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■オープニング本文 ●暗雲は闇を投げかける 暗い部屋、蝋燭の炎が静かに揺れる。 そこで書き物をしながらゆっくりと顔を上げたのは北條・李遵。 「アレが盗まれたようですね」 面目ないと言わんばかりに床に平伏す配下を見ながら立ち上がる。 表情を変えず、これ見よがしにため息をつきながらゆっくりと近づいて外を見た。 「私の管理不足も否めないでしょう―――ですが、相手と居場所くらいは付きとめているのでしょう?」 おぼろげな月明かりが抜き身の刃を光らせる。 「はい―――情報を持って逃げたのは北條の一派、影馬の里の一族です」 影馬の里の一族、李遵が知っている中でも特に果敢‥‥否、無謀な一族。 「狙いは慕容王ですか」 是、と答えた配下に李遵はフードの奥で血色の悪い顔に薄く笑いを浮かべた。 「見過ごすわけにはいきませんね‥‥ただですら、此方にとって悪い方に風は吹いている。影馬の里に権力を持たせるのも不愉快ですし」 それに、と李遵は心の中で呟く。 「(やや態度が大きくなってきているようですし‥‥私腹を肥やすだけの者なら必要はありませんね)」 ●非情な瞳 「いかがなさいますか?」 問いかける配下に頷いて、口を開く。 「無論、徹底的に潰させていただきましょう‥‥とは言え、私達が動くのも」 細い顎に手を置いて、考える。 今、頭領である自分が動いてしまえば他の氏族達を刺激する事になる。 「内輪揉めに巻き込むのはどうかとは、思うのですが‥‥開拓者に頼みますか」 面倒な時に面倒な事になったものだと一人呟き、文を書く。 「藍玄、貴方もついて行きなさい‥‥貴方であれば風当たりもそれ程強くはないでしょう」 その言葉に、藍玄と呼ばれたシノビは深く頭を垂れるのだった。 その日、開拓者ギルドに一人の男が訪れた。 「信用のおける方にお願いしたいと思っています」 |
■参加者一覧
犬神・彼方(ia0218)
25歳・女・陰
木戸崎 林太郎(ia0733)
17歳・男・巫
天目 飛鳥(ia1211)
24歳・男・サ
八十神 蔵人(ia1422)
24歳・男・サ
月(ia4887)
15歳・女・砲
黎阿(ia5303)
18歳・女・巫
朱麓(ia8390)
23歳・女・泰
風月 秋水(ia9016)
18歳・男・泰 |
■リプレイ本文 ●街に蠢く 楼港、どす黒い陰謀が渦巻く街に開拓者達はいた。 「情報ねぇ‥‥やれやぁれ、まだ何かと難しいみたいだぁな」 黒の犬の面を被った女性、犬神・彼方(ia0218)は肩をすくめて呟く。 「あたしは巫女のレア。よろしくね」 そう言って笑みを浮かべつつ口を開いたのは黎阿(ia5303) 他の面々も黎阿の後に続いて自己紹介を始める。 「しかし、情報を盗って逃げたにも拘らず、宿に逗留したまま動かないとなると‥‥」 何やら難しい顔で呟いたのは天目 飛鳥(ia1211)だ。 「まだまだキナ臭い国でござるよ」 飽くなきシノビの内乱、苦いものを抱きつつ風月 秋水(ia9016)が呟く。 「ええ、早く終わらせましょう」 木戸崎 林太郎(ia0733)の言葉に朱麓(ia8390)が頷いた。 「じゃ、テキパキ行こうかね!」 潜入班である彼女を始め、天目、木戸崎、そして。 「少し前までは、逆の立場だったのにな‥‥」 そう言って刀に触れた月(ia4887)は静かに過去を思う。 「朱麓、気をつけて」 黎阿の言葉にそっちも、と朱麓が首肯する。 それを目端に捉え、八十神 蔵人(ia1422)は歩を進めた。 「さてと‥‥狐と狸の化かしあい、うまく騙されてくれるかのう」 呟いた声は誰に向けてか、それは彼にしかわからない。 ●影に揺らめく 「あら、そこの旦那様。わたしとお酒ご一緒してくれません?」 遊女を装った黎阿が目的の宿から出てきた男性に声をかけては近くの店へと誘う。 声をかけられた方も満更ではないのか、お酒のせいか口は決して重くはない。 「そう言えば、最近の楼港では何やら騒ぎがあるみたいですね」 「んまあ、妙な話には事欠かない街だったがね―――なんでも妙な奴等が楼港をモノにするとか」 根も葉もない噂だと笑い飛ばす男にもう一つ、お酒を注いでは問いかける。 