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■オープニング本文 ● 青龍寮の講師兼寮長に新任した菅沢あきら(iz0316)。 寮生達から歓迎を受けて早3カ月……1月には授業をという話をしていたにも関わらず、これがなかなか実現しなかったのには諸々の事情こそあれど寮生達に申し訳ない事をしてしまったと彼は大変焦っていた。 あの引き籠りの国王が神楽の都で催された各国の王達との会議に出席したというだけでも五行としては大騒ぎだったのに、戻って来てみれば天儀全土の総力を上げてアヤカシとの戦争を始めるという。もちろん、寮生のほとんどが開拓者としても登録している身であれば、彼らこそ其の大規模作戦への参加を迫られて忙殺されていたかもしれないが……それにしても、だ。 (私は青龍寮の事を最優先にしたいと言うのに……!) 力のある者は戦への参加を。 戦に参加しない者は、参加した者達の代わりに国の警備を。 結果としてようやく時間を作れたのは今である。 (本当に申し訳ない事をしてしまいました……っ) どかどかと苛立ちを露わにした足音を立てながら廊下を進んでいた彼は、後悔からぎゅっと目を瞑り……階段を踏み外した。 「!」 当然の落下と、激しい衝撃音。 後には苦悶のうめき声が辺りに響き渡るのだった。 ● 数時間後、教壇に立った菅沢の眼鏡は割れていた。 よく見れば衣服のあちこちが破れ、手足には青痣も見え隠れしていたが、何があったのか説明するのはとてつもなく恥ずかしいらしく、説明を嫌がる彼に寮生達は敢えて見て見ぬふりをする事にした。 そんな、微妙な空気が流れる教室で菅沢は授業を始める。 まずは予定が予定通りに進まない事を詫びた後で、寮生達に円になって座るよう促した。 「それでは『人魂』の改良版……現在の視覚と聴覚の共有に、更に声帯を加えたいというものですが、これについて必要なものは、先日もお話ししましたね」 ――人魂に必要なのは、まずは想像力だと考えてみてください。この世に存在する生き物の姿を象った人魂と視覚と聴覚が共有出来るのは何故か――それは、皆さんの周りに存在する生物もまた当たり前のように視覚、聴覚を有している事を『知っている』から。言い換えれば、あえて意識せずとも、そういうものだという概念が、陰陽師の人魂に視覚と聴覚を共有させるのです。そう考えれば、術者の声を発せさせる、触覚を共有する――これらの実現は決して不可能ではありません…… 「つまり、皆さんがこの術を成功させるためには、人魂に与えた姿――たとえば『蝶々』が喋るというイメージを明確なものにしなければなりません」 蝶々でなくても良い。 個々が喋るイメージのし易い形を思い浮かべ、人魂に形を与え、喋らせる。 開発実験はその繰り返しになるだろう。 その上で重要なのは、どこまでイメージを明確なものに出来るのか――話すという『機能』をそのものに与える事が出来るのか、という事だ。 「手順は皆さんにお任せしますから、まずは相談してみてください。想像力を養うために何をするのか……はたまた実践あるのみとして実験を繰り返すでも構いません。初回ですから、試行錯誤しながらいろいろ試してみるのもいいでしょう。では、始めて下さい」 ――こうして、久方ぶりの授業が青龍寮の一室で始まった。 |
■参加者一覧
カンタータ(ia0489)
16歳・女・陰
胡蝶(ia1199)
19歳・女・陰
孔雀(ia4056)
31歳・男・陰
樹咲 未久(ia5571)
25歳・男・陰
鈴木 透子(ia5664)
13歳・女・陰
宿奈 芳純(ia9695)
25歳・男・陰
无(ib1198)
18歳・男・陰
成田 光紀(ib1846)
19歳・男・陰
晴雨萌楽(ib1999)
18歳・女・ジ |
■リプレイ本文 ● 陰陽師の『人魂』には、その基本として以下の決まり事がある。 『符を全長1〜10cm以内の小動物へと変化させ、術者自身の視覚と聴覚を共有する。小動物は行動力1のみの能力を持っており、範囲内であれば自由に行動できる。式は僅かでもダメージを受けると消滅する。』 範囲は術者を中心に約40メートル四方に限られ、時間制限も設けられているものの、一定の距離を保った先の様子を伺い知れるというのは、こと戦場において重要かつ重宝する術である事は疑いようがなく、青龍寮の生徒達は、これに更に『声』を出させると言う試みに着手し始めた。 そしてこの日、この開発に向けた授業が行われると風の噂で聞いたらしい孔雀(ia4056)が青龍寮の門を叩く。 