骨まで愛して
マスター名:白銀 紅夜
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/12/18 01:35



■オープニング本文

●寒村の悲劇
 その村は貧しかった。
 だが、貧しい故に人々は勤勉で、金銭で買えない食料は自給自足。
 どんな物でも繕い、直しては最後まで大切にし、無駄を一切出さない。
 ‥‥だが、どんなに善と言われる暮らしをしていれど、災難はいきなり降りかかる。
 因果応報‥‥その言葉が当てはまるのならば、彼等にどんな罪があろうか?

 ところ変わって開拓者ギルド。
 農作業で日に焼け、精悍な顔つきをした男性は重いため息を吐き村を襲った異変を口にする。
 恐怖にわななく唇から、こぼれ出したのはそれはそれは、恐ろしい言葉だった。
「へぇ、人骨がですねぇ、現れたんですよ。他の人たちが言うには50とも、100とも」
 随分と多いですね、とギルドの受付員は相槌を打ち半紙にメモを取る。
「いえ、さして強くないようで‥‥少しは若い衆が払ったんですが、その、すかぁとと言うものを穿いておりまして」
 恐ろしいと顔を青ざめさせる男性、よくよく聞けば村長らしい。
「いやぁ、男性陣は魅了、と言うんですかねぇ。されてしまいまして、攻撃も出来ませんし‥‥何とか逃げ出して来たんでさぁ」
 村の住民は避難済み‥‥と言う事か、更に情報を聞き出したところ、家屋は10程でわざと壊すのは頂けないが、存分に暴れても構わないらしい。
「しかし、魅了とは厄介ですね‥‥」
 この金額で受ける者はいるかどうか、何より目の毒になりそうなアヤカシだ。
 人骨が揃いもそろってスカートを着用し、魅了の技を使うなど‥‥飯が不味くなりそうである。
 と言うより、精神的に汚染してしまう気がした。
「男じゃなければ、いいのよねぇ?」
 楽しそうじゃない、と朗らかに声をかけたのは巫女だと言う漢‥‥もとい、乙女。
 髭も脛毛もモッサリしているが、乙女である、心が。
「アタシも付いて行ってあげるわぁん、ほら、開拓者ってイケメンが多いなんていうじゃなーい?」
 恋愛フラグ?なーんて、ハートを撒き散らす巫女‥‥うん、巫女である。
「アタシも暇してたところだしぃ、いいんじゃない。アヤカシ放っておくわけにもいかないでショ」
 ねぇ、なんて無理強いを迫ってくる、身の危険を感じる受付員―――彼、否、彼女とは幼馴染であるが‥‥。
「‥‥ご愁傷様です」
 結局逆らえず、受付員は頭を垂れて乾いたため息を漏らすのだった。


■参加者一覧
水鏡 絵梨乃(ia0191
20歳・女・泰
斑鳩(ia1002
19歳・女・巫
霧崎 灯華(ia1054
18歳・女・陰
嵩山 薫(ia1747
33歳・女・泰
ラクチフローラ(ia7627
16歳・女・泰
不破 颯(ib0495
25歳・男・弓
ノクターン(ib2770
16歳・男・吟
幻獣朗(ib5203
20歳・男・シ


