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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 武天山岳部にある寺。寒空の下、綾姫は父である巨勢宗禅と共に墓の前にいた。 埋葬されたのは鳥島シノビの首魁の女。 幽閉中、何も食せず首魁の女はずっと儀弐家への呪詛を呟きながら死んでしまう。 綾姫から世話係に決して殺してはならぬとの厳命が下されていたのだが、実質的な自殺といってよかった。彼女にとって綾姫に生かされている状況は耐え難い屈辱だったのだろう。 「生き方はそれぞれということかのう‥‥」 綾姫が呟く。 本当に彼女が理穴・鳥島一族の末裔であったのかは最後までわからなかった。ただお守りの宝珠の対を所持していたのは事実だ。元々彼女が持っていた宝珠を墓の中へと一緒に埋めてあげた綾姫である。 巨勢王がすべてを知ったのは首魁の女が死んだ後のこと。綾姫が直接話した。 綾姫を巨勢王は激しく叱ったものの、それだけですべては不問にされる。娘の気持ちもよくわかったからだ。自らの命を狙われた上に亡くなった母親の紅楓を激しく侮辱された気持ちだったに違いない。 それに巨勢王が考えるところの正義とも一致する。ある意味では父として喜ばしく感じていた。 奏生内で騒動が勃発したものの、理穴の儀弐王からこの件についての問い合わせはきていなかった。儀弐王が知ってても、知らないふりをしていたとしても、借りの一つとして数えておく巨勢王だ。 巨勢親子はその日のうちに飛空船で此隅の城へと戻る。 (「うむ‥‥どうしたものか」) 数日が過ぎても落ち込んでいる様子の綾姫を見て巨勢王は思いついた。 もうすぐ綾姫の誕生日。もちろん毎年何かしらの催しはしているのだが、今年はジルベリア風のお菓子を並べて祝ってやろうと。 綾姫が好きな苺は春が旬。しかし城に納入している旅泰に調べさせて泰国南部の地方で栽培されているものを特別手配する。聞くところによれば苺を乗せた生クリームのジルベリア菓子はとてもうまいらしい。酒好きな巨勢王だが甘いものもいける口だ。 懇意の開拓者も呼んでこぢんまりと行うつもりである。 (「ここは直前まで綾姫には秘密にしておこうぞ」) こっそりと準備を開始した巨勢王であった。 |
■参加者一覧
雪ノ下・悪食丸(ia0074)
16歳・男・サ
柚乃(ia0638)
17歳・女・巫
水波(ia1360)
18歳・女・巫
鈴木 透子(ia5664)
13歳・女・陰
西中島 導仁(ia9595)
25歳・男・サ
宿奈 芳純(ia9695)
25歳・男・陰
将門(ib1770)
25歳・男・サ
ライ・ネック(ib5781)
27歳・女・シ |
■リプレイ本文 ●内緒 武天の都、此隅。登城した開拓者八名は巨勢王に続いて綾姫へと目通りする。 「父様に呼ばれてご苦労じゃ」 「綾姫様、この悪食丸。お相手を務めさせていただきます」 雪ノ下・悪食丸(ia0074)はしばらく滞在する表向きの旨を説明した。これまでの労いとして巨勢王に呼ばれたのだと。 堅苦しい話は早めに切り上げて肩の力を抜いても構わない小部屋へと移動する。 「それは何なのじゃ? ‥‥!」 綾姫が柚乃(ia0638)の襟元をまじまじと眺めた後で一歩退き驚いた。柚乃の首に巻かれていたのは管狐の伊邪那である。 『寒い季節になったわよね。