泥棒、猫?!
マスター名:雪端為成
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 易しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/09/24 16:13



■オープニング本文

「にゃはははは、いただきにゃっ!」
 ここ、武天の商業都市、芳野の「海水浴場」を騒がす不逞の輩が居た。

 芳野の海側には整備された海水浴場がある。
 その大部分は無料で開放され、日々多くの客で賑わう場所だ。
 最近は、泰国から色とりどりの水着が渡来したようで海水浴場は、目にも華やか。
 九月に入ったとはいえ、まだまだ暑い日が続くようで、いまだ客は多いという話しであった。

 で、そこに出没する不逞の輩の話だ。
「……ちょいとそこのおねーさん、なかなか素敵な水着なのにゃ」
 きざな台詞に驚く女性。
「誰? ……あ、カワイイ〜。貴方も海水浴?」
 だがしかし、そんな女性の警戒心を受けずに輩は近づく。そして、
「ふっふっふ、俺様は別の目的が……隙ありにゃっ!!」
「っっきゃ〜〜!!」
 という感じで、直接水着を強奪されるような事件がここ数日多発しているらしい。
 何ともうらやま……ではなくふてぶてしい輩。
 女性客を油断させて、近づくその手口。

 犯人は猫又なのだ。

 この猫又、女性客ばかりを狙うという、なんとも奇妙な猫又だ。
 体色は茶に白がちょっと。手足の先だけが白い足袋猫だという。
 しかし、すばしっこい猫又とはいえ、掴まらないのは理由があった。
 彼には相棒がいるのだ。
 女性客から追いかけられた猫又を助けるその相棒、それはなんとはぐれの迅鷹だ。
 追い詰められた猫又がするすると壁を昇ると、なんと迅鷹がそれを連れ去ってしまうのだ。
 ちなみにこの迅鷹、弱い風の攻撃で褌を切ったり、干してある水着を盗んだりするとか。
 どうやらこの二匹、同類のよう。
 類は友を呼ぶといったところだろう。
 というわけで、この対策に苦慮した海水浴場の運営者たち。
 開拓者に依頼を出したわけである。

 しかし、あくまで悪戯程度である。しかも相手は猫又と迅鷹。
 あまり派手な、もしくは後味の悪い結果になってしまっては海水浴場の評判に傷が付く。
「……えー最後の掻き入れ時ですし、やすむわけには行きませんので、よろしくお願いします」
 全部丸投げの依頼だが、とにかく二匹をなんとかしなければならないようだ。

 さて、どうする?


■参加者一覧
神町・桜(ia0020
10歳・女・巫
真亡・雫(ia0432
16歳・男・志
荒屋敷(ia3801
17歳・男・サ
エメラルド・シルフィユ(ia8476
21歳・女・志
リスティア・レノン(ib0071
21歳・女・魔
アリシア・ヴェーラー(ib0809
26歳・女・騎
クリスティア・クロイツ(ib5414
18歳・女・砲
サドクア(ib9804
25歳・女・陰


■リプレイ本文


 夏の青空、白い雲、美しい砂浜に寄せては返す波、肌を焼く日差し。これこそが夏である。
 年中無休の開拓者たちも、その空気を胸一杯に吸いこんで、さあ依頼へ行こうと気合い十分だ。
「ふう、久し振りの海か、依頼とはいえ心躍るな。で、どんなアヤカシが出るのだ?」
 金の髪を揺らしながら尋ねる異邦の志士エメラルド・シルフィユ(ia8476)。
 そんな彼女に残念なお知らせ。アヤカシ退治ではアリマセン。
「……水着……泥棒……? よ、よし、やるぞ。不埒なケモノは私が懲らしめてくれよう」
 というわけで、桃色の水着に着替えて、彼女は砂浜に向かうのだった。
 そして、そこで待っていたのは友人の姿。
「さあ、エメラルド。楽しみましょう♪」
 白いビキニ姿で、手にはボールを持っているリスティア・レノン(ib0071)。
「ティア……さすがに、全力で遊ぼうというのはまずいのではないか? 一応囮役なのだし」
「そうですよ。だから、油断させるためにはまずこうして普通に遊んでいたほうがいいんです」
 きっぱりと言うリスティア。それもそうかとエメラルドも頷いて。
「……ま、まあ不本意だが、うん。獲物の姿は分かって居るのだ。警戒すれば問題あるまい」
 エメラルドも納得のご様子で、2人は砂浜で遊び始めるのだった。

