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■オープニング本文 ●咲き誇れ筋肉 ※このシナリオは初夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。 天儀暦××年。 一人の男から蒔かれた種は、様々な漢の思想に刺激を与え、筋肉を震わせた。 「此処に、薔薇禁帝国の誕生を宣誓する――!」 ……何を誓うのか。 だが、ツッコミなど知らない筋肉の鎧を身につけた美しき薔薇の戦士たちは雄たけびを上げる。 「薔薇金帝国、万歳! 万歳!」 震える大胸筋、振りあげられる拳……希儀で取れたオリーブオイルで隅々まで手入れされた肉体。 「まずは、同志を作らねばならぬ。参謀長」 「ハッ、既に手は打ってあります……筋肉による抱擁で、心を包容してみせましょう」 「うむ。韻をふんだ良い言葉だ――どうだ、プロテインは如何かね?」 赤薔薇大帝の言葉に、参謀長は緩やかに首を振った。 白薔薇と称される、帝国一の美しい顔が揺れる。 「いえ、プロテインに背を向けた身ですから」 「――ふむ、そうか。ああ、外交官を呼んでくれ」 現れた外交官、彼は黒薔薇と呼ばれる色黒の美丈夫である。 膝を付いた彼に、大帝は穏やかに問うた。 「どうだ、周辺諸国の様子は――」 「ハッ、一国、同盟を結びたいと言う報せが」 「同盟か、筋肉は群れない、が。同時に、筋肉は愛情深くなければならない」 「同盟を結ぶので?」 怪訝な様子の黒薔薇に、赤薔薇大帝は深く頷いた。 ……中身も聞かずに、同盟結んでどうするよ。 と、突っ込んではならない、何故か、理由は兄貴だからだ。 筋肉は考えない――此れは、薔薇禁帝国の国標となっている。 「さあ、同盟を結んだ後は――私の麗しい薔薇達よ、天儀中に筋肉の良さを知らしめるのだ!」 ――筋肉を振りあげ、漢達は去っていく。 その背にはストイックな色気こそあったが、不純なものは一切としてない。 兄貴――兄貴道、それは性愛を棄て、筋肉に全てを捧げた漢達の真理である。 ……薔薇禁帝国、日の差さない暗い場所で。 「――不可侵条約で相手からの侵攻は無いとは言え、精神汚染が考えられますね」 同盟相手、陰殻の北條流のシノビ、北條・李遵(iz0066)は嘆息した。 強固な肉体と、そして頑強な精神はアヤカシを払拭するのに、そして氏族の軍事力を強化するのに必要だろう。 (「何とか、その力を得たいものですが――」) 十分に偵察を終えた彼女は、秘術・影舞で姿を消すと、陰殻の地へと戻っていった。 |
■参加者一覧
リエット・ネーヴ(ia8814)
14歳・女・シ
胆(ib3217)
30歳・男・サ
長谷部 円秀 (ib4529)
24歳・男・泰
ムキ(ib6120)
20歳・男・砲
黒嶄(ib6131)
26歳・女・砲
衝甲(ic0216)
29歳・男・泰 |
■リプレイ本文 ●筋肉の集い 筋肉は筋肉に集う――薔薇禁帝国の住民たちは、誰も彼もが美しい肉体の持ち主である。 その中でも、特に信奉篤く赤薔薇大帝を崇拝する一人の漢がいた。 「赤薔薇大帝はマッチョダンディー! 赤薔薇大帝親衛隊、金薔薇こと、ムキ(ib6120)だ」 希儀で作られたオリーブオイルを纏い、両腕の上腕二頭筋を強調する――ダブルバイセップス。 陽光の下で、黄金の瞳と赤褐色の肉体が煌いた。 