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■オープニング本文 それは後世の調査隊が行った、一つの思いつきだったといわれる。 発掘の途中で、不可解な空洞が複数現れた。 最初は単なる空洞だと思われていたその場所から、小さな白い破片が見つかった。道と思われる石畳の場所や、建物跡からもみつかる不可解な空洞。その数は日に日に増していく。 やがて試験的に石膏を流し込み、硬化したところで掘り起こす。 結果として現れたのは、苦しみにあえぐ人の石膏像。 人を模した不思議な石膏像の脇腹や指、後頭部からは『本物の人骨』がのぞいていた。 ほどなくして調査隊は理解する。この空洞が、ヴェスヴィオ火山が大噴火した際、逃げることも出来ずに降り注ぐ火山灰に埋もれた、人であった者の成れの果てであることを。 末期のポンペイはローマの属国となり、まだ災害に見舞われる以前は近郊に有力貴族の別邸も建ち並び、ローマ人の余暇地としての性格を色濃く残していた。 水道管が完備されたこの町に、ひっきりなしに訪れる商人達。 荷揚げされた荷物などを運んだ石畳の坂を登りポルタマリーナ(海の門)をくぐって都市に入っていた。 芸術の都としても花開いており、貴族の家の立派な装飾に限らず、町の壁という壁、店の壁という壁に日頃の愚痴から貴族の観賞用まで、遙かな時を経た今も、様々な壁画で町は彩られている。 最盛期の人口、おおよそ二万人。 人口の半数は奴隷で構成されていたと言われる。 奴隷と一口に言っても様々で、人間としての人権が認められていた。中にはノーメンクラトゥーラと呼ばれる、主人に付き従い秘書としての役割を持った高位の奴隷もいれば、家庭教師になったり、家の留守を預かったり、それこそ肉体労働に従事するなど、奴隷のあり方は様々であったという。当時社交場としての役割も兼ね備えていた共同浴場で、貴族も奴隷も身分を意識せずに共に汗を流していたほどに。 当時の支配者層であった貴族達は、行政官などの政治的な職業についていた。 贅沢な食生活と、豪華な家の装飾品。 パン屋、肉屋、魚屋に総菜屋。だれもかれもが無数の商店で品を買い、百二十件を超える居酒屋のどこかで酒を一杯ひっかけ、様々な娯楽に興じていた。剣闘士養成場で技量を身につけた剣闘士達が、円形競技場で日々繰り広げていた死闘は最高の娯楽だったといっても過言ではない。千人から五千人を収容する劇場や、色鮮やかな娼館。ウェヌスやイシス、様々な神殿が点在し、宗教も開放的だった。 そんな高度な文明が栄えた花の都で、果たして何が起こったのか。 そう。 これは地中に失われた、人々の記憶。 運命のその日、果たして何があったのか。 時は進み出す。 西暦79年8月24日。 町の北西10キロメートルにあるヴェスヴィオ火山が大噴火するまで。 あと、わずか。 ※このシナリオはエイプリルフールシナリオです。実際のWTRPGの世界観に一切関係はありません。 |
■参加者一覧
静雪 蒼(ia0219)
13歳・女・巫
柚乃(ia0638)
17歳・女・巫
静雪・奏(ia1042)
20歳・男・泰
鬼灯 仄(ia1257)
35歳・男・サ
珠々(ia5322)
10歳・女・シ
楊・夏蝶(ia5341)
18歳・女・シ
エルディン・バウアー(ib0066)
28歳・男・魔
リン・ヴィタメール(ib0231)
21歳・女・吟 |
■リプレイ本文 当時、奴隷は幸福とは縁遠い生活を送っていた。 富裕層が奴隷に特別な感心を抱くことは無いに等しく『歩く道具』としての認識しか持っていなかったとされている。市場に陳列され、最初の査定で人生の全てが決まっていた。 「トランシェッバに衣類と文を届けておくれ」 「はい、バートリエッラ様」 洗濯屋の意地悪な女主人のもとに、スズフィエーラという少女の奴隷がいた。彼女は、特別な容姿こそ持たなかったが、足の速さを買われた。毎日身を粉にして走り、商品を届け、恋文を渡し、精一杯働いた。いつ捨てられるか、分からなかったからだ。 毎日通る道の途中に、偉大なアポロンの神殿があった。学を与えられなかった奴隷の彼女には、神の違いはあまり分からなかった。それでも信仰は誰にも負けない。 「今日のお駄賃は、2アス残るから‥‥大丈夫」 パンを買うお金の半分を、毎日神殿に寄進した。 たった銅貨一枚でも、奴隷には果てしない価値があった。 「神々のご加護で体を壊しませんように。