|
■オープニング本文 初夏の清璧山、清璧派の後継者である綾麗は、同じ泰国人同士の開拓者である岳陽星が故郷に戻る序でに立ち寄ったので、暫く話し込んでいるところでした。 「と言うわけで、暫く天儀の方から戻ってなかったら、故郷から偶には戻ってこいと呼び戻されたって訳だ」 「なるほど……しかし、邑の周りで今迄無かった獣道ですか……危険な獣が側に住み着いたと言うことがあるかも知れないですし、邑の方は不安ですよね」 小振りの茶碗を卓に置いて少し考える様子を見せる綾麗、陽星は頷くと苦笑気味に肩を竦めます。 「ま、そうは言っても、秘境といったら皆そこまで言わなくてもと云うが、鐘連峰の峰の手前に有る邑だからなぁ。簡単な柵程度で、今迄問題なかったぐらいなんだが……」 「調べてみて何も無かったら、それに越したことはないのでは?」 出された揚げ菓子を囓りながらぼやく陽星に、少し考える様子を見せる綾麗。 「しかし、戦える訳じゃないってだけで、男手がない訳じゃないしなぁ」 「確か陽星さんのお師匠様が今は居るだけなんですよね? そうなれば、やはり一度戻って来て貰いたいと思うのは自然なことだと思いますけれど」 そう言いながらも何やら考えている様子の綾麗に首を傾げる陽星。 「ん、どうした?」 「あの辺りって、何だか古い祠があるんでしたっけ?」 「祠は記憶にないが、凄い古い守り神の碑があったかな、邑の水源の水門の所にあるんだが」 「そうですか……いえ、ちょっと耳にしただけなのですが、あの辺りの祠に、曰くありげな品があるとか言う噂を最近耳にしたのですが……」 「んー……そう言ったのは分からないけど、そうだな、邑から少しくだったところに幾つか、洞穴がある一帯もあるし、そう言った所にもしあったと言うのなら、流石に俺は知らないからなぁ」 そう言いながらも何とも言えない表情を浮かべて、思わず顔を見合わせる綾麗と陽星。 「ん……そうだな、少し心配になってきた。申し訳ないが、もし少し体が空いているんだったら、調べるのを手伝って貰いたい。うちの師匠にも聞いてみよう」 「そうですね、思い過ごしならそれが一番ですし……一度見に行ってみましょう。このところ、大きな動きも見えませんし」 綾麗は支度をしてきます、そう言って立ち上がるのでした。 「普段なればそこまで心配することではないと思うのですが、何やら、どうにも気になりましてな」 そう切り出すのは清璧派で師範代として普段留守を預かる四十代そこそこの男性雷晃、開拓者ギルドで窓口の一つとなっている猫っ毛で14〜5歳程の泰国人少年の孔遼は依頼書を開くも筆を手で弄びながら首を傾げます。 「んー……鐘連峰ってあれですよねぇ、鐘みたいな峰が連なっているあの険しい山の。そこの、上方にある邑の周囲に獣道が出来ているからって見に行ったりしただけなんですよね?」 「確かに、いつものような、周囲の武門へ理解を求めに行くのと変わらぬ気はするのですが、どうにも、気に掛かりましてな」 邑の安全のために周囲を調査するのに人の手が多い方が何かと捗りましょう、雷晃の言葉に依頼書に筆を走らせながら、孔遼は出掛けたばかりならそんなに心配しなくても良いんじゃないかなぁ、とぼやくのでした。 |
■参加者一覧
梢・飛鈴(ia0034)
21歳・女・泰
羅喉丸(ia0347)
22歳・男・泰
御樹青嵐(ia1669)
23歳・男・陰
ゼタル・マグスレード(ia9253)
26歳・男・陰
紅 舞華(ia9612)
24歳・女・シ
嵐山 虎彦(ib0213)
34歳・男・サ
藤丸(ib3128)
10歳・男・シ |
