暗転せし休日
マスター名:白河ゆう 
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 易しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2009/11/03 00:39



■オープニング本文

 空は晴れ渡り風は涼しく。たまには農作業を休めて子供達を遊びに連れてってやろうか。
「よし明日はお手伝いしなくていいからな。鎮守様にお参りして山の頂上で弁当を食べよう」
「父ちゃん、あたし三角おむすびが食べたい!」
「おいら一度上からやっほーいって叫んで見たかったんだ!」
 村の側には子供が登るには遠いが小高い山があり、ちょうど麓を見渡す感じに山頂が開けている。
 妻が早くに亡くなってしまった為に、農作業や家事を手伝い一日中遊びまわるという事もなかなかできない子供達。姉のカナと弟のケイはなかなか寝付けずに大喜びで騒いでいる。男も偶のご馳走と張り切り、不恰好ながらもなんとか握り飯を子供の注文通りに三角に作りあげた。

 翌日。
 慎ましい家族の素晴らしい休日は、しかし異形の闖入者により悪夢へと一変する。
 鎮守様へのお参りも済ませ、物珍しい光景を楽しみながら上機嫌で山頂へ向かっていたその時。
「ねぇ父ちゃん、あれ」
 子供の声にふと見やると、尋常じゃない大きさの蜘蛛が、糸にかかった不運な小動物を喰らっていた。山にあんな大きな蜘蛛が居るなんて聞いた事もない。幸い食事に夢中でこちらの存在には全く気付いていないようだ。
「あれはきっとアヤカシだ。いいか、静かに逃げるぞ。見つかる前に降りるんだ」
 父親の強張った顔を見て子供は初めて恐怖を感じて震えはじめた。
 男は無我夢中で子供達の手を引き、山道を駆け下りる。
 いつの間にかその手のひとつが離れていた事に気付いた時は、娘の姿はなかった。
 ガサガサガサ。さっきとは別の蜘蛛も居るのだろうか。別の方向からも獣の悲鳴が遠く聞こえる。
 後戻りはできない。

 アヤカシが出たと村は大騒ぎ。突然降って沸いた凶報におろおろするばかり。

「姉ちゃんが、カナ姉ちゃんが‥‥!」
 姉はアヤカシに食べられてしまうんだとショックで泣きじゃくる子供。
「あの子は賢い。きっと安全な所へ隠れて待ってるはずだ。沢や崖に足を踏み外してないといいんだが」
 男は希望的観測で慰めるしかなかった。既に山道へ至る方面は村の有志が固めて里へアヤカシが降りてくるのを警戒している。一人で探しに行くと言っても絶対通して貰えないだろう。犠牲者が、一人増えるだけなのだから‥‥。
 祈れるのは、村の通報を受けた開拓者達が早くやってきてくれる事だけだった。


■参加者一覧
楓雅(ia5331
14歳・女・シ
新咲 香澄(ia6036
17歳・女・陰
斗郎(ia6743
19歳・男・泰
星影(ia7102
10歳・男・シ
谷 松之助(ia7271
10歳・男・志
ルファナ・ローゼル(ia7550
19歳・女・弓
燐瀬 葉(ia7653
17歳・女・巫
刀夜(ia7917
21歳・男・志


■リプレイ本文

●アヤカシの知らせ
 村からの急報に居合わせた開拓者達。
「ボクにぜひ行かせて下さい!」
 姉弟が離れ離れと聞いて、自らの生い立ちが重なった新咲 香澄(ia6036)が勢い込んで受付卓の天板を叩く。
 彼女と同様にアヤカシの手によって家族を失った者は多い。その憎しみが原動力となって開拓者の道を選んだ者もいる。
 谷 松之助(ia7271)もその一人だ。幼き日に失った両親の姿が脳裏をよぎる。遠い過去となっても、あの温もりに包まれ両親の笑顔を見上げた日々は忘れられない。
「は、初依頼で、じゃ、若輩者ですが、が、頑張ります。ぶ、無事に女の子を助けたいと思います」
 言葉をつかえながらも、気丈に依頼に立ち向かおうとするルファナ・ローゼル(ia7550)。遠く海を越えた故郷を離れ新たなる人との出会いに温もりを得たようだが、彼女も既に血を分けた人々は地上には居ない。
「呼子があったら貸してくれよ!あったら山の中で連絡が楽なんだけど」
 山の中で手分けして探せば互いの連絡が難しくなる。星影(ia7102)はギルドから道具を借りれないかと、元気良く職員に尋ねるが彼女は首をかしげる。
「倉庫にあったかしら‥‥ちょっとすぐは出てこないわね」
「子供の命が掛かっている。時間がないから行くぞ」
 ぶっきらぼうに言い捨てて歩き出す志士の刀夜(ia7917)。言葉遣いは冷たいように聞こえるが、彼の心は一刻も早く困っている村を助けるべく逸っている。アヤカシの蠢く山で一人ぼっちで隠れているだろう子供の事を思うと、いたたまれなく自然足早になる。