体を壊して売り飛ばされたりしませんように」 ふっと顔を上げた。 神殿の方から歩いてくる人影。神官と語りあう評議員の娘ティエッラがいた。 幸いなことに、スズフィエーラは知り合いだった。お金の数え方や簡単な文字の読み書きも、彼女から習った。奴隷としての価値を高めてくれた、いわば恩人。友達のようなこそばゆい感覚を覚えつつも、それでも歴然とした身分差はある。 近づけない。 「では神官様、後日当家から工事費用の出資を致します。あれ? スズフィ、あ!」 スズフィエーラは逃げるように走り去った。 残されたティエッラは少しだけ顔を曇らせたが挨拶後、去っていく。 ポンペイの選挙制度では、クリアやトリブスと呼ばれる選挙区が重要な役割を担っており、市内の様々なグループが予備選挙を行って望ましい候補者をきめていた。行政官は公共事業に最も金をかけ、結果、建築物には寄付者の寛容さを吹聴する大胆な碑文が刻まれることになる。ティエッラの活動は、父親の政治活動や清き一票に直結していた。 そんな一幕を、解放奴隷のリアノンが眺めていた。 解放奴隷が市民権を得るには一定の資産と子供を持つことが必要とされていた。この点から考えれば、この時のリアノンは不遇の中で精一杯生きた凛々しい女性に違いなかった。 「神官はんを射止めるんは誰になるんやろ」 ぽろろん、と音色を響かせて笑う。 「評議員のお嬢さんもなかなか。あの子とかあの子とかあの子とか勇気が出るよう囁いてあげないかんやろか。これは一肌ぬぐべきやわ」 この神官の名をエルディノといった。 ポンペイでは壁に何でも書く習慣があり、一歩裏口を入った場所には、妻や恋人をエルディノに奪われたと言う、男達の文句が書き連ねられている。ただし愚痴の数々を真面目に捉えると、相当なプレイボーイであった事が伺いしれた。 「神官はん、一杯といわずたんと召し上がればよろしおすえ? ウェヌスのお人らもえらいかいらしいんやけど、この神殿の子からも、かいらしいと思わへん?」 エルディノは軽く笑って手を振った。急ぎの用事があったのだ。 娼館の前を通ったエルディノは、誘いの声をかける娘達に手を振った。 「神官様?」 正面からワインの瓶を抱えた少女が歩いてくる。 ポンペイの郊外にある、ワイン蔵の愛娘ユノーだった。 「おお、ユノー殿。今から伺おうと思って」 「丁度良かった。お届けにいく所だったんです。はい、コレ」 すれ違わなくて良かったと差し出したワインは、何故か神官の手に渡らなかった。 「ホルコニウス。アミナエア種の葡萄酒か」 ひょい、と瓶をもちあげたのは、今まさに娼館から出てきた大男だ。 「ユノー殿、紹介します。今度、神殿の壁画を描くことになった芸術家で、ホノ殿です」 「初めまして。で、エルディノ。前金の準備はできたかい」 エルディノが懐を探る。ずっしりと金貨の詰まった革袋が、ホノの手に渡る。 「力強くダイナミックにお願いします。色使いは前にお願いした感じで‥‥、カッコイイほうが信者も喜ぶでしょう」 革袋の中身を確認したホノは「任せな」と笑う。 いい加減にワインを返して欲しいと言ったユノーに、ホノがにやりと笑った。 「長く熟成させても変わらない、飲めば猛烈な二日酔いになるって賭場の商人が言ってたな。最近の貴族の流行は、蒼きエーゲ海が育んだコス島のコアンワインと聞いたが、地元を好むとは変わってるね、エルディノ」 この地で酸味の強いワインが主だった理由は、土地の硫黄レベルが高かったのでは、という話だが、彼らがそこまで知っていたとは考えにくい。アミナエア種は元々シチリアからもたらされたムルゲンティーナ種の事で、この種を用いたワインは、例外なく『ホルコニウス』の名前が付いた。 ユノーは口をとがらせる。 「うちのワインはポンペイ一よ。今もこれからも」 「カンパニアでは世界最高にして最上のワイン、と言われているそうですよ」 「確かに、飲みもしないで失礼だったな。最近やっすい酒しか飲んでないし、赤ワインか」 ユノーを眺めたホノは、うんうんと首を縦に振った。 「エルディノ。仕事はまた明日で」 「午後からの予定では」 「俺は前金もって逃げたりしないっての。仕事には美味い酒が必要なんだ。それに、このお嬢さんの農園なら、アポロンに相応しい力強い情熱の『赤』が見られそうだからな」 「うちのワイン、きらいなんでしょ?」 顔を背けたユノーに、ホノは前金の詰まった革袋を開く。 「勿論タダで。なんて言わないぜ。1デナリウス。