「人魂の改良……面白そうじゃない。少し見学させて貰えるかしら。ンフフ」 風変わりな陰陽師には慣れているはずの青龍寮の事務員男性も一瞬と言えど固まってしまったほどに奇抜な恰好をした孔雀は、困っている様子の事務員に対し実に楽しげだ。 「えー……と、それは、青龍寮への入寮を希望していての見学、という意味でしょうか?」 事務員は動揺しつつも陰陽寮という五行国の最高学府が部外者の立ち入りに対して厳しい規則を設けているのを説明……するも、当の本人はどこ吹く風と話を聞く気はないらしい。 事務員が困り果てていると、其処に偶々通り掛かったのは青龍寮生の成田 光紀(ib1846)だ。 「久々の授業がどのような事になるか興味深くて来てみれば、門前から事件とはね」 「あっ、成田さん!」 救いの神が現れたと言わんばかりに表情を輝かせた事務員だが、孔雀と光紀は互いの顔を見合わせてしばらく思案。 「ああ、君か」 先に顔見知りである事を思い出したのは光紀だった。 過去の大アヤカシ調査で捨て駒にされた等々、決して穏やかでない縁ではあるものの光紀にとっては「愉快な相手」という認識に変わりは無く。 「とりあえずは見学という形で参加してみれば良いだろう。ただし今回からの改良開発はあくまで『青龍寮の授業』だ。あまり多くは口出ししない事を勧めるよ」 「ンフフ……まぁ、善処しようかしら」 こうして光紀と共に教室へ向かう孔雀。 事務員は二人の背中が見えなくなってから、ようやく安堵の息を大きく吐き出すのだった。 ● 寮生八名、講師一名、飛び入りの見学者一名の合計一〇名が輪になった教室で、活発な論議が始まる。 「私のいつも使っている人魂は、天道虫なのですがどうやって喋らせましょうね」 樹咲 未久(ia5571)が苦い笑みと共に告げれば、カンタータ(ia0489)も「ですね〜」と頷く。 「ボクの人魂は普段から金色の蝶に形成する事がほとんどで、人の言葉を発するイメージには遠いです」 「そもそも、本物の虫や鳥やネズミが言葉を発する事が出来るのでしょうか? 近い事が出来る動物は知っているのですが……」 「それなら、その辺で鳴くものを捕まえて喉を切り開いた方が良いかね? 声の出る仕組みを知るには有効やもしれぬ」 「そ、それは、うんっ、最終手段にしとこっか!?」 鈴木 透子(ia5664)が難しい顔で呟けば、光紀がさらりと物騒な事を言い、モユラ(ib1999)が慌てて制する。 そんな仲間達の様子を見て无(ib1198)が笑った。 「本当に久々ですねぇ、こういう遣り取り。聞いているだけで楽しいですよ」 「それは同感だけど、笑ってばかりもいられないわ」 胡蝶(ia1199)が言い、宿奈 芳純(ia9695)も同意し頷く。 「克服課題は少なくとも二つ以上。一つ目は『認識』。二つ目はイメージの展開に術の方式が追い付くようにする事、でしょうか」 芳純の言葉を皆が胸の内で反芻する事で生じた沈黙に、講師・菅沢の表情は和やかだ。ただ黙って聞いている様に見えて、その実、寮生達の考え方を冷静に分析しており『最初の課題』はクリアしたと確信したからである。 その『最初の課題』が何であったかは、内緒だが。 黙って見守っていると、透子が語り出す。 「私はお師匠様曰く『その場に合せて出せば良い』が基本なので人魂の姿形に拘りはないのですが、人魂に呪声の術式を組み込むというのはどうでしょう? たぶん有害ですが」 「間違いなく有害ね」 胡蝶が冷静に突っ込む。 その術は読んで字の如く、対象の脳内に呪いの声を響かせる事でダメージを与える攻撃術だ。既存の術式を合わせるという意味で難易度は下がるかもしれないが、それで伝えたい相手が負傷しては元も子もないだろう。 「ですよね……」と透子も悩まし気に呟いてから、更に知り合いの旅芸人から聞いた話を思い出す。 「人の声は弦楽器に似ているのだそうです。笛とかの方が近いと思っていたので少し意外だったのですが」 「弦、ですか〜」 カンタータがふと思いついたように粒やく。 「昆虫などの中には翅等の器官を震わせて音を使って意思疎通を図るものもありますよね」 空気中で弦が震える事によって発せられる音と同様、昆虫には昆虫の『音の出し方』が存在する。 「昆虫も音を発する事が出来ると術者が納得して式を構築出来るなら、そのようにして相手に言葉を伝える事は決して不可能ではないように思うのです〜」 「あぁ、その手がありましたね」 未久が言う。 「体は楽器、だったでしょうか? 確か『体で恋の詩を奏でる』んです」 「そうなんですか?」 