裏・開拓者ギルド
マスター名:龍河流
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: やや易
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/06/13 02:32



■オープニング本文

『お、開拓者でもふな。この世の修羅場、開拓者ギルドにようこそでもふ。ここのギルドで依頼を受けるのは初めてもふ? ふふふ、大丈夫もふ。最初は苦行でも、それが快感に変わり、いつの間にか依頼なしではいられなくなるもふ‥‥そうなる頃には、一人前の開拓者の完成もふよ』
 そこでは、一頭のもふらさまが、含み笑いつきで出迎えてくれていた。そもそもk顔の造りが笑っているようだとは、言ってはならない。

 場所はジョレゾの一角。入口には『うら・かいたくしゃぎるど』と子供の悪戯書きかと思わせる字で書かれた看板が掛けられた、どう見ても倉庫っぽい建物だ。
 確かに、位置は開拓者ギルドの正しく裏。
 覗いてみれば、中には一応カウンターらしきものがあり、そこには見慣れた受付の姿は‥‥なかった。
『いよう、開拓者がや。覗いとりゃせんで、ずずぅっと中にへえれや。ちょんど、依頼が入っただよ』
 いや、それっぽいものはいる。
 どこの訛りかも分からぬ謎言語を操る土偶ゴーレムが、カウンターの向こうには立っていた。
 依頼書らしきものを手にしているが、書かれているのは明らかに人語ではない。

 と、土偶ゴーレムの背後から、ゆらりと立ち上がった影がある。
 古びたクッションに横たわっていた、真っ黒艶やかな毛皮をまとったそれは、長い二本の尻尾を持っていて、どこからどう見ても立派な黒猫又だ。
『ギルドマスターのお成りもふ』
『やいやい、マスター直々のご説明だじぇ。よんぐ聞げ』
 裏開拓者ギルドのギルドマスター様は、真っ赤な口を開いて仰った。
『おまえら、犬と飼い主を捕まえておいで』
 ジェレゾの街に、犬とその飼い主ってどれだけいるの?
 なんて呆気に取られていると。

「こらっ、おまえ達はまた勝手に抜け出して!」
 本物の開拓者ギルドで見たことがあるような人が、怒鳴り込んできたのだった。
 どうやらもふらさまと土偶ゴーレムと猫又は、ギルドの宿舎から抜け出して来ていたらしい。
『いいかい、ここらの猫達を襲っている犬と、その飼い主を捕まえて来るんだよ』
 裏の開拓者ギルドマスター様は、そう言い残して、窓から華麗な逃亡を遂げた。
 もふらさまと土偶ゴーレムは、入口で押し合いへし合いしているうちに捕まっている。

 確かにこのところ、野良猫、飼い猫の区別なく、猫達が数頭の犬に襲われて怪我をしているという話があったなあと思い至ったのは、屋根の上から猫の鳴き声がしたからだった。


■参加者一覧
葛葉・アキラ(ia0255
18歳・女・陰
桔梗(ia0439
18歳・男・巫
ペケ(ia5365
18歳・女・シ
鴇閃(ia9235
21歳・男・シ
皇 那由多(ia9742
23歳・男・陰
イリア・サヴィン(ib0130
25歳・男・騎
ライオーネ・ハイアット(ib0245
21歳・女・魔
ルヴェル・ノール(ib0363
30歳・男・魔
琉宇(ib1119
12歳・男・吟
ミアン(ib1930
25歳・女・吟