これで最高のワインを飲ませてくれ」 当時の生活水準は、格安のワインを2アスで楽しむことが出来た。 一日三人分のパンを買うのに、8アス。 この8アスは、2セステルティウスと同じ価値がある。チュニカと呼ばれる服の洗濯代金が4セステルティウスであり、これが1デナリウスと同額となる。 単純計算で、一人暮らしのホノは六日分のパン代と同額を支払うと言ったのだ。 「いいわ、ついて来て。最高のワインを教えてあげる」 ユノーが満面の笑みを浮かべた。 遠ざかるふたり。 予想外の自由時間をえたエルディノは密かに微笑み、ウェヌスの神殿を訪ねた。かつてスッラが保護したヴェヌス・フェリクス女神は、ヴィーナス・ポンペイアーナの名の下で新植民地市の庇護者として受け入れられている。 「じゃあね、アステリア。また落ち着いたらくるから」 「もう、いってしまうんね」 「今度はもう少し父を説得して、時間を作ってくるから。寂しそうな顔しないで」 貴族の息子のルーキウスは、最近巫女アステリアに熱を上げていた。 名残惜しそうなルーキウスが立ち去ると、アステリアに近づく。 「噂の彼?」 頬を染めたアステリアを、エルディノがからかった。 「茶化さないでほしいわ。私は神に仕える身、でも心がとめられないんや」 エルディノは巫女アステリアから悩みを相談されている為、定期交流をかねた訪問だ。 言葉を交わし、諭す日々。けれど本当の目的は別にある。 「神官様お兄ちゃんみたいやわ。続きは奥で、あ、でも、先にあちらへご挨拶をどうぞ」 物陰にたたずむ別の巫女をアステリアが示した。素早く近づく。 「こんにちは、私の女神様」 恋しい相手と美酒を楽しみ芸術を愛でる、そんな奔放さが、かいま見えた。 夏が近づいた頃、異変に気づいたのは、放牧をしていた者や、農作業従事者達だった。雨が降っても井戸や泉の水が涸れ、サルノ川には死んだ魚が浮く。やがて地面は隆起し、形成された噴気孔からは煙が立ち上る。ブドウの葉はしぼみ、実はしなびていった。 運命の夜が近づく。 地震の頻発で、人々は不幸にも地震になれてしまった。 そんな中で真っ先に逃げることを提案したのはティエッラだった。けれど父親は娘の言葉に耳を貸さない。恋人に当てた手紙をしまい、避難用の船を手配し、市民に逃げるよう広報、部下に命じ、港にある船で逃げるよう通告した。 「みんな逃げて」 ポンペイ市民に知らせが届き始めた22日に逃げ出したのは、一部に過ぎなかった。 西暦79年8月24日正午。 町の北西10キロメートルにあるヴェスヴィオ火山が大噴火した。 危険を感じ取ったスズフィエーラは、密かに鍛えたピッキングで鎖を外した。混乱に乗じて逃げてしまえと飛び出す。アボンダンザ通りを通ってサルノ門を目指した。 ふと立ち止まった。囚人を逃がすティエッラを見つけた。 スズフィエーラは懐を探り、二枚の銅貨を見付けた。そして寄付に投げ入れた。 1枚はこの神殿に集う人のために、1枚は自分への加護を願って。 「ティエッラさん達と比べてうちのゴシュジンサマときたら、なーんにもやらないんだから」 だから神様、この人たちの魂を守ってください。 祈る彼女を、向こうも見付けた。恋人宛の手紙を託し、手持ちの金とショールを与える。 「これを私の恋人に届けて。人々を助けて私も必ず逃げるから、生きるのよ。さぁいって!」 友の願いを引き受け、スズフィエーラは走り出した。 「アステリアァァァ」 混乱の中で、貴族の息子ルーキウスは父親の制止も聞かずに町中へ飛び出していった。恐ろしい光景と、混乱する人々を眺めつつ、最悪のことも想定して神殿を目指した。 幸いにしてアステリアは生きていた。けれど何処にも行き場のない彼女は、崩れゆく神殿にとどまっていたに過ぎない。お互いを見付けたふたりは、強く抱き合った。 「一緒に逃げようアステリア。認めてもらえなくても、僕はもう君を放さない。愛してる」 「ずっと祈っていました。神に。戦い続ける友に幸あれと。何よりも、あなたに会いたいと祈って。ルーキウス様、あなたと共にあれば私は何も怖くない。あなたを愛してます」 こんなところで死んで良いはずがない。 囚人達を逃がしたティエッラはアポロンの神殿に入った。 奇妙なことに避難してきた人々に加えて、酒を味わう神官と別の神殿の巫女、壁画を仕上げるべく一心不乱に筆を動かす芸術家、そして吟遊詩人がいた。 「神は気まぐれだからお隠れになったようです、そのうちに顔を出すでしょう」 神官は逃げるよう説得しても応じない。