【PM】伝説の果てに
マスター名:雪端為成
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/11/09 19:30



■オープニング本文

※このシナリオはパンプキンマジック・シナリオです。
 オープニングは架空のものであり、DTSの世界観に一切影響を与えません。

 冒険に、終わりはあるのだろうか?
 アヤカシは手強く、そしてまだまだ世界は広いようで、終わりは当分先のことだろう。
 もちろん、敵の刃の下で無念のうちに冒険が終わることもあるだろうし。
 自ら剣を置いて、冒険の人生に幕を引き、新たな生き方を選ぶこともあるだろう。
 だが、数多の冒険を越え、幾多の伝説を築き続けた果てにはなにがあるのだろうか?

 長い戦いと研鑽の果てに、貴方たちは超越の力を手にした。
 この世の真理に触れ、秘術の全てを身につけたのかもしれない。
 また、刀を振るい続けた果てに、並ぶ者無き達人となったのかもしれない。
 あるいは、まだこの世の誰も知らない新たな力を手に入れて、超人となったのかもしれない。
 どんな経緯で、あなたがその世界に至ったのかはこの際どうでも良いだろう。
 問題なのは、敵だ。
 人の枠組みを優に超え、指先一つであらゆる望みを叶えうる領域に到達したとしても敵は現れる。
 それは、貴方と同じように超越的な力を得たアヤカシかもしれない。
 または、道を違えたかつての仲間かも知れない。
 異界の混沌から現れた狂気の神々の侵攻かも知れないし、星を喰らう化け物かもしれない。
 とにかく、敵が現れたのだ。
 幾多の伝説を作り上げた貴方はそれに立ち向かわねばならない。
 世界を救えるのは、貴方たちだけなのだから。

 さて、どうする?


■参加者一覧
玲璃(ia1114
17歳・男・吟
からす(ia6525
13歳・女・弓
鬼灯 恵那(ia6686
15歳・女・泰
サーシャ(ia9980
16歳・女・騎
フィリー・N・ヴァラハ(ib0445
24歳・女・騎
郭 雪華(ib5506
20歳・女・砲
ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905
10歳・女・砲
レオ・バンディケッド(ib6751
17歳・男・騎
射手座(ib6937
24歳・男・弓
朧車 輪(ib7875
13歳・女・砂


■リプレイ本文

●夢の果て
 幾つもの物語。伝説となるか、それともただ忘れ去られるのか‥‥。

 まずは友を救おうとした雷神の射手の物語。
「君も私を見捨て、殺しに来たんだね‥‥」
 呟く幼馴染みを前に、歯噛みするのは射手座(ib6937)だ。
「‥‥これ以上は止せ! こんなことをしたからって‥‥」
 吼える射手座、だがその言葉は届かない。友であった暗黒聖はすで絶望の底にあるのだ。
 裏切りの果てに、全てを呑み込む暗黒の力と、死すら乗り越え破壊を振りまく力を暗黒聖は手にした。
 世界を破壊しようとする暗黒聖を射手座は止めようとする。
 しかし射手座は満身創痍であった。友を救おうとして暗黒聖の破壊の力に巻き込まれたのだ。
 力及ばず世界の崩壊は始まってしまった。だが射手座は諦めなかった。
 雷神弓矢を放ち、傷を負いながらも暗黒聖を止めようとした。
 神具の放つ雷の矢は超重力で吸い込まれ、倒すことは出来ない。
 ならば選ぶことは一つ。射手座は全ての力を使い最終形態に。輝く鎧に身を包み、暗黒聖に近づいた。
「見捨てはしないさ‥‥共に行こう」
 手をさしのべた射手座は暴走を止めることの出来ない暗黒聖と共に鎧の力で空間転移。
 こうして2人はこの世界から消えた。行く先は、超重力の底か、異次元か‥‥。

 ‥‥強力な力を感じ、彼方で身動ぎする存在があった。
 闇に浮かび上がる闇よりもなお暗い翼と、燃えさかる三つの目。
 異界の神たちは2人の力を道標に、ゆっくりと動き始めた。