●到着した救世主
「開拓者だ!開拓者が来てくれたぞー!」
 棒切れや鍬を手に、厳しいながらも怯えの混じった表情で山の入口を固めていた村の有志達が歓声に沸く。
 ひよっこだろうと関係ない。戦いの支度に身を固めた開拓者達の姿は村人に希望の光を与えた。一行の中には子供のように見える姿の者もいるが、凛々しい表情はその辺の一般人とは違う気迫を漂わせている。
「お願いします。どうかアヤカシを退治してくださいまし」
 居ても立ってもおられず、その儚い防衛線の後ろから山を見上げていた親子は、行方不明の子の家族であろう。父の袖に縋りつく幼い男の子は泣き続けていたのか、乾いた涙の跡が頬を汚していた。
「お子はんの名前はカナちゃんやったよね。うちらが必ず連れて帰るからな、安心してや」
 両耳の上を飾る朱塗りの簪をシャランと振り、不安を和らげるような天真爛漫な笑顔で父親を見上げる燐瀬 葉(ia7653)。
「お姉ちゃんは絶対ボクたちが助けるから、安心してね」
 香澄が汚れた顔の男の子、ケイの前にしゃがみ頭を撫でる。この子には絶対自分と同じ思いはさせたくない‥‥。ケイは香澄の紫の瞳を見つめ返し、小さく頷く。
 頼もしく山に向かう開拓者達の背中を、固唾を呑んで村人達は見送る。

 山に踏み分けられた一本道を登る一行。麗らかな秋の陽射しが繁る木々の間に零れ落ちていて穏やかな風景である。
「こんな行楽日和に‥‥無粋な」
 アヤカシに粋があるとも思えないが、何も家族の滅多に無い休日を邪魔するように現れなくても。タイミングの悪い発生に松之助は腹が立つ。
「でけぇ蜘蛛かぁ。やだやだ、よりによってそんな気持ち悪いもの出るなんて勘弁して欲しいですなぁ」
 拳が武器の秦拳士、飛手を装備はしていてもやっぱり蜘蛛なんぞ触りたくない。斗郎(ia6743)が辺りを見回しながらぼやく。
「は、早く、見つけて、皆様を安心させたいです」
 おずおずとしんがりを歩くルファナ。鳥や小動物がカサリと音を立てる度に胸を驚かせながらも警戒は怠らない。
 登るうちに辿り着いた親子がお参りしたという鎮守様の小さな祠。古びてはいるが、村の者が丁寧に手入れしているのか小綺麗に落ち着いている。
「この辺りには居ないようだな‥‥我の目に大きな生き物の気配は映らぬ」
 心眼を用いた松之助はあたりの様子をゆっくりと伺うが、この辺りには何も痕跡はないようだ。

●蜘蛛二匹
 二班に分かれて捜索を続ける一行。松之助を先頭にして道の右手に分かれた者達。
「頼りにしてやすぜ」
 同行する松之助の志士として修行した術が捜索に多いに役立つ。親指を立てて気持ちを表した斗郎が慎重に周囲の様子を伺う。
「見つかると良いが‥‥」
 起伏する地形、視界を遮る木々に松之助が再び術を使い、捜索の網を伸ばす。子供かアヤカシか同じくらいの大きさの生物が二体。
「あちらのようだ」
「カナちゃ〜ん、助けに来たさかいに。居たら返事せんでいいから、そこでじっとしてるんよ〜」
 もしアヤカシと子供が近くに居たら‥‥声を聞きつけてこちらに寄ってきたら良いが。葉が大きな声で呼び掛けて前へと進む。その声は張り巡らせた糸を振るわせたか。
 しかし現れたのは一番小柄な葉ほどもある大きさの化け蜘蛛が二体。斗郎以外は皆小柄、ちょうど良い餌が来たぞと言わんばかりに音も無く蜘蛛達は糸を吐きつけ、その長い多数の脚をうごめかして開拓者達に迫る。

 木々に張り巡らした作りかけの巣を活用し空中から飛びかかる化け蜘蛛。
「うわわ、そんな気持ち悪い姿で近づいてこんでや」
 とっさに身を低めた楓雅(ia5331)の身体から瞬間吹き上げる炎が頭上に迫ったアヤカシの腹を焼き焦がす。木々の繁る場所なのでうかつには動けない。その楓雅を庇うように回り込んだ松之助が立ちはだかり、幅広の剣を突きつける。
 長い脚爪がその脳天を狙うが、精霊の力に包まれた白鞘が滑るように受け流し、節を包む柔らかな外殻を削り取る。
「穏やかな日々を‥‥壊すな!」
 楓雅の援護する手裏剣が吹き付けられる糸を次々と切り、それによって進路を見極めた松之助が懐に飛び込み、力を込めた剣がその胴を貫く。左手の白鞘が更にその腹を引き裂き、その大きな図体が崩れかかる前に転がり飛び退く。

