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■オープニング本文 男やもめに蛆が湧く――なんて言うけれど。 ほんとに湧いてしまっては、周囲の者が堪らないのだ。 ●七夕笹の願い事 あれは数日前の事だった。 梨佳が誂えた葉月の七夕笹がまだギルドの入口にあった頃、ギルド職員の一人である聡志は見るともなしに笹竹に下げられた願い短冊を眺めていたのだ。 「おや、これは‥‥」 短冊に『桂夏さんはやくかえってきますように』と書いてあった。 桂夏は聡志の後輩職員で、見習い職員の梨佳(iz0052)担当の教育係だ。しかし正月の帰省以降ギルドに戻って来れなくなっていて、その結果梨佳の職員修行が滞っているのだった。聡志とて気にならぬ訳ではなかったのだが、自身の業務を優先する姿勢と梨佳との性格的相性を鑑みるに、おいそれと教育係を引き受けるのも躊躇われて、現在に至っている。 「このままではいけませんね‥‥」 梨佳の為にも桂夏の為にも、そして二人を心配する開拓者達の為にも、何とかせねばと聡志は思案を巡らせる。 ――と、むわっとした汗臭さが背後に漂った。 「哲慈さん」 その汗染みた臭いに振り返らずとも判る。自堕落を具現化したかのような先輩職員が背後にいるのだろう。 他の職員は加齢臭じゃないかと気にしないけれど、聡志は絶対に違うと思う。男だろうと中年だろうと、身奇麗にしていれば体臭など気になるものではないはずだ。 「私が、梨佳に擬似依頼を出してみようと思います」 振り返り、聡志は身支度に頓着しない先輩職員に言った。 ●蛆が湧く前に ――という訳で。 「私が模擬依頼を出しますので、梨佳は報告書を作成しなさい」 厳しい面持ちで聡志は梨佳に言った。 依頼内容は哲慈宅の清掃。 当日、哲慈本人はギルド昼勤、夕方には仕事を終えるが、聡志が湯屋へと連れ出すので帰宅は暮れ四ツくらいになるだろう。一日ほど留守にする間に人並の生活環境を整えてやって欲しい。 「哲慈さんはこの長屋に住んでいます。外食中心ですので食事の支度は不要、しかし土間の掃除も忘れずに。あと、着替えもすっかり垢染みているようですから洗濯もお願いします」 湯屋に手拭と下帯くらいはあるでしょうが着替えはどうしようかと独りごちる聡志。せっせと筆記している梨佳に「それから」と付け加えた。 「これは報告書作成の訓練です。正式にギルドを通した依頼ではありませんが確り報告書を作成しなさい。お前は職員役ですから長屋に同行し開拓者を手伝う事はできません。あくまで報告係だという事を忘れないように」 「はいですっ!」 幼さが残る梨佳の返事に少々不安を残しつつ、聡志は真夏の臭い軽減と先輩職員の健康管理、そして見習い職員の修行の為に行動を開始した―― |
■参加者一覧
崔(ia0015)
24歳・男・泰
礼野 真夢紀(ia1144)
10歳・女・巫
ラヴィ・ダリエ(ia9738)
15歳・女・巫
明王院 未楡(ib0349)
34歳・女・サ
シータル・ラートリー(ib4533)
13歳・女・サ
神座真紀(ib6579)
19歳・女・サ |