 次は、炎に恋をした修羅の物語。
「‥‥私強くなったよ。だから会いに来てくれたんだよね」
 最強の修羅と呼ばれる朧車 輪(ib7875)。数多の戦いの果てに、彼女は最強の境地へと達した。
 だが、彼女が力を求めたのはただ一つの目的のため。命の恩人と再会したい、ただそれだけ。
『ああ、そうだな。‥‥まさかあのときのガキが最強になるとは‥‥』
 そう言って輪を見る男は、みるみるうちに姿を変えた。燃えさかる炎が形を成す巨大な竜へ。
 名を炎海。この強大なアヤカシが輪の命の恩人だったのだ。
『‥‥気まぐれで生かしたのが正解か』
「うん、だからどれぐらい強くなったか、確かめて‥‥」
 無邪気に笑う輪、そしてまるでじゃれ合うかのように戦いが始まった。
 全てを燃やし尽くす炎海の炎、だがそれに焦がされながらも炎を切り裂き、暴れ回る最強の修羅。
 そして、決着はすぐについた。輪の刃は、見事に炎海の核を突き刺したのだ。
『俺を倒すのが‥‥鬼の成り損ない‥‥否、お前もまた人間か‥‥ハハハ!』
 瘴気へと還りながらも呵々大笑する炎海、それを静かに見つめる輪。
『痛快だ! 楽しい死合だった、好い死に方だ‥‥あいつと戦えないのが‥‥少し心残りだが』
「うん‥‥私もすごく楽しかったよ。ありがとう、大好きだよ‥‥」
 そう応える輪に、おかしな娘だと笑いながら炎海は消えた。
 そして、輪は立ち上がる。目標を喪った彼女は戦いを辞めるのか? 否、彼女には新たな目標があった。
 炎海が闘いたかったであろうさらなる強者と闘うという目標が。

 ‥‥身動ぎした混沌の神に共鳴して、次元の海を越えて侵攻する軍勢の気配があった。
 輪は、戦いの気配を感じ、静かに空を見上げるのだった。

 そして、三つ目は最強の見習い騎士の物語。
「黒騎士!! これ以上お前の好きにはさせねぇぜ!!」
 家宝の「次元剣ディメンションレオ」を振るうのは最強の見習い騎士、レオ・バンディケッド(ib6751)だ。
 見習いなのに最強とはこれ如何に。しかし、彼はその剣で古代竜オーバードラゴンを倒した英雄だ。
 だが、そんなレオがまるで太刀打ちできない相手、それが黒騎士。
 古代遺跡から発掘された次元アーマーを操る最強の敵だ。
『フハハハ、そんな力でこの私に立ち向かおうというのか!』
 嘲笑する黒騎士はレオを蹴散らしながらそう言った。
「がはっ! くっ‥‥こうなったら短期決戦だ!」
 次元を切り裂く剣を振るうレオに、次元を操るアーマーを駆る黒騎士。
 2人は戦いの果てに次元の狭間へと飛ばされるのであった。だが、そこで諦めるレオではなかった。
「俺は‥‥、こんな所で終わる騎士じゃねぇ!!」
『なにぃ?』
 叫びとともに、次元剣はレオに新たな力を与えた。そして戦いは最終局面に。
「これが俺の‥‥一流騎士の力だーー!!」
『そ、そんなバカな!!』
 レオが放った最終奥義『真パビューダブリンガー』が黒騎士を打ち砕く!
 旅は終わった‥‥いや、まだだ。次元の果て、異界の底から接近する幾つもの力を。
「‥‥一流騎士への道はまだまだ険しいな。俺が相手になってやる!」
 彼の旅はまだ終わらないようだ。

●神話の始まり
 黒騎士が発掘した次元アーマーの置き土産。
 その一つが、この世界を救うための瘴気を浄化する新型アーマーの開発であった。
 自己進化・自己再生・自己増殖を行う古代の技術の結晶。
 名を『スバセェーニェ』。自律稼働すら可能なそのアーマーは‥‥救済の名とは裏腹に暴走した。
「暴走したアーマーの破壊。私にお任せ下さい」
 アーマー破壊の任務を請けたのは、帝国最強の騎士であるサーシャ(ia9980)だ。
 皇帝直々の命を受け、アーマーに立ち向かった騎士サーシャ、だが待っていたのは無残な敗北だ。
 なにかが違う。そう思ったときはもう遅い。
 鎧は壊され剣は折れて、地に伏す彼女はその時、失いかけた意識の中で確かに聞いた。
 誕生の歌と、破壊の歌を。

『あなた方は解き放たれ、形無き至福へと集うその姿は何より尊く愛おしい』

 歌声は『スバスェーニェ』から響いていた。
 それは世界を昇華しようとする歌だ。
 歌声の主は塞。玲璃(ia1114)の姉である。塞と玲璃は同じ力を持っていた。全てを生み出す究極の力だ。
 だが、力をふるう目的は正反対だった。
 塞は人類は不要だと決め、人々を昇華し精神だけの存在としてしまおうというのだ。
 それはつまり人類の根絶だ。それを止めるために玲璃は戦いを決意した。
 だが塞は最凶のアーマー『スバスェーニェ』に乗り込んだのだ。1人では勝てないとなれば手は一つ。
「‥‥なるほど、委細承知した。ならば、終わらせるしかないな」
 サーシャと玲璃は協力して、アーマーと塞に立ち向かうことにした。
 自己進化を続けるアーマーはその強さに限界は無い。ならばと玲璃は念じた。
 サーシャにも同じ力を。進化し続ける正義の鎧を与えよ、と。