■リプレイ本文

●真冬の天儀はポキポキ騒ぎ
 イロモノだ、イロモノだ‥‥世の中広いですねっ!と穏やかな笑みを向けた斑鳩(ia1002)は依頼書を片手にただっ広い寒村を見まわした。
 ガッ、と腕をまわしたノクターン(ib2770)が小声でラクチフローラ(ia7627)に問いかける。
「俺が言うのもなんだけどよ‥‥敵も味方も色物ってどういうことだよ」
「知らないよ、って言うより骨になってから穿いたのかな、スカート」
 何か、開拓者の動きを察したらしい骨っ子アヤカシ達が遠目に見える。
 チランっとピンク色のスカートが靡いた、何だか、下穿きと申しますか、所謂『パンティ』なるものを身に付けているがとてもウザイ。
「骨にスカートっていうアヤカシ。あのローズってのも‥‥世の中恐ろしいぜ」
 と言うより、末期、とニヒルな笑みを浮かべた霧崎 灯華(ia1054)がふふふ‥‥と地を這うような声で笑うと死神の鎌を振り回す。
「要は、骨をぶっ飛ばせばいいんでしょ?」 
 全くその通りであるが、ある意味心的外傷を及ぼす可能性があると言うか何と言うか、色々と消耗するのは確実である。
「まあ頑張れよぉッ。相手?勿論分かってるさぁ。幻獣朗さんが良いんだろぉ?」
 モッサリ脛毛の生えた漢女―オトメ―であるローズに笑顔で、不破 颯(ib0495)が色々とアドバイス‥‥だが、彼は知らないのだ、既にローズの視線が熱っぽい事に。
「あたし‥‥あたし、ね?」
「うんうん、相手、幻獣朗さんだろ?」
 頑張れ、とばかりに視線を向けた先、黒髪美女‥‥ではなく美男子の幻獣朗(ib5203)が微笑んで使いこまれた鍋を持っていた、勿論ながら、食材も完備である。
「ローズ、いい名前ですね」
「源氏名なの――本名は、キライ」
 何か、ラブラブっぽい雰囲気立ってますが気のせいですよ‥‥幻獣朗がスッと手を差し出し握手を求め――繋がる手、温かい人の温度。
 非常に思わせぶりだが、熱い友情である、とても熱い友情である、重要なので二回言いました。
「なぁ。身も心も女だが、女の子が大好きなボクはどうなるんだ?」
 素朴な疑問をぶつけたのは、水鏡 絵梨乃(ia0191)だ――恐らく、男性が魅了されるんだから女性の骨なのだと思うのだが如何せん骨、どこからどう見ても可愛さ皆無。
「まあ、目の前にいるのはスカートを穿いたムキムキのおっさんだと考えておけば、魅了されることはないかな?」
 ムキムキのオッサンが、スカート穿いているのもシュールと言えばシュールなんだが、扇子で口元を抑えて嵩山 薫(ia1747)は口を開く。
「そうね、私はもうあんなに短い丈を穿ける歳じゃないし‥‥若いっていいんだけど」
 アレを羨ましいとは『全く』思わないわ、と見事なスルースキルを発揮する、続けて紡ぎだされた言葉に、水鏡が喜びの声を上げた。
「あんな怪しい連中より、絵梨乃さん達の脚線美の方がずっと、魅惑的だと思うけど」
「薫さんの肉体美も負けてない!」
 ‥‥早かった、確かに豊満ボディからは大人の色気と言うものが漂っている――横で胸を抑え、唇を震わせるラクチフローラ。
「――欠点が無いのも、アレだしね」
 チョッピリ負け惜しみだったりするのだが、彼女の矜持は深い骨の海に沈む‥‥目の前に並ぶ、骨達。
「ど、どうしてブラジャー完備?!」
「布胸当‥‥サイズはCカッ――ガッ!」
 誇り高い男、不破が身体を張って確かめるそのサイズ、その頬を霧崎の死神の鎌の柄がぶっ叩いた‥‥あら、そこにいたのが悪かったのよふふふ、とばかりに彼女は突っ込んでいく。
「真の撃破王は、味方を巻き込んでも気にしないものよ――秦拳士二人組には負けないわっ!」
 ダッと地を駆けると共に死神の鎌を勢いよく振り回し、悲恋姫の切なる悲鳴を響き渡らせる――後背に回り込む骨ですら、彼女の鎌の柄で弾き飛ばされた。
 頭蓋骨を弾き飛ばし、叩き割ると顔にかかる塵埃を軽く手で払う。
「さっさと、塵は塵に帰りなさい!」
 ‥‥恐姫の異名は伊達では無い、何かスイッチが入っちゃったらしい。
「しっかし、うじゃうじゃいるな‥‥」
 戦場に響く、ノクターンの武勇の歌――勇ましい音色が開拓者達の心を(色々な意味で)奮い立たせる。
「あたしは、別に要らないんだけど」
「オプションだよ、オプション」
 最前衛でぶっ飛ばしながら霧崎が声を上げるが、緑の髪を揺らしたノクターンは平然と笑い、近づいてきた骨っ子を軽くかわす。
 ガッと言う音がして、霧崎が骨っ子を粉砕し‥‥斑鳩が舞い踊る。
「あって、困る術じゃないと思いますから!」
「足は引っ張らないでよね」
 厳しい言葉だが、勿論です、とばかりに斑鳩は微笑んだ。