■リプレイ本文

『いいかい、ここらの猫達を襲っている犬と、その飼い主を捕まえて来るんだよ』
 裏の開拓者ギルドマスター様は、そう言い残して、窓から華麗な逃亡を遂げた。
 もふらさまと土偶ゴーレムは、入口で押し合いへし合いして、皆の目の前で捕まって、連れ帰られている。
「ジェレゾのギルドは、猫又が仕切っているのか‥‥」
 そういう騒ぎが目に入らなかったのか、イリア・サヴィン(ib0130)の妙な感心は‥‥誰からも訂正を受けなかった。それどころか、
「うむ。裏マスター直々の依頼だ。キッチリ解決してみせようではないか」
 どこまで真剣なものか、ルヴェル・ノール(ib0363)が同意していたりする。
 一応、中にはミアン(ib1930)のように、
「どうにも面妖なお話ですね〜。放って置いてもいいような気がしますね〜」
 あまり切実感のない者もいる。今さっきの出来事そのものが現実味を欠いているので、実感が湧かないのだろう。
 そうかと思えば、自分は猫派だ犬派だと語り合っている人々もいる。飛び抜けて猫を愛する主張は見当たらなかったが、だからといって猫が怪我をさせられてよいと思う者もいない。
 だいたいは、
「被害猫は勿論不憫だが。主の悪意により使役される犬も哀れなもの‥‥」
「む。しかしこれは裏で人間が糸を引いてるんか‥‥成敗、やな」
「ええ、必ず犯人を見つけましょう」
 鴇閃(ia9235)、葛葉・アキラ(ia0255)、ライオーネ・ハイアット(ib0245)の発言が示すとおりに、『動物を悪用したり苛める奴は許すまじ』だ。
「しかし人間が指示しているって思われているのは、何か理由があるのだろうか」
 犬猫どちらも派の桔梗(ia0439)が、猫又からの依頼内容に首をひねっているのは、犬の目撃情報は聞いたことがあるが、人間の話はついぞ耳にしたことがないからだ。これには皇 那由多(ia9742)も同意して、飼い犬だったらどこを調べればよかろうかと考えている。
「犬の飼い主ならよその犬も知っているでしょうし、動物を診るお医者さんがいれば怪我をした犬がいるかどうかは尋ねられますね」
「まずは現場検証と情報集めだよ。となれば、聞き込みだね」
 うきうきした様子で琉宇(ib1119)が言い出して、じゃあ単独行動は危ないから何人ずつかで聞き込みに行こうかなどと皆で話していたところ、なんとなく最初より人数が減っている気がしてきた。正規の依頼ではないから厳密に人数など数えていなかったから、九人は自分達で頑張ろうかと犬猫救護のために動き出した。
 この場合、命令されているだけだろう犬も、もちろん保護対象なのである。

 そして、開拓者ギルド裏の倉庫の外では、ペケ(ia5365)が一人で同じことを決意していた。全員で聞き込みがまだるっこしいと思ったか、自分の単独行動案が上だと感じたのかは不明だが、一人で動くつもりでいる。
 ここで一言別行動をすると言っておけば、皆が調べた情報を知らせてもらうのも簡単だったろうが、まずは一人で猫のよくいる場所を調べねばとどこから手をつけるか、悩んでいた。
「裏開拓者ギルドなら、猫の着ぐるみとかおいてありそう?」
 家捜しするなら、皆が散るまで待たなくてはいけない。

 単独行動は避けようの九人は、適当に組んで情報収集に出掛けることにした。相手は猟犬が三匹で、こちらには犬を殺すつもりがないとなれば、一人で襲われないように二人か三人組が基本となる。ついでに、住宅地ではジルベリア人以外があれこれ詮索して歩いたら怪しまれるかもしれないとの懸念もあった。見た目で分からなくても、立ち居振る舞いが違うとか、こちらの習慣を知らずに不審がられるといったことはなきにしもあらず。
 そんな理由に追加して、琉宇と葛葉の二人では裏道にでも入ったら危なそうだと思ったか、イリアが入った三人はやおらパン屋で怒られていた。
 聞きたいことは猫の溜まり場や犬の襲撃事件の日時、猟犬を飼っている家や事件の目撃者の所在といった、他の人々も尋ねていることだが、琉宇にはもう一つ目的があった。猟犬は黒っぽい体毛だから、白っぽい粉を掛ければ、逃げられても見付け易いと考えて、麦粉を分けてくれと頼んでいる。パン屋は犬も猫も特別好きではなかったが、そのうち近所の子供に被害が出るのではと心配していて色々話してくれたのだが‥‥
「食べ物を粗末にする奴は来るなーっ!」
 本来人の口に入るものを、往来にぶちまけようって話になるのだから、パン屋が怒っても仕方がない。あまりの勢いに琉宇と葛葉がびっくり仰天で、今までの勢いはどこへやら、イリアの背後に回っている。
「まあ、それについては後でよく言い聞かせるから。それだけ怒ってくれれば、十分理解出来る年頃だ」
 世間知らずですまないとか、実際はどうあれ、イリアが取り成して、琉宇にも謝罪させたら、パン屋は灰をくれた。白っぽい粉ならこれで十分と言うわけだ。
「あんまり白くないけど‥‥食べ物はもったいないねぇ」
「あぁ、今の店でパンを買わなあかんかったのに‥‥他に店はあるやろか」
 ちなみに二人はあっさりと元気を取り戻し、灰の入った手桶をゆらゆらさせながら、次に向かう先を物色している。葛葉がパンに拘るのは、次の襲撃予想地点を見張る時に物陰で齧らなくてはならないからだと言うのだが‥‥そんな見るからに怪しいことに、何人が付き合ってくれるかは謎である。

