【奇風】筋肉帝国の野望
マスター名:白銀 紅夜
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/02/06 04:21



■オープニング本文

●その名を……
『――俺の友人を止めて欲しい』

 沈痛な面持ちでその男は、語った。
 その友人とは、仕事場で出会った友人であり、女を取り合った時分もあるが、とても仲が良い相手だったと言う。
 カラリ、グラスの中の氷が溶けて音を立てた。
「止めて欲しいってぇ、具体的には?」
 たまたま、飲み屋で出会った人物の話に耳を傾けていた喜多野・速風(iz0217)であるが、随分と深刻そうな話ぶりに問い返す。
「彼の野望を、肉体を――その手で打ち破ってくれ」

 と言う話が、昨日の夜の事である。
「ってぇ、この寒いのにこの格好、俺のファンからすりゃ、垂唾ものだろい」
 ――ファンなどいない。
 それはさておき、あのまま、男を放置する訳にも行かず、ギルドに正式な依頼を出させた速風だったのだが。
 幸か不幸か、調べ役としての仕事が彼に回って来た……当然のことながら、彼は不審な点が無いかどうか調べに行ったのであるが。
「筋肉こそ美、男と男の肌がぶつかる音の美しさ!」
「俺は、女の方がいいねぃ」
「痴れ者が!」
 ――その地には、高い塔が立っており、そこに『神』はいた。
 むさ苦しい男がポージングする像が飾られており、男達はそこへ集い、自らが鍛え上げた筋肉を見せる。
「我こそは、筋肉神の使者、亞仁奇―あにき―なり!此処に、筋肉帝国の礎を創るものなり!」
 わぁああ! と、響き渡る怒号、一本の木に褌一枚で吊り下げられた速風は、何だかねぃ、とその光景から視線を外した。
「開拓者と名乗る奴、我が筋肉の前にひれ伏せよ!男と男の真剣勝負、拳以外は認めん!」
 筋肉を筋肉で打ち破ることこそが、この野望を砕く最大の技であろう――だが。
「(誰でもいいから、助けてくれい)」
 藤の花が描かれた白い褌が風になびく。
 手段など、選んでいられない、と言うのもまた、確かな状況であるだろう。


■参加者一覧
水鏡 絵梨乃(ia0191
20歳・女・泰
小伝良 虎太郎(ia0375
18歳・男・泰
相川・勝一(ia0675
12歳・男・サ
利穏(ia9760
14歳・男・陰
アムルタート(ib6632
16歳・女・ジ
リュシオル・スリジエ(ib7288
10歳・女・陰
エルレーン(ib7455
18歳・女・志
甲真優(ib7843
16歳・男・泰