「あら、そうなの?」 詳しく聞きたいわ、と笑みを湛え黎阿は付け足す。 「いや、詳しくは知らないんだけどね」 長々と男が口にする情報。 宿やら、金貸し屋やら、果てには自分の交友関係まで。 「―――まあ、喋ってくれるのは好都合だけど」 証拠には薄いかな、と赤い舌が伸びて酒の入った猪口の淵をぬぐう。 「じゃ、もっとイイ男になってね」 そう言って黎阿は勘定書きを男の懐に入れると店を出る。 目的の宿からほど近い居酒屋に犬神はいた。 チビリチビリと飲みながら彼女は静かに宿の中を探る。 小さな蜘蛛の姿をした人魂、陰陽師の使う式。 既に空いた一升瓶を軽く振りながら犬神は息を吐き出した。 「なんやシノビが暴れとるっちゅう話を聞いた開拓者やねんけど、知らへん?」 人通りの多い道で地図を片手に聞き込んでいるのは八十神、潜入班の潜入を助ける為近くで聞き込みを行っている。 「シノビですかぁ‥‥楼港も騒がしいものですねぇ。そういや、アヤカシが出たなんて話も聞きましたけど」 話し好きなのか、中年と思われる男性が頷いては一つ売り物と思われる果実を渡す。 「おおきに」 それを受け取って齧りながら八十神はふむ、と次の言葉に首をひねる。 「何やら、羽振りのいい金貸し屋がいるんですけどねぇ」 詳しく聞かせてぇなと呟いた彼の瞳は笑みの形に細められていた。 「さて、シノビ捕獲劇と参ろうで、ござろうか」 一方、件の宿の周囲で調査を行っている風月。 外観から、そして中へ視線を移す。 「(外から見える限り、妙なところはないな)」 屋根の上、寝そべりながら見回す彼に否応なしに視線は向けられる。 訝しむ人々の視線は手を挙げてごまかした。 「ちょっとした、仕事、でござるよ」 紛う事なき事実を平然と口にしながら、宿を見る。 見る限り、脱出経路は一般的な裏口、そして表口。 外観からの見取り図を描いては矢に括りつけ、射った。 「危ないぞ坊主!」 怒鳴る人物に風月は頭を掻いて口を開く。 「失礼、ニンジャごっこ、でござる」 一方、潜入班。 「はぁ、剣士さん‥‥」 「そ、湯治に来たの」 「その、此処は一見さんお断りなのですが」 困ったような店員に朱麓は笑顔で言い切る。 「そんなの気にしない、コッチは疲れてるの」 「宿屋だと思ったのですが‥‥同じく、疲れてます。歩けないくらい」 表情一つ変えずに木戸崎が呟く―――もはや動く気はないとばかりに無言で告げた。 「あ‥‥ああ、ちょっと!」 お客さん!と声を荒げる店主に何か問題があるのかと言わんばかりの二人。 てこでも動く気のない様子に店員はガクリと肩を落とした‥‥あからさまに怪しい仕草に開拓者二人の視線が一瞬、細められるが直ぐにその表情は消える。 「あ―――あまり上のお客さんには関わらないで下さいね」 何やら危ない感じなので、と付け足した店員に頷く二人。 「(無理な話です)」 「(それは無理だねぇ)」 思うことは同じ、二人は情報を集める為部屋へと歩を進めた。 所変わり、宿の裏口。 「あの店員は懐柔できそうだな」 呟いた天目、その横では月が頷き中へと踏み込む。 二人は始めからそこに滞在していたかのような気軽さで問いかけた。 「観光や遊郭へ出掛けたりもせず、部屋に居る五人組について知りたいんだが」 「五人組‥‥」 何故そんな事を知っているのかと疑問の色を浮かべた店員に月が告げる。 「少し、気になることがあるから」 真っ青になる店員、何も知らないと言いたげに首を振って駆けだそうとしたところを回り込む。 天目の手の中には幾ばくの通貨、月の手には刀の柄。 「人数は五人だったと思うのだが?」 「五人ですよ、お部屋も上等なモノにお泊まりです」 いい具合に怯えている、何処か冷静な気持ちでそれを把握する月‥‥続いて口を開いた。 「一番東側の部屋だったよね?」 「いえ、東から二つ目‥‥あ」 見事な誘導尋問、恐怖によって顔をひきつらせた店員はとうとう逃げられないことを知る。 「共犯、だね。でも、私達は開拓者だから」 月が改めて口を開く。 「危害は加えない、だから他の宿泊者を安全な場所へ」 天目が付け足し、店員に通貨を握らせた。 ●闇に蔓延る 蜘蛛が役目を終え符へと変わる。 「と、奴さん動いたみたいだねぇ」 立ち上がった犬神は勘定と言って通貨を置き、夜の街へ繰り出す。 