「はてさて、今回もこんなんですか……ま、さっさと捕まえてしまいますか」
 黒のビキニ姿のアリシア・ヴェーラー(ib0809)は、そういって砂浜を見回した。
 どうやらまだ目標の姿は無いようだ。
「しかし、どうやって捕まえたものだろうか。そういえば、反応がある方が良いとか……」
 悩んだアリシア。ふと見れば、同じ依頼を受けた開拓者仲間たちの姿が。
「ふむ……混ぜて貰おうか。きっと賑やかな方が寄ってくるに違いない」
 思いついた彼女は、エメラルドとリスティアの2人に混ざりに向かうのだった。

「ああ、良い匂い……早く捕まえてぇ……焼きイカや西瓜を食べたいですねぇ」
 のほほーんと、砂浜を歩く背の高い女性が1人。
 高い背と長い髪、そしてとてもご立派な胸で周囲の視線を釘付けにしているのはサドクア(ib9804)だ。
 だが、天に与えられたその容姿だけではなく、彼女が注目されている理由は……。
 その水着だ。
「それにしても、なかなか派手な水着ですね〜、これ……お勧めされたので買いましたけどぉ」
 なんというか形容しがたいその水着。金ぴかの『すりんぐしょっと』であった。
 二枚布とも言われるその水着、露出度が激高だ。
「はやく猫又さんたちが出てくると良いんですけどね〜」
 とりあえずのほほーんと彼女は歩き回るのだった。

 そんなサドクアを見つめる遠方からの視線が。
 それはこの場にあって、数少ない破廉恥では無い視線だった。
「……あ、あの様な格好は、わたくしにはとても……!!」
 飾り気の無い白いワンピース水着に身を包んだ彼女は、クリスティア・クロイツ(ib5414)。
 サドクアのどえらい水着姿を見てちょっと吃驚したようだ。
 彼女は銃を手に、砂浜の仲間たちを眺めていた。
 銃弾を込めず火薬のみを詰めたその銃で彼女が狙っているのは空撃砲での援護だ。
 そのため、彼女は砂浜に伏せて、さらに砂で体を隠すようにしているのだった。
 それはまさしく静かに機会をうかがう狙撃手の姿だ。
 ……砂まみれの白い水着姿だと、なんとなく『きな粉餅』風ではあるが。
「根っから悪い子達では……ないとは思いますけど、見逃す訳にはいきませんわ」
 きっぱりとクリスティアは呟いて、銃を持ち直すと改めて仲間を見つめて、ひたすらに待つ。
「神になり代わり……徹底的にお説教をしませんと」
 決意も新たに待ち続ける。孤高のスナイパーがここに居るのだった。きな粉餅風で。

 そしてそんな砂浜全体を眺めつつ、腰に手を当てて上機嫌な男が1人。
「ったく、皆はしゃいで遊んでる中で、俺らだけ仕事かよっ。早く猫又こねーかなー!」
 荒屋敷(ia3801)の視線はしっかりばっちりエメラルドたち3人が遊んでいる姿をとらえていた。
 確かに彼女たちは遊んでいる、ように見える。
 だが、仕事だと愚痴る荒屋敷の手には、ばっちり焼きイカ。醤油の匂いが香ばしい。
 それをひとかじり。もぐもぐ、夏の味。
「それにしても、うちの博嗣じゃなくて良かったぜ。ちゃんと話を聞くまで信じられなかったけどな」
 つぎは焼きトウモロコシをもしゃもしゃ。なにやら彼の相棒の猫又も悪戯好きな性格のようで。
 だがその時、彼の耳は遠くから聞こえる悲鳴をとらえた。
 女性が叫ぶきゃーという悲鳴、どうやらとうとう現れたようだ。
「……とうとう現れたか! 少年、これ上げるから食べて良いぞ! 待ってろ猫又ぁ!」
 隣の少年に焼きイカやらトウモロコシを手渡して、羽織った法被を翻し走る荒屋敷。
 風に法被がはためけば、赤い褌姿がまさに夏男、荒屋敷は颯爽と現場に急行するのだった。


