裸でも強い?
マスター名:雪端為成
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: やや易
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/03/26 17:30



■オープニング本文

 開拓者たるもの、その身に武芸の一つや二つ身につけているものである。
 もちろん、どれもが武力というわけではないだろう。
 精霊を扱う術や、隠密の技、武器の扱いに敵を出し抜く策謀の数々。
 そして、開拓者たちは身につけた技を駆使するために様々な装備品を身につけるものだ。
 敵を倒すための武具に、身を守る防具の数々。
 戦闘を補助するための装備品に、術を扱うための符や扇、楽器や装身具‥‥。

 だが、そうした装備品の数々が使えない場合があったとしたら?
 本当に、開拓者達は技を振るい敵を打ち倒すことができるだろうか?


 貴方は春も遠くないと思っていたのだが、昨今の急な冷え込みで、不意にとある温泉に来ていた。
 たまたまギルドに広告が出ていた神楽の街にほど近い山中の隠れ宿といった風情の温泉だ。
 規模は大きくなく、年老いた老婆がその娘夫婦と一緒に細々と経営している温泉とかで客は貴方たちだけ。
 一応泊まることもできるけど、といった程度の小さなその温泉宿は風呂もそれほど大きくはない。
 混浴上等の露天温泉と、そこから湯を引いた男湯女湯別の内湯がある程度だとか。

 さて、みれば偶然その温泉宿には複数の開拓者の姿があった。
 たまたまギルドの張り紙を見たのか、それともなにか仕事の帰りなのか。
 ともかく、その宿には老婆と主人夫妻以外には貴方たち開拓者数名だけがいるようであった。

「人間はいくら気を張っていても寝るときや風呂に入るときには油断が生まれてしまう」
 と昔の偉い人は言ったとか言わないとか。
 ともかく、風呂に入っていれば開拓者も戦闘力が半減するだろう、と考えた人がいたようで。
 宿に数名の開拓者が立ち寄ったのを静かに見つめている集団があった。
 それは、流れ流れてやってきた山賊の一団であった。
 山賊といってもその勢力はへっぽこ、規模も10名とちょとという貧弱さである。
 一応頭目は志体持ちなのだが、開拓者になって技能を身につける根性も無いただの乱暴者だとか。
 ともかく、そんな駄目駄目な山賊が目に付けたのは、温泉だった。
 風呂に入っていれば開拓者も油断しているだろうし、装備も無い。
 そこを襲えば、高価な装備と金をたやすく奪うことが出来るだろう!
 そう考えて、この温泉宿近くに身を隠して機をうかがっていたのである。

 そして温泉宿を見張ること数日間、やっと数名の開拓者の姿を見つけて一気に強襲!
 開拓者達は全員温泉にいるはずで、恐るるに足らず!!
 と思ったのだが‥‥。

 さて、どうなる? 


■参加者一覧
雪ノ下 真沙羅(ia0224
18歳・女・志
叢雲・暁(ia5363
16歳・女・シ
ペケ(ia5365
18歳・女・シ
瑠枷(ia8559
15歳・男・シ
ルンルン・パムポップン(ib0234
17歳・女・シ
猫宮 京香(ib0927
25歳・女・弓
猪 雷梅(ib5411
25歳・女・砲
御調 昴(ib5479
16歳・男・砂
リリアーナ・ピサレット(ib5752
19歳・女・泰
泡雪(ib6239
15歳・女・シ