■リプレイ本文 神楽・開拓者ギルドの奥。 報告書作成用の机に向かい、梨佳が頭を抱えている。 「えーっと‥‥」 考え考え、依頼を受けた開拓者達の言葉を思い出しながら、一字ずつ紙に拾い上げてゆく―― ●汚部屋、一掃! その日、哲慈さんが暮らしている独身長屋はちょっとした大騒ぎになったそうです。 「ありゃ何だ、哲の字の親類か?」 「嫁が来たんじゃなかろうな!?」 「どれが嫁だ、みんな美人じゃないか!」 男の人達が、がやがや。 長屋の皆さんも哲慈さんと似たり寄ったりの境遇ですから、急にやってきた開拓者さん達が殆ど女の人だったのが余程刺激的だったようなんです。 「くそっ、裏切り者め!!」 なんて言葉も聞こえてきたとか――本当は依頼なんですけどねー 今回の依頼は『哲慈さんちの掃除洗濯』で、六人の開拓者さんと相棒のからくりさんが協力してくれたです。 からくりさんは、礼野 真夢紀(ia1144)さんちの上級からくり、しらさぎさん。ふんわり柔らかな白い髪の美人さんです。 相棒同伴依頼でないのは解っているけれど――と真夢紀さんは長屋に向かう前に、ギルドで聡志さんに着替えを渡して言いました。 「しらさぎの書いた短冊が発端みたいな所もありますし‥‥」 「あの短冊は、彼女が?」 聡志さん、驚いてたですよ。 ともあれ、しらさぎさんは開拓者さん達と一緒に長屋へ行ったんですが――からくりだと気付かない長屋の皆さんは見惚れてたようですね♪ 長屋の皆さんが女の人ばかりに視線を向けているもので、崔(ia0015)さんは遠慮がちに話を切り出しました。 「ぁー‥‥俺らはギルドの依頼でな、哲慈んトコの掃除に来たんだが。今日一日騒がしくすると思うが勘弁してくれな?」 事のいきさつを話して協力をお願いしてるです。崔さんの後ろに控えていた明王院 未楡(ib0349)さんが、大きな風呂敷包みを解きながら話を引き継ぎました。 「一時的にとは言え、共同の場所を独占したりもするかと思います。どうかお許しくださいね。これはほんのご挨拶ですが‥‥」 はらりと解けた風呂敷から覗いたのは大きな重箱です。長屋の皆さんの期待を裏切らない重箱の中身は未楡さんの手料理やお菓子の数々。 「家庭の味をと思いまして‥‥」 おおっと野太い歓声が漏れたです! 家庭の味と言っても未楡さんは民宿の女将さんで、その味は折り紙つきです。だけど独身男性陣には、はにかむ未楡さんがとても初々しく見えて、まるで自分のお嫁さんのように感じられたようで―― 「‥‥で、だな‥‥タライや物干し竿が、数要るんだが‥‥」 「俺んちの使ってくれ!」 「俺も持ってるぞ!」 「待ってろ、すぐに揃えて来てやる!!」 道具類の貸し出しをお願いした崔さんに、皆さんとても快く協力してくださいました。挨拶って大事ですね! * そんなこんなで、七人は持ってきた荷物に加えて借りた道具類も抱えて、哲慈さんちに向かいました。 男の人しか住んでいないからか、妙に飾り気のない殺風景な引き戸が続いています。 哲慈さんちに七人揃って立って、少しの間があった後―― 「ええか‥‥開けるで」 神座真紀(ib6579)さんが引き戸を――開けた先は、魔窟でした。 「‥‥うわぁ」 思わず真紀さん苦笑い。ラヴィ(ia9738)さんが溜息を吐きました。 「男の人ってどーしてこう‥‥」 「わかるわかる! うちの父さんも何かに夢中になると周りが見えへんで‥‥」 「物を増やしてしまうのですわ!」「物を増やすんや!」 骨董品収集が趣味の旦那さまと、学者のお父さんを持つ二人が声を揃えて意気投合している横で、シータル・ラートリー(ib4533)さんは心配そう。 「あらあら♪ 男の人のお部屋って、みんなこうなのかしら‥‥」 もしそうなら義兄さん達のお部屋が心配ですが、崔さんが強張った顔をぶんぶん振って否定します。 「みんなと違うから、な!? しかし‥‥なんつぅか‥‥同じ男としてこうはなるまい、って手本のような惨状だなオイ?」 