目的の宿へ距離を詰めたところで厄介な、と彼女は口元を歪める‥‥笑みの形へ。 表口には既に蜘蛛の瞳で捕えていた人物が数名、立っていた。 一方、宿内。 飛来する手裏剣、それを叩き落して天目は呟いた。 「敵襲か」 予想より早い展開、一気に距離を詰めてフェイントを仕掛ける。 「行って‥‥」 小声で呟いた月がそっと、裏口の方へと店員を押した―――逃げていく店員を見届け息を吐く。 「(外へ誘い込めれば‥‥)」 店員や客に被害を与える訳にはいかない‥‥だが、その次の瞬間にはその思考が甘かったことを知る。 「まさか‥‥」 何を置いても、何があっても目的は行う―――例え、周囲が灰になっても。 火遁を放つと共に近くの窓から退出したシノビを追いかけるか、それとも一般人を避難させるか。 「コッチは任せて!あたしの『活かす剣術』は無駄な殺生は出さないよ!」 「こちらは押さえます、任せました」 聞き込みを終えた朱麓と木戸崎が二人に声をかける。 視線同士がぶつかったのは一瞬、しかし、四名は弾かれたように走り出した。 「困りましたね、力仕事は苦手ですが」 「百発くらい殴ってやりたいよ」 幸か不幸か、宿泊者名簿を叩きこんでいた二人は壁を壊して外へと脱出させる。 背に腹は代えられない、そこに飛来した矢。 何事かと構える二人がそこに括りつけられた文を取る。 『五名把握、表口に三名、裏に二名』 漆黒の空を鷹が舞っていた。 ●陰に集う 火が宿を包み込む、それを目端に捕えながら八十神が巌流と炎魂縛武を使用し、呟く。 「ここまで逃げて来れた、つー事は相応の実力者つー事やな?なら容赦せん‥‥!」 紅い炎のような光が斧に纏う、一歩進んだ八十神を一歩下がることでシノビは直接の交戦を避けた。 「犬の神に従い、我が敵を束縛せぇよ。呪縛符!」 漆黒の犬の頭を持った小人が群がる―――それを見ながら犬神は槍を手の中で滑らせた。 「俺ぇも槍を振るわせてもらおうか。なぁに‥‥俺ぇは陰陽師だ、そぉ恐くもなかろうて、なぁ?」 泰練気法・壱で命中を上げた矢が早駆で逃げだそうとしたシノビの一人の足を貫き、同時に放たれた雷火手裏剣が風月に痛みを与える。 「弓は専門では無いので、ござるがな‥‥」 三対三、舌打ちをしたシノビが印を結ぶ、水遁。 水柱が立ち上りほど近くで斧を振るう八十神へと襲いかかる。 「寒いなんて‥‥言っとられへんな!」 「そうそう、その意気で頑張って!」 遅れて到着した黎阿が神楽舞・攻を舞う、鮮やかな紅葉の扇子が闇に広がった。 「んじゃぁ、俺ぇもやるか―――犬の神に従い、我が牙ぁに其の牙を重ねよ!霊青打ぁ!」 犬神がその槍に式を宿し、強烈な突きを放つ。 それを最低限の動きでシノビがその身で受け、そのまま至近距離で短刀を叩きこむ。 小さく呻いた犬神だが突きから下へ薙ぎ払い、柄での打撲を与える。 間を取るように下がったシノビに風月が叩きこむ蹴り、斧で薙ぎ払う八十神。 そこへ飛来する風魔手裏剣が薙ぎ払ったまま無防備な八十神へ刺さる。 負傷を治していく黎阿へ向かう、打剣で高められた飛苦無。 そして別のシノビから火遁が放たれた。 髪が焼ける臭いに眉をひそめつつ、黎阿は力の歪みを放つ。 「女に手を出した罪は重いのよ」 捻られたシノビに風月が疾風脚を叩きこむ。 「出来れば、傷を付けたく、ない‥‥眠れ」 暗い声が、崩れ落ちるシノビを追って静かに響いた。 一方、裏口。 「一人も、逃すわけにはいかない―――」 炎魂縛武を纏わせた刀で攻める天目、月が刀の切っ先を下へ構える。 「狩るか、狩られるか」 大きく踏み出した彼女の刀が上へと上がる、刀の背で腕を一刀、その手から放たれた雷火手裏剣に内心眉を顰めた。 「戻りました、助太刀しましょう」 「あんたらに恨みは無いけどとりあえずこっちは穏便に済ませたいんでねぇ‥‥悪いけど少しだけ痛い目にあってもらうよ」 戻ってきた木戸崎と朱麓。 その表情から避難が無事に終わったことを感じた開拓者達、倒壊し始める宿を見つつ路地裏へと追い込む。 前に二人、後ろに二人。 不利である事を知るシノビ、だが退路はなく、水遁が朱麓へ放たれる。 「相手は待たない、か」 受け流しを使用しつつ、木戸崎の加護法を受け迷うことなく踏み込む彼女は巻き打ちで武器を払い落そうとする。 