 2人の戦いは、すでに天儀の世界では収まり切らなくなった。次元の壁を越えて戦いは続く。
 塞がスバスェーニェによって星すら壊す弾丸を放てば、玲璃はそれを光弾で打ち落とす。
 太陽を焦がすほどの炎を玲璃が放てば、塞は絶対零度で星ごと空間を凍結させる。
 その最中で響き合うのはアーマーの攻防だ。
 スバスェーニェが生み出した白色矮星級の重力塊をサーシャが光剣で切り裂く。
 巻き起こる重力嵐、それを玲璃と塞が消滅させ‥‥続く戦いの最中玲璃は決意した。
「サーシャさん、隙を作っていただけませんか?」
 攻防はすでに銀河規模、光速を越えた超速戦闘の最中で玲璃が言えば、
「分かった。任せてくれ」
 こともなげに応えるサーシャ。サーシャが真のアーマー『アルージャゾーリャ』から無数の弾丸を放った。
 命中すれば次元ごと着弾点を消し飛ばす弾丸。それをスバスェーニェはワープで回避。
 ワープアウトから反撃は超高速粒子砲の奔流だ。
 サーシャはアーマーの力を全開にして空間をねじ曲げてそれを湾曲、巻き添えで隣の銀河系が消滅。
 その隙に生まれた一瞬で玲璃は接近、塞に禁じ手【結】を使用したのだった。
 相手を自分に取り込みもろともに消滅する究極の技。同じ力を持つ者同士だからこそ通じる最後の手段だ。
 世界を愛した故に破壊しようとした姉、塞とともに玲璃は消滅。
 世界は救われた‥‥かに見えた。

「‥‥あれはレオ・バンディケッドと次元剣?」
 次元を断ち割って現れたのはレオと無数の艦隊だ。
 玲璃が残した力は真のアーマー『アルージャゾーリャ』としてサーシャの手にある。
「今度は、私が世界を救う時ね」
 異次元の軍勢を相手に、レオとサーシャは反撃を開始するのだった。

●戦いの神話
 レオとサーシャが激突した異次元の軍勢は闘いながら天儀の次元界へ出現。
 満載した機械仕掛けの兵隊、宇宙戦艦一隻につき二万五千体。
 艦隊の総数は三億六千万。空は異次元の艦隊で埋まった。
 同じ頃、海の一角が沸騰しそこから見る者の精神を蝕む異形の軍勢があふれ出した。
 蛸頭の巨神、分裂しつつ歌う虹色の泡、三角錐の頭に黒い翼の混沌の化身。
 次々に現れた異界の神々と眷属は地を埋め尽くすのだった。

 世界は終わるのか? 否。英雄はレオやサーシャだけではなかった。

「ふふ、あははっ♪ なんだか面白そうなのがやってきたね!」
 異形の軍勢を前に、ふらりと現れたのは刀を手にした少女だ。
 斬鬼と呼ばれる少女は鬼灯 恵那(ia6686)、斬撃の狂気に取り付かれた比類無き達人である。
「‥‥最近ちょっと退屈してたところなんだよ。だから、簡単に斬られちゃイヤだよ?」
 そして刀を抜き放つ恵那、蛙面の軍勢を一刀両断。
 地中からわき出す数多の触手、だがその一本も彼女をとらえることは出来ない。
 彼女の力はただただ切ること。超常の力ではない。
 だが、彼女の刀の範囲内にあって、斬れない物は無かった。
 異形の触手も撫で切り、異界の神々も細切れ、刀を手に突き進めば全ては切り裂かれていった。
「もっと、もっと手応えが欲しいね!!」
 笑いながら全てを切り裂きつつ、恵那は突き進むのだった。

 同じように異形の軍団に立ち向かっているのは1人の拳士だった。
 左右の足にはそれぞれ朱雀と青龍、左右の腕には白虎と玄武、四聖獣の文様を輝かせる超常の拳士。
 彼女はフィリー・N・ヴァラハ(ib0445)、拳においては無双の拳士である。
「さて、あたしの力はどこまで通じるかな‥‥とりあえず、殴り飛ばすよ〜♪」
 嬉々として振り上げた腕が炎を纏えば、爆発的な拳の一撃、爆炎のバーニングブリット。
 眼前の異形の軍勢が数万は燃え尽きる。 
 だが、地中から次々に這い出すのは巨大な粘泥に、鱗を纏った円錐の異形だ。続いては蹴りの一撃。
 敵集団を矢のように突っ切る一撃は、峻烈のシュトーラルブリット。
 だが、雑魚を何万と倒してもわき出てくるようで、フィリーは巨大な敵に向き合った。
 覚醒の時、光の線が体を覆い、フィリーは弾丸のように飛び出した。
 戦える時間は僅かながら、その一撃は蛸頭の巨神を殴り倒した。
 異形の海神すら、彼女の拳は叩き伏せる、まさしく神殺しの拳。
 あきらめをしらない英雄達の戦いはますます加速していくのだった。