 その現場付近。悲鳴があがる少し前。
「僕にとって今年初の海がこんな事件……うぅ」
 凹んでいる少年が1人。真亡・雫(ia0432)だ。
 褌姿に一応腰布を巻いて、防御重視の姿だ。
 そんな彼は、人を待っているところだった。
 2人で組んで囮になれば、どちらかに引っかかる可能性が高くなるはず、とその人物はいったそうで。
(「い、良いのかなぁ……これ二匹同時に来たら対処できないんじゃ……」)
 と内心では不安げな真亡。そこに待ち人がやってきた。
「待たせたな、雫! どうじゃ? これだけしっかり結べば取れなかろう」
 そういってくるりと回る少女、神町・桜(ia0020)は、サラシと褌姿であった。
 確認してくれ、と桜は言うのだが、
「いや、えっと、はい大丈夫だとおもいますよ?」
 あわわとなって真亡は言うしか無くて。というか親しい間柄でも少々気恥ずかしいものなのだ。
「ふむ、ならば参ろうか! まったくハレンチな猫又じゃの……」
 そういって自分でも確かめる桜だが、実は微妙にサラシも褌も結びはゆるめだったりして。
「相手が来るまでは適当に散歩かのぉ? しかし雫がこの依頼におるとは思わなかったのじゃ」
「はい、そうですね……僕も桜さんが居て驚きましたよ」
 話ながら砂浜を進む2人。
 そんな彼らの近くに、その時すでに敵は忍び寄っていたのだった。

「にゃははは、今日も獲物が沢山なのにゃ!」
 今回の元凶、エロ猫又……もとい悪戯猫又はそういって、防風林の枝の上でふんぞりかえっていた。
 その隣には、迅鷹が1羽。
(『今日も動くのだな友よ……良かろう、砂浜で浮かれ騒ぐ愚かな人間に一泡吹かせようでは無いか』)
 というような意味でぎゃーすと鳴く迅鷹。なかなかに渋い雰囲気である。
 そうして一匹と一羽は枝を飛降り砂浜に向かうのだった。

 そして、砂浜の端で悲鳴が上がった。どうやら水着をていていととられた女性客が居たようだ。
 その声に気付いて荒屋敷が走り始めた丁度その頃、真亡と神町も悲鳴に気付いてはっと振り返る。
 どうやら2人のすぐ近くに猫又らがいるようだ。だが神町は余裕の表情。
「ぬ、来たの。ふははは、取れるものなら取ってみるがよい!」
 薄い胸を……失礼、胸を張ってふんぞり返る桜、彼女に気付いた猫又はにやりと笑って。
「……うにゃ! 俺様に挑戦するやつがいるとは驚きにゃ、なら遠慮無くいただきにゃー!」
「ふははは、結び目が固ければ取れまい!」
「……そんなの、爪で一発にゃ?」
 すぱん。ぱらりと落ちるサラシ。思わず桜は胸を隠してぺたんと座りこんで。
「……ぬぁ! し、しまったのじゃ!?」
「だ、大丈夫ですか!? えっと僕は猫を追っかけるべきですか、それとも桜さんに換えの水着を……?!」
「落ち着くのだ! 雫はアヤツを捕まえて……」
(『ははは、少年よ。隙だらけだぞ! そんな様子では守りたいものも守れないぞ。男は強くあらねば!』)
 そんな意味でぎゃーすと鳴いて迅鷹が飛来。なんと腰布と褌を纏めて、すぱっと奪われたり。
「わ、やぁ?!」
「……ぇ、なぁ?!?!」
 一つ目は女の子のように悲鳴を上げた真亡の声。
 二つ目は、真亡のなにかを見てしまった桜の可愛い叫びだ。
(『まるでおなごのような声だぞ少年よ! もっと強くなって我を越えてみるが良い!』)
 ぎゃーすと鳴きつつ迅鷹は飛び去り、その迅鷹のぶら下げた褌にはっしとつかまる猫又。
 二匹は次なる目標へと向かうのだった。