■リプレイ本文 ●鐘連峰の小邑で 険しい山の峰、秘境は大げさと言っていた岳陽星ですが、そこは、紛れもなく秘境でした。 「皆さん! どうされたのですか?」 邑の入口、絵図面を前にあれこれと話している様子の綾麗と陽星は、やって来た一行に驚いた表情で迎えていました。 「綾麗と陽星がこちらに居ると聞いて顔を見に来た」 笑いながら伝える紅 舞華(ia9612)、一先ず邑の人間が不安になってもいけないと、やって来た理由を二人に用があったかのように言えば、二人はこれから陽星のお師匠様の所へと向かうところだったようで。 「陽星君も久しいな」 無事な様子の綾麗を見てほっとした様子のゼタル・マグスレード(ia9253)が、改めて陽星に声を掛ければ、何も無いところへようこそ、と笑って答えます。 取り敢えずは陽星のお師匠様の所に行く所だったようで、まずはお師匠の住む広めの家に移動します。 「最近になって新しい獣道が出来てたって事?」 「ああ、ちび達が言うにはそーいうことらしい」 お師匠の家にやって来てから話を聞いた藤丸(ib3128)が確認すれば頷く陽星は、大凡の邑の配置をさっと書き出して説明します。 「ここが、この場所ですか? 邑との距離がこれ程で……」 聞いたところに丁寧に印を付けてくと、軽く首を傾げるのは御樹青嵐(ia1669)。 「獣道は子供達に確認する必要があるとして、この辺りが要石、あちらが水門ですね」 「邑と要石のある崖の間にあるらしいってのが何とも気になるとこだねぃと……紛れ込んだにしても、この辺りじゃ巣も作れねぇんじゃ?」 周囲の地形を確認して言う嵐山 虎彦(ib0213)に、陽星も頷きます。 「獣道に気付いたのは子供たちだけカ?」 「どうも子供たちに言われるまで、大人たちは気が付かなかったようです。尤も、大人たちは何やら気配を感じていたようですが……」 綾麗に尋ねてから首をひねる梢・飛鈴(ia0034)は、いくつか可能性を考えるもまずは小さく首を振ってから口を開きます。 「まずはその獣道とやらをちーっと探ってみるカ。気配や視線を感じるっていってたガ……その辺も調べにゃなるマイ」 「そんじゃ、危ない芽は芽のうちにつんじゃうかー!」 「なんだか色々と申し訳ねぇ、必要なことがあれば言ってくれ」 飛鈴と藤丸に言う陽星、綾麗に言われるまであまり深刻に受け止めていなかったこともあってか、何やら申し訳なさそうでもあり。 まずはざっと方向性と、一度昼頃にこの家に戻ってくることを約束して、それぞれ調査に向かうのでした。 「そうだ、綾麗さん、ちょっと良いかな?」 「なんでしょう?」 念のため、陽星の妹達が川の向こう側の畑に行くのに同行して周囲を調べに行くところだった綾麗へと声をかけたのは羅喉丸(ia0347)です。 「実はちょっと気になることがあって……」 そう言って話すのは、羅喉丸がかつて八極轟拳がらみで遭遇した少年幹部の、その身に着けていた龍の脚甲のことで。 「伝承も、あと雷晃からの口伝でも聞いてはいませんが……ですが、確かにその特徴はうちの門派の脚甲と色が違うだけに思えます」 自身の籠手に納まっている石のことも鑑みてのようで難しい表情を浮かべる綾麗に、この邑にももしかしたらそういった類のものがあるのではと続ける羅喉丸。 「関係者の周囲に怪しい出来事となれば、近頃のことも考えれば、用心に越したことはないからな」 「そうですね、それも踏まえて調べてみる必要がありますね。老師や邑長にも私からも話してみます」 互いにその辺りの情報を確認し合うと、羅喉丸も足早に目的の方へと足を向けるのでした。 