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■オープニング本文 『犬との楽しいひと時を茶を飲みながら過ごしませんか』 その張り紙にはそう記されていた。 ●ある親子の会話 安州の片隅、職人たちが軒を連ねる長屋にて。 「ねえ父ちゃん、犬飼いたいー!」 まだ年端の行かぬ少年が、そう父親に訴えた。 「犬? 貞助、どこかで見つけてきたのか」 無口で職人肌の鍛冶屋でもある父親はぎろり、と息子を睨む。貞助と呼ばれた少年はおっかなびっくりながら、 「この前、見かけたんだよ。まだちっこいの」 「……まさか、アヤカシじゃないだろうな?」 念のために尋ねる。こんな街中でそうそう出現されても困るのだけど、何しろ相手がアヤカシであったとしたら油断はできない。 「そ、それは大丈夫。アヤカシじゃない」 貞助は力強く答える。そして、――その発言で、父親は確信した。 「餌でもやったのか。下手に情けをかければ、そのほうがいっそう酷だというのに」 きっとそんな言葉が口に上るのは、彼自身にも覚えのあることだから――しかし少年はそんなことに気づかない。 「父ちゃん、犬飼っていいだろ!? おれが絶対育てる」 未熟な少年は、そう訴える。 けれどそんな約束は、守られるはずもないことは、父親はわかっていた。 「お前には無理だ。……里親を探すように、ギルドにでも頼み込んでみるか?」 「ギルド? 開拓者ギルド?」 少年はそれを聞くなり首を横に振った。 「開拓者の人は、きっと無理だよ……」 住まいやその生活の不安定さ。 それはたしかに不安材料ではある。しかし、里親を探そうにもいい手が思い浮かばない。 疲れ果てた声で父親は言った。 「とりあえず犬を連れてこい。放っておいても、後味悪いしな」 貞助の顔が輝いた。 「とはいえ、相応しい里親が見つかるまで、だ。わかっているな?」 「うん」 ●開拓者ギルドにて 「……ということがありましてね」 父親の鍛冶屋――平助が額の汗を拭う。 安州の開拓者ギルド、受付の女性は微笑みながら茶を差し出した。 「それでは犬の里親探しのために?」 「ああ、こういうのは本来ならばもっと別のところに頼んでしかるべきなんだろうが、なかなか難しくて」 頑固一徹な鍛冶屋では、交友関係も少ないというわけだ。 「ああ……それなら。実は、おあつらえ向きの頼まれごとをされていましてね。これも開拓者向けとは微妙に言いがたいのですけど……」 受付係の言葉に、平助が不思議そうな顔をする。 「ん? 安州の中で世話をしてくれるっつーんなら、それだけで十分歓迎だよ」 「それなら良いんですが。実はその依頼人は、『愛犬茶寮』なるものを作ろうとしていましてね」 簡単に言えば、普段犬を飼えない人のために店で何匹か飼育しており、茶寮に来た客と犬のふれあいを主題にした癒し系の店なのだとか。 「依頼人の身元もはっきりしていますし、きっとこういう場所なら、と思うのです」 息子さんも、きっとここでなら思う存分犬とふれあえますね。 受付係は、ふわりと微笑む。 「なるほど。面白いことを考える御仁もいるものだ」 「ええ。すでに何匹か、こちらから仲介させてもらいまして。もう二十日もすれば、営業開始なのだとか。その前に、試験的に開拓者をはじめとして何人か招待し、感想を聞きたいそうですが……」 ふむ、と平助が頷く。 「ならば、この犬もそちらに頼ませてもらっても良いだろうか。そのかわり、試験営業のときには息子の貞助もおじゃまさせたいのですが」 「ああ。それはきっと歓迎しますよ。わたしから伝えておきますね」 数日後、街に噂が広まる。 犬とのふれあいを楽しむための茶寮――愛犬茶寮。 店主の名前は敢えて伏せられている。ただ、犬好きなのはすぐに理解できた。 そして、今日は『愛犬茶寮』の試験営業日。 この店を紹介された開拓者たちは、どんなことを思いながらこの店に来たのだろう……? |