●薫香 IN 脛毛
「でも、こういう需要が何処かにあるってことですよね‥‥」
 大丈夫でしょうか、と不破の赤くなった頬を癒そうかどうか迷い、ローズをチラリと見た斑鳩は無邪気な笑顔で彼‥‥もとい、彼女の肩を叩いた。
「ここは、射程が接触の恋慈手で急接近ですよ!」
 善意である、全くの善意である――若干遊んでいるけど。
「分かったわっ!」
「頑張って下さいねっ!」
「無い、無い、いや、普通の女の子の方がいいのでお願いしま――」
 ガチン、と不破がローズの胸板に挟まれる、無邪気に応援している斑鳩にヘルプを要請するが、楽しそうですね、と笑顔でかわされる。
 そして舞い踊るは神楽舞「武」だ、精霊が鼓舞し彼女の髪は揺れる、一点の穢れも無い精霊を呼ぶ踊り――魅了対策にかけるのは女性のみ、万が一魅了にかかってしまえば、それだけ味方に被害が及ぶ。
 負けじと踊るローズ、神楽舞「進」は何だかミニのスカートが翻ってモッサリどころか、その上の物まで見えてしまいそうで色々と地獄だ。
 若干見てしまったのか、涙目で不破が叫び、弦を張りつめ悲鳴と共に打ち放つ‥‥バーストアロー。
「ミニスカ骨ッ子萌えってどんな新境地かと思ったが、案外いけるかも‥‥なんて思ってたまるかぁー!ついでに見えてしまったなんて悪夢だーっ!」
 渾身の矢が、怒りと嘆き、男の悲しい性を謳い、骨達を破壊する――やーん、もう、と隣でくねくねするローズがウザかった、横に立っている斑鳩が目の救い。
 しかし、ローズにも危機が迫る、彼‥‥彼女に狙い澄ました、骨の一撃が迫って――。
「危ないっ!」
 だが、王子は常に姫の危機に訪れるものである‥‥サッ、と庇ったのは幻獣朗、手裏剣で骨を相殺し、優しげな顔に意志の強さを湛え凛、と立つ。
「可憐な巫女さん(ローズ)に傷を付ける訳にはいきませんよ」
 何ともまあ、乙女ゴコロを熟知したセリフである、キューン☆と何かハートが撒き散らされた気がした――が、彼はあくまで男同士の友情である。
 複雑な乙女ゴコロ、揺れるローズ‥‥。
「あ、あたしを取りあって――そんなっ!」

