冤れぬ白無垢
マスター名:鷹羽柊架
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 7人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2009/11/10 17:04



■オープニング本文

 ぼんやりと外を眺めていた受付嬢に同僚が団子を差し入れてくれた。
 小粒に丸められて串を刺した餅をカリッとするまで焼き、とろりと濃密な醤油のタレに浸かった団子は受付嬢の大好物だ。
 お礼にとっておきのお茶を同僚の分と一緒に淹れようと、席を立った時に声をかけられた。
「お忙しかったですか?」
 その声は以前、警護依頼してきた折梅だった。前に会った時と同様に涼やかな容貌の老婦人だ。
「いえ、大丈夫ですよ」
 受付嬢は茶葉を同僚に手渡し、席に戻る。
「お久しぶりです。旅はどうでしたか?」
「楽しかったですよ。若いっていいですね」
 旅の事を思い出しているのだろうか、嬉しそうな笑顔で折梅が頷く。
「奥様もまだまだですよ」
「煽てられたら嬉しいじゃないですか」
 楽しそうに笑い合っていたが、受付嬢は折梅の翳りに気付くのは受付嬢の性だろうか。
「奥様‥‥もしかして、依頼が?」
「‥‥ええ、今日も依頼をお願いしたくて参りました」
 柔らかな表情は消え去り、涼やかな容貌がよく似合う厳しい表情へと折梅の顔が変わった。
「依頼は、とある結婚式を壊してほしいのです」
「結婚式を?」
 結婚といえば、新しい縁が結ばれ、両家に繁栄をもたらす神聖なるものだ。礼節を重んじる折梅が何故そんな事を依頼するのか。
「花嫁は緒水という私の近所に住む娘でして、とても素直で可愛い子なんです。ここ近年、孫とも疎遠な私にとっては、本当に実の孫の様に可愛いのです」
「何が問題なんですか‥‥?」
 折梅にとって、その緒水が大切な娘というのは分ったが、何が問題か分らない。身分の問題とかがあるのだろうけども。
「相手の家にです」
 話によると、相手の家は地位が高い家らしく、その地位の高さを利用し、娘さんの父親に無実の罪を負わせようと脅迫したらしい。
「ひどい‥‥!」
「何がひどいかって、相手の男です!」
 ぐっと拳を握った折梅はカッと目を見開く。
「汚い手口と七光りでのし上がっても中身はまるでない! 毎晩の様に夜遊びはいいとしてもいい話はまったく聞かない! あまつさえ、屋敷の中にはやくざ者を入れてたりとか!」
 黙る受付嬢に折梅は困ったように顔を俯かせる。
「ごめんなさい、つい、力んでしまって‥‥もう、その子は連れて行かれてしまって‥‥手荒なマネをされてないか心配なのです。私の口添えならばなんとか使用人として潜り込めると思いますが‥‥」
 どうかお願いしますと折梅は頭を垂れた。
「わかりました」
 受付嬢は紙に筆を滑らせて即座に書き上げた。


■参加者一覧
鷺ノ宮 朝陽(ia0083
14歳・男・志
衛島 雫(ia1241
23歳・女・サ
蛇丸(ia2533
16歳・男・泰
荒井一徹(ia4274
21歳・男・サ
輝血(ia5431
18歳・女・シ
バロン(ia6062
45歳・男・弓
痕離(ia6954
26歳・女・シ