■リプレイ本文


「‥‥温泉で熱燗を一杯。至福の時ですねえ」
 徳利を乗せた盆を前に、泡雪(ib6239)はそうつぶやいた。
 今日は、ここ人里離れた温泉宿でゆったりと露天風呂に浸かる心の洗濯中の彼女。
 普段ならば異国伝来のメイド服姿の彼女だが、温泉ではその限りではない。
 三度の飯より好きというお酒を傾けつつ、まさしく至福の時を楽しんでいるのだった。
「少々鄙びては居ますけど、風情がありますよねえ」
「ええまったく‥‥涼しい山風が心地よいですし、本当に良い温泉ですね‥‥ひっく」
「まあ、大丈夫ですか?」
「あら、わたくし少々飲み過ぎましたでしょうか‥‥ひっく」
 しゃっくりをしながら首をかしげるリリアーナ・ピサレット(ib5752)。
 こちらも普段のメイド服姿ではなく、お酒も進んだ様子。
 彼女もゆったりと寛いで、タオルだけを身に巻いてのんびり温泉を楽しんでいるようであった。
「大丈夫大丈夫! 結構イケるみてーだし、もう一杯!」
 こちらはぐんぐん酒を呑みつつ上機嫌な猪 雷梅(ib5411)。
 依頼の帰りにたまたま泊まったこの宿で、奇しくも同じ開拓者達と温泉での酒盛り。
 そんな偶然に彼女はとても機嫌がよろしい様子。
「やっぱり風呂で酒盛りってのはいいもんだなあ。お、お前さんもイケる口か? 呑め呑め〜」
「うふふ、そうおっしゃるなら〜‥‥あら、結構美味しいですね?」
 猪の杯を受けたのはペケ(ia5365)。
「やっぱり温泉と言えば隠れ家的な所が最高なんですねー。ねえ、ルンルンさん?」
「んー、極楽極楽、なのですー」
 ペケの言葉を半分聞き流しつつ、ぶくぶく半分沈みつつ応えるルンルン・パムポップン(ib0234)。
 そして、
「みんなー、追加のお酒、宿の人がおまけだって付けてくれたよー」
 と、やってきたのは叢雲・暁(ia5363)。
 彼女の言葉に、露天風呂の酒宴はますます盛り上がるのだった。

 一方その頃、内湯では。
「ろ、露天風呂は混浴なので‥‥内湯の方に入らせて貰いますね」
 ということで、内湯にやってきたのは雪ノ下 真沙羅(ia0224)。
 男性に肌を晒すのは恥ずかしいとのこと。実は露天風呂には女性しかいないのだが‥‥。
「あ、京香さまも‥‥こちら、入られるのです、ね‥‥」
「はい、露天も良いけどこっちでゆっくりしようと思って‥‥うーん、お風呂気持ちいいですね〜」
 一緒に入ってきたのは猫宮 京香(ib0927)だ。
 2人ともとても豊満な肢体の持ち主で、普段から男性の視線が向けられることも多いのかも知れない。
 そんな2人は、のんびりと静かな内湯でくつろいでいるようであった。
 さて、ゆったり温泉に浸かる猫宮がじっと見つめる先には、ぷかりとお湯にたゆたうしろくてまるいもの。
「‥‥それにしても私より大きいとは‥‥気になりますね〜」
「‥‥って、え、な、何を‥‥っっきゃー?!」
 わきわきと手をうごめかせつつ猫宮は、すきんしっぷに取りかかったようで。
 なにやらとてもかしましく、そして時折悩ましい悲鳴がこだましたとかしなかったとか。

 そして、そんな女湯から壁一枚隔てた男湯の内湯にて。
 遠くから聞こえる楽しげな露天風呂の酒宴の賑わいと、隣の内湯からきゃあきゃあと聞こえる嬌声。
 そんなのをぼんやりと聞きつつ、ぶーたれている男の姿が。
「‥‥はあ、あんなに盛り上がっちゃってさ‥‥」
 ぐてーっと風呂の縁によりかかって、そんなことを言っているのは瑠枷(ia8559)だ。
 彼の視線の先には、男湯のもう1人の客が。
「‥‥露天風呂は混浴らしいですけど、恥ずかしくて動けなくなっちゃいますよ」
 ぱたりぱたりと尻尾を動かしながら、そんな風に応えたのは龍の獣人である御調 昴(ib5479)。
「まあ、さすがにあの面子に混じるのは恐ろしいからなぁ、でも楽しそうだよなー」
「あはは、まあ、のんびり温泉につかるのも偶にはいいですよ」
 そう瑠枷を励ます御調であった。
 しかし、御調は次の瞬間ふと気になる物音に勘づいた。
 それはなにか数人がどたばたと動く音、しかも母屋の方から聞こえたのである。
 新たな客か? いやそうではないだろう。
「‥‥うぅ、強くなろうって決めてるのに、ほんの少しだけって息抜きに温泉に来たから罰があたっちゃったんでしょうか‥‥でも、宿のお婆さん達が騒ぎに気付いてこないってことはもう捕まるなりしちゃってるんでしょうし‥‥開拓者の僕が、怯んでる場合じゃない、ですよねっ」
 ざばっと、御調は風呂から立ち上がると、くるりと尻尾を腰に巻いて。
「なにやら厄介事みたいです。とりあえず行ってみましょう!」
「それはやべえな。急ごう」
 そういって瑠枷も手ぬぐいを腰に巻き付けた次の瞬間、バタンと内湯と更衣室を繋ぐ扉が開いて。
「‥‥あら、私の好みが2人も‥‥やっぱりこっちでよかったわ♪」
 巨漢でオカマ口調の山賊とばったりこんにちはした2人は、いろんな意味で恐怖を感じたのだった。


