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■オープニング本文 開拓者の日々は、戦いの日々であるといえるだろう。 強きアヤカシ、大きな戦、外道魔道に落ちた人間と戦うこともあるだろう。 そんなときのために、日々開拓者は備えるのだ。 そんな開拓者に向けてギルドに張り出された張り紙の一つ。 それは、朋友を連れて訓練するのにちょうど良い場所の案内であった。 場所は武天の山中、中規模の砦の跡地にそれはあるという。 残っていた砦は数年放置されていたのだが、そこにギルドが目をつけた。 もとより訓練用の設備が豊富な砦、ならば多少改修を加えれば訓練施設として使えるだろう。 ということでギルドの依頼調役であり、元開拓者の庄堂巌が担当者となり改修。 解放された訓練施設として、武天の古砦は生まれ変わったのである。 神楽の都から武天に向かう街道にある点から、地理的にも便利。 開拓者のための施設であり、なんと朋友をつれての訓練も可能。 広い中庭全域が訓練施設、朋友との連携訓練から模擬戦も許可されている。 そのほか、多種多様な訓練設備が備えられており、宿泊施設もあり。 さらに、庄堂のこだわりか、近場の温泉からお湯を引いてきているので温泉あり。 近頃、アヤカシの動きが活発になっているという。 戦乱は近いのかもしれない。そういうときこそ、訓練をするのもいいかもしれない。 さて、どうする? |
■参加者一覧 / 羅喉丸(ia0347) / 柚乃(ia0638) / 礼野 真夢紀(ia1144) / 菊池 志郎(ia5584) / からす(ia6525) / 和奏(ia8807) / 无(ib1198) |
■リプレイ本文 ●朝も早くから 日々の訓練、それは常に第一線で闘う開拓者にとっても大切なものである。 戦いを好む開拓者の中には、死線に身を置き続け技を磨く者も多い。 だが、そうした実践の場だけでは無く、常の生活においての訓練も同様に大事なのだ。 「ふむ、朝の日課はこの程度で良いか」 早朝の練武砦にて。的に向かって矢を射るのは、からす(ia6525)だ。 小柄な彼女の手には、身の丈の二倍はありそうな大ぶりの理穴弓が握られていた。 構えを解いて、ふうと一息。どうやら早朝の練習は終わりのようで。 くるりときびすを返した彼女の背後、的に突き立っているのはたった一本の矢……否。 一本の矢と、羽から鏃まで真っ二つに裂かれた数本の矢だ。 おそらく矢がその前に刺さっていた矢に後ろから命中し真っ二つに引き裂いたのだろう。 つまり、全部の矢が的の一点に命中したと言うことだ。恐るべき腕の冴えである。 見た目は十をいくつか過ぎた少女にしか見えないからす。 だが、その腕前はこうした地道な練習が支えているのだろう。 さて、早朝の練習を終えて、てくてくと歩くからす。 そんな彼女の向かいから、寒さに手をこすりあわせつつ歩いてきたのは礼野 真夢紀(ia1144)だった。 「おや、こんな朝早くからどこへいくのかな?」 「あ、からすさん。おはようございます」 からすに問われてぺこりと頭を下げる真夢紀。しかしそんな真夢紀の足下から抗議の声が。 「さむいのぉ、はやくいこう?」 みれば、そこには真っ白な子猫の猫又が。真夢紀の朋友である猫又の小雪であった。 「それはすまない。邪魔したかな?」 「そんなこと無いですよ。この子は寒いのが嫌いなだけなんです」 そういって真夢紀は笑いつつ、自分が巻いていたもふら〜を小雪にくるくると巻いてあげて、 「朝ご飯用に、源泉で温泉卵をつくっておいたんで、これから取りに行くところなんですよ」 そういえば、足下の小雪が嬉しそうに 「おんせんたまご♪」 とはしゃいでいたり。