 そこにやっと遅れて登場した荒屋敷。
「ちっ! 遅かったか……」
 歯がみして、後を追おうとしたのだが、そこに真亡が声をかける。
「……あ、あの……どなたか布をお貸し頂けませんか? 出来れば二枚ほど……」
「あー、二枚は無いな。だがこれを使いな。全く、見ちゃいられねえぜ、ほらよっ!」
 レディーファーストだと荒屋敷は法被を神町に渡して再び疾走。
 真亡と神町の2人もなんとか復帰しようと、もじもじ頑張るのだった。


 そんな騒ぎから遠くの砂浜で、きゃっきゃうふふとはしゃぐ声。
「んー……去年の水着、少しサイズがきつくなったか? ……こ、こら、ティア! 何を見ている」
「たしかにエメラルドの水着はちょっと小さいかもしれませんね?」
「む、そういうお前こそ随分派手な水着を着て……」
 エメラルドとルスティアがきゃっきゃとはしゃぐ様を見つめるのはアリシア。
 ほほえましいなと笑いながら、
「まぁ、こうして水着でうろつける機会はあまり無いからな……む?」
 そこでアリシアは、接近する影に気付いたようだ。
「来たか!」
 アリシアの言葉に反応して、前に出たのはエメラルドだ。
「あ、エメラルド。そんな前に出ると危ないですよ?」
「大丈夫だ! ここは私に任せて……きゃああああ!?」
「にゃはは、まずは一枚いただきにゃ!」
 すぱーんと胸の水着をとられたエメラルド、手で隠しつつ片手で応戦するが、それを妨害する迅鷹が。
「む、鳥のほうも侮れませんね。これ以上の暴挙は許しません」
 迅鷹を相手取ったのはリスティア。どちらのウィンドカッターが強いかと仕掛け初めるのだった。
 しかし、迅鷹の妨害が無くなったといえどもエメラルドは片手。なかなか猫又を捕らえられない。
「にゅふふ、最後の一枚もにゃ!」
 反撃に出た猫又、ついにエメラルドの水着を全部奪ってしまう。
 次なる目標は、逃がさないとばかりに回り込んでいたアリシアだ。
 するりと近付くと、ひょいと黒ビキニの胸を奪い去る。
「……って、きゃあああ!」
「にゃはは、この瞬間が最高なのにゃ〜!」
「……と見せかけて!」
 なんとアリシアの悲鳴は罠だった! しゃがみ込んだと見えたアリシア、そのまま低空タックルだ。
 胸を隠さずに、がっしりと猫又を抱え込んだのだ。
 とうとう年貢の納め時か?
「むー! でも諦めないにゃ! 閃光でもくらうがいいにゃ!!」
 ぴかーんと閃光を放つ猫又、さすがにこれには思わず力が緩む。
 そのすきに逃げ出した猫又、すると逃走経路には、回り込んでいた荒屋敷が!
 活躍の時だ荒屋敷、赤褌姿が勇ましいぞ荒屋敷!
 だが、閃光をまともに見てしまって右往左往だ荒屋敷。
 そこにやってきたのは迅鷹だった。
(『鍛えているようだな若人よ。だが、それではまだ足りぬ! 人生は鍛錬だぞ赤褌の若者よ!』)
 と言う意味でぎゃーすと迅鷹は、そのまま赤褌を奪い去る。
 同時に猫又はひゃっほーとアリシアの足下をくぐり抜け、リスティアの水着を奪ってしまうのだった。