■リプレイ本文

●虚光
 鷹来折梅の手配で輝血(ia5431)、鷺ノ宮朝陽(ia0083)が屋敷の使用人として入る事になった。どんな態度で応対してくるかと思いきや、その主人は大層満足気に迎えてくれた。
「あの鷹来家の隠居から目をかけられるとは! ワシの出世も約束されたもんじゃのう!」
 二人とも違うからと腹の中で思っていたが、口に出すにもいかないので黙って聞いている。どうやら、依頼人は女ではあるが随分と認識度が高いらしい。
「話には聞いておるだろうが、ワシは結婚を控えている。急な結婚ともあり、随分と気を落としていてな」
 それもそうだろう、娘の父親を脅して殆ど拉致に近い状態で連れ出したのだから。姉を持つ朝陽は他人事には思えないようで、前髪に隠れた瞳は怒りの色を宿していた。ご満悦の主人は何一つ気づかなく、浮かれているばかりだった。にこにこと背筋を伸ばして笑顔を張り付かせている輝血に視線をよこす。
「それでだな、嫁の世話をお主に任せようと思う。屋敷に来て日も浅い。若い娘ゆえ、気も紛れるだろう」
 いきなりの主人の指名に朝陽は心の中でよしと思ったが、指名された当人はきちんと心を「動かして」いた。
「え、私が花嫁のお世話を‥‥や、やらせていただきます」
 少し緊張した面持ちで輝血が答える。これ以上もないチャンスが早々にやってきた。
 一方では、これまた折梅の手配で荒井一徹(ia4274)と蛇丸(ia2533)が用心棒として入り込んでいた。とはいっても、彼女自身ではなく、どこからかの筋での紹介という事だ。
「おやっさん、こいつ等の事は任せて下せえ」
 頭的存在だろう男が深々と頭を下げる。一徹達を紹介した初老の男は老人の姿ではあったが、玄人だという事を気づかせるには十分な眼力を持っているだろうと伺える。
 凛とした地位ある家の隠居と有名な玄人。どんな繋がりなのだろうかと興味はあるが、今は依頼を遂行する事が先だ。
「じゃぁ、おやっさん、行ってくるよ」
 一徹が言えば、その老人は一つ頷いた。

●涙絶
 やくざ者の女に案内されて輝血が見たのは廊下に置かれた盆の上にある食事。何一つ手がつけられていないものだった。輝血は入っていいか女に尋ねると、好きにすればいいと言い捨てて部屋を去った。女の姿を確認してから輝血は戸を引いた。
「入ります」
 中に入ると、戸を背にして丸めている娘の姿。
「緒水‥‥さん?」
 おずおずと新人使用人として輝血は中に入るが、娘は何も反応していない。微かに肩が上下している所から死んではなさそうだ。死んでしまっては依頼の遂行にはならない。
 少しずつ緒水の前に立つと、伏せられた瞳から涙が一粒零れ落ちる。幾筋も流しただろう涙を輝血は見つめる。
「貴女の世話を任せられた輝血と申します。何事でも申し付けてください」
 お仕着せの挨拶をすれば、緒水の柳眉が歪められる。
 確かに緒水の姿は美しいが、襟元から見える鎖骨がぼっこり浮き上がっている痩せ細った姿は半減してしまっている。食事を取らない事と、極度の疲弊が彼女をそうさせたのだろう。
「私をここから出す事も出来ないのに‥‥」
「信じるのは君だよ」
 そう言って輝血は部屋を出た。

 一方、朝陽は老夫婦の下で働いていた。
「若いもんが入ってくれるのはありがたいのう」
 嬉しそうに老人が言えば、老婆も頷く。
「任せてくださいね!」
 朝陽が言えば、老夫婦は笑顔で頷く。老夫婦は本当に人がよく、どうしてこんな所にいるのだろうかと思っていたが、話を聞けば、先代の当主に恩があるらしい。今の主人になってから、何人もいた使用人達は次々とやめていった。だが、先代が残した家の事、恩を考えればやめるわけにはいかなかったようだ。
「不満はないの?」
 首を傾げて朝陽が言えば、老夫婦は首を振る。
 老夫婦がどう思っていようとも、やはり主人のしている事は許されない事だ。朝陽は井戸の方へと足を向けると輝血が部屋から出てきた。そっと、輝血が軽く膝を屈め、耳打ちをするのは緒水が無事な事。
 小さな吉報に朝陽が少しだけ顔を明るくするが、依頼中という事を思い出して顔を引き締める。