 同じ頃、桔梗、ライオーネ、皇の三人は、街中で聞き込みに当たっていた。先の項目に加え、動物を治療する医者を探している。正式の依頼ではないから、尋ねるのは主にライオーネが担当するが、桔梗は怪我猫がいたときには治療に当たり、皇は最初の挨拶や何か尋ね返された時に愛想よく返事をしたりと、うまい具合に分担が出来ている。
 あちこち訊いて回ったところ、街の住人にも『捨てられた猟犬が街中を徘徊している』と『誰かが猟犬を使って、騒動を起こしている』の二つの噂があることが判明した。前者は犬の姿しか目撃されていないからで、後者は笛の音のようなものを聞いた人がいるためらしい。どちらにしても、犬が猟犬だろうという点は、非常に統制が取れた行動具合から、多くの人の意見が一致している。
 中には『うちの犬とは吠え方が全然違う』なんて理由もあるのだが、皇の提案で捜して訪ねた動物のお医者さんは、被害猫の傷の具合や犬の行動から、ちゃんと訓練した猟犬だろうと証言した。ただし、
「そもそも街中で飼うものじゃないからさ。訓練をするのだって、郊外がいいはずだけどなぁ」
 ジェレゾには各地の貴族が屋敷や家を持っていることも多いが、そこで猟犬を飼っているという話も聞かないと、動物のお医者さんは請け負った上で、桔梗とライオーネに尋ねられた猫の集会所や野良に餌をあげている人のいる場所なども教えてくれた。
 ところで、誰が言い出したものだか、調査の時には暗号名が必要だと言う話になっていたようで、ライオーネはウィッチ、皇はうっかりと決めていたのだが、桔梗がそんなことは知らなかったものだから、三人の会話は普通に名前を呼び合っていた。

 それからしばらく後の、日暮れ頃。
 とある酒場で、飲酒に勤しむルヴェルと、仕事をしているミアンと、その二人の意図を掴みかねた鴇閃とがいた。一応日が暮れる前に、開拓者ギルドでも事件のことを尋ね、何人かが危惧した陰陽師の犯行説も気にして、不審な者がいないかも確かめてきた。結果、事件発生場所は地図に書きこめたし、不審な行動を取る陰陽師も心当たりはないと聞いている。猫への怨恨を窺わせる言動の者も、いればとっくに捕まえていることだろう。
 少なくとも、三頭もの忍犬を連れている開拓者もいないことが判明したので、騒動の犯人が開拓者である可能性は低い。
 鴇閃はだいたいそんな風に考えて、犬は傷付けずに人間をうまく取り押さえようと思っているわけだが、ミアンはすっかりと目的を見失っている。吟遊詩人らしく、唄って飲んで、また歌っての繰り返しだ。ルヴェルは周りと打ち解けた様子であれこれ話していて、多分事件のことを尋ねているのだろうが、内容はよく分からない。明らかなのは、飲むほうにも熱心だと言うこと。
 この調子で三者三様に夜更けまで酒場内で別行動だったが、鴇閃は生来の影の薄さが災いしたのかひたすらに一人酒。ミアンは悪酔いして足元がおぼつかず、ルヴェルは飲食も満喫した風情だ。
 ふらふらしたミアンを連れて、まずは帰るのが大変である。こんな調子だから、情報収集もまあ、ルヴェル以外は散々だった。

 そんなに遅くはならないうちだが、日が翳った頃。
 ペケは『うら・かいたくしゃぎるど』に舞い戻っていた。次なる襲撃を未然に防ぐには、もちろん猫が集まる場所に張り込むのがよいわけだが、それでは猫を巻き込んでしまう可能性がある。それを避けるためには、自分が猫の振りをして囮になればよいと考えた彼女は、変装用に着ぐるみを捜していたのだ。
裏ギルドならきっとあると睨んでいたわけだが、門番がもふらさまで、受付が土偶で、ギルドマスターが猫又。猫と見紛う程の着ぐるみを必要とするものはいない。残念なことに、着ぐるみはないようだ。
『おまえ、今頃こんなところでさぼっているのかい?』
 やれやれ困ったとペケが悩んでいたら、自称ギルドマスター猫又が目をぎらんとさせて窓から覗いていた。さぼってないよと、ペケが作戦を主張したところ、
『じゃあ、明日になったらなんとかしてやる』
 気前のよいことを言って、猫又は姿を消したのだった。
 そして、翌日。
「重い‥‥暑い‥‥」
 街の一角、他の九人が『猫の集会所で、まだ襲撃されていないのはここ』と後程駆けつける家の屋根の上で、ペケは多数の猫に布団にされていた。猫又は着ぐるみを用意してくれることはなく、顔見知りの猫を集めて、屋根の上に伏せたペケの上に乗せてしまったのだ。
『姿が隠せたのに、何が不満だい?』
 ペケの猫を巻き添えにしないという気概は受け止めたが、猫側もこのままやられっぱなしでいられるかと言う武闘派が現われていたのだろう。いざとなったらペケが盾になってくれると、間違った情報を教えられた猫達は、意気盛んに猟犬どもが来るのを待ち構えている。
 ただし、猫の襲撃事件は人目を憚るからか日暮れ時が多い。ペケがそこまで調べていたかどうかも不明だが、猫又はのんびりとその時を待つつもりのようだ。
 現在、真昼。ペケがそれまで猫達の下で待つかどうかは、ひとえに彼女の忍耐力次第だろう。