むんむんと放つ漢臭に、何も知らず薔薇禁帝国へと足を踏み入れた商人は腰を抜かす。 「ひ、ひぇぇえ……」 薔薇禁帝国は周辺諸国との国交を禁じていない――故に、この様な哀れ、ではなく、幸福な犠牲……幸福な選抜者が選ばれる訳で。 おや、此処にも新たなる犠牲者が――。 「筋肉の祭典があると聞いて来たが……武を競うのだろうか? まあ、剣でもなんでもいいのだが」 龍袍を隙なく着こなした衝甲(ic0216)が、旅人特有の気兼ねの無さで道往く人に聞いた――のが悲劇の始まりだった。 「むぅぅうん。旅人よ、我々の帝国に何か用かね?」 「いや、筋肉の祭典と言うのがあると聞いたのだが――」 サイドチェストで胸の厚み、そして逞しい腕と足の筋肉を見せつけながらムキに若干、後ずさりしながら衝甲は返事を返した。 何ていうか、本能レベルで怖かった……抱拳礼を取り、敵意が無い事を示してみたが這い寄ってくる不気味さは変わらない。 「祭りの希望者かね……名前を聞こうか」 「衝甲と申す。本日は筋肉を誇りあうと聞いて……何? 全裸? 何故? 服装は全裸である事、と書かれた紙に目を通し、彼は唸った。 「いや、筋肉を見せるだけならそこまで脱がなくとも……」 「甘い! 甘いぞ! ホエープロテインより甘い!」 どうしよう、基準が分からない。 思わず遠い目をした衝甲だが、むぅん、とムキのラットスプレッド・バックからの振り向きに驚きを隠せず白目を剥いた。 「隠し所に、筋肉……だと!」 倫理的な意味でモザイクが入ってしまうのが惜しいのですが、一瞬で衣服を脱ぎ捨てたムキの金的なところは引き締まり、ストイックな肉体美を見せていた。 「故に! 赤薔薇大帝は俺を、金薔薇と呼ぶ! さあ、同志よ、いざ往かん!」 隙の無い肉体、太陽を背にして、その漢は堂々と立っていた。 一線纏わぬ姿であったが、そこに羞恥など存在しない……あるのは筋肉に対する崇拝と誇りのみだ。 ――問おう、ダビデ像が衣服を着るだろうか? 一種の美である……衝甲は天啓を受けたような面持ちで、暫く動く事が出来なかった。 我に返り、その肉体を晒す――鍛え上げられた肉体はしなやかで、ムキとはまた違った美しさを放っていた。 「うむ。では心行くまで、祭典を楽しんでくれ」 「はい! 馬歩だ。こうして中腰で鍛錬することで強靭な脚の筋肉を作り出す!! ぬぅうん」 大腿部が地面と水平になり、下腿二頭筋と大腿筋が膨張する。 「美しい――」 その肉体美、そして新たな同志が増えた事を確認しながら、ムキはその場を去るのだった――。 ●策略 ――筋肉美は男だけのものでない。 筋肉を鍛える事は、男に許された特権か――否! 女にも門扉は開かれている筈である。 薔薇禁帝国に籍を置きながら、黒嶄(ib6131)は『兄貴』と『姐御』の超えられない壁にぶち当たっていた。 彼女の筋肉は引き締まり、特に上腕にかけては女神の如し、と呼ばれていたが……やはり薔薇禁帝国の男女比は偏っていた。 『姐御』とは『兄貴』を超えられないのか――そう、苦虫を噛み潰した彼女にそっと、寄りそう一つの影。 「何故、兄貴が姐御より優れているのか……それは、薔薇禁帝国の施政者が男性ばかり、だからではないでしょうか」 その青い瞳には深い闇が湛えられていたが、その声音は柔らかに耳に響いた。 「ならば――」 「ええ。施政者を何とかすれば、姐御の地位は上がる」 「――本当ですか?」 「当然」 薔薇禁帝国は、決して一枚岩である訳ではない。 