【武林譚】闘技場にて
マスター名:雪端為成
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 難しい
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2010/02/08 19:27



■オープニング本文

 泰国は拳士の国である。
 連綿と受け継がれてきた泰拳士の技術を習得する者たちは数多く存在し。
 日夜、さらなる力と技を求めて、切磋琢磨しているのである。

 さて、そんな泰国の片隅の、ほどほど大きなとある都市にて。
 貴方たち開拓者は、声をかけられた。
 それは、とある試合に参加しないか、という誘いであった‥‥。

 秘密の地下闘技場。
 アヤカシが跳梁跋扈し、様々な不安がはびこるこの世の中で、あまりおおっぴらに出来ない趣味。
 その一つが、その都市にある地下闘技場であった。
 純粋に、誰が強いのかを競い合う戦いの場。
 さすがに命の奪い合いになることは希ではあるが、明確な決まりなどは存在しなかった。
 ただ、拳や剣によって人より強いことを証明すること。
 それだけが、この地下闘技場の決まりである。

 貴方たち開拓者に声をかけてきた壮年の男は、詠空(エイクー)と名乗った。
 彼は、すごみのある大男で見るからに危険な雰囲気を漂わせているのだが。
 どうやら、地下闘技場に選手を出して闘わせる後援者をやっているとのこと。
 そして、今回、対戦する相手の妨害によって、本来の選手が怪我をしてしまったらしい。
 そのため、急遽開拓者に声をかけたのだというのだ。
 本来なら、自分が援助している選手から出場させたいのだが、如何せんほぼ全滅状態らしく。
 その結果、苦渋の選択ながら開拓者に声をかけたのである。

 実際の所、地下闘技場は試合の結果で賭が行われるらしく、かなり大きな金が動くこともあるという。
 今回も、そのことに絡んだ妨害だと言うことらしい。
 だが逆に、ここで妨害に耐え抜き、勝利することが出来ればかなりの報酬が得られるだろうとのこと。
 さらに、今回は策をもう一つ。
 声をかけた10名の開拓者の内、5名は試合に出場して貰うのだが、残りに妨害対策をして貰うとのこと。
 地下闘技場での戦い、勝てば大もうけだが負ければ命の保障はない危険な仕事の今回。

 さて、どうする?


■参加者一覧
百舌鳥(ia0429
26歳・男・サ
柄土 神威(ia0633
24歳・女・泰
輝夜(ia1150
15歳・女・サ
紬 柳斎(ia1231
27歳・女・サ
空(ia1704
33歳・男・砂
嵩山 薫(ia1747
33歳・女・泰
水津(ia2177
17歳・女・ジ
慄罹(ia3634
31歳・男・志
珠々(ia5322
10歳・女・シ
バロン(ia6062
45歳・男・弓


■リプレイ本文

●戦いの前夜
「よくぞ依頼を受けてくれた! 諸君らには期待して居るぞ!!」
 集った10名の開拓者を前に、そう吠えているのは依頼人の詠空である。
 なかなかご満悦のようで、その日私邸にて、宴が開かれたようであった。
 だが開拓者達は、気を抜いてるわけではなく。
「なあ、詠空さんよ。今回みたいな妨害はけっこうあるもんなのか?」
「ん? そうだな‥‥今回の対戦相手の黄玄に関しては悪い噂があるようだな」
 空(ia1704)の言葉に、応える詠空。
「ならその噂とやらを教えてくれ。鵜呑みにするのは違うが、手口が分かればやりやすいからなぁ」
 そういってニヤリと笑う空であった。

 策を弄するには、まずは詳しい情報が必要だ。そのために、偵察に赴いた二人の姿があった。
「‥‥お金が絡むとややこしくなりますからね」
 そう珠々(ia5322)が言えば、全くだと頷く空、二人は変装して偵察に赴いていた。
 いかにも買い物帰りの下働き、といった様子の二人が行く道は、当日馬車が通る予定の道だ。
「‥‥物陰になり得る場所が数カ所と、封鎖に向いた狭い道が一カ所‥‥空さんはどう思います?」
「あー、確かにこの道はあぶねぇなぁ。俺が敵なら、ここに手勢を置いて馬車を止めるな」
 見た目は普通の下働き、しかしその実は優れたシノビと志士の二人はそうやって目星をつけて。
 その情報を仲間達の元へと持ち帰るのであった。