「蝉です」 聞き返して来る透子に、にこりと未久。 「蝉の雄の腹部には発音する膜があり、それを専用の発音筋で震動させ、共鳴箱のような空洞の腹部で音を増幅させたり、腹部の隙間を変える事で音の調子を変化させ歌を奏でるのだそうです」 「詳しいですね」 「以前に少し調べた事がありまして」 「確かに音とは震える事で鳴るものです」 言いながら、无は自分の喉に手を当てた。発声に合せて小刻みに震えるそれが声帯だ。更に喋る相棒・宝狐禅のナイの喉元にも手を当ててみれば、付き合いのよい相棒は声を発し己の声帯も震える事を証明する。 動物型でも言葉を発する事が出来るという明確な答えの具現化が其処にあった。 そうして誰ともなく人魂を発動させ、未久の指先には普段と同じく天道虫の姿を象った人魂が現れる。 「天道虫にも羽はありますし、試してみる価値はありますよね」 「うん。それに、今までと同じ人魂でもネズミや鳥がちゃんと鳴けるかも確認したいね」 頷くモユラの手前には鳥型の人魂。鳥形には无や芳純、透子も挑戦している。 カンタータ、光紀は羽を振るわせて音を出すという実戦のため、蝶型で試してみる。 その様子を、孔雀と講師の菅沢は並んで興味深そうに眺めていた。 ● 結論として、意識する事で鳥に鳥の声を出させる事、蝶や天道虫の羽を振るわせる事は出来た。後者は『震わせる』という行為のイメージを固めるまでが多少困難だったが、コツを掴んでしまえば鳴かせるのと同様だ。 鳴け、羽を動かせと強く念じる事で実際に行動を取らせる事も可能であると確認出来た今、問題は、それが相手に伝わる言葉になるかという点に絞られる。 「予め打ち合わせを出来る相手とならそれでも伝わるでしょうが……」 芳純の意見は、皆の代弁でもあった。 やはり『言葉』を発するという部分が最大の難関であり、寮生達はそれぞれに模索し始めた。 カンタータは喋る人魂を形成するためモデルとなるアヤカシの考察に入り、透子は気分転換も兼ねて五行の街へ。 モユラ、光紀、芳純、无、胡蝶、そして未久は教室で引き続き人魂を召喚しながら様々な方向からのアプローチを重ねていた。 例えば芳純が提案した『船の伝声管』や『風信機』の要領で人魂を喋らせようと言う試みや、人魂の口そのものを自分の口の延長とイメージする方法。 「糸電話という考え方もあるなぁ」と无も言うように、全く別個の音声器官が喋ると言うよりは、術者と人魂の間に何かしらの繋がりを保つ方が成功しそうだというのが彼らの予測だ。 喋る鳥という事で鸚鵡を象らせた人魂に言葉を教える試みは、憶えさせるより先に発動時間を過ぎてしまうという根本的な問題があったし、大きさにも制限があるため、小さいサイズでの造形をイメージしても三回に一度くらいしか人魂としての術が完成しない。 いっそ、己の口を人魂に植え付けるようなイメージで……と試してみても、これがなかなか難しく、また見た目もよろしくない。 「いっそ自分の口を絵に描いたり、式神で作ったりして、それに喋らせてみるとか」 「それはもう、新しい術の開発になりそうですね」 モユラの提案に、无の感想。 ――ああだこうだ、それだどれだと論議しながら実験を続ける事およそ一時間。 思い付く限りの方法を試した後で頭を抱える寮生達に対し講師の菅沢は助言も含めてこんな事を告げた。 曰く「これまでも自然に人魂に此方の意図した行動を取らせている皆さんは、基本は既に会得済みなんですよ?」と。 しかし寮生達は更に難しい顔をする。 「それを改めて意識しちゃうから難しくなるのカナ」 「ですねえ」 モユラの言葉に、未久も困ったように頷くが、声の調子は決して沈んではいない。 まずは一歩ずつ――失敗したなら失敗した理由を考えようというのが彼のスタンスであり、それを否定する仲間は此処にはいないからだ。 「難しく考え過ぎというのはあるかもしれませんね」 人体の構造まで視野を広げていた未久がそう語れば、芳純も「確かに」と応じ、无は左右に首を傾けながら凝り固まった体に血を巡らせながら、改めて考え込む。 手元を離れた式神に喋らせる方法。 その式神は術者の力。 術者のイメージ。 人魂は術者が知りたい情報を得るために手元を離れ移動する。視界を広げ、聴覚を広げ、かと言って入手できる情報は移動中の人魂本体が得られる範囲に限られる。術者との距離全範囲をカバーするわけではない。 その意味するところとは? 「どうですか?」 考え込む寮生達の姿を優しい眼差しで見つめていた菅沢は、見学中の孔雀にそう声を掛けた。 