 ※誰も取りあってません

 もう、ツッコミを放棄したって言うより、アウト・オブ・眼中のお二人。
 色々とお二方は、リベラルですから――水鏡と嵩山、まあ、大変よね、と気持ち的にはその辺り。
「準備出来た、薫さん?」
「当然、何時でも‥‥」
 乾いた風が吹く、タッ、と軽く飛び降りた彼女達、水鏡と嵩山は背を預け合った後、自分達が被害に遭わぬように一瞬で地を駆け、距離を置く。
「そんなにスカートの捲れを見せつけたいのなら、手伝ってあげるわ」
 嵩山曰く、跳躍から片足立ち、片足を上げ両手を袖に通して組むのが楽しい姿勢である。
「ボクは、可愛い女の子の方が好きだ――っ!」
 ダンッ、と地を震わせる攻撃、崩震脚‥‥円を描くように、衝撃波はスカートを捲りあげ、周囲の骨を弾き飛ばし空をも暗くする。
 40程はこの攻撃で消えただろうか‥‥ポキパキと小気味よい音が鳴り、重なった攻撃範囲の骨達は跡形も残ってはいない。
 えっちーっ!という悲鳴が聞こえ、パンティ、しかもシルクが見えた気がするが気にしたら負け。
 劣勢を感じる骨達、そんな思考があったのかどうか‥‥と言うより。
「下着、穿いてたんだ‥‥」
 ポソリと呟く、ラクチフローラ――シルクの、眩しい白の輝きと何故かCカップらしい布胸当に翻弄される?
 そんな事は当然ない、勿論相手が魅了するなら彼女にも、考えがあった。
「これでも見なさい、この骨共!」
 激しく、そして凛々しく、ある時は雄々しく――まるで彼女自身が鷹になったかのようなポーズ、荒鷹陣だ。
 骨っ子達も負けてはいない、見よう見まねでやってみるが――
「そんなもの、通用しないよっ!」
 素早く地を駆け、荒鷹陣から骨法起承拳へ、やや黄色くなり変色したところへ鋭い手甲が叩きこまれる。
 背面からチラリズムを試そうとでも言うのか、徐々にスカートを上げて行く骨っ子。
「甘いっ!」
 ラクチフローラの腕が薙ぎ、嵩山の極神点穴、所謂急所を突いた攻撃が決まり粉砕する――彼女達の後ろに回った骨っ子を、悲恋姫の叫び声が包む。
「どうせだったら、血糊でも吹きだしてくれると盛り上がるんだけど」
「薫さんの全身は僕の物だ!」
「絵梨乃さん、それは違うわ」
 ザックリと一刀両断の勢いで突っ込む嵩山、さておき骨っ子達、味方も半数以下に減ってしまえば策を弄するしかない。
 ‥‥始めから使っておけよ、と言うツッコミは置いておいて、ふわり、と何処からも無く風が舞った。