そしてそんな様子を見てからすは、 「そうか。ならば、私も手伝おう」 「ありがとうございます、ご飯とお味噌汁の用意もしてますから、この後はみんなで朝ご飯ですね」 そういって、二人と一匹は、てくてくと源泉目指して朝の散歩を再開するのだった。 朝ご飯の香りに、続々起き出してきてご相伴にあずかる開拓者たちの姿があったり。 そんな朝の練武砦は、今日も賑やかだった。 普段からここで修行をしている開拓者たちもそれなりにいるようで、意外と人数は多いよう。 そんな中、砦の外れにて。 「よいか羅喉丸、まずは良く妾をみておるのだぞ!」 空樽の蓋の上を舞台にして、びしりと言い切るのは小さな人妖であった。 手にはこれまた小さな瓢箪徳利。泰国に伝わる仙人のような姿を姿をした人妖は名を蓮華といった。 「まったく、妾ではなく頑鉄を連れて行きそうになるとは、たるんどるのじゃ!」 どうやらなにやらご立腹中のようであった。 そんな蓮華の前に立って、彼女の様子を見守っているのは羅喉丸(ia0347)だ。 蓮華は羅喉丸の朋友なのだが、蓮華自身は羅喉丸の師匠だとかで、おとなしくそんな蓮華を見守っていて。 そして、始まったのは蓮華による見事な演舞であった。 くらりと揺らぎ、突然止まる静と動の融合。ゆらゆらと不規則に動きながらも、力強く躍動する手足。 小さな杯を手にするように構えたかと思えば、大きく背をそらし、その姿勢でぴたりと止まったり。 すべては酔拳の妙技だ。それを披露してから、蓮華は羅喉丸に向き直って。 「これが酔拳じゃ。先ほどの御前の乱酔拳も、酔拳の動き自体を鍛えることによってさらに高めるのじゃ」 そう、今回の二人の目的は、どうやら羅喉丸の乱酔拳を強化することのようであった。 すでに羅喉丸は乱酔拳を蓮華に披露し、その後、こうして蓮華が酔拳を羅喉丸に指導していく形のようで。 「くるしゅうない、羅喉丸、やってみせい」 「ああ、了解だ。師匠」 「ふっふっふ、酒は飲んでも呑まれるな。酒は男を磨く水、じゃ。酔いの先にこそ真理がある……」 満足げに頷きながら、酔拳の型をとる羅喉丸を見守る蓮華。 小さな師匠と、その指導を受ける歴戦の弟子という、奇妙な修行風景が繰り広げられるのであった。 蓮華と羅喉丸のように、明確な目的のもとに修行に励む者もいる。 だが、本来練習は大変に面倒くさいものだ。 しかし、開拓者たるもの、そこはぐっと我慢して訓練をしなければいけないわけで……。 「何で我がそんなことをしなければならんのだ」 「まあまあ、訓練の後にはおいしいご飯がありますよ」 不満げなのは菊池 志郎(ia5584)の相棒である管狐の雪待だ。 それをご飯があるからとなだめすかして訓練場に連れてきた志郎。 そこは砦の一角、様々な術を練習するために、巻き藁が立てられている場所に二人はやってきていた。 巻き藁といっても実は様々ある。 弓の練習用に、俵のような形に藁を巻き束ねてある、弓用の巻き藁。 居合用には青竹に藁を巻いた物。 そして拳を鍛える為に角材などに藁を巻いた物までいろいろな種類があるのだ。 ここにあるのは、剣技や術の練習用とおぼしき青竹の物、それが練習場の端に山と積まれている。 どうやら適当に地面にさして使えと言うことのようだ。 「では、コレをつかって風刃やクロウの威力や精度を上げましょう」 「そんな必要なないな」 と、管狐の雪待がぶーたれている間に、志郎はてきぱきと準備を進めて。 「……もしかすると、俺の方が的に上手く当てられるのでは?」 