「ふふん、俺が唯一活躍できるとこじゃねぇですかっ!」
 斗郎の放った重い蹴りがアヤカシを打つ。万商店特製の頑丈な草鞋が胴にめり込む。吐き出された糸は飛手で払いのけるが同時に攻撃してきた脚は避け切れず、単衣を切り裂いた爪が胸に鋭い痛みを伝える。
「風の精霊はん、手伝ってぇや」
 一人で果敢に立ち向かう姿を後ろから心配そうに見守る葉の身体から爽やかな風が舞い、斗郎の外套をなびかせて胸の傷が風の中に消えてゆき血の跡だけが残る。乱雑に吐き散らされる糸が邪魔をしてうかつには近寄れない。
「弱点はそこですかねぃ!」
 再び振り上げられた複数の脚。自らが傷つくのも厭わず、斗郎は一気にその装甲の弱い本体へと迫る。爪が両肩を浅く抉るが、気合を込めた蹴りが蜘蛛の書肺を突き上げ、その周囲の血管を破壊する。動きの止まったところへ更に攻撃が叩き付けられ、長い脚も全て力を失った。

●救助
 もう一方。道から左手に分かれて沢淵の崖下や藪に隠れた窪み等をを探して歩く一行。
「こ、こういう山には、隠れられる場所は、い、いっぱいありますから‥‥」
 猟師の子として山歩きを教えて貰った記憶を辿るルファナ。内気であまり外には出歩かなかったが、うっすらと思い出せる。ジルベリアとは随分木々も異なり成長して見える視界も違うが、懸命に探して回る。
 しらみつぶしに当たるうちに土の窪みに身を隠す少女を発見した。
「カナちゃん大丈夫?怪我とかない?」
 突然現れた見た事のない武装した者達の姿に怯えの表情を見せるカナ。駆け寄り抱きしめた香澄の問いに少女は答えれないまま泣き出す。誰とも知れぬ温もり、家族とはぐれ孤独の夜を山中で過ごした怖さが一気に緩んだのだろう。必死に抱きつく力は痛いくらいだ。
 少女を宥めながら身体を確かめると、転びながら必死に隠れ場所を探したのかあちこちに擦り剥いた跡や青痣がある。
足首も挫いているのか、触れると痛みに我慢ができずわんわんと声を上げて泣き出した。

 山間に響く子供の泣き声が聞こえたのか、気配を察知したアヤカシが一匹。音もなく忍び寄り糸を吐きつけたが逸早く気が付いた星影が鉄の爪を振るい、絡めとろうとした糸を切り断つ。赤い髪紐がふわりと銀髪の上を舞う。
「蜘蛛が来たよ!」
「俺が前に出ないとな」
 緩やかな曲線を描く刀を鞘から抜き払い、化け蜘蛛に向かって突進する刀夜。非力な分隊を守る盾となるべく、その身を正面に構える。尋常ならぬその蜘蛛は人間の子供よりも大きく間近で見ると尚更異様だ。威嚇に振り上げた先端の尖った長い脚を、両手で振り下ろした白刃が切り落とす。見たくもない色の体液がどろりと傷口から滴る。
 しかし他の脚もまた刀夜を狙い、皮鎧の保護を受けていない腕の肉を抉る。
 痛みに一歩下がったところを星影がフォローに入る前に、その口から再び放たれた糸は美味そうな無防備な少女へと吹き付けられた。
 とっさにカナの前へ飛び出したルファナが構えようとしていた弓ごと絡めとられる。糸を案内に獲物に迫ろうとした蜘蛛を鎧袖を当てた香澄がぶつかり軌道を逸らす。もがいた脚が香澄の背中を傷つける。
「痛っ。カナちゃんに触らせやしないし、村にも行かせないんだからね!」
 放つ吸心符がたちまち背中の傷を癒す。
 態勢を立て直した刀夜が身体を割り込ませ、押す刀で牽制しながら蜘蛛を女子供から引き離す。
 その間に星影がルファナを傷つけないように慎重に爪で束縛を解く。
「た、倒させて、戴きますっ‥‥」
 糸から逃れたルファナが素早く弓を引き絞り、狙いを定めて放った矢は蜘蛛の複眼に深々と突き刺さった。
 更に香澄の式で切り刻まれ動きの鈍った胴体に、刀夜が素早く踏み込み炎を纏った刃を埋め、その禍々しい命を絶った。

