安定した火力を必要とする鍛治や飛空船などの移動手段、 食料の産出にかかわる水車の補助動力にいたるまで、 既にこの世界において欠かすことのできなくなった宝珠であるが、基本的に自然発生はせず、 王朝が管理している遺跡の内部からしか産出することはできない。 遺跡の内部は壁に埋まった宝珠によって常にぼんやりとした光を放っており、松明などで照らす必要はない。 (よって壁の宝珠については原則開拓者は採掘を禁止されている) 遺跡内部において開拓者が宝珠の採掘源とするのは、 明かりとするにはあまりにも眩い鉱脈(鉄や銅などと違い、宝珠は純度の極めて高い状態で埋まっているわけであるが)から採掘する方法と、遺跡製作時に残されたと思われる貯蔵庫(宝箱)から入手する方法、そして遺跡内部のアヤカシを打ち倒しそのアヤカシから入手する方法である。 通常のアヤカシと違い、遺跡内部のアヤカシは倒すと地に還った後に宝珠を残すものも多く、 また強力な相手ほど良質な宝珠を残すため、一攫千金を狙う開拓者は良質な宝珠を求めて、遺跡奥の強敵に勝負を挑むことが多い。 |
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我々がふだん目にするアヤカシと、遺跡内部に生息するアヤカシでは多少性質が違う。 どちらも我々にとって敵である(姿を発見するや、襲ってくる)という点では共通であるが、 宝珠を吐き出す以外にも少しだけ性質が異なっている点が存在する。 1.殺した生物を食さない。殺すだけで終わる。 2.魔の森がなくても発生する。掃討をしてもいつの間にか復活している。 3.遺跡の内部のみに生息し、外には出ない。 という点である。 また、そもそもよく見ることができる形態も、遺跡内部のアヤカシは特殊なようである。 これについてとある陰陽師は言う、 「そもそもアヤカシとは瘴気の塊である。魔の森がないところから発生することはおかしい」と。 だからといって、我々にとってみればどちらのアヤカシもたいして変わることはない。 開拓者にとってみれば、依頼で倒して報奨金をもらうか、宝珠の分け前をもらうか。 ただそれだけの違いと考える者が多いようである。 |
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