昔の人は言ったです。男やもめに蛆が湧く、と。 何かが湧いててもおかしくないような臭いが、部屋中に立ち込めてたです。 アヤカシも逃げ出しそうな瘴気ならぬ臭気の原因は、そこかしこに散らばった食べ物の残骸や脱ぎ捨てた着物でしょか。 部屋全体が汗臭くて、カビ臭くて、脂臭いです、男臭いです!! 物が溢れた長屋の土間には水瓶がひとつ、高さの分それだけがマトモに目立って見えました、が―― 水瓶に半分ほど入った水にはボウフラが湧いてます。真紀さんが水瓶の縁を軽く叩くとボウフラ達がさっと沈みました。これじゃ飲んだりなんてできません! 「アカン、これはアカンやろ!」 「つーか、完全に腐ってるよな、コレ」 襷掛けした真紀さんと崔さんが二人がかりで痛んだ水の入った水瓶を外へと運び出します。その間にシータルさんが小窓やら雨戸やらを開け放ちます。外光に照らされて空気中のホコリと部屋の惨状が明らかになったです。 「‥‥ああ‥‥この感じ‥‥」 床が見えないほどモノが溜め込まれた乱雑な部屋。要不要入り乱れた塵溜め状態の惨状。 旦那さまのお部屋に通ずるものが――と言いかけて、ラヴィさんは我に返りました。旦那さまのお部屋はこんなに臭くはありません。 「いえ、さすがに臭くはないのですけれど‥‥どれも不用品に見えますわ‥‥」 同意です、と塵入れ袋を広げていた真夢紀さんが大きく頷きました。しらさぎさんとお揃いで、頭には手ぬぐいを姉さん被りにして割烹着を着てるですよ。 「‥‥まず塵を拾って、洗物をどんどん洗って干して、お布団干して足の踏み場所確保しないとお掃除できません‥‥」 「ぶんるい、する?」 衣類は盥に、食器は桶に、塵は塵入れ袋へ――迷っちゃダメです! 真夢紀さんは片っ端から塵袋へ放り込み始めたです。 着物に白い粉が吹いてます。汗臭さとカビ臭さが入り混じった臭いは、汗が乾いてできた塩気と、汗や皮脂などを栄養にして白カビが繁殖しているのが原因のようですね。 「酒精を持ってきて良かったですね」 のんびり慌てる事なく未楡さんは落ち着いたもので、カビた衣類を別の盥に集め始めたのですが―― 「わ‥‥」 部屋の隅では思わず手を止めてしまった真夢紀さんが。視線の先を追うと、そこには未婚の娘さんが見てはいけない汚れ物が強烈な臭いを放っていたです。 さすがの真夢紀さんも躊躇ってるです。固まっている真夢紀さんの代わりに、しらさぎさんが触れようとするのを止める事すら忘れてしまったようで――未楡さんは、横からひょいと取り上げました。 「あらまあ、裏表使い込んでいますね‥‥綺麗にできるでしょうか」 白カビ衣類の一番上にこんもり載せて、洗い場へ持って行ってしまいました。残された真夢紀さんの表情が、どこかほっとして見えて、しらさぎさんは小首を傾げていたそうですよ。 長屋共用の洗い場では、ラヴィさんが既に洗濯を始めてたです。 「乾くのに時間がかかるものから始めませんと」 煎餅布団を四つ折りに、石鹸水を張った大きな盥の中に入れて全身で踏み洗いしてるです。ほどなく、薔薇の香りと白い泡に混じって茶色い汚れが溶け出してきました。 「足に水があると涼しいですし、なんだか楽しいですわね♪」 「あー、これは仕立ててから一回も洗ってへんな‥‥」 隣で水瓶を磨いていた真紀さんが、踏み洗いされている布団に目を向けて言いました。たっぷりと汗や皮脂を吸い込んだお布団はダニの格好の住処、茶色い汁はダニの排泄物や死骸を含んでいるんやでと教えてくれたので、ラヴィさんは更に念入りに踏み込むです。 