「やっぱり来た‥‥異界の侵略者‥‥。でも、来ることは知っていたから‥‥全て撃破するのみ‥‥」
 次々に降下してくる異次元の艦隊、それに狙いを付けるのは郭 雪華(ib5506)だ。
 愛用の銃は魔鳥銃「遠雷・極」が弾丸を放てば、それは異次元の飛行戦艦を120隻まとめて撃ち抜いた!
 砕け散りながら、落下する戦艦群。だがそれを許さないのは次の弾丸。
 飛来した弾丸は、極小範囲を押しつぶす重力弾。
 戦艦の破片を巻き込みながら更に多くの戦艦が吸い込まれ消えていって。
「侵略しようとしたツケは払ってもらわないと‥‥逃げようとしたって逃がさない」
 ただ1人の射手は、たった1人で次々に艦隊を殲滅し始めるのだった。
 だが、戦艦の数は三億六千万。空を埋める戦艦を相手に、雪華は孤独な戦いを続けるのだった。

 そして、混沌の狂神と異次元の軍勢に脅かされる人々は混乱していた。 
 それを冷静な視線で見つめる1人の少女、かつては混沌を呼ぶ鴉と呼ばれたからす(ia6525)だ。
 混沌の狂気に当てられたのか、異次元の余波で歪みを生じたのか人々は狂信者と化していた。
 かつて英雄とも呼ばれた者たちすら混沌は巻き込み全ては大混乱へ。
 それを見て、からすは呟いた。
「‥‥哀れだな、神よ」
 人に干渉しようとした強き精霊や天儀の神々すら狂気は蝕んでいたようだ。それを正すのがからすの務め。
「君の行為は認められない。私が来た理由だ」
 そしてからすは腕を振り上げた。しかし、その手にあるのは超常の武器ではなく、指揮棒だ。
 からすが呼び出したのは無数の楽器で出来た機動兵器『オーケストリオン』。
 そして、武器と楽器を操る機械の軍勢『鋼の楽団』だ。勇壮な音楽とともに両者は進軍開始。
 正すのは狂った天儀の神と狂信者だけではない。狂気の神々と異次元の軍勢も敵だ。
 からすの指揮に合わせて楽団が音楽を奏でれば天を埋める艦隊に光の雨が。
 次々に燃え落ちる戦艦達。
 そして楽団は突撃行進曲とともに狂気の軍勢に突貫。総力戦が始まった。

 鋼の楽団が生み出す音響兵器による広域破壊が造り出した隙を雪華は見逃さなかった。
「ようこそ天儀へ‥‥そしてさようなら」
 いつのまにか彼女は、異次元艦隊の旗艦正面に居た。
 戦艦が放つ数多の実弾兵器に光学兵器、それを精霊力で造り出した障壁で受け止めて、反撃の弾丸一発。
 艦隊司令はただ一発の銃弾によって撃たれ絶命、一瞬置いて旗艦は爆散。
 異界の艦隊は崩壊していくのだった。

 そしてからすの援護を受けて狂気の神々たちとの戦いも終わりつつあった。
 蛸神を殴り倒したフィリーは力尽きて斃れるも鋼の楽団に助けられた。
 無限の触手を持つ異形の神を恵那はひたすら切り刻むことで滅ぼしてしまった。
 満身創痍ながら、珍しく満足そうに笑う恵那、その横で同じく虹色の泡を消し飛ばすのは輪だ。
 炎海の代わりに強者と戦い続ける修羅、彼女もまた英雄として伝説に名を残したのだった。

 そんな全ての裏側で。
「あたいはさいきょーの開拓者!」
 ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905)は、異界の侵攻とともに彼女本来の姿を思い出した。
 全てを超越した神でありながら、気ままな雪の精霊として振る舞う彼女。
 彼女の敵は全てを操っていた究極のトリックスターである。
 物理効果は意味を成さない、ならば事象の地平を越え確立を操り、時の理を越えればいいのだ。
 時間を超え、事象を越え、すべての彼方で攻防は続いた。
 宇宙を消し、再度作り、時間を加速し、世界を何周も飛ばし、また戻し。
 永劫とも一瞬とも思える戦いの果てに、究極の一手がついに指された。
 ルゥミの手は因果律操作の果ての奧の手、「最初からあたいの方がつよかった!」

 ‥‥‥そして。

 全ては巻き戻り、夢のような冒険は本当の夢に。
「あれ? あたい何してたんだろ‥‥そっか! 朝ご飯食べようとしていたんだ! ご飯ご飯!」
 何ごともなかったようにルゥミの一日はまた始まった。
 全ては元通り、遠き神話は神話のままに、泡沫の夢となったのである。