得物を握りしめたシノビの手がぶれるが、その手からは得物が落ちることはない。 その横、フェイントを受けたもう一人のシノビが雷火手裏剣を放つ。 天目が一瞬、眉をひそめるが敵のシノビの次の動きに更に表情を険しくした。 フェイントを受けた一方のシノビが隣に立つシノビの足を払う。 一瞬の虚をついて蹴飛ばしたシノビは早駆で月の横をすり抜けた。 「逃がしません」 木戸崎が力の歪みで攻撃する、捻られた肉体へ月が迷うことなく刀の背を叩きこんだ。 それを静かに見ていたもう一人のシノビは月へと駆け、その背に打剣を使用した風魔手裏剣を放つ、否、放とうとした。 「無意味だ」 フェイントを放つ天目、その後ろから朱麓が石突きを叩きこむ。 まともに入ったのだ、息もできまい。 「峰打ちならぬ石突き打ちよ」 「息はありますね」 木戸崎が二人のシノビに息があることを知っては手早く縛っていく。 「合流しましょうか」 手当てを終えた彼の言葉に、他の開拓者達も頷いた。 ●夜に消える 呪縛符を犬神が放ち、鈍ったところへ風月が飛手を叩きこむ。 黎阿は神風恩寵と神楽舞・攻をかけていく、後、二人‥‥八十神は内心で呟いて巌流と炎魂縛武をかける。 そろそろ決着をつけたいと思いつつ、彼の耳は足音を捉えた。 それはシノビや開拓者も同じこと、耳をすませた一瞬をついて繰り出される雷火手裏剣。 「‥‥ぐっ」 見事に入ったその術に内心苦笑しながらも、八十神は距離をさらに詰めた‥‥至近距離なら飛び道具も効果は薄い。 「堪忍な」 重い一撃、肩の骨を砕く感触が生々しく彼の手に伝う。 「さて、一人、どうする?」 風月が飛手を構える、前に四人、後ろに四人‥‥シノビはいよいよ窮地であることを知る。 「あたし達としては降参してくれると嬉しいんだけど」 神風恩寵で傷を治しつつ、黎阿が口を開いた。 シノビが風魔手裏剣を手放す、力なく下がった腕は既に戦意を喪失している‥‥ように、見えた。 「まずい!」 印を結ぶのに気づいて声を上げた風月、それを拭うようにシノビが動く。 気力を振り絞った火遁が逃亡を阻止するために動いた犬神へ向かう。 「失っても、拾ってやらぁよ」 槍の石突きが、骨を砕くのを感じながら犬神は静かに呟いた。 そこにかけられた声。 「御苦労さまでした」 「あんたが藍玄かぁ?」 犬神の言葉に藍色を纏ったシノビが首肯する。 「はい、ご無事でなにより」 酷く感情の欠落した声だと、風月は思う‥‥よく聞いた部類の声だった。 「三人は生存、二名は事切れました」 木戸崎の言葉に深く目の前のシノビは首を垂れた。 「畏まりました‥‥では、回収させていただきます」 配下と思われる二名のシノビが荒縄で縛られたシノビを抱える。 「では」 「待って、金貸し屋の噂を聞いたのだけれど」 「わしも聞いたで」 黎阿と八十神の言葉に、藍玄は先に配下を行かせると無言で先を促す。 やがて話が終わると、もう一度深く頭を下げた藍玄は残りのシノビを抱え闇へと消えて行った。 「結局、情報ってなんだったのかしら」 別に聞こうとは思わないけれど、と朱麓が呟く。 「確かに気になる、が‥‥それより、宿、全焼したな」 無事だったのだろうかと燻ぶる宿を見つつ天目が口を開く。 「皆さーん、無事ですか?」 「あ、あの時の店員」 月が呟いた先にはバケツを持った店員、そして街の人間が立っていた。 ●幕切れ 「三名生存、二名が死亡致しました」 「そうですか」 燭台の蝋燭が壁に複雑な陰影を作る、藍色の服を纏った李遵は物憂げな視線を藍玄へ向ける。 何てことはない、彼女はいつも物憂げな視線をしている。 「いいのでしょうか、始末せずとも」 藍玄の声音に薄く、李遵が嗤った。 「無駄なことです、情報は取り戻しました―――そう『人間』という情報は回収したのですから」 わざわざ敵に回すこともない、と淡々と告げる。 「それに、彼らを敵に回しても利はありません」 「回収した三名はいかがなさいますか?」 「私が面倒を見ましょう‥‥最期の時まで。ああ、情報にあった金貸し屋ですが、暫くは動かないと思いますよ―――素敵な贈り物を差し上げますし」 そう言って李遵は帳面を閉じて立ち上がる、爬虫類のような感情のない瞳に宿る慈悲はなく、藍玄は静かに頭を垂れるのだった。 |