降り注ぐ灰を嘆くばかりだ。 「あとで外を掃除するのが大変そうです」 酒盛りを続行した。呆然とするティエッラに、リアノンが囁く。 「空が晴れる事はもうないかもしれへん。でも、命の火はいつか消えるもんやから、刹那は永遠にも等しいと思わへんやろか?」 意味を理解した。彼らにはもう、逃げる気がない。 ティエッラは恋人との再会を諦めた。スズフィエーラの無事を願い、朦朧とする意識の中、震える奴隷を抱き寄せ、恐怖を忘れるための宴に混じる。 薄暗くなり、呼吸が出来なくなっていく。壁画の完成を待たずして、徐々に体の自由は奪われていった。けれどリアノンは最後まで声を振り絞る。 「生きて生きて生きて生きて、生きて、 樹々の森に生まれて、石の都で生きて、 いつか落ちるんだわ、 ここにある、もがれた葡萄のように、 でも、例え明日そうなるとしても、 私、この都がとても好きだったわ」 ポンペイよ永遠なれ。そんな思いをのせて、楽の音が神殿に響き、壁画は着々と彩られていく。壁画が完成したら開けるつもりだったとっておきのワインをあけたエルディノは、ホノの描き出す、最高傑作を待ちわびながら、恋人を抱き寄せ、杯を掲げた。 「ポンペイの繁栄とアポロン神に乾杯。もちろん、ウェヌス神にもね」 呼吸が、出来ない。 「これが飲み納めですね」 からん、と黄金の杯は床の上を転がっていく。 ワイン園では、奴隷達が火砕流に焼かれていた。 熱の上がり続ける地下のワイン蔵。逃げ場を失った少女がワイン瓶を抱えて、ひとり、膝を抱えている。 「お父さんもお母さんもおじいちゃんも、ずっと守り続けてきた味なの。私も守らなきゃ‥‥後世の人達にも呑んで貰いたいから、だから」 洞窟が崩れていく。容赦のない熱風が襲う。 「守りたかった」 か細い声が、砂の中に消えていった。 ‥‥訳者あとがき‥‥ ブドウ園の地下貯蔵庫で見つかった子供の遺体の他にも注目すべき事は多い。 後の発掘で神殿の中で、貴族の男と巫女の女の石膏像が発掘された。 ムレキネの港湾地域と思われる場所で「侍女へ」と刻んだ金の指輪が見つかっていることを考えれば、少なからず身分を超えて奴隷を愛する者がいたように、巫女に思いを寄せた貴族の若者がいた可能性に違和感はない。 注目すべきは、先日海を渡った静雪 蒼(ia0219)、柚乃(ia0638)、静雪・奏(ia1042)、鬼灯 仄(ia1257)、珠々(ia5322)、楊・夏蝶(ia5341)、エルディン・バウアー(ib0066)、リン・ヴィタメール(ib0231)八名の考古学者チームによる、異質な神殿発掘である。 遺体が数多く発見されたこの神殿では、奴隷と貴族、吟遊詩人と芸術家、アポロン神官とウェヌス巫女という、関連性を認められない者達が弧を描いて座り、息絶えていた。副葬品の数々から宴の最中だったと思われるが、彼らが大噴火に気づかなかったとは考えにくく、混乱の中で宴を行った理由は未だ解明されていない。 少なくとも、灰がのどの奥に詰まっても歌い続けたと思しき吟遊詩人と、色鮮やかなポンペイレッドの壁画を最後まで仕上げようとした画家がいたのは確かである。また奴隷達を守るように身を寄せていたのは、宝飾品を纏った貴人だった。 ポンペイの女性遺体の中で、宝石を纏った者は十人もいない。従ってこの貴族女性は、最高の地位にあったようだが、何故奴隷や神官と一緒に身を寄せていたかは、現代の謎である。 最近、面白い論文が発表された。 奴隷の少女が届けた、一枚の手紙の記録である。 足の速い奴隷の少女スズフィエーラはポンペイから脱出し、貴族の若者の館にたどり着いた。貴族の娘ティエッラと友人関係だと語ったが、みすぼらしい外見に、誰にも信じてもらえなかった。門を叩いて泣き叫び、門番に手紙と、身分不相応な金品と、ショールを剥がれて放り出された。そこに主の青年が通りかかり、手紙とショールを受け取ったという。本物と確認出来た頃には、奴隷の少女はすでに冷たくなっていた。 若者の日記にはこうある。 『兵士達は女奴隷が門の外でこう叫んでいたと語った。私は、奴隷や死刑囚を逃がしていた、あのお方が、アポロンの神殿へ消えていくのを見た。きっと神様が守ってくださる』 今回アポロン神殿で発見された貴婦人は、このティエッラではないかという見解が示されている。 サギシ出版『埋没都市ポンペイ〜破滅の輝きに見える情熱〜』(本文より抜粋) 二〇一〇年 四月一日 考古学者 ヤヨイ・ヒナト |