は雪絵の元に顔を出す。明日の出立は早いので挨拶を済ませておく為だ。
「こちらは街を散策した途中で手に入れた西瓜です。よろしければ」
「これはよいものを」
 神鷹は毒味として雪絵に選んでもらってから半月状の西瓜の一つを口に運んでから並ぶ他を勧める。儀弐王から雪絵の食欲があまりないと聞いていたのでせめてもの気遣いである。
「実家におじゃまさせて頂きます。つきましては家に残されているであろう雪絵さんの持ち物を見学させてもらうつもりです」
「すでに連絡は伝わっています。気兼ねなくお調べ下さいませ」
 設楽万理は波路家当主の人となりを少しだけ訊ねておいた。雪絵の父である友平が現地での交渉相手になるであろうと。
 雪絵の話によれば厳格な父親のようであった。

●ルオウ
 二日目の夜明け頃。開拓者六名は仲間達が乗る飛空船を見送った後で各自行動を開始した。
「この目刺し、美味めーな」
「男子はたくさん食べてこそ。こちらにお代わりを差し上げて」
 話しを聞こうと儀弐王を訪ねたルオウだが、食事のご相伴を預かる事となる。満腹になり思わずそのまま帰ろうとしたところで本来の用件を思いだす。
「あの、雪絵って人の事とか、君義って人の事とか、新しく思いだした事とかねーかな」
 ルオウはこれまでの経緯を知る意味も込めて儀弐王に質問をした。会ってまだ日が浅い自分と話すうちに思いだす物事もあるだろうと。
「そういわれましても‥‥」
 儀弐王は長く考え込んだ。
 眠気にぐらぐらとルオウが身体を回し始めた頃、ようやく儀弐王の口を開く。
「そういえば雪絵は子供の頃、遠出をした覚えがないといっていました。私と暮らした事のある奏生を除いてですが。ご存じの通り理穴の東側は魔の森に浸食されようとしている地域。両親が娘の安全を考えてだとそれを知ったときは思いましたが‥‥」
「雪絵ってあまり出かけた事がないのか‥‥」
 ルオウは儀弐王の言葉を心に留める。
「あのさ。こうやって話していると俺にだって儀弐王の雪絵を思う気持ちが伝わってくるし‥‥なんというか相手だってそこまで思われる人なんだろうし元気になったらきっと元通りになるよ」
 ルオウは素直な感想を言葉にすると儀弐王の部屋を出てゆくのだった。

●只木岑と井伊沙貴恵
「自国のことなのに、知らない事が多いなぁ」
 たくさんの書物と格闘していた只木岑がふとした瞬間に呟く。
 彼が籠もっていたのは城内の書庫。雪絵の秘密にたどり着けそうな文献をあたる為である。
 但し、すべての書物が解放された訳ではなかった。一般に知られてはいけない秘密というものが国家には多かれ少なかれ存在する。理穴も例外ではない。とはいえ波路家に関する書物については出来る限り閲覧できるように配慮がなされていた。
「理穴守護の一族‥‥。なのにここ百何十年かは特に優れた武力を有していたわけではなく、歴代の志体持ちも数少ない」
 波路家に対する同様の評価が各方面の書物から窺えるものの、具体性に欠けた表現ばかりであった。中には墨で塗りつぶされて判読不可能な文字もある。頁ごと切り取られた書物もかなりあった。
(「きっかけになればいいのですが」)
 隠されているこそ真実に辿り着く道があるに違いないと只木岑は調べに没頭する。そして沙貴恵も時折書庫に顔を出しては只木岑と共に資料を漁っていた。
「知られたくはない、または知らせたくはない何かがあって書物の検閲がされたようです。何かしらの利害関係が影響したのでしょうね」
「そうだと思います。削除は念入りに行われていて、どこにも残っていないようです。君義が理穴を正すといっていた事と関係があるのでしょうか? 血統? 力? 思い?」
 二人の間で交わされる会話の殆どは封印された波路家の秘密についてである。
「それと、これは個人的な考えで特に根拠を示せるわけでもないのですが‥‥アヤカシと君義氏とでは方向性は同じでも、目指すところは違うのではないかと思っています」
 自ら立てた仮説を軸に沙貴恵は調査を続行する。しかし行き詰まり、儀弐王に相談してみる事にした。
「波路家の過去に対して検閲がなされていたとは私も知りませんでした」
 事情を知った儀弐王は自分を含めて極少数しか入室が許されない書庫の奥を調べてくれる。只木岑と沙貴恵はひたすら待って二刻が過ぎ去った。
 蝋燭立てを手にして奥から出てきた儀弐王はあまり浮かない顔をしていた。
「奥の資料でも波路家に対する内容が削除されています。わかったことはただ一つ。先々代か、さらに一つ前の理穴王の指示によって行われたようです。約百年程前の出来事らしいとしか――」
 親友の雪絵に関する事なのに、これまで知らなかったのを儀弐王は悔しがるのだった。