■参加者一覧
氏池 鳩子(ia0641)
19歳・女・泰
村雨 紫狼(ia9073)
27歳・男・サ
エルレーン(ib7455)
18歳・女・志
黒曜 焔(ib9754)
30歳・男・武
草薙 早矢(ic0072)
21歳・女・弓 |
■リプレイ本文 ● 和州の中でも一見目立たない場所――けれど同時に少し歩けば目抜き通りというそこそこの位置に、その店はあった。 『愛犬茶寮』。 まだ店には準備中という文字が見られるが、店内からはすでに時折、愛らしい子犬の鳴き声が聞こえる。もちろんしつけは済ませてあるのだろう、その声も無駄吠えなどでなく、節度を守った程よい大きさだ。 その店の前に少年が一人、立っている。 貞助だ。 今日はこの『愛犬茶寮』の試験営業日、まだ客との対応に慣れていない犬や女給たちにとっては初めてのお披露目の日でもあった。 太郎、と名付けられたらしい子犬は、今元気にしているだろうか。 入りたい、けれど足がうまく動かない―― そう思っていると、ふらりとこちらへ近づいてくる人影がいくつかあった。それぞれ特徴的な身なりで、動きも俊敏。……開拓者たちだろう。 「あなたが貞助くん?」 そう尋ねたのは、黒髪も美しい大人らしい女性――篠崎早矢(ic0072)。きりりとしたたたずまいは、……その後の崩壊などまったく予想もつかないほどだ。 「開拓者だからって荒事ばかりじゃないんだぜ?」 今回の依頼を『開拓者らしからぬ』と認識されたことが少し残念そうなのは村雨 紫狼(ia9073)。ただしこの男、いろんな意味で紳士である。……いろんな意味で。身につけた作務衣の上から身体をかきむしりつつ、小さくあくびをする。 「ねこちゃんもかぁいいけど、わんこもかぁいいよね」 そう言いながらも横に立つ黒髪の猫獣人――黒曜 焔(ib9754)の、ぱたぱた動くもふもふの尻尾から目が離せないでいるのはエルレーン(ib7455)。今にもその手は尻尾を捕まえようとわきわきしている。それに気づかぬまま、焔自身も猫獣人たる自分が入って大丈夫だろうかと少し不安そうな表情を浮かべていたが、 「大丈夫でしょ、獣人だからこそ気がつく部分もあるだろうしね」 そう言ってからからと笑うのは氏池 鳩子(ia0641)。 「あたしも、他人が飼っているのを近くで見ることはあっても、じっくりと近くで犬に触れるなんて言うのはなかなかなかったから、いい機会だと思ってる」 きっぷの良い姉御肌の彼女は、ドンッと焔の方を叩いた。 「そうだね……ありがとう」 感謝の言葉、それを聞いて鳩子は照れてしまう。 「やだなー、そんな風にしなくていいんだよ、いい年のお兄さんなんだし」 そんな風に話していると、開拓者という存在が貞助には妙に人間臭く感じられて。 (忙しいばっかじゃないんだ……) そう思い、ひとつ挨拶をする。 「きょ、きょうは、よろしくおねがいします!」 そう言うと、紫狼がにまっと笑った。 「うん、今日は楽しもうな?」 そして、扉が開かれる―― ● 「いらっしゃいませ」 素朴だが味わいのあるお揃いの装束を身につけた女給たちが、笑顔で出迎えた。その頭には、犬の耳を模した飾り。 「残念ながら今日はおりませんが、支配人から話は聞いております。さあどうぞ」 促されるまま、開拓者たちと少年は店内に入る。と、その途端――皆の足元にふわっとした感触。 