「今回の人魂の改良は青龍寮生の卒業に向けた開発でもありますから、寮生以外の意見をどこまで取り入れていいものか悩ましいと言うのが本音です」 「ンフフ、なるほどね。さすがは五行の最高学府といったところかしら」 多少皮肉めいた響きを伴った言葉に、菅沢は「すみません」と苦く笑う。 「ただ、成田さんや无さん、他の皆さんも、貴方の意見を部外者だからという理由で聞き入れない事はありません。さっきも、人魂の口部分を人間のそれに変化させるなど有力と思える挑戦は積極的に実験しています。もしも今後、この人魂の改良版開発の完成まで彼らと一緒に励みたいとお考えなら、仮入寮など手続きは取れますから言ってくださいね」 「そうね、考えておくわ」 「ええ、是非」 童顔なくせに浮かべる微笑みや眼差しは教師のそれで、孔雀は面白そうに笑う。 成果はいまいちだが、悪くはないかもしれないと。 ● 仲間が寮の教室で四苦八苦しているのと同じころ、五行の街に出ていた透子が目を奪われたのは道端で大きな人形を片手に腹話術を披露している芸人だった。 普段、一般的に自分達が声を出しているのはお腹からだが、腹話術というのは口唇顎をほとんど動かす事無く声を発するもので――。 「あっ」 小さな虫や動物を喋らせると言う事は、異なる動物の、異なる器官を使うということ。 「式だけでなくて、あたし達のほうも近づかないといけないのでないでしょうか」 自分の口以外から、声を発するということ。 離れた場所に言葉を齎すという、こと。 腹話術は素人には難しい技術だが、もしもその練習が人魂の改良版の完成に役立つとすれば――。 「すみませんっ」 透子は急いで芸人に歩み寄ると、事情を話し、腹話術の基礎を教えて欲しいと頼み込んだ。陰陽寮は基本的に部外者の立ち入りを禁じている学び舎。他の仲間達にも教えるのなら、まずは自分がその技術を習得しなければならない。 そしてその選択は、紛れも無く一つの可能性だった。 ● 「此処にいらしたんですね」 寮の中庭に面した廊下で菅沢がそう声を掛けたのは、庭の花に止まった蝶々を真剣な眼差しで観察し、絵にしている胡蝶だ。 「他の皆さんはまだ教室で論議、検証をしていますよ?」 「ええ。それも聞き逃したくない話ではあるんだけれど……」 言いながら、今まで自分が描いていた絵を見つめる胡蝶の瞳には、迷いと共に強い決意が見て取れた。 「皆は寮友だけど……競う仲間でもあるから、ね」 人魂の改良版を開発したい――それを最初に提案したのは他の誰でもない、胡蝶だ。仲間達は皆、面白そう、やってみたいと前向きに受け止めてくれているけれど、胡蝶本人にしてみれば、どうしても「巻き込んでしまった」感が拭えずにいるのだ。 「私達は、これまで漠然とした想像で人魂の術を使って来た……でも、こうしてじっと観察して、紙面に書き起こしてみると、今まで気付かなかった命の躍動みたいなものを感じられるのよ」 言いながら菅沢にも蝶々の絵を見せる。 「こうして絵にする事で感じ取ったものも人魂を形成するうえで、ある種の補助的な力になるなら――そして、その成果があると確信出来たら、皆にも試して貰おうと思って」 「なるほど」 視覚、聴覚を共有する己の分身とも言える人魂に新たな能力を付与するために、その対象を知る事。 『掴む』事。 言葉を話させる上で、それはとても重要な過程だ。 更に胡蝶はジライヤや猫又など、人語を理解する相棒との合同訓練も視野に入れていた。 「『人でないモノ』が喋る姿を見て、意思疎通する事で私達の概念に『蝶々も喋る』っていう姿を取り込むのよ」 日常的にしていた事象から見える非日常。 常識という固定概念を、まずは取り除くために。 「やる気充分ですね」 「やるからには成果の一番を目指すわ」 「一番ですか」 「元は私が言い出した課題だし、独力でも成功させるつもりだけど、依頼や合戦で分かったの。人魂の有用性と使用機会は他の術と比べて格段に勝っているわ。その人魂の改良版を青龍寮で残せれば、青龍寮が閉じた後でも後に続く陰陽師は「青龍寮の開発した人魂」を重宝するでしょう。それって、とても気分の良い話じゃない?」 笑顔で断言する胡蝶に菅沢は笑う。 「安心しました、どうやら完成が見えてきたようですね」 「え?」 目を瞬かせる胡蝶に、菅沢はにっこりと笑い――。 その後、カンタータから夜光虫の術式の流用等によって人魂の継続時間を延ばせないだろうかという意見が出た事で、人魂の改良版は更に具体的な目的値を設ける事になる。 既に基本的な部分で成功は見えていると言っても過言ではない青龍寮生達の挑戦。 新たな術の完成まで、あと一息だ。 |