 前日に調べた情報を持ち寄って、襲撃予想地域地図を作ったり、近隣で黒っぽい犬を飼っている家を中心に犯人追跡のために借りに行っていた九人は、結局一頭も借りずじまいでいた。飼い主が役に立つならと同意しても、初対面の彼らに協力的な番犬はおらず、連れ歩くことが困難そうで、様子を見させてもらうに留まっている。
「この辺りで、怪しい家はなかったな〜」
「三頭以上飼っていて、夕方以降に散歩に出る家もないようでしたね。お世話担当の人を置いている家もありません」
 琉宇と桔梗が、犬をこっそりと観察したり、近所にも聞いて回った情報を提供している。近隣住人の犯行も疑って、犬を飼っている家は一通り見たわけだが、これと言って怪しい家はなかった。
 ゆえに待ち伏せ作戦に移行するのだが、葛葉がパンと牛乳を買い込んできたのを、皆に分けてくれている。これを食しつつ待ち伏せるのが、待ち伏せの定石だそうだ。琉宇や皇、イリアは付き合ってくれそうだが、ライオーネはなんともいえない微笑を浮かべている。二日酔いのミアンは、見ただけで逃げた。
 ミアンが回復具合は大変微妙だが、後は襲撃予想地点で怪しい動きが出るかどうかを待つのみだ。犬が来たら怪我をさせずに取り押さえられるよう、準備も万端である。犯人の扱いは人により予定は様々だが、それは各自手加減するつもりもないらしい。
 猫と犬が大事。動物を悪いことに使役する人間は、罰されて当然の心持ちだ。

 そうして。
 うまい具合に、襲撃予想場所には猫が団子になっていて、なにやら声高に鳴き交わしていた。そこに皇が子猫の姿の式を紛れ込ませ、周辺にはパンと牛乳を持ったり持たなかったりしている人々が隠れ潜む。一人だけ道端で唸っているのは無視。
 この配置で日暮れ少し前から猫達の様子を伺っていることしばし、笛のような音と一緒に犬が三頭現われた。目の前を通り過ぎていくのを傍観した者もいるが、ここは指示する人間の姿を確認しないうちは動けないのである。
 とは申せ、皇の式が咬まれたのはまだよいとして、他の猫に向かおうとした犬には鴇閃とイリアが立ち塞がった。どちらも犬の牙程度では痛くも痒くもない武装で犬の動きを封じ、ルヴェルとライオーネがアルムリープで眠らせている。もう一頭は、妙に威勢がよい猫達が迎え撃ち‥‥と思ったら、ペケが飛び出していた。大きさの違いにたたらを踏んだ犬にハリセンの一撃を喰らわせようとして、追いついた猫達と犬の乱闘に巻き込まれている。
 この全体に琉宇が灰をぶちまけ、葛葉の呪縛符が目視を誤って猫又に命中し、多くの人と猫と一匹の犬が灰色に染まったが‥‥その驚きに飛び出してきた男を一人捕獲出来た。こちらは有志であられもない姿に縛られたり、ハリセンでしばかれたり、こんこんと説教されたり、呪歌ではないが景気がいい二重演奏に興奮した猫達に引っ掻かれたりした後に、
「‥‥貴方の罪にはしかるべき裁きがあるでしょう。その前に大分痛い目を見ましたが、後日付け狙われるよりはましと思いなさい」
 ライオーネに最後の説諭を喰らって、なぜか葛葉に食べ物を差し入れられつつ、官憲に引き渡された。いかほどの処罰になるのかは不明だが、住宅地を騒がせたことへの叱責くらいはあるだろう。
「長引くようなら、ちゃんと犬のお世話をしてくれる人も捜しますからね」
 なお、猫を襲った理由が『こちとら主の代替わりで、猟は嫌いだと犬と一緒に放り出されて、結婚話もなくなったのに、盛りがついて騒いでいる猫が憎い』という当人以外には共感しがたい理由を述べた男は、散々な目に合っても反省しなかったが、犬が取り上げられると思った途端にうな垂れてしまった。これからせいぜい反省して欲しいものである。

 ところで。
「今回の依頼主は誰だったのです?」
「あの看板の文字、誰に書いてもらったのだろう?」
 ご褒美に猫又の肉球ぷにぷにを希望者が順番に満喫していた合間に、ルヴェルと鴇閃が尋ねたところ、猫又は『猫の敵は退治しろ』と身勝手な言い分を披露してくれた。看板は近所の子供に書かせたらしい。
「まあ、いいんじゃないか?」
「都会の依頼はお酒が飲めて楽しいですからね〜」
 ほとんどの者は、ミアンとは別の意味でイリアに賛同していた。