 そして闘技場にて、試合が行われる当日となった。
 開拓者達一行は、複数台用意した馬車を時間をずらし、嘘の情報を流しと準備万端。
 さまざまに妨害者の攪乱を行った上での出発となった。
 馬車には出場予定者、そしてその周囲を騎乗した護衛役が守るという布陣である。
 ここで、敵である黄玄の思惑を明かすとしよう。
 敵の黄玄からすれば、参加者である開拓者達を妨害すれば良いのである。
 どこからか情報を掴んだのか、開拓者を選手として雇ったことまでは黄玄は気付いていた。
 しかし、どこの誰を雇おうと、会場まで行かせなければ黄玄の勝利は揺るがないのだ。
 そして黄玄側からすれば、出場選手に少しでも被害を与えるだけでも良いのである。
 出場予定の開拓者たちに怪我でも負わせることが出来れば、黄玄側の勝率が上がる。
 どう転んでも損をすることの無い万全の作戦だと黄玄は思っていたのだが‥‥。

●闘技場への道
 夜の闇と偽の馬車に紛れ、闘技場へと出立した一向、御者を務めるのは変装した詠空であった。
 信頼できる人間ということで、自分も会場へと行く必要があるのだからと変装して御者について。
 そして進むことしばらくして、かねてから警戒していた狭い道に通りかかった。
 案の定、そこには人の気配。だが、よく見てみると気付いただろう。
 どうやらずいぶんと人数が少ないようである。
 偽の馬車や、流した情報によって現場に混乱があったのか、人数が分散したようで。
 妨害を行う黄玄側からすれば、馬車を止めれば良いだけなのだが。
 手が足りなければ、どうなるかというと‥‥。
「おい、その馬車! 止まれ!!」
「やっぱりおいでなすったか‥‥できるだけ穏便にすましたいんですがねぇ?」
 止まれと命令しながらぞろぞろ出てきた男達の数は10名に満たなかった。
 それを見て、包帯に隠された顔に笑みを浮かべるのは百舌鳥(ia0429)である。
 馬車の行く道をふさぐように立つ男達は、すでに武器を手に取り問答無用の様子。
 となれば、作戦はただ一つ。
「ま、ダメみたいだし‥‥んじゃこっちも抜くしかあるめぇな」
 馬上にて、布に包んだ包みを解いて、百舌鳥が抜き放ったのは一対の刀だった。
「そら、今の内だ! 守りはわしらにまかせい!」
 そしてバロン(ia6062)の声に応え、馬車は急発進。
 虚を突かれた男達に向かって、百舌鳥が突っ込み両刀を振るった隙に馬車はまっすぐ走り去るのだった。

 馬車を追う姿は10名足らずであった。
 しばらく敵の追撃を妨害しているうちに、馬車はあらかじめ調べてあった危険な場所を抜け。
 他の伏兵への警戒をする必要がなくなった護衛の開拓者は足止めへと移るのであった。
「雑魚共が鬱陶しいわ! まとめて消し飛べい!」
 バロンが追いすがってくる敵に向かった放ったのはバーストアローだ。
 足止めのために集められた黄玄の部下たちはどうやら数を頼みにした面々のようで。
 矢の衝撃波で馬を制御できなくなり、とうとう追撃を諦めて開拓者に向かいあった。
 だが、数で劣る開拓者を突破しようと武器を手にじりじりと距離を詰めてくるのだが。
「よし、これで目的は果たしたな。あとはこいつらをとっとと片付けて、闘技場に向かうだけだ」
 後続の足止めとして手にしていた弓を仕舞い、七節棍を手にしたのは慄罹(ia3634)。
 そして、距離を取りながらぐるりと開拓者達を囲む敵を前に。
「んじゃま、後ろは任せますぜ」
 百舌鳥はそういって、先陣を切って両手の刃を振るうのであった。
 実は、彼らを襲った黄玄の部下たちも、闘技場に出場する者たちであった。
 開拓者と同じように志体を持ち、戦いにおいてはそれなりの自負を持つ者たち。
 それが、数で勝る状況にあれば、たとえ歴戦の開拓者相手でも‥‥と、思ったようだが。
 それは甘い考えだと彼らは悟ることになる。

 頭巾のかぶった空、にたりと笑みの形に弧を描く口元だけが覗き見え。
「‥‥地ヲ這え愚者共!!」
 振るう長槍の速度は敵の予想を超えていたようで、一人が一撃でかっ飛ばされたり。
「ヒャハハ! 泣ケ! 叫ベ! 壊レロ! オァガハァハハハハハ!!」
 禍々しい眼光ととに暴れ回る空に、思わず敵は恐れおののき。
「余所見はあぶないですよ」
 いつの間にか背後に立っていたのは珠々だ。
 死角や暗がりを活用して接近し、近づけば刃を、遠ければ手裏剣にて。
 弓を放とうとする敵を見事に牽制することで、彼女は味方を援護していた。
 そして、馬で突破しようとした者に対しては。
「甘いねぇ。そんなに簡単に通すかよ!」
 七節棍で馬の足をなぎ払う慄罹であった。
 数で挑んでくる敵に対して、取るべき一つの手は、敵の連携の破壊である。
 個々の力で劣っても、多数による連携があれば、それは恐ろしいもので。
 だがしかし、その連携を壊されれば、あとは力で劣る側は各個撃破されるしかないわけである。
 故に、危険を承知で敵陣に飛び込む必要もある。
「んじゃ、いっちょかかってきな」
 数名の敵を迎え撃つのは百舌鳥だ。
 両手の刀を駆使して、受けに徹しつつ機をうかがっているようで。
 敵の槍を刀で跳ね上げ、棍棒の一撃を受け止め、襲い来る刃の一撃をはじき返す百舌鳥。
 まるでめちゃくちゃに振るっているような太刀筋ながら、しっかりと百舌鳥は耐えて。
 そして次の瞬間、バロンが放った矢が百舌鳥の包囲の一画を崩す。
 さらに慄罹がバロンの矢に援護されて眼前の敵を倒し、百舌鳥に加勢したことで形勢逆転。
「さて、反撃だ、当たるといてぇぞ、オイ」
 裂帛の気合いとともに百舌鳥は刀を振るい、敵の残党を掃討するのであった。