悪魔の言葉を囁いた、北條・李遵(iz0066)は仮初の笑みを張り付けたまま、目を細める。 『筋肉美は公言や布教するものではなく、黙々と鍛える姿で語るもの』 その言葉を掲げ、リエット・ネーヴ(ia8814)は首都中の道や屋根をかけずり回って、足腰の筋肉を鍛えていた。 器具の使用、プロテインに背を向けた少数派。 異端とも言える思想を持っている彼女だったが――その筋肉の美しさには自然なものがあった。 少女らしい薄い脂肪を纏った足は、肉食獣のようなしなやかさをもっている。 彼女がその情報を聞きつけたのは、ある種の運命と呼べるようなものかもしれない。 「同盟を結ぶ為、なんか隣国から使者きてるらしいよ」 「へぇ。とうとう同盟……此れで同志が増えると言う訳か」 互いにポージングし、筋肉を高めあう兄貴達――ネーヴもポージングで挨拶を返す。 「はは、ネーヴ同志はナチュラル・マッスルの先駆者ですからなぁ」 ナチュラル・マッスル――器具やプロテインに背を向け、自然な状態で筋肉を磨こうとする集団の事である。 だが、その瞳に筋肉量では叶うまい、と言う揶揄のようなものが見えるのは仕方が無い。 そんな事を気にしても仕方が無い為、ネーヴは笑顔を向けると問いかけた。 「ねね、使者って何処?」 「むぅうん。大帝に招かれて、上腕筋の部屋にいるらしいが――」 「ありがとう!」 筋肉量で負けたとしても、瞬発力では勝る。 俊敏な動きで彼女は駆けだす、運命に導かれるように……。 「『姐御』集団のストライキですか――?」 一体、何があったのか――と長谷部 円秀 (ib4529)は瞠目する。 薔薇禁大帝の施政下、兄貴や姐御達は筋肉を鍛えると言う『筋肉道』を重んじている。 異なる思想の持ち主はいない筈だ――例え、若干方向性が違ったとしても。 「長谷部同志。東の区間で『姐御』が暴動です!」 「内容は――?」 「プロテインの買い占め、挙句に配給制にせよとの事」 各地で姐御達が蜂起し始めている……隣国からの使者が来ているこの時期に、と長谷部は嘆息した。 ……嘆息したところで『何か』を感じて窓を外へ、視線を向ける。 隣国の使者、としか公表されていなかった人物、彼の人が出歩いていたのである。 彼女は長谷部に気付いたようだった、そして、少しだけ首を傾げ、踵を返す。 「おや、こんにちは」 窓の外から消えたのは、一瞬だった――が、その姿を見た瞬間に知ってしまった。 (「りっちゃんと……敵対してはいけない。逃げるか、いや、敵対したら絶対に逃がさない――」) お仕事頑張ってくださいね、と穏やかな声の裏に『逃がしませんよ、ふふふふ』と言う副音声が聞こえてきたような気がして、彼はため息を吐いた。 「同志? プロテインの飲み過ぎですか?」 「いえ……プロテインには背を向けたもので。何でもありませんよ」 震える大胸筋には、ストレッチングが必要ですよ――と、同志が口にするのが聞こえてきた。 (「寝返るしかないか……。身の安全は保障されないのだけど」) ●落ちる 李遵は藍玄と、潜ませた部下の報告を受けながら、上腕筋の部屋と名付けられた高い建物にある部屋にいた。 「北条ねー昨日ぶり。遊びにきちった〜♪」 「おや、いらっしゃい」 ネーヴがアホ毛を揺らし、窓枠に犬座りして李遵の方を見る。 地上から窓までは、三、四階くらいの高さがあるのだが……。 「しなやかな筋肉に、不可能はないじぇ!」 