「出来ればですが、この村のことについてお伺いしたく」 周囲を確認し、自分たちの他に様子を窺い盗み聞く者がいないのを確認して、舞華は切り出しました。 桃などを土産として持ってきており、直前に綾麗とも何やら話していたこともあってか、少し窺うような人を見るような様子でじっと見る師匠と、困ったような表情を浮かべる邑長。 「伝承や洞窟……祠など、何かこの村に伝わるものについてご存知ないですか」 「お嬢さんや、それを聞いて何とする?」 「綾麗の周辺でかつて似たような事があったので……彼らは手段を択ばない。思い過ごしであればいいですが、万一があってはいけない」 知らないことで後手に回っては、そう告げる舞華をじっと見ていた師匠は、緩く息をつくと。 「折角の桃だ、美味しく頂きたいの。桃が冷える頃、またおいで」 そう言って僅かに笑うのでした。 ●獣道 「この辺りにはあまり動物がそもそもいないらしい……」 ゼタルは、邑での僅かな豚や牛、鶏以外にはこの辺りよりももっと下の方に暮らしているか、さらに上の湖の周辺の方が暮らし易そうとのこと、小動物が幾つかいるかもしれないが、わざわざ邑に近づかないと男たちから聞いていて。 そこにはゼタルと晴嵐、藤丸に飛鈴の4人が集まっていました。 「気配を感じるというのは常にではなく、時たまふっと、見られているような気がする、と思う程度と聞きましたが……」 「邑の人に感付かれる位だから、あんまし大したことない奴か、もしくは……」 「感付かれようと構わないという事か」 「ま、何人いるカ、そこも問題と。枝や茂みが不自然に折れたり掻き分けられていないか?」 「よくよく調べなければですが、見当たりませんね。どちらにしろ邑を窺っていた者たちはそうとして、獣道の主とは少々違うようですね」 小さな林と茂みの中にあるその獣道は飛鈴の言った通り枝などが折れている様子は無く、人が使っているというのは、ゼタルと晴嵐には違和感を覚えるのですが、藤丸は獣道と邑とを見比べてちょっと考える様子を見せます。 「んー……確かに……あんま、この辺りから邑窺うとか、向かないかも……」 「兎に角、この道自体をきちんと把握しませんとね」 「手分けして確認しよう」 「じゃ、僕は村に近いこの辺りから、道自体調べてみるかな……」 「獣道ができるくらいダ、どっかに何かしら痕跡が残ってると思うガ」 人魂を呼び出すゼタルと晴嵐、藤丸と飛鈴は手分けして獣道を辿るのでした。 ●邑の周囲 「さ、どうぞ」 「わ、旨そう!」 一通り見て回ってきた後で、まずは情報交換の為にと師匠の家へと戻ってくる一行、青嵐は一足先に戻って来ていて、用意したのはこの時期の野菜をたっぷりと使ったぶっかけの素麺。 「ひゃ、冷て……うん、旨い」 「ここは綺麗な水がたっぷりありましたので……」 しゃきしゃきの歯触りの瓜に青嵐の持参した出汁、藤丸が満面の笑みを浮かべて食べれば、笑みを浮かべながらおかずとして茄子の炒め物を出してくる青嵐。 「これに良く冷えた酒があると言うこたねぇな」 「ああ、確かに」 嵐山が言えば舞華が同意して。 茹だるような暑さもあってか、この時間の探索はなかなかに厳しいよう、その分喉越し良く冷えた素麺が心地良いよう、そしてこの時期の茄子はそこに更に食欲を後押しするようです。 「ここまで上がれば下よりは涼しいガ、やはり冷たいのは良いナ」 「冷えたもので身体の調子を整えられると助かる」 美味しいと素麺を食べながら笑みを浮かべる飛鈴に、羅喉丸はしみじみと頷き。 「……」 「綾麗君、後で青嵐君に素直に作り方を聞いた方が早いんじゃないかな……」 醤でも油でもないしと一口食べてから出汁の味を考えて居る綾麗に、温くなる前に食べた方が良いと勧めるゼタル。 