 楽しい桃源郷はもう目と鼻の先、そんな山賊がすでに7人ほど露天風呂周辺に待機中であった。
 だが、それに気付かない開拓者ではない。
「‥‥? 先ほどから妙な気配が‥‥」
 一番最初に気付いたのはペケだ。ざばっと彼女は立ち上がると、
「‥‥これは痴漢? 集団痴漢隊ですね!」
「集団痴漢隊〜?」
 ああん? となんだか凄みつつ聞き返すのは大分できあがっているリリアーナ。
「そうです! ぐむむ、露天風呂内のオトメニウム量が飽和して痴漢を召還してしまいましたか‥‥」
 謎の物体はとりあえず置いといてに、気付いたのはさすが開拓者。
「とにかくもう蹴散らすしかありませんね! 裸でもペケ、負けません!!」
 そういって、ペケは決然と言い放った次の瞬間、がさりと茂みをかき分けて数名の山賊が現れた!
 もちろん山賊たちの視線は、女性たちに釘付けだ。
 それもそのはず、今回は偶然‥‥幸運にも見栄えのする体型の女性ばかりで。
「なんですか、貴方がたは!」
 ざばりと立ち上がる泡雪、おおと思わずどよめく山賊たちなのだが‥‥。
 なぜか湯気が邪魔である。
 同じように湯の中で立ち上がっているペケ、泡雪、そしてルンルンの周りにちょうど良い具合に湯気が。
「‥‥忍法湯煙よ今日もありがとう、なのです!」
 この肌はいつか出会う王子様のもの、少しだって見せてあげないんだから、というルンルンだが。
 実際は泡雪の使う木葉隠で湯気を上手いこと目隠しに使っているだけとか。
 なので、ペケとルンルンは以外といろいろ鼻血ものの格好だったり。
 そんな中、一番最初に動いたのは泡雪だ。
「ここは温泉ですよ。服を着たまま入るなど非常識です」
 すたすたと山賊の眼前に身をさらす泡雪。忍者ならではの引き締まったその体を絶妙に湯気が隠す。
 それを、眼を細めて見る山賊たちは隙だらけだった。
「覗きなんて許せないもの‥‥ルンルン忍法マジカルシャンプー、水でもかぶって反省するんだからっ!」
 そこを直撃したのはルンルンの水遁だ。
「ぶ、ぶぁっ!! てめぇ、なにしやがるっっ‥‥や、やろうども。やっちまえ!!」
 やっと我に返った山賊たちは遅まきながら開拓者に襲いかかるのだった。
 ‥‥この後、一見天国のような地獄が待っているとも知らないで。