■リプレイ本文

●鳴り響け筋肉
 パシン、と小気味よい音がして、水鏡 絵梨乃(ia0191)の拳が鳴る、それと共にさらしで隠された豊満な双丘がぷるん、と揺れた。
 ――開拓者として、久しぶりの依頼を受けた彼女、それがこの変態筋肉集団、面白い、と言うのは彼女の弁である。
「僕はなんでこんな依頼を受けたのでしょうか。まあ、受けた以上はやるしかないですね」
 遠い目で相川・勝一(ia0675)が呟くが、それは、貴方の中のアニキが囁いたから☆ としか言いようがない。
 褌には褌を、と言うのが開拓者の中でも礼儀なのか、今回、褌で変態筋肉集団――もとい、亞仁奇に挑もうとする猛者は多かった。
「ねー、『筋肉神』とか『筋肉帝国』って具体的にはどんなの?」
 小伝良 虎太郎(ia0375)の言葉に、ひたすらポージングを決めてたり、お互いにオイルを塗りあってキャッキャ、ではなく、ウホウホッなアニキはその言葉に待ってました!とばかりに口を開いた。
「うむ、あれはまだ、私が腹筋を8つに割る前の事――その漢の肉体は素晴らしかった、術を跳ね返す肉体、強靭な精神、だが、重度の痔でな、帰らぬ人となったのだよ。そして私は、彼の無念を!この世を筋肉で満たすと言う希望を!彼の人は天の使いと信じて、筋肉神と崇め、アニキによる肉体で語りあう、筋肉帝国を作りあげ――」
「あ、ごめん、聞いてなかった」
 あまりに長すぎるので、どうやら小伝良にはよく理解出来なかったらしい……と言うよりも彼の意識は、別の場所へと向いていた。
「なんで荒鷹陣の像がないのさ、格好良いのに!」
「少年……よくぞ気付いた、秦国からの規制が厳しいのだよ。筋肉を理解しない漢は漢とは言えん――」
 泰国は関係ありません、念の為。
「鍛え上げられた逞しい筋肉……格好いいです!同じ男として憧れちゃいますね!」
 キラキラッと亞仁奇達の肉体へ、憧れの視線を注ぐリュシオル・スリジエ(ib7288)だが、彼女は齢10の幼女……ではなく、漢女(オトメ)である。
 彼女自身は男だと思っているのだが、当然のことながら褌一枚は規制が入る……仕方がないので呪符で、胸を隠しての参戦だ。
 その横で、アムルタート(ib6632)がタン、とダンスヒールで大地を軽く蹴り、ステップを踏む。
「漢と漢の真剣勝負に、何たる格好か!」
 アニキ達も憤慨するが、負けじとアムルタートも咆えた。
「一番の取っておき、特注のバラージドレスに、ダンスにも使える綺麗な戦舞布、そしてアクセサリーに完璧なメーク。私の!ガチ勝負姿だから!」
 ビシィ、と指を差して、堂々宣言――が、女性美に疎いアニキ達……美を理解しない女だ、と頭を抱えるが、彼等の方が少数派である。
 ツッコミを入れたい喜多野・速風(iz0217)だったが、ぐっと口をつぐんだ。
「ばあーっかみたいなの!私は女の子だもん……そんなルールなんて、無視だよぉ」
 当然、女性であるエルレーン(ib7455)も普通に服を着ている、真冬に褌一枚というのは、中々辛いものだ。
 どのような意図があるのか、エルレーンには理解出来ぬが、恐らく大した理由ではないだろう。
「でも、予想通りへんたいさんご一行なの……」
 エルレーンと水鏡、二人は、速風救出の要だ。
 男性陣の尊いぎせ――ではなく、交戦に入ると同時に速風を救出する、上手くいくといいのだが。
 いや、上手くいくだろう、相手はアニキなのだから、理由など、それだけでいい。
「とりあえず救助は任せました!……褌将軍壱の将、相川・勝一参る!」
 まるごととらさんを脱ぎ捨て、仮面を装着した相川が咆える、褌を靡かせ、強力を使用した筋肉が隆起し、と亞仁奇軍へと進軍した。
「倒されたい者からかかって来るがいい!……あ、出来れば一人ずつ希望なんだがっ」
 そんな希望は知った事じゃない、立ちはだかる信者達……掲げる拳に、筋肉神の加護を!
「波ぁあああ!」
 筋肉と筋肉がぶつかり合う、鈍い肉の音が響き、血量を増した筋肉は更に隆起する。
 攻め続けるだけが戦法ではない、利き足を後ろにずらすと、軽く力を抜き、攻めては退いてのリズムを生みだす相川。
 上手く受け流さねば、リーチの違いすぎる相手……気を抜けばホールドされて、トンネル開通されかねない。
 ――油断の出来ない相手、自然と冷たい汗が伝う。
「目に見える筋肉だけが筋肉じゃないよ。さ、勝負始めよう!」
 泰拳士として、小伝良も正々堂々の勝負を挑む、狙いは信者――亞仁奇達の野望を撃破する為に、足元から崩していかねばならぬ。
 美しさの全ては、荒鷹陣に集結する……信念を秘めた少年が、軽いステップから体重をのせた重い蹴りを放った。
 それを苦も無く受け止める信者、足を掴まれる前に交わし、更に踏み込む。
 重い拳が、肩を穿つ……大丈夫だ、まだ戦える。
 スリジエの呪縛符が、筋骨隆々の腕の形の式へと変化し、亞仁奇へと纏わりつく。
 だが、亞仁奇は時を待つかのように、ただただ、その場に佇んでいた。