食事を済ませて漸くに一息つくと、改めて調べてきたことを確認する一行。 「本当にうっすらと人の足跡ガ幾つかあったナ」 「逆にあそこには動物の痕跡は全く無かった。結構隅々まで調べたと思うし、間違いないと思うよ」 獣道自体をじっくりと調べていた飛鈴と藤丸が絵図面にそれぞれ書き記して告げれば、青嵐も口を開いて。 「獣道の行き先は、私が見た方は水門でした」 「僕が調べたところが、話に聞いた要石だったと思う。あともう一つ……何処だと思う?」 「あ……さっき側の茂みを調べていたのはそう言う事だったか」 羅喉丸に頷いてみせるゼタル、要石とこの家は随分と近くにあるようで。 「ちび達に聞いたが、一度だけ、水門近くに立っていた男がいたとか……水門付近まで案内して貰うまで、すっかり忘れていたみてぇだがな」 時期としては大人達が視線を感じることになる少し前だった様、外部から人が来るという意識があまり無かったためか、邑の水門には特に見張りなどが居るわけでもないそうです。 「邑の御老人達に聞いたところでは、要石には邑の祖達が庇護を求めた、この地に長く住んでいた対の龍の姿が彫られているそうだ」 「対の龍」 「ここは水も豊かだし、龍たちが居なくなってからも来る迄が険しいことから盗賊達に狙われることもなく、また、ここで水門で水の管理をすることで、下の邑も助かるからと危険もなかったそうだ」 舞華が言えば、考える様子を見せる綾麗、それを見てから、羅喉丸は口を開きます。 「俺は……ここにある品について、陽星さんのお師匠に見せて貰っていた。一部だが」 祠は、この家の奥にあったよ、羅喉丸の言葉に陽星は目を白黒させて家の奥へと目を向ければ、奥の方から良く冷やした桃を切ったものを器へと盛って出て来るお師匠。 「お師匠何も言わなかったのに!」 「馬鹿者、ここを出る前の未熟なお前に見せるものなど何にもなかったわ」 ぶーぶー師匠に文句を付ける陽星をさておいて、良く冷えた甘い桃を頂きながらの一行。 羅喉丸は品を師匠がかつて陽星に言った『過ぎた力は害を及ぼすって昔お師匠に良く言われてたっけ』という言葉から、のらくらと品についてはぐらかそうとした師匠自身に、令杏や清璧の二の舞になって欲しくない、と頭を下げていました。 師匠へ目を向けてから、受け取っていた小さな包みを開くと、そこには赤と青の古いぼろぼろの紐が結ばれた、璧の半分になった欠片でした。 「赤蛇が半分に割ってしまってから、この半分に力はもう無い」 そう話すお師匠。 この邑は元々、青龍と赤蛇が兄弟のように仲良く暮らしていて、技を競わせ暮らしていた、その後がお師匠の所にある祠の跡、邑の下の方の洞窟はその修行場所だったとか。 下の方の土地で住む場所を負われた少数の人達がこの峰へと逃げ込んできて龍たちの庇護に入ってもそれは長く変わらず、青龍は人を守るために自身に篭手を、そして弟分の赤蛇に脚甲を誂えたとか。 「八極轟拳の幹部の脚甲は蛇でなく龍に見えたが……」 「赤蛇は兄分のように龍になりたかったようだの。袂を分かつまでは其程互いに思いやっていたそうだ」 結局守るために研鑽する龍に、倒すための力を求めた蛇が、もどかしさやどうしても叶わない嫉妬などで反発、青龍が大切にしていた二人の絆でもある壁を二つに割り飛び出していって帰らなかったそう。 「青龍も深く傷付き、また、赤蛇が璧を割るときに開けてしまった湖の底の穴を壁の力で塞ぐと、もう一つの欠片を要石に収めて今でも穴を塞ぎ続けている、と伝わっている」 「その後に、令杏へと青龍はやって来たのですね」 「……」 「……や、っていうか、ちょい待て」 話を聞いていた一行ですが、顎を擦り擦り聞いていた嵐山が何かに気が付いたようで。 