●囁かれし小宇宙―コスモ―
『それは伝説、それは神秘、それは神の技‥‥秘儀、色仕かぎゃっ!』
 頭の中に響いて来る呪声は、何故か舌噛んでいた――思いっきり下着を見せつけて下さっているのだが全然、琴線に触れない。
「あの、骨に舌ってありますか?」
「‥‥すまん、俺、吐きそう」
 斑鳩が舌噛んでましたよね、とカクリと首を傾げる横でノクターンがちょっと涙目。
「あのスカートは、世の中の女の子(と男の娘)に穿かせるべきだっ!」
 魅了と言うのか、言ってもいいんだろうか‥‥攻撃は行わずに水鏡が瞬脚を使い、素晴らしい手腕でスカートを奪っていく――最早、神技と言っても差し支えは無いだろう。
「す、スカートの中は、男のロマンだ」
 冷たい汗を流しながら、息も絶え絶えだった不破が鷹の目でスカートを狙う‥‥中の小宇宙。
 それは男の性、隠れたる甘美な囁き――スライディング、そのまま低い位置から頭上を射抜くように矢が穿たれる。
 次々と切れ切れになって行くスカート、男の性は満たされるんだろうか。
「小宇宙、ローズの中はもっと広いのですっ!」
 バッ、と何故か幻獣朗が示す先に、ローズがスカートをまくりあげてセクシーポーズ――いやだぁ、なんて甘ったるい酒枯れした声。
「いや、俺も他人の事言えないけどよ‥‥それいいのか?」
 ノクターンがさり気なく突っ込みを入れつつ、淡い光を灯しながら霊鎧の歌を奏でる――魅了と言うべきか、寧ろ暴走と言うべきか。
「って、俺のスカート捲るな!」
「僕は、男の娘も行けるクチだ!」
「聞いてねぇ!」
 水鏡と、ノクターンのやり取りを捉えつつ――彼女は舞う。
「大丈夫です‥‥スカートに性別はありません」
 ねっ、と笑顔で言い切った斑鳩さん、ちょっとツッコミどころがおかしい――舞いを止めた彼女は、ぽむっと可愛らしく手を叩いて口を開いた。
「魅了された方は、ローズさんが解術して下さるそうです‥‥さあ、頑張って下さい!」
 ローズの手が伸びる、それは誇り高き死へのプロローグ――その手を軽く取り、幻獣朗は微笑んだ。
「ローズ、あなたのように可憐な方が、前に出てはいけません」
「幻ちゃんっ!」
 ギュッと、抱きしめあう二人――何処からも無く当たるスポットライト。
「誰が用意したの、コレ」
 ボソっと呟いたラクチフローラの視界に移る、骨っ子‥‥何だか妙に胸を強調して、それは誘っているようにも――。
「許せるかぁっ!」
 今日、最大規模の骨法起承拳が炸裂した‥‥そのまま、一塊の骨っ子を蹴り飛ばす。
 そろそろ、出なければならないだろう――ずっと抑えて来た、この、力。
 フッ、と笑った幻獣朗がスポットライトを放り出して、自ら脱ごうとした骨っ子の手を手裏剣で、制した。
「脱ぐものではありません‥‥お前等、トンコツと一緒に煮込んでスープにしてやるから覚悟しとけよ!」
 瞳は燃える、ダシガラ、ダシガラ、ダシガラっ!
 素早くも予測し辛い動きで敵を翻弄し、手の中から放たれる手裏剣‥‥正確無比な手裏剣は同じ場所を幾度も付き刺し、そして骨っ子を地面に倒す。
 スカートが切れ切れに飛び、きゃぁ、と悲鳴が聞こえるが振り返りざまに踵を入れ、そのまま肘で頭蓋骨を粉砕する。
 全ては、料理人のなせる技‥‥なのだろうか?
「あたしから、逃げられると思って?」
 退却を始めた骨っ子達を追撃し、容赦無く襲いかかる霧崎の刃‥‥舞い踊る斑鳩はどこまでのびやかに、そして、軽やかに。
「スカートを捲るのは、厚意よ、受け取りなさい!」
 体勢を低くしたまま、拳を次々と叩きこむ嵩山の後ろ、水鏡が艶やかな髪とたわわに揺れる胸に釘付け。
「うん、やっぱ生きてる方がいいよな、骨はねぇよ‥‥」
 何だか悟りの境地に至ったような気持ちで、遠くへ逃げ出そうとした骨っ子を鷹の目で狙い撃ちする不破。
 ポキ、と軽い音共に、最後の一体を倒したラクチフローラは沈痛な面持ちで骨に手を伸ばす――その横顔は憂いを帯びていて、ノクターンは静かに曲を奏でる。
 励ますように、慰めるように‥‥頑張るのは、大事、と呟いたラクチフローラは、そっと目を閉じて。
「胸だけが魅力じゃないっ!」
 ガツッと音を立ててCカップの布胸当を踏みつぶした――荒れた心にそっと差し出すのは、幻獣朗の作った豚汁。
 始めから、そのつもりだった‥‥そう、始めから――あの、大きな鍋。
「美味しいのは美味しいんだけど、暴れ足り無いわ‥‥」
 やっぱり、血が吹き出るのがいちばんよね、と今度は材料の豚を仕入れそうな霧崎、別の意味で、生きてる女性はいい、と不破は頷く。
「なあ、このスカート着てくれ!」
「流石に、こんなに短いのは着れないわよ‥‥」
 水鏡のお願いにNOを示す嵩山、豚汁を頂きながら、あら、美味しいと一言。
「脱がす‥‥薫さんと、斑鳩さんと灯華さん、ラクチフローラさんにノクターンさん」
 一番素敵なのを選んだ、と差し出す水鏡‥‥よいではないか、よいではないか〜♪と何だか歌っていらっしゃる。

「幻ちゃん‥‥」
 戦いは終わった、静かになった場所に、ローズと幻獣朗の二人。
「愛してる、この愛、受け取ってっ!」
「お断りします」
 まさしく一刀両断、言葉と共に疾走したローズをヒラリとかわし幻獣朗は告げる、そんなもん、勿論お断りである。
「がーん」
「それ、言っていて寒くないですか?」
 吹き荒れる恋の悲しみ‥‥終わった戦い、そしてローズの恋――もう、二度と。
「出てくんなよ、あんなアヤカシ(そして、ローズ)」
 それは同感であった。