‥てことでここがあたしの所定位置』 くるまる管狐の伊邪那が埋めていた顔をあげて綾姫に話しかける。 「ちゃんとご挨拶しないとね‥」 「かわいいやつよのう〜」 柚乃はあらためて管狐の伊邪那に綾姫へと挨拶をさせる。 綾姫としばらく過ごすのは主に雪ノ下、柚乃、水波(ia1360)の三名。その他の開拓者は誕生日会の準備と事前の用事を済ませるために奔走する予定だ。三名が綾姫の気を誕生日会から逸らしている間に他の者達が事を運ぼうといった作戦である。 西中島 導仁(ia9595)、宿奈 芳純(ia9695)、将門(ib1770)、ライ・ネック(ib5781)の四名は料理の相談をするために厨房へと向かう。 鈴木 透子(ia5664)は別件を先に済ませるために城を離れるのだった。 ●料理の相談 厨房を訪れた開拓者四名は料理長に挨拶する。料理長の他に六名の担当も話し合いの場に現れてくれた。綾姫が外食をする際、どのようなのかを知りたがっていたからである。 「あの小柄な身体で大人の一人前をペロリと平らげるところを何度も見ている。そういえば苺だけでなく葡萄もお気に入りのようだ」 「武天のお姫様だけあってお肉はとてもお好きなようだ。若い牛の肉がとても美味しかったといつかいっていたな‥‥」 将門と西中島の話を料理人達は熱心に耳をそばだてる。どうやら城での綾姫とは違うようだ。 「甘いものの中でも特に樹糖をご贔屓な様子です。理穴の奏生で樹糖入りの饅頭を名残惜しくたらふく食べていたのを覚えています」 ライも綾姫と一緒に食べた思い出を語った。 話しついでに将門は葡萄を探すことにする。若牛の肉については西中島。樹糖はライの担当だ。 「私は『白菜と鶏肉の巻き煮込み卵とじ』を用意するつもりです。胃腸にやさしい料理ですので甘いものをたくさん食べたときにも安心出来ます」 宿奈芳純は綾姫を持てなすための料理を自ら作るつもりでいた。厨房の一角を貸してもらう約束をとりつける。 目的の品を手に入れるべく四名はそれぞれに城下へと繰り出した。 「泰国で苺が栽培されているのなら葡萄があってもおかしくはないな」 将門は旅泰を探しては葡萄がないかと訊ね回る。『葡萄酒ならアルヨ』といった言葉に首を横に振って二十一回。疲れ果てながら二十二回目を振ろうかとした時に『葡萄アルヨ』の返事があった。 「まずくはないな。それにちゃんと甘い」 葡萄の良し悪しはわからない将門だが少なくともちゃんと食べられる。将門は支払いに色をつけて購入する。綾姫にばれないよう自らこっそりと城に持ち込むつもりであった。 (「こっちのはよさそうだが――」) 将門は誕生日の贈り物として本を物色する。新刊本も扱う古本屋でようやく探し当てた。それと合わせて赤いリボンも買い求めるのだった。 西中島は若牛を求めて郊外までさまよい歩いていた。肉食が盛んな武天とはいえ基本は狩りで得る獣肉。牛は労働力として使われることが多いので肉として一般には流通しにくい。 「ここならあるかもな」 西中島は鉱山の荷運び用として牛を扱う業者の元を訪ねた。そしてつい数時間前、落盤に巻き込まれて死んだばかりの若牛の存在を知る。 「俺としては運がよかったのだが‥‥」 業者も食用にするつもりで血抜きなどの処理はすべて終わっていた。西中島が対面したのはすでに巨大な肉の塊。 (「どんなに言葉を飾ろうと生きるとは他の命を自らに取り込むこと他ならん‥‥。せめて綾姫の血肉となってくれ」) 西中島は供養を捧げてから業者と値段交渉する。