「も、もう、心配無いですから…だ、大丈夫です」
 振り返ったルファナが目を隠す前髪の下から小さく強張った笑みを浮かべ、カナに声を掛ける。美しく編み込まれた長い金色の髪にはまだ無粋なべたつく糸のなごりが絡み付いている。
 恐怖に更に涙を零し続ける少女が触れそうで触れないルファナへ手を伸ばし、その袖を掴む。
「怖いのは終わったからね。痛いのは治してあげるから、ほら足を見せて?」
 香澄の手から可愛らしい姿をした式が現れ、カナの足にちょこんと手を触れて肉と一体化してゆく。
「よし、カナちゃん保護を知らせてくるよ!」
 この場を任せ、別の隊に朗報を告げるべく星影が駆け出していった。

 子供の姿が見えた葉は仲間の事は頭から飛び、ただひたすらに駆け寄る。
「もう大丈夫だ。汝、頑張ったな‥‥」
 笑うと松之助の童顔が余計に幼く見える。少し膝を屈めた至近距離の澄んだ大粒の瞳にカナがどきりと照れた顔をしたのを刀夜は見逃さなかった。
「同じ年頃で、お似合いだな」
「おい‥‥一応言うが、我は27歳だ。子供ではないぞ」
 気にしている事を‥‥と眉をしかめ、余計に可愛い表情と周囲からは見えたが、刀夜の鎧の胸を拳で小突く。
「アヤカシは退治しましたし、は、早くお父様の元へ返して、あげましょう」
 これ以上は居ないとは思うが、何か怪しい影はないかと辺りを見回しながらルファナが下山を促す。

●休日をもう一度
 無事少女を家まで送り届け、何度も頭を下げて礼の止む事のない父親。ケイは姉にしがみつきまた涙に顔を汚す。
「あの、もし迷惑でなかったらやけど、今日はうちらが一日お手伝いさせて貰って休日のやり直しなんかどうかな〜と」
 さきほどの山での様子とは打って変わりのほほんとした顔で葉が提案し、皆の賛同を求める。
「賛成だ。我も草刈りくらいはできるぞ」
「ああ、花札なんか持ってきてるんだが。たまには親父さんも遊ばないとな!後で一緒にやろうや」
「いいのですか‥‥?」
「人助けに来てアヤカシ倒して、はいさよならなんて寂しい事言わないさ」
 刀夜が赤い瞳を柔和に細めて笑った。
 松之助と斗郎、刀夜は父親と談笑しながら草刈り。そして斗郎が勧める花札で仕事後の寛ぎの時間を楽しむ。
 その間に子供達は楓雅達女性陣と星影に引率されて、遊びに向かう。
「そや、いい季節だし美味しい果物でも獲りにいこうか〜」
 楓雅の提案に満場一致で賛成。カナは香澄と、ケイは星影と手を繋ぎ、それぞれ持参したもふらさまのぬいぐるみを渡されてご機嫌である。
 間もなく良い感じの柿の木が見つかり、楓雅がするりするりとあっという間に登ってゆく。身の軽いシノビ、木登りはお手の物。高いところにある柿は手付かずでたわわに実っている。
「「ほらケイちゃん受け取りや〜。次はカナちゃんな〜」
 間違いなく受け取れるように優しく落とした柿を手にした姉弟がキャッキャッと喜びかぶりついている。
 次々と落とされてゆく柿の実を他の者達が受け止めて集める。
「ルファナさん次いくで〜」
「え、わ、私ですか?はい‥‥」
 一緒になって騒げる性質でないルファナは少し離れて子供達の喜ぶ様子を眺めていたが、呼ばれて慌てて駆けつける。
 降りてききた楓雅が柿の汁で口の周りをべたべたにしたケイの頭を撫でる。
「柿の木は滑って危ないからな。父ちゃんがいいって言うまで登ったらダメやで」
 そろそろ日も暮れ、開拓者が帰途につかなければならない時間も迫ってきた。

「もふらさま気に入った?ボクよりカナちゃんに懐いてるみたいだね。ケイちゃんと二人でこの子を大事にしてあげてね」
 香澄の言葉に、二個も貰えないから‥‥と奥ゆかしく、カナは自分の抱いていたぬいぐるみを弟に抱かせ、弟の抱いていた物は星影に返した。
「ありがとう。父ちゃんが、みんな大事な物なんだから、貰う時は少しだけにしなさいっていつも言ってる」
「父ちゃんもカナちゃんもケイちゃんも、みんな優しいな。俺もこの子を大事にするぜ」
 星影が笑顔で二人の頭をくしゃくしゃと撫でる。
 家では既に夕餉の支度ができていた。
「長い時間お邪魔したな。それじゃそろそろ帰る事にするよ、晩飯は気にすんな。三人とも元気でな!」
 斗郎の言葉に一家は明るい顔で手を振り見送る。通りすがる村人達も皆笑顔で開拓者に礼を投げかける。
 満足感と依頼成功の報告を胸に、神楽へと一行はゆっくりと歩み去った。