 バロン(ia6062)と痕離(ia6954)は折梅の案内で緒水の家にいた。
 一人の女性が出てきて、その姿はやつれた姿をしていた。折梅の姿を見て、女性は顔をはっとさせて頭を下げた。
 近くで見れば女性はしっかり粉で顔を覆っており、それでも隠しきれてない赤い目元。それだけで彼女が緒水の母親である事が見受けられる。
「どうぞ‥‥」
 女性が案内してくれた部屋で待っていると、壮年の男が入ってきた。随分老けたような印象を持たせられる男だった。
「これは鷹来の‥‥こちらの方々は?」
「市原様の無実と緒水さんを連れ戻す為に依頼した開拓者の方達です」
 静かな微笑を浮かべて折梅が言えば、市原と呼ばれた男は目を見張り、バロンと痕離を見る。
 開拓者には馴染みがないのか、驚いた表情で見つめている。
「し、失礼した。私は市原松一、鷹来様には随分と世話になりました」
「市原さんは、緒水さんの結婚はどう思いで?」
 痕離が聞けば、松一はグッと両手を握り締めて、苦しそうに顔を歪める。
「悔しいに決まっています‥‥身に覚えのない事で責めたてられ、恩着せがましく娘を奪われるだなんて‥‥」
 静かに悔しがる松一にバロンはそっと安堵の溜息のように息をついた。やはり、親は子を思うものだ。出来る限り、不自由な思いをせぬように、力を尽くしたいと思うのだ。
「緒水殿は必ず助けますゆえ、今暫く待ってくだされ」
「バロン殿の言う通り。女の子が無理矢理結婚させられるなんて許されないことだよ」
 にっこり微笑んで痕離も同意する。合意の上なら仕方ない事ではあるが、罠を仕掛けて奪い取ろうなんてもっての外だ。
 二人の開拓者の力強い言葉に松一の隣に座る緒水の母親が目を潤ませ、袖で雫を隠す。
「どうか‥‥よろしくお願いいたします‥‥」
 バロンと痕離に頭を下げる夫婦は随分と小さく見えた。心を打ちのめされた夫婦を見て、二人は緒水を連れ戻す事を改めて心に決めた。

 蛇丸と一徹は屋敷内のやくざ達がたむろする部屋にて酒を舐めていた。
 昼間から酒を飲み、下世話な話で笑い合う。二人とも心の中でうんざりしていながらもこれも仕事だと思って黙っていた。
「そういやよ、ここの旦那、嫁さん貰うんだってな」
 情報収集と思い、一徹が話を変える。やくざ者達は待ってましたとばかりに話に食いついた。
 男達がそれぞれ美人だの体つきがよさそうだの感想を言えば、隣で酌をしていた女がむくれたような表情をしている。
「あによ、あたしだって後十年若かったら負けてないわよ」
「まぁ、僻むなよ」
 女の隣に座る男が肩に手を回して機嫌を取っている。頭的存在である男の情婦といった所だろうか。
「しっかし、うまくいったもんですよなぁ」
 男の一人が酔いが回っているのか、顔が赤くなっている。
「ちょいとアニキがあの親父が歩いている所の懐に紙を入れてなぁ」
「あの後の親父の顔は大層面白かったとか言ってたなぁ」
 くくくと、男達が笑うと、蛇丸が言葉を差した。
「紙とは何だ?」
「ああ、あの親父が不正を働いたという証拠の紙さ」
 実際は何もやっていないのになと笑う。話を聞けば、その証拠の紙はとある問屋の店主が親父‥‥松一に脅されて金を渡したという話だ。
 勿論、松一は無実であり、問屋は屋敷の主人とつるんで証言したのだ。
「そうなのか。それほどの事をするってこたぁ、美人なんだろうなぁ」
 にやりと一徹が笑う。
「やめとけよ。ここの旦那が初夜までとっておいてるんだからなぁ」
 男は杯に残っている酒を一気に流し込んだ。