と彼女は笑う――それに頷き、元気ですねぇ、とまた李遵も頷いたようだった。 薬草茶を淹れて差し上げましょう、と静かに窓辺から離れる――彼女に続いて、ネーヴも部屋の中に入った。 一方、ムキに捕まった藍玄は怪しい人物として一風変わった尋問を受けていた。 「隣国の使者……? 何故、この様なところにいるのだね」 全身の筋肉を強調する、モスト・マスキュラー……ムキのその筋肉はまるで、大きな山を相手にしているようだった。 「いえ、視察です」 「……我々は紳士だが、護衛もなしにか?」 上腕三頭筋―トライセップス―を強調する、サイド・トライセップス、そのポーズのまま、一歩近づき、周辺を回る。 背にした太陽が顔を覗かせ、また、顔を隠した。 「むぅぅん。我々の帝国を、脅かす可能性を示唆しているのだよ――」 腹筋―アドミナブル―と脚―サイ―を強調するアドミナブル・アンド・サイのポーズを行い、金薔薇の異名を持つムキは嘆息した。 腹筋が揺れる……一つの山が揺れる様は、地震のようなものを思わせた。 (「暑く、何て見苦しい――」) くらり、と藍玄は立っている地面が消える様な錯覚を覚えた。 「上腕ッ……二頭筋ッ!! カアッ!! ムキ同志!」 遠くから威勢の良い言葉が聞こえてくる――嫌な予感をして、振り返る。 全裸の好漢が駆けてくるところだった……嗚呼。 「素晴らしいぞ、衝甲同志!」 ガシッ、と抱擁を交わしながら、お互いの筋肉を鼓舞しあう二人……友情にしては、暑苦しいしムサ苦しかった。 「ああ、先程同志になった、藍玄同志だよ」 ムキが笑顔とアドミナブル・サイのポーズで衝甲へ、藍玄を示す。 「いえ、同志になるとは別に――」 「素晴らしい! こうして着々と、同志が増えていくのか……」 歓迎のポージング、とばかりにサイドチェストで器用に、藍玄の周りをくるくると回る男二人。 振り返っても筋肉、前を見ても筋肉――二つの筋肉の塊が、ゆれる、ゆれる。 「同志よ、共に来るかね――」 ――ああ、もう、どうでもいいや。 漢臭に包まれながら、藍玄は意識を手放すのだった。 ● 腹心がそんな事になっているとも知らず、李遵は黒嶄の蜂起を情報として聞いていた。 「う、黒嶄同志がそんな事を……不思議なんだじぇ」 「そうですねぇ」 ネーヴがお茶菓子を食べながら、首を傾げた――横で薬草茶を啜っている李遵が黒幕だとは、夢にも思わぬ無邪気な笑み。 「ところで、警備隊は鎮圧出来たのですか?」 「――いえ。お見苦しいところを見せて、申し訳ない」 「弁解は結構です……赤薔薇大帝に、お目通りを願えますか」 直ぐに、と言葉は返って来た。 取り次ぎへと走る兄貴は、後ろからも筋肉美を堪能してもらおうとラットスプレッド・バックと言う、背中の筋肉を強調するポーズで去っていく。 それを見る事も無く、李遵は息を吐いた。 「そう言えば、ネーヴ様はあまり鍛えていらっしゃらないので?」 ぱくぱく 「筋肉美は、黙々と鍛える姿で語るものだじぇ」 もぐもぐ 「自己満足の世界ですからねぇ――」 ぱくぱく 「でも、筋肉には自信あるの!」 お茶菓子を3つ、平らげながらネーヴは自信たっぷりに口にするのだった。 ●姐御革命 太陽は西に沈もうとしていた――。 『姐御』達の暴動、蜂起は一般市民――と言っても兄貴だが――に影響が出ない程度に鎮圧される。 その最中、同志達への愛、そして自己保存の本能に悩む男……長谷部は静かに、上腕筋の部屋と呼ばれる場所へと向かう。 