練習に乗り気ではない雪待の前で、志郎はそう言うと、試しに打剣で天狗礫を放つ。 細い巻き藁に天狗礫は見事命中。その威力に藁が爆ぜて竹の芯は大きくしなる。 さらに、巻き藁の林に踏み込むと続けてシノビの秘術、風神を放つ志郎。 巻き起こる風、周囲すべてを切り裂く真空の風が荒れ狂い、周囲の巻き藁を一気に切り飛ばす。 まるで刀で切られたかのような鋭利な切り口を見せて、巻き藁が次々と斬れ落ちれば。 「まだまだ。我の方が上手いぞ」 どうやら、雪待は見事に志郎の言葉と技に乗せられてしまったようで。 管狐自ら爪を繰り出すクロウに、風刃にと雪待も次々に技を披露。 練力が尽きるまで二人は訓練をするのだった。 主の練力が尽きてしまえば、召還系の朋友である管狐は顕現していられない。 「というわけで、これからご飯を作るからそれまで休んでてくださいね」 「うむ、旨い飯を待っておるぞ」 そういって、消える雪待に苦笑していれば、不意に影が落ちて、志郎が空を見上げれば。 「ああ、龍たちも訓練をするんですね」 見れば、次々に空を行くのは朋友の龍たちだ。 それを見送りながら、志郎は料理の献立を考えつつ、炊事場へと向かうのだった。 ●昼頃になれば 「専門分野ばかり学ぶべきではない」 そんな思いで、砦の中庭で仕込み杖を手に白兵戦の訓練をしているのはからす。 彼女は弓術士だが、もしも接近されたときのための技、山猟撃を練習しているようだ。 弓を手にした状態から、瞬時に仕込み杖へと持ち替えて、反撃の一撃。 見事な技の冴えに、周囲で訓練をする他の開拓者からも賞賛の声が巻き起こるのだった。 そんな中、ずしずしと音を立てて中庭にやってきたのは朋友の龍たちを連れた開拓者だ。 日も高く昇り、秋晴れの空。どうやらこれから飛行訓練のようだ。 一人は、柚乃(ia0638)だ。彼女の傍らには炎龍のヒムカ。 「龍に騎乗して空を駆けるのは好きですし、巫女だからって後方にいるだけじゃないです」 確かに合戦となれば、巫女とて後ろで守って貰うだけというわけにはいかないのだろう。 「ガンっと前線に出ますよー。アヤカシに突っ込むのも……」 といえば、微妙に隣のヒムカが心配そうに柚乃を見ていたり。 「……て、ちと無茶ぶりだった?」 無茶しないで、と言うように見守るヒムカの背にひらりとまたがる柚乃。 大丈夫とばかりに、柚乃がヒムカの首筋をぽんぽんとなでれば、ヒムカは翼を大きく羽ばたかせて。 そして、柚乃とヒムカは一気に急上昇。あっという間に空を舞う一陣の風となるのだった。 そして、その後に続いて中庭の発着所にやってきたのは、无(ib1198)だ。 普段は管狐とともに行動している印象の強い无だが、今日連れているのは駿龍の風天。 彼らも、柚乃と同じように中庭から空に飛び出して、 「……では、駆けますか。風天」 そういえば、風天は夜色の翼で強く空気を打って、一気に加速。 そして、そのまま先を飛ぶ柚乃とヒムカの隣を一瞬で通過。上昇飛行だというのにすさまじい速度である。 「さすがは駿龍、早いね」 そうつぶやく柚乃の声も置き去りに、一気に上昇する風天に、无は 「……まだ無事故だけど、他の人にぶつからないようにしてくれよ」 そう言い聞かせるのであった。 空を思い思いに駆ける二組の開拓者と龍。その訓練もそれぞれまた個性的であった。 「さあ、ヒムカ。急降下!」 凛と気迫をこめた号令一下、柚乃の龍、ヒムカは急降下を開始。 ヒムカが目指す先は、砦の外壁上に取り付けられた訓練用の的だ。 棒の先にくくりつけられた藁製の人形は、どうやらアヤカシの小鬼を模しているようで。 