 そして、ついに全ての敵をなぎ倒すと開拓者達は先行した味方を追って闘技場へ。
 ちょうど開拓者達が闘技場に入るところへと追いつくのであった。
 戦いの主役は、妨害者から味方を守った護衛たちから、闘技場にて敵と戦う開拓者へと移るのである。

●闘技場にて
「油断するでないぞ‥‥わしが相手の立場なら、会場に辿り着いて安心した、この時を狙う」
「ええ、控え室にはいかにも怪しい差し入れの料理なんかもありましたが、罠かもしれませんしね」
 バロンに、巫 神威(ia0633)はそう答えて。
 開拓者には油断はないようで、これから始まる闘技場での戦いに備えていた。

 いよいよ始まる闘技場での戦い。
 それを、追いついた護衛の開拓者達は詠空とともに観客席から見守っていた。
 円形の闘技場を見下ろす場所に設けられた観客席。
 その観客たちはどうやら今回の試合にも金をかけているようであった。
 闘技場にはすでに、五名の開拓者が居並び、敵の面々も姿を現し、賭が開始された模様だが。
「‥‥ふむ、分が悪いな」
「賭の話ですか?」
 そう聞く珠々に詠空は頷いて。
「ああ、どうやら女性ばかりだということで、甘く見られているようだ」
 見れば、確かに開拓者陣営は全員女性であった。
 まだ、装備の詳細に関しては分からないまでも、小柄な面々も多く。
 一方対する相手はというと、皆男で見るからに強そうと言った様子の拳士が多いようで。
 サムライ二人が前衛を務め、両翼の泰拳士が遊撃援護、そして巫女が全体の援護と強化。
 そうした陣形で挑む開拓者達に相手はどうでるか。
 一仕事を終えた護衛役の開拓者達は、周りを一応警戒しつつも試合展開に目を向けるのであった。


 戦いの始まりを告げたのは大きな銅鑼の音。
 いよいよ戦闘開始ということで、一行の装備があらわとなった。
 敵は泰拳士の一団のようだが、中には棒を持っている者と剣を持つ者もいるようだ。
 一方開拓者達と言えば、目を引いたのは輝夜(ia1150)の出で立ちだ。
「このド派手な出で立ちで敵の目も我に釘付けじゃの」
 彼女は、金ぴかの鎧を装備していたのである。
 これには場内も大いに驚いたようで、さらに目立つ飾りの付いた兜も装備している輝夜で。
 しかも紬 柳斎(ia1231)は同じ兜に当世具足と巫女装束、巫女武者といった出で立ちで。
 全員が女性であることも相まって、なかなかに目を引く出で立ちの五名であった。

「さぁ、我に薙ぎ倒されたい者から掛かってくるがよい!」
「拙者が相手だ、掛かってこい!」
 戦いの始まりを告げたのは輝夜と紬、両名による咆哮だ。
 敵を気合いにて引きつける技は反則とはならないのだが、敵が抵抗することも可能である。
 相手も気力十分、全員が引きつけられることは無く、それぞれ一名ずつ向かったよう。
 槍を手にした輝夜の相手は棒を手にした泰拳士。
 紬の相手には、両手に泰国の剣を装備した泰拳士だ。
 輝夜の槍は小柄な見た目にも関わらず剛の槍。
 その槍の攻撃を、敵の泰拳士はしのいでいた。
 柔軟にしなる棒は、その端から端に至るまでが攻撃と防御の両方に使えるのが利点だ。
 時に受け止め、時に捌き、そして身のこなしを活かして回避する泰拳士ならではの戦い方であった。
 紬の振るう刃もまた剛の一撃であった。両手で握った珠刀の一撃は、まさしく一撃必殺。
 重厚な装備を活かして、敵の軽い攻撃ならしのぎ一撃必殺の反撃を狙う戦い方であった。
 対する相手は、二刀流の泰拳士。
 軽く素早く、時にはしなる泰国の剣の柔軟性を活かした手数の多い戦い方のようで。
 いまだ紬の装甲と受けを突破できないようではあるが、相手も紬の攻撃を回避。
 2人の戦いは膠着状態へとおちいっているのであった。
 だが、こちらの真骨頂は援護力である。援護役は水津(ia2177)。
「さぁ、喰らってみなさい。サムライ怒濤の連続攻撃!」
 使う舞は神楽舞「進」だ。
 回避に優れる泰拳士といえども手数が多くなれば、さすがに当たるはずであった。
 だが、しかし、
「くっ! ここまで避けきるとは」
 相手の泰拳士二人は、加速した輝夜と紬の攻撃を回避し続けていた。
 どうやら相手のなかでも最も手練れが輝夜と紬に当たっているようであった。
 しかしそれでもまだ勝算は十分だ。
 持久戦となれば、回復能力で援護可能なこちらが有利で、しかも練力には自信がある。
 だが、同じ5名であれば相手には援護が居ない分、攻撃手が1人多いと言うことで‥‥。