 一方同時刻、女湯にて。
 男湯と同じように二名ほどの山賊が女湯に闖入、思わずざばりと立ち上がる猫宮。
「へっへっへ‥‥隙だらけだぜ開拓者のねえさんたちよぅ」
 相手が裸なので、上から目線の山賊。その視線はもちろんじろじろと2人に向けられていて。
「む〜、何か視線がいやらしい‥‥ぁ、きゃぁぁ!? み、見ましたね〜」
 真っ赤になって身をすくめる猫宮。だが、その隣で固まっている雪ノ下は、
「‥‥あら? ‥‥え、ここ、混浴じゃありません、よね‥‥?」
 どうやらまだ状況把握が出来ていないよう。ぽかんと山賊を見ていたのだが。
「‥‥っきゃぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!?」
 耳を劈く悲鳴とともに、雪ノ下は手当たり次第桶を投擲、お湯をざばざばぶっかける。
「ぐあ、痛っ、痛っ。てめぇなにしやがる‥‥」
「ななな何なんですかあなた達はーーー!? 出てって、出てってくださ‥‥きゃーーっ!?」
 山賊の下っ端はそんなふうに暴れる雪ノ下を捕まえようと近寄るのだが、つるんと転倒。
 そのまま足払い気味に山賊の下っ端を倒すのだが。
 ふよん。山賊が咄嗟に突いた手は、お約束通り雪ノ下の豊満すぎる胸に。
「ふぁぁぁっ!? や、は、離れてぇぇ‥‥!」
 だがそんな幸せな状態は一瞬で終わった。なぜなら山賊の顔面には雪ノ下が振り回した拳がめこり。
 ぶんぶん振り回す拳は女性ながらも志体持ちの開拓者の一撃だ。
 ごすごす致命的な一撃を乱打される山賊。
 一瞬前の幸せな記憶どころか、子どものころの記憶まで走馬灯気味だとか。
 もちろんそんな様子を黙ってみている猫宮ではない。
「真沙羅ちゃん大丈夫ですか〜? あなたたち、もう許しませんよ〜」
 といって猫宮ももう1人の山賊に攻撃、真っ赤になりつつも黒いオーラが見えるよう。
 晒した肌に山賊の目が行った次の瞬間、鋭い蹴りの一撃が山賊の急所に。
 弓術士の猫宮、急所を狙うのは大得意だが、今回は男の急所に強烈な一撃。
 うずくまる山賊に近寄ろうとして、足を滑らせてその顔の上に尻餅をついたりしつつも、あっさり撃破。
 むねむにゅやしりもちという幸せ尽くめな山賊たちではあったが、あっという間に蹴散らされたのであった。

 だが、そのころ男湯では。
「あら、怖がらなくて良いのよ? アタシはこの山賊団の副首領だから悪くはしないわ♪」
 怖いのは最初だけ、とにじり寄る巨漢に固まる瑠枷と御調。
「‥‥降参! 降参! なんだてめーら!!」
 思わず手ぬぐいを腰に巻きかけた姿のままそう瑠枷が言えば、
「あら、見て分からないの? アタシ、男の子が好きなんだけど‥‥」
「‥‥‥降参中止! 戦略的撤退!!」
 あまりの相性の悪さに、瑠枷と御調はその巨漢のオカマとは反対方向、つまり露天風呂へとダッシュ。
「ごめんなさいっ!!」
 思わず謝りながら戸を開けて露天風呂に踏み込む御調。
 翼で視界を絞って周りを見ないようにしていたのだが、そこには地獄絵図が広がっていた。

「人がマッタリしている時に無粋な真似を‥‥」
 ゆらりと立ち上がる叢雲、彼女はなんと水上に立ちはだかり、
「思い知らせねばならない、しらしめねばならない‥‥」
 彼女は一糸まとわぬ姿で周囲を睥睨すると、
「NINJAは装備無しの全裸こそが最強のスタイルだと!」
 そういって飛び上がり、彼女の姿にうっとりしていた山賊の首を手刀でめきり。
 幸せ気分のまま山賊は昏倒したり。
「ったく、人が良い気分なのによう‥‥」
 一方こちらは激烈に不機嫌な猪。酒盛りを邪魔されてご機嫌斜めで。
 他の面々が肌を晒して露天風呂にいたので、彼女ももちろん手ぬぐいのみ。
 そのままざぶざぶ山賊に近づいて。もちろん、山賊は鼻の下を伸ばしつつも、
「おい、そこのお前、手を上げて降参しないと攻撃するぞ!」
「あん? だったら早くかかって来いよ‥‥」
 ぎらりと凄み返す猪。もちろんそれにびびって刀を振り回す山賊、そして不幸にもその一刀が猪をかすって。
「‥‥‥てめぇら! タダで棲むと思うんじゃねぇぞ!!」
 ぷっちりきた猪、拳一撃で山賊をぶっ飛ばすとそのまま大暴れ。
「逃げんじゃねえ!! 身ぐるみ全部、命まで置いていけコラァッ!!」
 誰かが止めないと収まらない勢いの大暴走なのであった。