●魅了
 緒水と会った後、輝血は使用人としての服装に着替えた。
 白い丸角の洋服の上に黒く丈の短い服。足は太股まで見える短さだ。足元は膝が隠れる靴下を履いている。頭には白い布を襞畳んだ飾りをつけて。
「な、何なんだその格好は!!」
「異国の使用人の服装です」
 普段は着物を身に纏うものというのが常識なので、異国の衣装を間近で見るのは初めてらしい。
「似合います?」
 左手はちょっと握って頬に軽く当て、右手は裾をちょっと摘んでみれば、ただでさえ短い丈の服だから更に白く眩しい太股が見える。
 少々幼い顔立ちではあったが、白い肌が合間ってなんともいえない色香が見え隠れする。
「おお、おお、よく似合っておる」
「よかったです」
 ほっとするように可愛らしく笑う輝血の笑顔よりも、白く眩しい太股に目が行っているようだ。
「旦那様、書斎の掃除をしたいと思うのです」
 至近距離で主人を見つめ、少し上目遣いで健気さを演出する。
「ん、ああ、そうだな。頼むとしよう」
 輝血の目を見るよりはやっぱり胸や腰を見ながらではあったが、上機嫌で主人は行ってしまった。
「さ、はじめよ」
 そんなやり取りを少し離れた所で見ていた朝日は促されたのにも関わらず、ぱちくりと目を瞬かせた。
 入った二人が見たものは愕然としたものだった。
 本や紐でくくられたものがバラバラにおいてあり、書き損じたものなのか、丸められた紙がそこら中に散らばっている。着物も元は高価そうなものが脱ぎ散らかされていた。
 まさに足の踏み場もないというのはこういう事だと二人は思った。
 本と紙くずを分け、着物を畳み、二人は手分けをして片付けていく。
 朝陽が本を抱えて立ち上がった時、一冊の帳面が落ちてしまった。輝血がそれを拾ってあげれば、主人と問屋が結託し、金の取引が書いてある帳面。その他にも色々な不正が書いてあった。朝陽も見て、二人は頷いた。
 輝血は帳面を抜き取りやすい場所に隠して片づけを終えた部屋を出た。

●悪事はいつか分かるもの
 夕暮れになると、主人はやくざ者をつれて夜の町へ遊びに行った。
 残っているのはやくざ者の女と老夫婦と緒水になる。男達はどうやら、用心棒もかねている模様。
 屋敷の外では忍び装束に着替えた痕離と武器を携えたバロンが主人達の外出を確認した。勝手口から朝陽が二人を呼び、状況を伝える。少々衰弱しているが、緒水が無事である事は喜びである事は間違いない。
 二人を中にいれ、離れの方に向かう。
「そいつ等は誰だい!」
 女が声を上げると、痕離が女の腕をねじる。痛みを訴える女に朝陽は手拭いで女の口を塞ぎ、縄で縛り上げた。
 離れの前には帳面を手にした輝血が立っていて、合流すれば、輝血は戸を開けた。
「緒水殿、迎えに参りましたぞ」
 バロンが言えば、緒水は目を瞬かせた。痕離が緒水に手を差し伸べて、微笑む。
「お家に戻ろう。お父さん達も心配してるし」
「‥‥はい」
 涙を零し、緒水は何度も頷いた。