「どういうことなの……」
 茫然、と呟いた利穏(ia9760)だが、ささっ、と信者達は彼の背後に回る。
「さあ、漢同士の戦いを、やらないか」
「やや、止めて下さい! 僕だって……お、怒りま――うわああぁぁ!?」
 背水心で覚悟を決めていた利穏であったが、信者の卓越なテクニックにより、着用していた巫女袴が宙へ舞った。
 僕は自分の能力を鑑みた装備をしているだけです……!と、必死な弁明をしてみるも、信者達の猛攻は続く。
 受け身に回っている彼とは別に、アムルタートは積極的に信者を妨害していた。
 シナグ・カルペーを使い、ヒラリヒラリ、蝶のように舞い踊ると衣を翻し、アニキを翻弄する――そのまま、喧嘩殺法を使用して信者の丹田へと拳を打ちこんだ。
「ぐっふ――!」
 そのまま、ヒールで連撃を決めれば、信者の剛腕がアムルタートへと襲い来る。
「君の相手は私だよー!」
 ギリギリの所で避け、受け流した拳に痺れるような衝撃が走る、直撃せずとも筋肉の塊である彼等の肉体から繰り出される攻撃は、一撃必殺に成り得るのだ。
 だが――。
「やーい、そんなに鍛えてる癖にー」
 ざーこ、ざーこ、と歌うように彼女は周辺をくるくる回る。
 ただ、肉体美を極め、筋肉を身につける事によって得られた、彼等の頑丈さ、そして攻撃力だったが重すぎる筋肉により、スピードは確実に削られていた。
 ステップを踏むアムルタート、信者の重い攻撃を紙一重で交わしつつ、着実にダメージを与えていく。
「何で俺、捕まったのかねぇ――」
 速風の虚しい声が、風に乗って聞こえた。