 荒屋敷がはっと気付けば、赤褌をとられてご開帳。方々から悲鳴が上がったり。
「……! 、わー! 違うんだー!」
 思わず走って逃げる荒屋敷、そんな姿をアリシアが役得だと眺めていたり。
 そんな荒屋敷とすれ違うように接近する開拓者がいた。サドクアだ。
 ばいんばいんといろいろゆらしつつ接近すれば、猫又が狙いを変える。
「次はそこの紐水着のおねーさんにゃ! もらったにゃー!」
「あらあら、とられてしまいましたねぇ」
 だがサドクアは動じない。長い髪で体を隠しつつ接近だ。
 さらにアリシアもリスティアもエメラルドさえ、恥ずかしいのをこらえて反撃の構え。
 これはやばいと猫又は迅鷹に捕まって逃げようとするのだが。
「……少し衝撃は来ますが、それだけです。お覚悟を……」
 そこを狙っている狙撃手がいた。クリスティアだ。
「此れは神罰ですわ。多少の傷みは、覚悟して下さいな」
 そしてズドンと空撃砲。
 ずばんと空中で衝撃を受けた迅鷹はぽてりと落下して、
(『……ふ、これまでか……もっと漢の裸が……見た、か……た……』)
「にゃー!! 相棒しっかりするにゃー!!」
 びっくり仰天の猫又、その隙を逃す開拓者では無かった。
 迅鷹を迅速に確保するアリシアとリスティア。そして猫又をエメラルドが体当たりして追い込めば。
 逃げた先にサドクア、彼女は豊かな胸でもにっと猫又を挟むと、がっちり捕まえて。
 そのまま、なんと髪の中から取り出したまたたび酒を、うちゅーと口移し。
「うにゃ……くらくらするにゃ〜……」
 そして迅鷹も猫又も確保されるのだった。

「こ、こら! 野次馬! 見るな! 見世物じゃないぞ! と、とにかくそれを返せ!」
 真っ赤になったエメラルドはやっと水着を取り返して一息。
「そうですよ、はやく僕のも返してください……でも、他の盗品はどこに行ったんでしょう?」
 こちらは真亡だ。布を借りたりとでなんとか合流。その隣には法被姿の神町が。
 そして、猫又と迅鷹はがっつり捕まったまま、お説教を受けていた。
「ふふふふふ。さあ、お仕置きの時間じゃの! 悪い猫にはこうしてくれる!」
 捕まった猫又のしっぽをむぎゅむぎゅしつつ胸を張る桜。
 だが動いたせいで法被が肩を滑り落ちかけて。
「これに懲りたら、こんな悪戯はするでないのじゃ。わかったな……ぬ?」
「だああっ! 桜さん、また落ちてますよ!」
 慌てる真亡だったり。
 で、こんこんとお説教しているのは、クリスティアだ。
「……良いですか、貴方達。心静かにお聞き下さいまし」
「うにゅあー、聞いてるにゃ〜。もう反省してるにゃ?」
「……可愛くいっても駄目です。良いですか? そんなことをしていては動物にも劣る……」
(『ふ、なかなかの毒舌だ……我はもう、限……界……』)
 ぱたりと迅鷹が再び倒れて、にゃーと猫又が慌てたり。ともかく、二匹はこってり絞られるのだった。

 そして、開拓者たちはたっぷりその間に海を楽しんで居たり。
 これでもかと買い食いするサドクアに、遊び直しとエメラルドやリスティアらは羽を伸ばしていたり。
 クリスティアも、やっと説教を終わらせ、桜や雫と一緒に夕日の海岸を散策したり。
 そんな海岸で、ひとりぽつんと膝を抱えているのは荒屋敷。
「……見せるにしても、タイミングってもんがな……」
 ご愁傷様だが、まぁ、ともかく依頼は無事成功。砂浜には平和が戻るのだった。