「泰拳嵩山流十四代目、嵩山薫。推して参るわ」
 嵩山 薫(ia1747)は、敵の1人と対峙していた。同じ拳士といっても、振るう技や型は千差万別だ。
 蹴りや掌打を主体として、柔軟な動きの嵩山。
 それに対して敵は、突きを主体に手数と強力な一撃を兼ね備えた連打型だ。
 高度な拳法の戦いは、まるで舞のよう、両者は相手の攻撃を回避し捌きあって。
 たとえ拳の一撃と言え、修行を重ねた仙人骨を持つ泰拳士の攻撃は岩を穿ち、骨を砕く一撃だ。
 その必殺の一撃をかいくぐり、嵩山が見たのは、前衛が足止めをされている隙に動く敵の姿。
 水津へと一直線に向かう5人目の敵であった。

 同時にその動きに気付いたのは巫だ。
 巫の相手は敵唯一の女性拳士、その相手との攻防の最中に彼女は気付いたのである。
 とっさに、虚実を織り交ぜて眼前の敵を牽制、背を向けて五人目の敵へと向かう。
 全力で追いすがり、敵の攻撃が水津を捉える直前に、背後から急襲。
 水津は、巫の援護にかけて、巫を舞によって強化するのであった。
 もちろん、巫の相手であった女性拳士も一瞬虚を突かれてから、すぐに巫を追って。
 五人目を攻撃しようとしている巫を妨害するために背後から襲いかかった。
「背中に目でも付いてるのか!」
 余裕だと油断したのだろうか、女性拳士の攻撃はことごとく空を切った。
 巫は気を張り巡らせ、背後からの攻撃に備える背拳を会得していたのだ。
 巫はそのまま、背後からの攻撃を回避し、水津を狙う敵に怒濤の連続攻撃を見舞う。
 水津は危機一髪のところで、第五の敵に巫の連打が炸裂。
 見事敵をとらえ戦闘不能にさせたのであった。

 巫の機転と、水津の援護によって、敵の策の一画は崩れた。
「‥‥フン、今のは危なかったな」
 観客席では空がにやりと笑うのだが、確かにギリギリの攻防であった。
 だが、危機をしのげばそれは好機である。
 回避を活かせば攻撃をしのぎきれるという自信の上に敵の策はあった。
 故に、一番の手練れを敵の攻撃の要であるサムライ2人に当てて、時を稼ぎ。
 相手の援護役を真っ先につぶすという策に出たのだ。
 だが、策は破れさらに水津は方針変更。まず遊撃の巫と嵩山を援護したのであった。
 高い装甲と受けをもつ前衛の2人でも、長時間の攻撃を受け続ければ、実際は危険であった。
 回避され続ければ、敵に決定打を与えられない。
 そして逆に手数で勝る拳の一撃は軽くても何度も当てられれば無視できなくなるのだ。
 しかし、それは敵と同じように少しの間なら倒されることは無いと言うことで。
 輝夜と紬が時を稼ぐ間に、巫と嵩山はなんとか相手を倒すことが出来た。
 同じ泰拳士同士であればこそ、水津の援護によって、大きな差となり得たのだろう。
 そして、巫と嵩山はそれぞれ前衛の膠着を援護。
 背後や死角から隙をうかがう泰拳士と眼前のサムライに挟まれてはさすがの敵の手練れも不利となり。
「なかなかの強敵だったが‥‥これで終わりだ!」
 そして最後の1人を倒したのは、紬の両断剣の一撃であった。

 こうして、闘技場の戦いは決着。かなり危険な戦いではあったが、開拓者達はなんとか勝利と掴んだ。
 是非専属という詠空の言葉を聞きつつ、彼らは帰路に就くのであった。