そこに向かって急降下をするヒムカと柚乃。距離を引きつけて、柚乃が放ったのは白霊弾だ。 巫女がもつ数少ない攻撃手段で一気に藁人形を撃破。だがそれで終わったわけではない。 はじけ飛んだ藁クズを突っ切ってさらに急降下するヒムカ。 狙うのは次なる目標、砦の外側に設けられた別の的だ。 砦の外壁上の的から流れるように新たな的に接近するヒムカ。 これにも一気に接近しながら、白霊弾を放ってこれを柚乃は撃破。 巫女ながら、見事な連続撃破であった。 一方、同じように空を舞いつつも、ヒムカと柚乃の遙か高空を行くのは无と風天だ。 「……まずは調子を見ますか」 そうつぶやく无に呼応して、全力飛行しながら旋回。 さすがの駿龍である。その速度で巻き起こる風は身を切るようで、思わず无は襟元をあわせて。 だが、寒さで縮こまっても居られない。无は、ふうと息をつきながら 「……では、いつもの、かな」 そうとだけつぶやいて、後は風天の鞍にしっかりとしがみつくのだった。 風天は、その言葉を聞いて喜ばしげに翼を広げると、さらに加速。 そして、まずは急降下。速度を稼ぎ一気に上昇。羽を絞って高く高く急上昇。 そのまま数度翼で風を打って、高さをさらに稼ぎつつ、宙返りから速度を上げて水平飛行。 急速旋回から、なんと翼を縮めて横転、そのままわずかに上昇する高難度の機動、バレルロールだ。 空戦において、こうした自在な機動は戦闘を有利にする妙技である。 だが、そうして技を磨きながら、无は気づいた。 楽しげに空を舞う風天がその目を閉じていることに。 「事故だけは勘弁してくれよ……」 もう、あきらめて身を任せる无。ますます、風天は加速し複雑な機動を繰り返して。 くるくると楽しげに空を舞い続けるのだった。 そんな龍たちの下で訓練を続ける開拓者たちも居た。 「小雪、あの的に向かって鎌鼬」 『えーいっ! ……あれ?』 訓練中なのは真夢紀と子猫又の小雪だ。 気合い一閃、鎌鼬を放った小雪だが、まだまだ狙いが甘いようで、二つ隣の的が欠けたよう。 「……うーん、じゃああと少し練習したらお昼寝しましょうか」 『わかったっ! がんばる』 けなげな小雪とともに、のんびりとがんばる真夢紀。 なにやら一人と一匹の奮闘は、砦の他の女性開拓者たちからこっそり人気だったとか。 ●夕方になっても 「そろそろ暗くなってきたか。では最後に……」 そういって、砦外周でひとり白兵戦の訓練を続けているのはからす。 だが、今回はアーマーを装備してであった。 盾を構え、そのまま迫突撃から、アーマークラッシュの連携。 騎士では無いからすがアーマーを使う場合、練力を多大に消費するのだがそれでも見事な連携で。 「うむ、良い反応では無いか鳥籠よ」 鳥籠という名のアーマーをねぎらうようにそうつぶやくからすは、アーマーケースに鳥籠をしまって。 「……さて、夕餉の時間か。休息もとらねばな」 そう言いながら、てくてくと砦にとって返すのだった。 そんなからすの上空をひらりと舞う白い影が。 「さぁ漣李、最後にもう一度行きましょうか」 そういって砦外周の突っ切るのは鷲獅鳥の漣李とその主、和奏(ia8807)だった。 時刻は夕方。冬の日は早く落ちてすでに周囲は真っ暗だ。 だが、その中を飛ぶ白い姿の漣李。月明かりを受けて、かすかにその白い翼がきらめいていた。 「……鷲獅鳥さんは、鳥目なのかな?」 どうやらそんな疑問から和奏は、夜間飛行の訓練中のようだ。 月明かりはあるようで、ある程度は周囲は見える。砦のかがり火もあるし、その周囲は問題ないようだ。 