とはいってもほとんど相手の言い値で買い取った。 ライはその頃、樹糖を求めて此隅中を駆け巡っていた。 「ありませんね‥‥」 ライは額にかいた汗を拭う。正確にいえば樹糖を売っている場には何度も遭遇している。問題なのは樹糖の質だ。 樹糖は砂糖楓の樹液を百分の一程度まで濃縮して作られるもの。しかし煮詰め具合が足りなくて味が薄いのを誤魔化すために蜂蜜混じりのまがい物がかなり出回っていた。 また樹糖は通常三月から四月の特定の間に採取される。十二月の今は時期的にどうしても樹糖の在庫が少なくなりやすい。それが入手の難しさに拍車をかけていた。 「少し分けては頂けませんか?」 理穴・奏生の本店から暖簾分けされた菓子店でようやく樹糖を手に入れる。ケーキの甘みに使ってもらおうと壺を抱えて急いで城へと戻るライであった。 宿奈芳純は料理長に頼まれた品を購入すべく此隅を大通りを歩く。 基本的な食材はすべて御用商人が納入しているので必要はない。宿奈芳純が必要な白菜や鶏の肉類もすでに取り揃えられている。たまにしか使わない食材や香辛料が紙には書き記されていた。 「普通のお店で売っているのは、こちらのものばかりですね」 特に宿奈芳純が探したのは塩。鉱山掘削が盛んな土地だけあって武天で塩といえば普通岩塩を指す。しかし料理長が求めていたのは朱藩海域の千代ヶ原諸島で採れた海塩だ。城にも普段は在庫がある。しかし岩塩の在庫と見間違えて切らしてしまったらしい。 稀に海塩が売っていても武天西の海岸で採れたものばかり。 「美味しいですね。何か秘訣‥‥いえ、それはお店の宝ですから教えて頂けるはずもありませんね。失礼しました」 「誉めて頂いたんで一つだけ。実は塩が特別なんですよ」 宿奈芳純は立ち寄った拉麺の屋台で偶然に欲しかった塩に遭遇する。頼み込んでいくらかを譲ってもらうのだった。 ●首魁の女 鈴木透子が足を運んだ先は首魁の女が幽閉されていた施設。巨勢王が所有する城外の屋敷地下に造られた秘密の空間であった。 事前に連絡を受けた管理の者が鈴木透子を案内してくれた。 「こちらの地下牢で亡くなったですね」 蝋燭の灯りのみで照らされた石造りの空間は非常に寒かった。身体だけでなく心をも凍らせるような、そんな気がした鈴木透子だ。 「まだ迷っておられるなら、お運びします」 鈴木透子は地下牢の中心で片膝を床につけて掌で触れる。そして瘴気回収の真言を唱えた。しばらくして立ち上がり、鉄扉を潜って廊下へと出ようとした時に振り返る。 「暗いところでは、気持ちは沈み、姿も歪みます。明るい所に行きましょう」 そう呟いてから鈴木透子は地下牢を後にした。 続いて墓でも同じようにする。やがて日が暮れてから式を打って夜光虫を夜空へと放つ。漂う蛍光を鈴木透子は見上げ続けるのだった。 ●綾姫には内緒 綾姫に誕生日会の準備を悟られぬよう雪ノ下、柚乃、水波の三名は供をして気を逸らしていた。 「ではしばらくおつき合い頂きます」 水波は綾姫へとお辞儀をしてから広い庭で舞を踊り始める。 それは御霊を鎮める舞。 首領の女が亡くなったことについて綾姫が気にしているのではないかと考えた水波の心遣いだ。巫女の祈りの言葉も綾姫に教える。 城の天守閣で城下を眺めながらお弁当を一緒に食べる機会も得た。 「わらわは猫が好きなのじゃが父様はあまりお好きではないようなのじゃ。それで飼うのはやめておるのじゃ」 「それは残念ですね」 水波は綾姫の好きな動物が猫だと知る。 