 主人に付き添っていた一徹と蛇丸は主人の隣の部屋でやくざ者達と待機していた。襖の向こうには主人と問屋が結婚式の打ち合わせをしていた模様。
 中庭の方からばたばたと足音がした。やくざ者の一人が立ち上がった中庭に面する障子を開ければ、そこにいたのはバロン達。
「何だ、お前等は!」
 威圧を含めてやくざ者が叫ぶと、主人と問屋も出てきた。
「お前達の悪事はここまでだ!」
 バロンが掲げたのは帳面。このまま提出すれば、不正の証拠の一つとして扱われるものだ。
「あ、お前達は!」
 朝陽と輝血の姿を見つけて主人が驚いている。
「こんな結婚は許されない事だからね!」
「市原殿に不正の濡れ衣を着せ、そこの問屋と手を組んだのはこの帳面に書いておる!」
 その他諸々の罪状を上げてしまうと、声に反応した他の部屋が野次馬に障子を開ける。
「な、何を言っておる! 痛い目を見させろ!」
 主人が叫ぶと、やくざ者が降りて殴りかかろうとしたが、内二人は蛇丸と一徹に昏倒されてしまう。
「命は助かっているぞ」
 そっと蛇丸が言えば、残ったやくざ者達はバロンの方へ走り出す。若い荒くれ共よりは年上のバロンの方が倒しやすいと思ったからだ。バロンと痕離が取り押さえると、主人と問屋は逃げ出そうとする。
「待ちな」
 感情の一欠けらもない輝血の声は主人の首に触れる苦無の冷たさと似ていた。生唾を飲み込むと同時に主人は輝血の手によって床に伏されていた。問屋も朝陽の手によって捕まっていた。

●円満
 騒ぎを聞きつけ駆けつけたのは、その日の当直は中性的な容姿の役人だった。開拓者達の姿を見て、役人は少し固まった。
「‥‥もしかしなくても鷹来折梅さんに依頼された?」
 ポツリと尋ねて、バロンが頷く。
「‥‥‥‥そっか」
 心当たりがあるのだろうか、がっくりと肩を落とし、役人は苦く笑う。
「ありがとう。内偵はしていたんだけど、どうしても証拠が見つからなくって」
「知ってたんだ」
 朝陽が言えば、役人は頷く。
「証拠もなく糾弾はできないしね。本当に助かった。ありがとう」
 そう言って、役人は主人と問屋を連れて行った。

 市原家では娘が帰って来た事を家族で喜び合っていた。
 やはり家族が一緒に住まうのはいい事だとバロンは嬉しそうに頷いている。
「みなさん、本当にありがとうございました。何とお礼を申し上げたらよいのやら」
「結婚式が潰れて何よりだよ。そういや、緒水さんに好きな人でもいるの?」
 笑顔で朝陽が言えば、緒水は少し首を振る。
「今は居りませんが、いつかは好きな方と一緒になりたいです」
 微笑む緒水は捕らわれていた時よりまだ回復はしていないが、持ち前の美しさは戻りつつある。華美ではないが秋に花咲く女郎花のような微笑みだ。
「開拓者の皆さん、本当にお疲れ様でした」
 椿の着物を着た折梅がそっと三つ指をつく。
「結婚が取りやめになって何よりだぜ」
 にっと笑い、一徹が言えば、折梅は微笑む。
「して、あの男の処分と市原さんの名誉は?」
「まだ沙汰は出ないようですが、市原様の名誉の回復も時間の問題です」
 折梅の言葉に蛇丸は少し満足したように頷いた。

 バロンと痕離は緒水の幸福を祈ってを名目に帰りに一杯。
 円満に終わらせた仕事はなんとも素晴らしい酒の肴。最高に美味い。

 残った面子は折梅を送っている。
「そういえば、店で大層暴れたとか」
 怒られるか?と、一徹と朝陽が肩を竦めたのだが、折梅は落ち着いた雰囲気とは少し違う少し拗ねた表情となる。
「話を聞きましたよ。華々しい活躍だったそうではないですか。式で潰していただければ私も皆様の活躍が見れましたのに」
「そこか」
 呆れる蛇丸に輝血も同意する。
「折梅さんが手引きした事がわかったら鷹来の家も大変じゃない? そういう人達にとって家って大事なものでしょ?」
 大切なものがない輝血にとって家が大事というのはいまいち理解しがたいものだ。
「真に大切だと思うものを攻撃するものなど消えてしまっても構いません」
「え?」
「それでも大切な人がそこにいる以上、守らねばなりませんわね」
 きょとんとする四人に折梅は微笑む。