だが、やはり暗いものは暗く、鳥目かどうかは関係なく夜間飛行は危険なようであった。 「やはり、夜間飛行は相当な危険が伴うみたいですね……明日からも訓練しましょうか」 そう決めた和奏は、鷲獅鳥の漣李とともに砦に戻ろうとするのだが、 そこにすうっと風を切る音とともに近寄ってきた影があった。 それは一頭の駿龍だった。 突然の登場に驚く和奏であったが、害意は無いようで。 というよりもどうやら、砦までの帰路を早さで競おうと言うかのようにくるくると飛び回っている。 それは、悪戯心をだした駿龍の風天であった。もちろんその背に无が。 すまないとでも言うように无が会釈すれば、かまいませんとでも言うように和奏は笑みを浮かべて。 そして、実は速度においても龍にひけをとらない鷲獅鳥と駿龍は、くるくると空を駆けはじめるのだった。 夜に成れば、暗く寒さも厳しい。そうなれば訓練も一休みして、開拓者たちは夕餉や温泉を楽しんでいた。 そんな中で、座学に励む者もいるようで。 その中心は、二人の少女。からすと真夢紀であった。 「他の職業の話を聞くのも、知識の糧となるからな」 鴉は知恵の獣だからなとからすはいって、周りの皆から話を聞いている様子。 一方真夢紀はというと、 「いいですか? 知らない人にはついていっていはいけません」 どうやらまだまだ子猫の猫又・小雪相手に一般常識の訓練中であった。 なぜだか、真夢紀の講義には、他の猫又やもふら、果ては龍までが参加して聞いているという様子で。 そして、座学が一段落つけば、あとは待ち望んだ夕食の時間。 昼頃から、小雪が昼寝中の間に準備していた真夢紀の料理に、からすのお茶と料理。 「……こんなにたくさん作ることになるとは思いませんでしたよ」 志郎は、雪待のために料理を作っていたのだが、他の開拓者たちも多めにつくってお互い振る舞うとのこと。 そうなればと自分も腕を振るっていろいろと料理を作ったようで。 「うむ、旨いぞ!」 一番ご満悦なのは、美味しい物が大好きな管狐の雪待のようで。 「残ったのは、明日のお弁当にしましょうか」 志郎が思わずそう良いながら、嬉しげにご飯を食べている雪待を見て、思わず笑みを浮かべるのであった。 そして夕食が終わればあとは休むだけだが、今回は幸いなことに温泉がある。 ここの温泉は男女別に分かれた物のようで、源泉から引かれた湯が砦内の浴場に満たされていて。 男湯では、広い洗い場を使って和奏は相棒の漣李の体をいたわってあげていたり。 そして、どうやら高速起動で疲れたとおぼしき无と風天はうたた寝中で。 温泉につかりながら、こっくりと船をこぐ无に、温泉の脇の温められた岩の上で寛ぐ風天。 疲れ切ってはいるものの、妙に満足げな一人と一頭であった。 そして、その横でちびちびと杯を傾けているのは羅喉丸。 こちらは明日からの訓練を考えつつ、訓練に引き続き酔いの先の真理を探求中の用で。 一方の女湯では。 「休息も備え」 とっぷりとお湯につかって寛ぐからす。こうして休息することも訓練の質を高めるためのようで。 その横では、のんびりと体を伸ばす真夢紀に、水には入らないで暖かい場所にご満悦の小雪。 そして、 「これさえあれば、英気を養えますっ」 柚乃も、同じように温泉で。混浴じゃ無かったこと安心しつつ英気を養っているようだ。 砦の夜はこうして暮れていった。 ご飯と温泉で体を休め、そして日々の訓練で心身を鍛え技を磨く。 開拓者の日常は決して気楽なものではない。 だが、こうして朋友とともに日々を過ごすのもそれはそれで楽しいものだ。 明日からの訓練に向けて、開拓者たちはゆるゆると夜を過ごしていくのだった。 |