●ルエラ・ファールバルトとジークリンデ
「みなさんには苦労をかけますね」
「気になさらないで下さい」
 城にある湯殿でルエラは雪絵の背中を流す。当初はいろいろな行動を考えていたルエラだったが多くは仲間に任せて雪絵の身辺警護に徹する事にした。
 同じく雪絵の警護を務めていたのはジークリンデだ。
「これは‥‥?」
「ジルベリアのお召し物です」
 風呂からあがったばかりの雪絵にジークリンデは気分転換にとドレスを勧めた。
 慣れない格好で恥ずかしいので自室だけならという約束で雪絵はドレスを身に纏う。
 食事の際にはルエラが毒味役を買って出てくれた。城内であっても油断は禁物だと。
(「アヤカシが絡んでいるので油断は特に禁物です」)
 一時的にジークリンデに雪絵を任して天井裏の確認も怠らなかったルエラだ。とはいえ賊の侵入対策に天井裏にもちゃんと番人は存在していたので、それらの者達との連携を図る。
「儀弐王様と幼なじみだとお聞きしています」
「ええ。かなり長い間を一緒に過ごさせて頂きました。あの頃は楽しかった‥‥」
 余裕が出来たところでジークリンデは雪絵にいろいろと伺ってみる。とはいえこれといった情報はなかった。
 有力氏族の娘故に堅苦しい空気に包まれていたが総じて波風のない生き方をしていたようだ。君義との婚儀が決まるまでは。
 雪絵は遠出をした事がないというルオウの言葉を思いだして質問に加えてみる。確かにその通りで特に理穴の東側には行った覚えがないという。
 波路家の歴史については只木岑と沙貴恵が調べた以上の記述は見つからなかった。わかったのは封印された歴史があるという謎の存在だけ。
 儀弐家よりも正統性があると思われる王家についての記述は城の資料に欠片もない。
 雪絵はしばしジークリンデとルエラのおかげで安らいだ時間を過ごすのだった。

●琉宇
 儀弐王との面会の機会を得た琉宇は、まず詩を聞いてもらった。

「♪その人は姿を消して
  誰の目からも見えなくなった
  皆はその人を捜そうと注視した

  その人は姿を現した
  皆はその人をやはり注視した

  何故に姿を消したのだろう
  必要という言葉の意味は何だろう
  皆はその人を注視したけれども
  誰の目からも見えなかった♪」

「なぜって、皆の目にはその人しか映らなかったんだもの」
「難しいですね」
 唄い終わった琉宇はもう一度、儀弐王に問いかけた。
 一連の出来事をなぞった時に誰が得をして誰が損をしたのだろうと。また今後、誰が特をして損をするのだろうと。
 場合によっては『雪絵がきっかけで起こる何か』が君義やアヤカシの目的ではなく、他に利得がある可能性を琉宇は提起する。
 戻ってきた雪絵の存在も含めて。

●波路家
 奏生を飛空船で出立した当日に開拓者四名は波路家の領内へと辿り着いた。
 事前の連絡は届いており四人は波路家の屋敷内へ入れてもらう。鏡弦で調べた限り、アヤカシの気配は感じられなかった。
「娘の雪絵を救って頂いたと聞いております」
 着いた早々、波路家当主の友平が部屋を訪れて深く頭を下げる。雪絵の母である氷魅も一緒に。
 友平は娘を自らの手で救えなかった事を恥じていた。事件が起きたのは他の領地。表だった行動は慎まなくてはならず、儀弐王に委ねるしかなかったのである。
 雪絵の両親はこれまでの大まかな経緯をすべて把握していた。鶴時家の梔がアヤカシであるのも。
 本格的な調査は翌日からとなった。