「ってこたぁ、それが正しく伝わった話だってんなら、要石が無くなったら不味いんじゃねぇのか?」 壁の半欠を持って行くにしろ壊すにしろ、嵐山の言葉にゼタルも考え込む様子を見せます。 「少なくとも、羅喉丸君の言っていた脚甲が赤蛇のものなら、壁を要石ごと破壊することが出来てしまうと思うんだが……」 「この話が他に邑長ぐらいしか知らないなら、当然赤蛇も壁の行方は知らないわけですよね?」 「……湖の底っテ、あの、上の、大きな湖カ?」 「水門が壊されても被害はかなり大きいと思うが、要石の位置から考えて、ここがやられれば、邑ごと流されてしまうのでは」 青嵐が確認するのに、飛鈴は規模を考えて少々引き攣った笑みを浮かべ、舞華は絵図面を確認します。 「んー、要石と水門を警戒する必要があるのは分かったけど、獣道が出来るぐらいにここに入り込んだって事は、やっぱり近くに拠点があると思うんだけど」 「人の気配が今は無い気もするが、まずはその洞窟も調べるまで警戒をしておかないとな」 隠れられる場所は洞窟ぐらいであることを確認して、一行は手分けして警戒と調査を続けるのでした。 ●洞窟と水門 「妙にきな臭いような気がしないでもな、い……って、だいぶ前にも似たようなことを言った様な……?」 数人の人間が暫く滞在していた痕跡が見つかったのは、予想通り一段降りた所にある洞窟でした。 「食い残しと酒の瓶が転がっている……人は今は居ないようだが」 ゼタルが人魂で洞窟の中を調べる間、飛鈴は警戒を、そして舞華は周辺の確認へと出ていました。 「今は、ここには居ないようだが……」 「少し前まで誰かがいた様子だが、頃合いから見て陽星君と綾麗君がやって来たから、一度引いた、と言うことだろうか? それにしても……」 安全を確認してから洞窟の中に入れば、洞窟の一番奥の方、そこにまあ新しい様子の小さな穴が幾つも開けられていて。 「何だろう? 幾つかに、何かが詰まっているようだけど」 「っ、これ、火薬ダ……」 「他にも幾つか洞窟があったが、全てに同じようなことがされたら邑が土台ごと……いや、湖ごと、下流の邑も巻き込んで無くなるぞ」 どうやらまだ準備の最中と言った様子、火薬も十分運んできていなかったようですが、 「まさか、何処に璧があるか分からんカラ、邑毎流して残骸を探すつもりカ……?」 他の洞窟も同じような事がされているのを確認すると、三人は急ぎ邑へと戻るのでした。 「ん? 今、何か気配が……」 水門を守っていた羅喉丸が顔を上げれば、既に底に気配は消えていましたが、直ぐにやってくるのは要石を守っていた藤丸、要石の所には嵐山と陽星が残って守っているそうで。 「獣道を使って、俺よりちょっと大きいぐらいの、黒尽くめの影を尾けたんだけれど……」 藤丸の言葉に、青嵐は人魂で鳥を作り出しさっと周囲を警戒すれば、小柄な黒地に赤の装束を身につけた人影が邑の境から道へと出て降りていく姿を辛うじて確認出来ます。 「我々の姿を見て引いたようですが、こちらに気付かれたと思っている様子はありませんね」 青嵐の言葉、事を起こす前には下の洞窟などに動きがあるだろうとの結論に達して。 「何か動きがあったら、正式に依頼を出すことになると思う。来て貰えて助かった、俺はまんま油断してた……」 改めて一行へと礼を言う陽星、邑は基本清璧派と連携し警戒を続け、陽星自身は暫く邑と天儀の往復をしつつ師匠と共に警戒し、何か動きがあればギルドに連絡を入れる、と言うこととなるのでした。 |