雪ノ下が熱心に綾姫に指南したのが龍騎の仕方である。 「姫様、龍にはちょうどよい速さというのが御座います」 「速すぎても遅すぎてもよくないということじゃな」 一緒に此隅の空を飛びながら指導行う。休憩の際、綾姫が興味を持つ物をそれとなく聞き出す。 「俺も綾姫と飛びたかったところだ」 「買い物に行かせてもらいます。すぐに戻ってきますので」 少しの間、西中島に龍の騎乗練習を任せて雪ノ下は城下へと足を運ぶ。おかげで綾姫への贈り物を手に入れられるのだった。 「此隅でオススメの甘味って何かな? よかったら食べにいかない?」 「美味しいお汁粉の店を知っているのじゃ♪」 柚乃は綾姫を誘って城下の甘味茶屋へと出かける。雪ノ下、水波も一緒である。 「中のお餅が美味しいのう〜。餅といえば正月♪ 正月といえばその前に何か‥‥」 「あ、綾姫ちゃん、クリスマスって知っているかなっ?」 綾姫が誕生日を思い出さないように柚乃は話をそらす。水波と雪ノ下も話しを合わせてくれて事なきを得た。 このままでばれてしまうと考えた柚乃は城に戻ると、厨房の出入り口近くに綾姫が苦手な青野菜の木箱を積んでおいた。もちろん料理長の許可を得てだ。 「これできっと引き返すよねっ‥」 柚乃は首もとの管狐の伊邪那に話しかけながら右の拳を小さく握るのであった。 ●誕生会 そして三日目。 綾姫を驚かすために昨晩は柚乃と水波が少しだけ夜更かしを促した。 仕上げは夜明け前から大忙しで行われる。 ちなみに雪ノ下は綾姫が早めに起きてきてしまっても引き留める役目を背負って廊下で待機していた。 料理の準備、贈り物も万端となったところで侍女の紀江が綾姫を起こす。 「なんだか派手な着物じゃのう〜」 普段よりも艶やかな服を纏った綾姫は欠伸を堪えながら朝食の部屋へと至る渡り廊下を歩んだ。護衛として雪ノ下も同行する。 「今日はこちらの部屋で御座います」 いつもとは違う部屋の前で立ち止まり、紀江が襖障子を開けた。 「おぉ!」 綾姫は一歩踏み出してから固まる。 「綾姫よ。九歳の誕生日、おめでとう。よくぞここまで育ったものだ」 巨勢王の言葉に続いて一同が胡座の姿勢で頭を垂れて祝いの言葉を述べた。 この辺りは天儀様式である。食事については隣室の板間に卓をおいてのジルベリア様式だ。今回用意された料理はお膳で頂くのが難しかったからである。 挨拶はそこそこにして祝いの品が次々と贈られた。 巨勢王は百に及ぶ反物。臣下達も趣向を凝らした品を綾姫に贈る。 続いて開拓者達の番となった。 「内緒にしていたこと、お許し下さいませ姫様。これは悪食丸からのお祝いの品です」 「これは‥‥綺麗な紅色の簪じゃな。これからつけさせてもらうぞ。ありがとうなのじゃ♪」 雪ノ下が贈った品をさっそく髪に刺す綾姫だ。くるりと回ってどうじゃと訊ねると雪ノ下はよくお似合いですとお辞儀をした。 「これは柚乃からです‥。巨勢王様の分もあります‥」 「これは可愛い根付けじゃの〜♪ のう父様」 柚乃からの贈り物は手のひらに乗るお守り人形。贈る相手を象って『綾姫ちま』と『巨勢王ちま』である。さっそく親子揃って腰にぶら下げてくれた。仲良く二つのちま人形が揺れる様を見て柚乃は微笑むのだった。 「私からはこちらを」 「これはジルベリア風のものじゃな。このフリフリがとてもかわいい感じじゃの♪」 水波が贈ったのはエプロンドレス。さらに似合いそうな真っ赤なリボンも一緒に。後で着方を教えて欲しいと水波に耳打ちする綾姫である。 