ワールドガイド世界地図>東房
【国の概要(情勢など)】
  天儀天輪宗の氏族を中心として成立した王国。
朝廷の権威失墜は彼ら天輪宗にとっても、勢力拡大の機会であった。
天輪宗の僧侶達は積極的な布教に出かけ、信者数の増加と共に次第に大きな力を持ち始める。
特に、天輪宗が発足した現在の東房の地では、氏族の頭領の中からも天輪宗に帰依する者が現れ、天輪宗の勢力は加速度的に拡大。
遂には天輪王国の成立を求め、強訴や一揆を繰り返すようになる。
これを朝廷への反逆と見做す北面勢は各地で天輪宗と衝突。両者の間では陰惨な戦いが繰り広げられた。
だが、成立間もない当時の北面は、五行との間にも騒乱を抱えての二正面作戦を強いられた上、朝廷は遂に軍を動かさず、形勢不利と見て北面を見捨てて天輪宗と全面講和。
こうして遂に天輪宗による東房王国が建国されるに至る。

ところが、そうして成立した東房は、建国後数十年にして国難に見舞われる。
それは、冥越国を飲み込みながらなおその勢いを停めぬ魔の森の存在だった。魔の森は東房国をも侵食し、後手に廻った東房国は広大な領土を魔の森に覆われてしまう。魔の森との戦いは東房国の経済を少しずつ疲弊させており、現在、東房国では頻発するアヤカシ事件と、眼前に迫った魔の森への対策が急がれている。
なお、先の戦は北面と天輪双方が逸って起こった不幸な出来事、として片付けられているものの、その経緯上、東房と北面の関係は最悪であり、魔の森に対する討伐に関しても全く足並みが揃っていない。

その成立上、東房の領土はその約半分が旧くは北面領であった。
東房の領土はその多くを平野部が占め、一方の山岳部からは貴重な鉱物資源を産出していた。麦から米まで様々な作物が育つ肥沃な土地、植林を中心とした林業に活気ある鉱山街、そしてこれらの資源を利用した加工業。かつての東房は、農工商が豊かに揃った、天儀の中でも屈指の豊かな土地であった。
しかし国土の約三分の二を魔の森に覆われ、現在は貧国へと転落。各地の街道はアヤカシと魔の森に寸断され、食料は漁業と海上輸入、各種税収は他国信者からの寄進に頼っている状態である。
【国王説明】
天輪(てんりん)王
本名:天輪大僧正
年齢:45 性別:男 クラス:僧侶(僧兵)

天儀天輪宗の総本山たる東房国において、同宗派の長として君臨するのが天輪大僧正である。
今や天儀を越えて泰国にまで遠く伝わった天輪宗であるが、東房国は領土の約三分の二を魔の森に飲み込まれ、主要な都市を防衛するだけで精一杯な状況となってしまっている。
よって、宗教という極めて年功がものをいう分野においても、アヤカシとの戦いを無視する事はできず、彼はアヤカシとの決戦を見据えて大僧正に選出された。
彼は最高位に位置する炎の精霊を使役し、隆々たる自らの肉体により、強力なアヤカシすらも一撃の元に消滅させる。
彼は、本来は温厚で控えめな性格であり、戦の場においても激昂するような事は極めて稀である。最前線で戦いながらも凛とした表情を崩さぬその様は、開祖初代大僧正の再来とも謳われている。
【主な都市】
安積寺(アヅミジ)
海に面した、東房の流通都市であり、東房における実質的首都。
アヤカシの被害が比較的軽微な南方に位置し、国家の主要機関は次々と安積へ移されている。
北面からは度々糧食が運び込まれており、アヤカシによる被害から年々収穫高の低下している東房にとっては、食料調達の生命線となっている。この事から、各種港湾施設も充実している。

不動寺(フドウジ)
東房の都。
初代天輪大僧正が精霊と語らい、互いを認め合う「対等関係」を実現したと伝えられる土地。海に程近い山頂には、天輪宗本山不動寺が位置し、山の周囲には寺町が形成されている。
なお、既に都市の外輪が魔の森に覆われつつある為、アヤカシからの被害が絶えず、都市は常時緊張状態に置かれている。
ワールドガイド世界地図>東房