そこへやって来た未楡さんが持ってきた盥を見て、二人は絶句してしまったですよ。 「クローゼットの奥に仕舞い込まれて虫干しされなかったお洋服がうっすらカビる話は聞きますけれど‥‥」 「うっすらどころやないな、これ」 「お部屋全体が湿気の篭った箪笥のようなものですから‥‥」 事も無げに言った未楡さん、上衣と褌の成れの果てを地面の上で分けてゆきます。 「ちょ‥‥さすがにそれは‥‥」 「捨てません? いっそ跡形もなく燃やしてしまって‥‥」 お父さんや旦那さまの下着を洗っている真紀さんラヴィさんも慄く汚れ具合です。二人の視線は自然、この場で一人の男性に向いたです。 「俺はこんな褌締めてないぞ!」 水瓶を引き取りに来た崔さんは顔を引き攣らせて全力否定! あとで布団取りに来るわと言い置いて、空の水瓶をごろごろ転がしてゆきました。 残った三人、衛生面で問題がありそうな物をひとまず熱湯消毒。それから石鹸で洗い始めたですよ。 「とにかく洗いましょう。お湯を掛けましたし黴菌は死にました、きっと」 「せやな。それにヴォトカもお酢も準備万端や!」 「皆さま、逞しいのですわ‥‥」 せっせせっせ。何度も水を替えながら三人は洗濯を進めてったです。 その頃、室内では漸く床が見えてきたところでした。衣類や不用品(多分)の類はあらかた片付いて、残っているのは僅かな収納用品だとか食器類くらいで、大量に作った塵袋を真夢紀さんはしらさぎさんに外へと運ばせています。 「何週すれば全部運び出せるかなぁ」 空っぽになった行李を抱えて、真夢紀さんは独り言。夕方には洗濯物を仕舞えるよう、行李も洗って乾燥させておかなきゃです。 燃える塵、燃えない塵。分別しながら床を進むシータルさん。衣類を掘り起こした後の床には瓶やら器やらが散乱してたです。 「食器だけでもすごい量ですわね? 茶碗を拾い上げてシータルさんは不思議そう。割れたものは廃棄するとしても、とても一人暮らしとは思えない食器の量です。 入口まで水瓶を転がしてきた崔さんが転がっていた丼鉢をひとつ拾い上げました。丼鉢の内側には醤油ダレが乾いた跡と干からびた海草のようなものがこびりついてたです。 「なあ、コレってもしかして店に返すモンじゃね? ‥‥返す前に洗うか」 水を張った盥に放り込みます。 お茶なり白湯なり入っていたらしい湯呑みにも茶渋がびっしりで、そこはかとなく生臭い気がするです。衣類とは違う臭い、シータルさんは記憶を辿って考えました。 生臭いというか魚臭いというか、それも新鮮なお魚の臭いじゃなくて――そうです、これは金魚鉢を洗った時の臭いです。 「湯呑みで金魚を飼ってらしたのかしら?」 首を傾げて呟いて、崔さんと食器類の盥を井戸端へと運んでゆきました。洗い場で洗濯班の皆さんと盥を交換して、水気ですっかり重くなった布団や布物の盥を手分けして運び戻ります。 「濡れて重くなった分、結構な重労働だしな、俺が干すわ」 背の高い崔さんに洗濯物をお願いしたシータルさんは口元を覆っていた埃避けの布をしっかりと巻き直しました。 「ここからが本番ですわね♪」 やっと全部の塵を入れた袋や箱が運び出された空っぽの部屋は意外と広くて、窓から入る光に反射した埃がちかちかしています。 「シータルさん、しらさぎ、準備はいいですか?」 二人と一体は覚悟を決めて頷きました。それぞれ三方に分かれて一斉にハタキを掛け始めると、早速もうもうと埃煙が舞い始めたですよ! 「始まりましたね」 一旦埃が収まるまで室内へは入らない方がいいですねと、未楡さんは干し場で手際よく洗濯物を伸ばしながら言いました。