●打ち砕け悪夢
 アニキ達を抑えている間、水鏡とエルレーンが速風の救助へと向かう。
 気配を消したエルレーンが、背に刀「蒼天花」を差して、するすると木に登っていく。
「……はぅ」
 チラリ、と速風を見れば、藤の花の描かれた褌一枚の姿、それに頬を赤らめるエルレーン。
 思春期真っ盛り、可愛らしい女の子である。
「縄を切ってくれりゃぁ、いいぜぃ」
 言われたとおりに縄を切り、地面に着地した速風に、羽織っていた紅蓮外套を着せてやる。
「筋肉神への生贄、逃したか――」
 ザッ、と殺気混じりの風が吹いた……冬独特の乾いた風は、木の葉のない枝ばかりの木の間を、ビョウビョウと吹きぬけて行った。
 高くそびえる塔、それを守るように立ちふさがっていた亞仁奇、彼が動いたのだ。
 倒れ逝く信者、血と泥に濡れた彼等が弱弱しく首を動かし、彼――亞仁奇へと視線を送る。
「雄達よ、目覚めよ!」
 股間から閃光が迸り、周囲を明るく照らす……やがて収束へと向かったその光の下、コイツ、穿いていない!
「今です!」
 慌てて利穏がダーク♂暗影符を使い、その『おたから』を視えないように遮った。
 だが、全ては遅い……物事は起きてからでは遅いのだ、スリジエが白い頬を赤く紅潮して生き生きと報告する。
 いつの間にか、墨を薄く塗った伊達眼鏡を着用していた。
「凄いです、謎のキノコが生えてます!光はあのキノコから出てたんです!すごく大きくて、脈打ってます!」
 何とも言えない、微妙な雰囲気が辺りを支配した――何となく、場を納めなければいけないような気がして、速風が口を開く。
「あれは……悪い夢だぇ。嬢ちゃん、忘れてくれぃ」
 全くフォローになっていない台詞であるが、いっその事、全てが悪い夢ならどんなに良かった事か。
 亞仁奇の出現により、再び熱い闘志とマグナムを得た信者、女性陣へも忍びよる。
「ふん!……だいったい、こんな季節にそんな恰好で!そんなの、『男らしい』んじゃないよ…ただの『ろしゅつきょう』だよ!」
 忍びよって来た信者の一人、彼の股間を思いきり蹴りあげると、刀を納刀したまま一閃させるエルレーン。
 股間を押さえて悶絶する信者、だが、エルレーンの言葉は止まらない。
「ふ、褌だけなんて……う、動いたらぽろり、とかしちゃいそうじゃない!それとも……見せたいの?!へんたい!ヘンタイ!きもちわるいー!」
 ガッガッ、ガッガガガガ――フィニッシュ!
 十数連撃を決めた後、生命力の切れた信者を放置し、彼女はため息を吐く――やっぱ、顔だよ!
「ボクは露出狂じゃないから」
 自分のフォローを入れた後、水鏡が強烈な蹴りを信者の胸筋へと繰り出した。
「ふぐっ……!」
 血反吐を吐く信者――上手く入ってしまったらしい。
 だが、瞬時に気力を使い彼女へ同じく蹴りを繰り出す……リーチならば男である信者の方が上だ。
「女に手をあげるなんて、最っ低ー!」
 後ろに忍びよったアムルタートが喧嘩殺法でダンスヒールによる蹴りを繰り出した、爪先が内部へ入り込み、悶絶する信者。
「いい……も、もっと――」
 潤む眼差し、男と女の視線が重なり合う――そして。

 ゴスッ!

「気持ち悪い」
 復活した水鏡が、信者の間を瞬脚で駆ける――流れる水の如し、青い颯が通り過ぎた後、寒々しい冬空へと、白い褌が一斉に空へ舞った。
「キノコです、キノコです!」
 スリジエが興奮の声を上げた、一方、始末書確実の光景に頭を抱える速風。
「止めて下さいよ――み、水鏡さんー!」
 敵味方問わぬダメージ、利穏が『おたから』を視界に入れないように視線を逸らしながら、水鏡に抗議する。
 その、張本人はと言うと。
「……しょうもない」
 にべもない。
 相撲なら不浄負けであるが、残念ながら、非常に残念ながら、此れは仁義なき戦場であった。
 鍛えられぬ場所を晒されて、羞恥に揺らぐ信者達。
「ふ、隙ありだ!」
 弱点ならば、己にだってある――だからこそ、理解できる相手の弱点。
 即ち、股間……そこへ素手で攻撃を加えた相川は、何とも言えない感触に折れそうになった、心が。
「う、この感触……素手で殴らなければよかった」
「おいらだって、負けないよっ!」
 拳布を信者の腹部に叩き入れ、そのまま膝を相手の股間へ叩き込む。
 ぎしっ、と響いてくる、骨の折れる音――そして、何とも言えない感覚。
 敗走、背を向ける信者の尻へ、小伝良は容赦なく蹴りを叩きこんだ……まるで、何時か見た悪夢を打ち砕くかのように。