●設楽万理
 設楽万理は改めて友平と氷魅に面会した。
「立ち入った事をお聞きしますが、重音様にも関わる事なのでご容赦を」
 設楽万理の質問に友平は答えてくれる。
 婚姻は君義が奏生で雪絵を見初めたのが切っ掛けだという。嫁入り道具は極普通のものであったらしい。能力が秘められていたかどうかは定かではない。
 友平は先日まで君義の事を好青年だと感じていた。そして雪絵の拐かしが起きてからこれまでの間に奇怪な出来事や不審な動きは身の回りに起こっていない。
 波路家の伝承については特にないと友平は返答した。しかしこの時、波路家の記録が様々な書物から消されていた事実をこの屋敷にいる開拓者達は知らなかった。
「雪絵さんに何か変わった力が備わっていたとかはありませんか?」
 設楽万理の前で友平は首を横に振る。氷魅は押し黙ったまま、何も語ろうとはしない。
 その後、許可を得た上で雪絵が使っていた部屋を調べさせてもらう。
「鶴時君義め、アヤカシにどうにかされてるのかなんだか知らないけれど重音様に明確な叛意ありとは。うわっ!」
 倒れてきた棚の下敷きになった設楽万理は腕の力だけで這い出す。もう一踏ん張りと調査を再開するのであった。

●パラーリア
(「氷魅さんを知ってる人をさがすにゃ」)
 パラーリアは氷魅からいくらかの話を聞いたが、雪絵に教えてもらった以上の事はわからなかった。そこで氷魅本人からではなく周囲の者から探る。
 秘密があるとすれば本人の口を割らせるのは容易ではないからだ。とはいえ波路家の者達の口も堅くて深いところまでは誰も話してくれなかった。
(「アヤカシさんは雪絵さんの秘密を知っていて、それで雪絵さんと君義さんとの婚姻とかも画策したのかも〜」)
 仮説を立てたパラーリアは波路家に詳しそうな年輩者を町中で探す。
「友平殿だけでなく、あの家はずっとじゃ」
 一人の翁が話してくれる。
 波路家は何代にも渡る女系家族であり、血筋は氷魅から雪絵へと繋がっている。特にその部分が引っかかるパラーリアだ。
 氷魅が何かを隠しているとの結論に達したパラーリアだが、真実を引き出せる証拠を得るまでには至らなかった。

●神鷹弦一郎
「とにかく、集められるだけ集めるか‥‥後で選り分けが大変そうだが」
 神鷹が注力したのは波路家に保管されている文献調査だ。書庫に閉じこもって手当たり次第に当たってみるものの、どれも大した事は書いていない。
 それでも調べてゆくうちに一つの事がわかる。約百年前から先の資料は皆無といってよかった。後に奏生の城で波路家に関する記述検閲の事実を知る神鷹だが、この時は知る由もない。
 パラーリアと同じように屋敷の者や町の人々にも聞いて回ったが、決定的な情報は得られなかった。
 わかったのは波路家が治める土地の民にとても慕われていた事。悪口をいう者は極々少数だ。それも理不尽なもので取るに足らない。
「理穴を覆うとしている魔の森の存在を感じさせない土地だな」
 ふと呟いた自分の言葉に何かが隠れているような気がした神鷹だった。

●剣桜花
「陛下にGを布教したいといったら、乗り気ではなかったような‥‥。まあ、これからこれから」
 奏生で儀弐王としたやり取りを思いだしながら剣桜花は調査を開始した。
 調べたのはアヤカシにまつわる周囲の土地の異変についてだ。早々に屋敷の者に聞くのはあきらめて剣桜花は町へと繰り出す。
 よい情報が得られずに消沈してしまう剣桜花だが、ようやく伝承を含んだ古い童歌を耳にする機会を得た。
 それは昔、この地に瘴気が満ちて魔の森が現れたという。だが瘴気を消し去った者がいて平和が戻ったというものだ。
 残念ながら童歌を口ずさんでいた若い母親は、亡くなった祖母から教えてもらっただけで深い意味を知らなかった。

●そして
 依頼開始から約一週間後、開拓者達は再び奏生の城で集う。
 知り得た情報を儀弐王も含めて共有したところで今回の依頼は終了した。
 雪絵、または雪絵の周囲に潜む謎とは何か。もう一歩のところまで迫っていた開拓者達であった。