犬達が足元に擦り寄ってきたのだ。 見ればどの犬も毛並みも綺麗で獣特有の匂いも薄く、むしろ僅かな香料の香りすらする。首には名札がぶら下げられていて、これまた愛らしい。 そのさまを見て、全員の相好が一気に緩んだ。 ついでに言うと、焔の尻尾はぴいんと立って、体いっぱいに犬と出会えたことについての喜びをあらわにしているのがすぐに分かる。きちんと犬との正しいふれあい方を下調べしてから参加しているこの猫獣人、実はずっとそわそわしっぱなしである。 「か、かわいい……!」 その言葉は一体誰が発したのか。 気がつけば誰もが笑顔になっている――そんな感じだった。 ● とりあえず、一同は運ばれてきたほうじ茶を飲み、それから飲食品の注文にうつる。 煎餅などを鳩子が注文する一方で、焔は、 「納豆とごはん。葱なしで……可能ですか」 思いもよらない内容に、女給たちは一瞬まばたきするものの、すぐに頷いた。 「猫もそうですが、犬にも葱はよろしくありませんからね。犬の苦手な食品は、場所柄あまりお出しできませんから」 女給の中でも筆頭なのだろうか、わずかに年かさの女性が微笑む。 「それはありがとう、いただきます」 焔も頷いた。 エルレーンと早矢は……いや、すでにうっとりした顔で子犬たちとふれあい始めているようだ。ふれあうための時間はたっぷりあるのに、それすらも惜しいらしい。 「ところで、開拓者ギルドで耳に挟んだんだけど」 紫狼が、『開拓者には……』と言う話を、その筆頭女給らしき女性に問いかける。 「ああ……支配人も悪気があったわけではないのですよ。ただ、開拓者のみなさんはお忙しいと伺っていますからね。元々子犬を引取り始める切っ掛けが、忙しくなってどうしても飼い犬の面倒が見られなくなった開拓者さんからの相談だったと、聞いております」 女給からそれを聞いた紫狼は、ふむ、と頷く。 たしかに相棒でない、ごく普通の犬を連れたまま、開拓者としての仕事をこなすのは大変だろう。開拓者の掟のひとつに神楽の都に住居を構えることというのもある。 この近在では、そんな動物を開拓者に託すほうが難しいのかもしれない。会いたくともすぐに会えるようになるわけでないし、その開拓者自身が不規則な生活だからだ。 「いや、ちゃんとした理由……っていうか、考えがあってそういう発想に至ってるんならいいんだ。荒事や暴力が好きな開拓者ももちろんいるんだけど、それだけだと思われるのは悲しいからなァ」 嗜好は紳士()だが、思考は非常にしっかりしたものを持っている紫狼。長年の開拓者としての生活で培われてきた思いなのだろう、その目には曇りがなく、そしてそれがどことなく年齢よりも若くも年経ているようにもみえる。 けれど、それこそが彼を彼たらしめている所以といえるだろう。 そういえば、と鳩子が尋ねたのは犬に対するおやつをあげてもいいかどうか。 「もし可能だったら、小さな肉を焼いて欲しいのだが」 冷ましたところを手ずから与えたいのだという。 それを聞いたエルレーンも、 「ああっ、それ私もやりたいなぁ〜」 と同じようにねだる。すぐそばにいる子犬たちに餌をあげるのは、確かにやってみたいことのひとつであろう。すでに子犬と戯れ始めていた早矢も、 「私もっ」 とすっかりとろけ切った顔で言う。 「そういえば納豆は……犬にいいと聞いたことがあるな……あげられるかな……」 焔は女給の顔を確認するように、首を傾げた。 ● さて、本日の本題は、犬と戯れる愛犬茶房でじっさいに犬と戯れ、その感想を述べてもらうことだったりするわけだが。 すでに陥落させられた女性が約二名。 エルレーンと早矢である。 