●最終兵器、亞仁奇
「恐れるな!筋肉神の加護、我らに在り!」
 亞仁奇の声が響き渡る、筋肉神の閃光と言う加護を以ってしても、敗北の色を拭う事は出来なかった。
 嗚呼、なんと、脆く悲しい神であろうか――。
「ふふ、残るは貴様だけだな!筋肉帝国だかなんだかしらぬが、そんなものは打ち砕く!」
 仮面に手を添え、ビシッと指を突きつける相川、フッ、と亞仁奇はその言葉に皮肉気な笑みを浮かべて見せた。
「是非も無し――我らが夢、叶える為、参る!」
 咆哮を上げ、ぶつかり合う男達……そして、彼等を援護するように可憐な女性陣が動く。
「この――へんたい、ろしゅつきょう、わいせつぶつちんれつざい!」
 エルレーンが刀を亞仁奇へ突きつける、だが、それを紙一重で交わし、強烈な後ろ回し蹴りを放つ亞仁奇、そのまま彼はやや上から強襲をかけた水鏡の攻撃を受けとめ、弾きとばす。
「信者とは、やっぱり強さのケタが違うね……!」
 でも、負けられない、小伝良が強く拳を握った……筋肉神、筋肉帝国等と言うものに天儀を、そして世界を渡すわけにはいかないのだ。
 我らには、人々には、生き方を選ぶ意志がある!
「ってぇ、何時からそんな、大層な依頼になったのかぇ」
 ボソ、と呟いた速風の言葉は、誰に届くでもなく消え去った。
「僕は、亞仁奇さんを倒して――真の男になります!」
 堂々とスリジエが亞仁奇を睨み、五行呪星符を呪縛符へと変える。
 筋肉には筋肉を――いつもよりも丁寧に生み出された呪縛符は、隆々とした、亞仁奇にも負けぬ腕と成る。
「痴れ者が!術を使うとは――」
「何のことでしょう!?」
 アムルタートの蹴りを腕で受けとめる亞仁奇、亞仁奇からの攻撃を彼女は、身をかがめる事で避け肘を叩き込んだ。
「顔を狙わないでよ、メークがとれるでしょ!」
「戯け!」
「……亞仁奇、恐るべき敵です」
 信者に脱がされた服を、せっせと着ながら利穏が呟いた。
「恐るべきってぇより、近づきたくないねぃ」
「……元凶、速風さんのような」
「何の事だぇ?」
 安全圏では、まるで闘技場で試合を見ているかのような気安い会話が交わされていた。
「中々、決まらない――よし、これが!おいらの!荒ぶる鷹のポーズっ!」
 真荒鷹陣を決める小伝良、粗ぶる鷹のような猛々しい姿勢、少年のまだ発達途中の肉体であるが、引き締まった美しさを演出していた。
「な、なんだと……この、美しき肉体はっ!」
 成人とはまた違った筋肉美に、亞仁奇が一瞬の揺らぎを見せた――破軍を重ね掛けした小伝良は、更に天呼鳳凰拳で燃えあがる鳥のようなオーラを纏う。
「行くよ、天呼鳳凰拳!」
「やらせん、筋肉薔薇乱舞!」
 二つの技がぶつかり合う、薔薇と炎のオーラが舞い踊る空間、狙われたのは光輝く股間、そして小伝良の褌……気力を流しこみ、股間のガードを固める亞仁奇。
 だが、大きな地響きを立て、亞仁奇の肉体が地に落ちた。
「これ程の、これ程の使い手がいたとは――」
「よくやったよ、亞仁奇……おいらもまだまだ、修行中の身さ!」
 地に這いつくばり、汚れた顔を上げた亞仁奇に差し出された小伝良の手。
 そして、後ろから忍び寄るのは。
「初夢の再来です――屈強なサムライを倒した、僕の技」
 スリジエが両手を特徴的な形、所謂カンチョーの形へと組んだ斬撃符を、亞仁奇へ目がけて打ちこんだ。
「アァーーッ!」
 響き渡る声、男性陣は揃ってこの哀しき一人の猛者の散り様に、瞠目したのだった。

「やっぱり最初から槍で問答無用に叩いておくべきだったかな……」
 遠い目をしながら、両手を何度も洗いまくる相川と、痔で通院する事になった亞仁奇。
 そして、亞仁奇のトンネル開通を行った覇者として、スリジエが暫くの間、信者の間で語り継がれたとかなんとか。