「あの女性の葬儀は済ませておきました。それとは別にこちらがあたしのプレゼントになります」 「これは変わったものじゃのう? この絵はもふらなのじゃな?」 鈴木透子はモフラテスのお守りを綾姫に贈る。その場で腰につけて綾姫はとても喜んでくれた。 「綾姫様、巨勢王様、御家中の皆様、御国の皆様の一年、未来が幸多いものでありますことを、心よりお祈り申し上げます」 「ありがとうぞ。わらわは嬉しいのじゃ。飴は後で頂くのじゃ♪」 宿奈芳純は綾姫に甘刀「正飴」と魔よけのお札を贈る。巨勢王にもハリセン「笑神」を進呈した。 「ジルベリアで肉料理を頂くときにはこちらを使うと聞いた。使ってくれ」 「ありがとうなのじゃ♪」 西中島はジルベリアで食事に使う銀製のナイフとフォークを綾姫へと贈る。 「おめでとう! これから一年、綾姫に幸多い事を祈っているぜ。これは泰国昔話の本だ。『曹孫劉・割拠時代』を語っているものだぜ。それとこちらも贈り物だ」 「楽しみに読ませてもらうのじゃ。こちらは輝くような赤じゃの〜♪」 将門は泰国の物語本と赤いリボンを贈った。今の服には似合わないので軽く頭に当てて試す。本は分厚く、当分の間楽しめそうだと綾姫は喜んでくれた。 「綾姫さまと巨勢王さま、そしてこの国の皆様の一年がよりよい年でありますように」 「これは美味しそうなのじゃ♪」 ライは綾姫にクリスマスプディング、巨勢王には極辛純米酒を進呈する。せっかくなので食事と一緒に頂くことにした。 次々と湯気立つ食事が運ばれてきた。その中の一つに綾姫が注目する。 「苺ではないかえ。しかもこれは『けぇき』なるものぞ!」 綾姫は卓の中央に置かれたケーキを見上げて瞳を大きくして驚く。 「わたくしも手伝って作りました。さっそく頂きましょうか」 水波が許可をもらい、ケーキをナイフで切り分けた。最初に今日の主賓である綾姫、続いて巨勢王へと皿に移したケーキを渡す。 「中も苺がたくさんなのじゃ♪」 「苺尽くしのけぇきか。うむ!」 親子揃ってケーキを頬張る様子に水波は和んだ。 「この甘みはとっても好きなのじゃ〜♪ そう‥‥そうなのじゃ、あの樹糖の味なのじゃ!」 ライが入手した樹糖はケーキの生クリームに使われていた。 「苺も驚いたが、こちらのは葡萄じゃ。この時期にとは」 将門が用意した葡萄を綾姫が美味しそうに頬張る。 「この肉はジルベリア仕立てじゃな‥‥。うむ、この柔らかさは素晴らしいのじゃ!」 西中島が用意した若牛のステーキが美味しくて綾姫は思わず頬を押さえる。 「この料理は落ち着くのじゃ♪」 宿奈芳純の『白菜と鶏肉の巻き煮込み卵とじ』も好評だ。手に入れた塩のおかげでより豊かな味となっていた。 (「これは猫の絵が描かれているのじゃ♪」) そっと水波が綾姫に出したのは猫をチョコレートで描いたケーキ。巨勢王から見えないところで愛でてから綾姫は頂いた。 「どの料理も素晴らしいですね」 「食べ過ぎてしまいそうじゃ♪」 鈴木透子は綾姫と並んでたくさんの料理を頂いた。精魂込めて作られた料理はどれもとても美味しい。 「姫、庭を見よ!!」 いつの間にか姿を消していた巨勢王の声が外から聞こえる。 「父様が真っ赤で大きな袋を担いでいるのじゃ♪」 綾姫が襖障子を開けるとサンタクロース姿の巨勢王が立っていた。近くの杉の木にはクリスマスツリーとして様々な飾り物がぶら下がる。柚乃が巨勢王に提案した綾姫を驚かすためのサプライズだ。 楽しい誕生日会は日が暮れるまで続くのだった。 |