 だが、本来であれば止めそうなリリアーナ。
「ああ? てめーら何やってやがりますか? 集団のぞきたーいい度胸じゃねーか!」
 酒に酔ったまま、どうやら昔の性格が出てしまったようで。
 すでに、山賊を一匹捕まえてぼっこぼこにしていたのであった。
 口調は不良、だが彼女の技は泰拳士仕込みの達人技。
「おらっ! そんなに温泉に入りたいなら入らせてやるよ!」
 頭突き一閃で、ひるんだ相手の首根っこを掴んで、温泉にざぶり。
 そのまま、馬乗り殴打をしながらマジ楽しいと宣っている様子。
 そんな暴走している2人を前に逃げようとする山賊もいるが。
 そこを狙うのは泡雪のお猪口だ。シノビが打剣で放つお猪口に後頭部を痛打された山賊は昏倒。
 あっというまに敵は全滅するのだった。

 そんな中にやってきた御調と瑠枷。
 瑠枷は木葉隠で体を隠し、御調は羽と尻尾で体を隠し、邪魔な山賊を1人蹴散らして。
 だが、その後ろからオカマ巨漢と、やっとこ山賊のボスが。
「まて、お前等の武器はこの俺が預かって‥‥」
 山賊のボス、そういって開拓者達を止めようとおもったのだが。
「‥‥そうか、先ずは下着に手を出す気ですね! ‥‥おにょれ変態め!」
 びしりと決めつけるペケ。彼女は何とか手ぬぐいでフンドシを作り装着した模様。
 そして現れたボス、もとい変態に向かって、手製のフンドシ一丁で、
「ルンルンさん、アレ行きますか!」
 そういって、渾身の合体技を仕掛けるのだった。
「やりましょうペケさん!!」
 彼女たちの意を汲んだ瑠枷は、オカマ巨漢に跳び蹴りを一撃。
 同時に御調は、ボスに瞬脚で近づくと、渾身の旋風脚で蹴り飛ばす。
「一人のニンジャは火でしかない、でも2人揃えば炎になる! 炎になったニンジャマンは無敵なんだからっ」
 高らかに叫ぶルンルンは瑠枷の跳び蹴りで転んだオカマ山賊に飯綱落としを仕掛けつつ、高く飛び上がる。
 同時に、ペケは三角跳で飛ばされたボスをキャッチすると、そのまま五所蹂躙絡み、もとい飯綱落とし。
 ボスを逆立ち状態で肩上に掲げたペケは、その足をキャッチ。
 そして、ルンルンはオカマを逆立ち状態にして足をホールドしつつ脳天から落とす構え。
 だが、そこでペケのフンドシがずるりとゆるむが、
「はわわっ、お尻の大ピンチです。ルンルンさん、肩借りますよ!」
 ここで機転を利かせたペケ。技の形のまま、ルンルンの肩にのり、そのまま落下。
 ここに、伝説の技ニンジャドッキングが完成したとかしないとか‥‥。
 もちろん技を喰らったオカマとボスは、あっさりと撃沈して一件落着であった。

「うう‥‥あとでなんて言われるんだろう‥‥」
 一段落して男湯にて、お湯に半分もぐりつつぶくぶく身を縮めている御調。
 だが、どうやら女性陣はあんまり気にせず、飲み直しのようで。
「‥‥私はなんてことを‥‥」
 といっても、自分行動を思い出して大人しくしているリリアーナのような姿もあり。
「ふぅ、山賊さんたちは外に吊してきましたし、今度こそゆっくり出来ますかね〜」
「はわっ、京香様、またですか〜!」
 内湯では、再び雪ノ下が猫宮にいろいろされていたり。
 ともかく、こうして無事に山賊は退治され、のんびりと温泉の続きに浸かる開拓者達なのであった。