すぐに三人も飛び出してくるでしょうから、と。 案の定、ハタキを掛け終えた三人が慌てて飛び出して来たです。まるで火事の避難みたいです。頭や口元を覆っていた手拭や割烹着を外して、けほけほこんこん、埃を払っています。 「う〜 顔を洗いたい! でもまだ先は長いですし‥‥」 「がまん、がまん」 「終わったあと、お風呂に行きましょう♪」 互いに励ましあって、また部屋に飛び込んで行きました。 小気味良い音を立てて洗濯物を広げた未楡さんは、洗濯物の状態を見て仕分けています。洗いはしたものの状態が悪すぎるものは布巾や雑巾にできるからです。割烹着の衣嚢から小さな裁ち鋏を取り出して、その場で適当な大きさに裁断しています。硬く絞りなおして空いた盥に溜めています。 「このあと、すぐ必要になるでしょうから」 掃き掃除の後は拭き掃除が待ってますから、雑巾はいくらあっても困らないです。 塵が山盛りの塵取りを持った真夢紀さんが出入りした後で、未楡さんは盥を抱えて行きました。 「まあ‥‥」 「お茶殻の、香りと埃吸着効果です」 あの独特な臭いが軽減されているです。さっき真夢紀さんが運んでいた塵取りに山盛りの塵には、お茶殻も含まれていたですね。床の埃はあらかた取れていたので拭き掃除はかなり楽になったですよ。 硬く絞った雑巾で拭いて、乾いた雑巾で拭き上げて。痛まないように氷の上にお弁当の盥を載せてて良かったです、ひと段落した頃にはもうお昼過ぎでした。 すっかり埃じみた姉さん被りの手拭を外して、真夢紀さんは皆さんに声を掛けたです。 「みなさーん、そろそろお昼にしませんか〜?」 * それからの作業は、とんとん拍子に進んだですよ。 室内に風を通して乾燥した押入れにはお布団を仕舞って。洗って干した行李と水瓶を元の位置に戻して。真夏の快晴だったのと、崔さんが乾き難いものを優先して干してくれていたので、夕方には全部取り込む事ができたです。 「‥‥それにしても、同じ方のお部屋とは思えない程綺麗になりましたわね‥‥」 ほぅと息を吐いて、ラヴィさんはしみじみ。 朝の魔窟が嘘のよう。膝の洗濯物はお日様の匂いとほんのり薔薇の香りがするです。清潔な、幸せな匂いです。畳んで行李に仕舞いつつ、綻びがあるものは繕う為に取り除けておきます。 まだ日が高い夏の夕方の縁側で、真夢紀さんが繕い物をしていました。新たに出てきた綻び物を抱えてラヴィさんも縁側ヘ。 「哲慈さま、湯屋に向かわれたでしょうか‥‥」 「せやな、昼勤や言うてたもんな。そのあと食事して帰って来るって」 縁側で皆さんと飴湯を飲んで涼んでいた真紀さんの応えに頷いて、ラヴィさんは続けます。 「匂いも虫さんもですけれど、何よりもあんな不衛生な場所で生活をされていては哲慈さまがお身体を壊してしまいますわ」 布物に火伸しを当てていた未楡さんが頷きました。そしてそれはみんなの、聡志さんの心配でもあって。 「いつまでもお元気でいて頂かないと♪」 「だな」 「今度ボクも義兄達の部屋に行こう‥‥」 しみじみ言ったシータルさんの言葉が印象的だったです。 * ちなみに、哲慈さんは翌日全身真っ赤になって出勤したです。 何でも聡志さんに何度も洗場と湯船を往復させられたとかで徹底洗浄、髪もふわさらになってたですよ。髪は三日ほどでぺそっとしたですが、その度に聡志さんが湯屋に連れてくようになったので、それ以来哲慈さんは小ざっぱりしてるです――筆のお尻で頭を掻く哲慈さんの癖は相変わらずですけどもね♪ |