「おや、いらっしゃい」 やはり、李遵は仮初の笑みを浮かべていた……横には、お茶菓子を食べつかれて眠ったネーヴがいる。 「何か、作為的なものを感じるのですが」 気配を感じ取る、1つ、2つ、3つ……3人は長谷部が本気で戦えば、一瞬で地に沈めることが出来るだろう。 だが、目の前の人物――李遵だけは、何か空恐ろしいものを感じずにはいられなかった。 「薔薇禁帝国を……どうするおつもりで」 「――同盟を結ぶ為ですよ」 「……『姐御』達の蜂起。一体、何を」 それには答えず、李遵は立ちあがった――何をするのかと長谷部は構える、が、李遵は足音を聞きつけて扉を開けただけだった。 中に入り込んだ人物、ネーヴと長谷部に疑いの視線を向ける取り次ぎの兄貴達。 彼等が声を上げる前に、李遵は笑んだ。 「大帝のところへ、案内して頂きましょう」 振り向く刹那、彼女が嗤う。 「協力せざる、得なくなったでしょう――?」 使者に危害を加えた、となれば我が身に火の粉が降りかかる。 李遵が何かしら企んでいるのであれば……それに協力しなければ、危害を加えられたと言われてはお終いなのだ。 きっと、牢に繋がれたところで許されはしないだろう。 (「協力しろ、と言う事ですかね――」) 残念ながら状況は、向かい風のまま、好転しそうになかった。 黒嶄率いる、姐御達が方向を上げた。 月の下で煌く上腕筋、そして大胸筋が大きく震える――誰しもがモスト・マスキュラーで、筋肉に力を込めている様は美しい彫像の如し。 「打倒、兄貴!」 「打倒、兄貴!」 「『姐御』の地位向上を目指して!」 ――後に、姐御革命と呼ばれる夜の事である。 謁見室、赤薔薇大帝の傍に控える、白薔薇と黒薔薇。 そこになだれ込む、姐御達――姐御の地位向上! 男女平等社会の形成を夢見て! 「警備はどうした――!」 響き渡る怒声、だが、警備は暇を告げたのだ……と返事が返ってくる、長谷部が手を回したものだ。 動乱の謁見室内で、一人歩み寄る黒嶄は『姐御』に栄あれ、と叫んだ。 大胸筋が震え、赤薔薇大帝へと繰り出される拳――が。 「赤薔薇大帝、万歳!」 そこに滑り込んで来たのは、ラットスプレッドで空を飛んできたムキと衝甲の姿。 羽のように発達した筋肉では、空を飛べることも可能――そんな無茶な。 「兄貴こそ、筋肉こそが、全てである! むぅぅん、同志よ、静まりたまえ!」 「むぅぅん、ハァッ!」 ぶつかり合う筋肉、激しいビートを奏でながら拳が唸る。 傷つく筋肉達、それに憂う赤薔薇大帝……。 「不甲斐ない……私は、筋肉の、覇道を!」 (「これ程、纏まっていなければ直ぐに崩れそうですね――」) 静かに闇に溶けるように、李遵が歩き去る。 「赤薔薇大帝、万歳、マッスルーッ! ハッ、私は一体」 ウッカリ染められた藍玄を回収しながら、李遵は赤薔薇大帝へと告げる。 夜闇に手を伸ばせば、その手に鷹が止まった。 「不可侵同盟、どうやら……一部の兄貴が破っているようです」 こちらに流れてきた者は、此方の法で裁きますよ――そう言って、彼女は嗤った。 ●目覚め 「……って、変な夢みたの〜。面白かったじょ〜♪」 陰殻ギルドの窓枠に犬座りしながら、思い出し語るネーヴ。 今年も宜しく、とばかりに【北戦】澄酒「清和」を差し出す。 有り難く受け取りつつ、サボり中の李遵は面白いですねぇ、と返すのだった。 一方、天儀の何処かで。 「良かった……夢で」 そう言って、胸をなでおろす黒嶄がいたとかなんとか。 |