普段は猫派のエルレーンは犬達の中でも特に、ふわふわした茶色の毛並みが特徴的な陸に目をつけたらしい。犬にしろ猫にしろ、かわいいものが好きというのがやはり大きいのだろう。 「まって、まってぇ」 素早く逃げようとする子犬を追いかけるエルレーン。しかもごていねいに、子犬と同じ目線――つまり手をついて、四つん這い状態で。追いかけるからこそ逃げるのだろうが、エルレーンはそのあたりがきちんと認識できていないようだ。 いっぽうの早矢は――こちらはこちらで危なかった。 どう見ても天儀産の子犬三匹に対して注がれている視線が熱い。息遣いも、若干荒くなっている。 ……特殊な性癖を疑ってしまいかねない状態である。 太郎の足をもっふりと触り、そして熱く語り出す。 「太郎、なんて可愛いんだ太郎……! この足! いや、これは足というより『あんよ』と呼ぶに相応しいな! あんよは上手! あんよは上手! よしよしー」 すでに半ば意味不明なことを口走りながら、前足に触れてそれをよちよちと動かしてやる。 正直店の女給すらも引いているが、しかし営業開始すればこんな客がこないという保証はどこにもない。そう考えるとこれはこれで『こういう客の対応を考える』と言う意味でもありかも、と周囲の皆も思ってしまうのだった。 貞助はこの二名の言動にわずかに慄きつつも、とりどりの子犬たちと戯れるという珍しい経験にやはり興味津々のようで、さまざまな子犬を撫で回しては相好を崩す。もともとが犬好きなのだろう。 そうこうしているうちに注文していた料理――といっていいかどうかわからない品もいくらか混じっているが――が、六人の前に運ばれてくる。 鳩子が頼んでいた肉は、どうやら鳥のささ身になったらしい。脂も少なく、子犬に与えるにはいちばん適しているだろう。もちろん、香辛料のたぐいは使われていない。 まだ熱々のそれを手にとって千切り、息を吹きかけて冷ましてやる。そうして、先程から妙に気になっていたらしい胴長短足の子犬――ゆめに、それをそっと差し出した。子犬は何度か匂いを嗅ぎ、そしてパクリと口に含む。 「手から食べたな!」 予想以上の反応に、ぱあっと笑みを浮かべる鳩子。それを見て、また笑顔の漣が室内に広がる。エルレーンはごろんと寝転がってもふもふの子犬たちに同じようにおやつを与え、こちらも嬉しそうに笑う。 「みんなちゃあんといいこだねぇ、えらいねぇ」 ひと通りの基本的なしつけは済んでいるということで、それも好ましく見える一因なのだろう。 (動物たちと過ごすのは落ち着くな……) 周りの明るい笑い声を聞きながら、白い毛玉のようにふわふわの海を撫でる焔。耳と尻尾のある同士、もちろん違うところのほうが多いけれど、犬だって猫だって、そして焔だって、耳と尻尾は言葉よりも遥かに雄弁に感情を語る。 ほら、いまも焔の尾は、ぴんとたった尾の先だけがわずかに曲がっていて、子犬たちと仲良くしたそうに揺れている。大好物の納豆ご飯を目の前にしたから、というのもありそうだが。 しかしそんな尾を見て瞳をきらきらさせるのは子犬たち。好奇心旺盛そうな、大きな耳の子犬――つきが、その尾にちょっぴり前足を伸ばした。とたん、焔がびくっと体を揺らす。 「わっ……尻尾はいたずらしちゃだめだよ?」 「すみません、獣人の方と接する機会がこの子たちにはほとんど無くて」 焔がたしなめるように言うと、女給の一人が慌てて子犬を引き剥がす。さすがに突然だったので戸惑ったのだろう、尾を身体に寄せ、耳も震えている。 「獣人の人がこの先来ないとは限らないから……そういう人の尾や翼は子犬にとっては玩具のように見えるかもしれないね。それも注意したほうがいいかも」 それでもそっと、自分にしかわからない視点からの指摘を授けた。 ● 「貞助だっけか」 今まで犬と戯れるよりもしつけやしっかりとした衛生管理など、そういった話を女給たちから聞いていた紫狼が、ぼんやり茶をすすっていた少年の横にどっかと座って声をかける。 「あ、はいっ」 少年はなんども頷いた。紫狼はその頭を優しく撫でてやる。 「親父さんが考えていること、ちゃんとわかってたか?」 「え……?」 父親の平助とギルド職員のやり取りを教えてもらったのだと説明しながら、彼の考えを述べていく。 「犬だって、俺やお前と同じで等しく大事な命なのはわかってるか? かわいいからって言っても、いつまでもそのままじゃねえんだぜ。玩具じゃない、成長するんだからな。そして年老いて、――普通の場合、犬のほうが先に死ぬな」 「――っ」 死。 少年はその命の重さをすべて背負う、そこまでの覚悟は持ち合わせていなかった。 ただ、かわいいから。かわいそうだったから。漠然とそう思っていたけれど、実際に育てるのは並大抵のことではないのだ。 それを伝えると、紫狼は再び貞助の頭をわしわしと撫でた。 「まあ今はガキ扱いされとけ。……誰でもいつかは、嫌でも誰かの命を背負って、責任を果たさなくちゃいけない時ってのが来るからな」 貞助は照れくさそうに微笑んだ。 「俺でも、できるかな。いつか」 「ああ、できるさ」 自分だってそうだったからな――紫狼は頷いた。 ● 「次郎もはなも可愛いな! 犬はやっぱり柴だな! なんでこんなに可愛いんだ、惚れるじゃないか……って」 周囲のみんながすっかりしっかり子犬の虜と化している早矢から一歩下がっているのに気がついたのか、こほんとひとつ咳払い。しかしもはや遅い気がするけれど。 とりあえずは反省会だ。 「とりあえず、私の意見は……そうだな、やはり飲食物に対する注意喚起だな。子どもがなにか持ち込んでくる可能性は十分にあるし、張り紙をするといいかもしれない」 鳩子はそう言うとさらに犬の毛の掃除もしっかりと、と伝える。 「私は……やはり、先程も言った獣人たちへの対応かな」 焔も頷いた。ちなみにちゃっかり海を抱いている。 「俺もあらかた女給の人に言ったけどな。あとは脱走防止とか、そういうところか?」 これは紫狼。せっかくの店を楽しんでもらうためにも、今日はふれあい体験よりも様々な問題点の確認を重視している。 「私は……う、子犬が可愛すぎて……」 早矢は恥ずかしそうにうなだれる。同じように犬達と戯れまくっていたエルレーンは、子犬たちが疲れた時用の隠れ家のような場所の設置を提案していた。自分が犬相手にある種の暴走をしそうなのがわかっていることもあっての発想だろう。 そして貞助は。 「こいつたちに何度でも会いたいって思えるような、そんなお店にしてください」 そう言って、深く礼をした。 一同は瞬きをしたが、すぐに笑顔を浮かべて迎え入れられた。 「じゃあお世話になりました」 そろそろ陽が傾きだしている。秋から冬は日の落ちるまでが早い。きっと今日も一気に暗くなるのだろう。 「さいごに、「あくしゅ」していいかな?」 エルレーンが女給たちに尋ねると、刺激しない程度ならと了解をもらう。 ぷにぷにの肉球に触れ、また顔をとろけさすが、別れ時はきちんと承知。 「ばいばい、わんこちゃん」 ふわもこをたっぷり補給した彼女。 「忍犬の相棒が、いるのもたのしいかもしんないね!」 仲間たちにそう言うと、皆も同感という顔で笑った。 ――『愛犬茶寮』は、それからしばらくして正式な営業日を迎えた。 開拓者たちの助言を受けて子犬たちのしつけや店内の設備、お品書きに更に手を加え、店の人気は上々の滑り出しだという―― |