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■オープニング本文 「へえ〜。南那で『香陽杯記念競馬』ってゆーのがあったんだ〜」 神楽の都、「珈琲茶屋・南那亭」で深夜真世(iz0135)がほかの店員と話している。 どうやらこの秋、泰国南西部の南那で、領民全体で収穫する珈琲の輸出事業振興を記念した競馬があったらしい。内向的で閉鎖的であった南那の開かれた外交の象徴とすべく、騎手は開拓者ギルドから募集されたことで「珈琲流通開拓者」の称号で知られる南那亭の店員も数人出場していたのだ。 「‥‥いいなぁ」 龍やグライダーとは違う、大地を飛ぶような加速。 蹴り脚の震動は力強く、人馬一体となりはじめて伸びる感覚。 舞い飛び散ってくる草や土は、戦っているという実感。 何より、風だけではなくあまねく自然と溶け込んでいる、そんな喜び。 騎手の誉れと充実感は、龍がもてはやされる中でも確実に息づいていた。 「私もお馬ちゃんに乗りたかったなぁ」 真世はテーブルに両肘をついて頬を包みこんで、ほうっと溜息をつく。瞳はまだ知らぬ感覚に酔いしれているのか、熱を帯びて色っぽい。 ここで、志士の海老園次々郎(かいろうえん・じじろう)が来店した。 「‥‥何だかなぁ」 珈琲を注文したところ真世の様子がおかしいので事情を聞いたのだ。 「だったら、たまには開拓者ギルドを覗いて見ることだな。安須大祭で『安須杯競馬』ってのがあ‥‥」 「ホント?」 次々郎の言葉に目を輝かせる真世。 「待て」 これを、びしりとした言葉で止める次々郎。曰く「真世。お前、勝つ自信はあるのか?」。 「えへ☆」 彼女の笑顔は無邪気なものだ。勝つ自信があればこんな笑顔はすまい。 「今回は紅白戦の得点も絡んでくる。‥‥自分だけの個人戦じゃないから、無様な姿をさらすと後がひどいぞ。悪いことは言わん。観戦して勝馬投票券を買って当てる方を楽しめ」 「わ、わかったよぅ」 次々朗の剣幕に、しぶしぶ納得する真世であった。 そんなこんなで、「安須杯競馬」に出走する開拓者を、求ム。 出場者は、馬を選んで基礎能力値10を速度・根性・馬力・気性に振り分けることで馬選択をして名前をつけ、逃げ・先行・差し・追込から戦法を選んでレースに臨む。紅白戦の得点となるので、紅・白どちらの陣営かも明記する。 安須杯競馬の出走枠は、9枠。 優勝者には称号の誉れと、副賞の各種ボーナスが。2位にも各種ボーナスが贈られる。 |
■参加者一覧
皇 りょう(ia1673)
24歳・女・志
新咲 香澄(ia6036)
17歳・女・陰
龍威 光(ia9081)
14歳・男・志
ケロリーナ(ib2037)
15歳・女・巫
唯霧 望(ib2245)
19歳・男・志
アリス・スプルーアンス(ib3054)
15歳・女・吟
禾室(ib3232)
13歳・女・シ
リュミエール・S(ib4159)
15歳・女・魔
シルビア・ランツォーネ(ib4445)
17歳・女・騎 |
■リプレイ本文 ● 「す、すご〜いっ!」 安須大祭で盛り上がる地域の外れ。そこにある練兵場で多く観客に混じり深夜真世(iz0135)が目を輝かせていた。 その視線は、左から右へ。 回した首の先を、騎馬の集団が最大戦速で駆け抜けた。ドカカッ、と地を揺らす音は迫力に満ちている。 「これが、競馬‥‥」 その日は多くのレースが組まれていた。今のは、一般の騎手たちのレースだ。 「乗ったらさらに分かるぞ。周囲の応援の声と、熱い興奮、お馬の背中の温かさ‥‥ケーバとは面白いの!」 真世の隣にいた禾室(ib3232)もニコニコだ。 「乗馬はあまり経験が有りませんが、やるからには上位を目指しましょう」 真世の反対の隣には、唯霧 望(ib2245)がいた。南那亭で、一緒に働く真世と禾室の話を聞き、では私もと参加した。 「競馬? ええと、つまり競争かつ娯楽である、と」 当初はこの程度の認識であったが、実際にレースを見ると常に落ち着いている彼の表情にぱあっと光が差した。望、相変わらず異国文化というか、自身に馴染みのない文化に触れるのが大好きであるようで。 「やっぱり競馬は素敵ですの☆」 望の隣にいるケロリーナ(ib2037)といえば、こちらは表情に光が差すどころか緑のおめめをキラキラのきゅんきゅん。どーも興味津々のようで。 「さぁ、そろそろ準備する時間だよっ!」 そこへ、新咲 香澄(ia6036)がやってきた。 「もうみんな馬の方に行ってるよ。まずは相棒探しから。頑張るぞっ」 出番はまだかなり先だが、馬を選んで慣熟しないといけない。 早速、厩舎に移動する開拓者たち。 「お馬さん、一杯ですねぃ〜」 きょろきょろするのは、龍威 光(ia9081)。背が低く、空を眺めたりお菓子にご執心だったりと少年的ではあるが、体は鍛え抜かれている。 「はわぁ〜、可愛いですねぃ♪」 じっくり選ぶ光。 「わしから見るとお馬はかなり大きいので迫力があるというか‥‥ちょっぴり怖いのじゃな」 「禾室さんにも怖いものがあるんですね」 禾室と望は会話しながら。 「へえっ」 香澄は、一頭の馬に目をつける。 「歩くリズムが弾むようで特長的だけど、気性もよさそうだし、何より柔軟そうだね」 満足行く馬と出会えたようだ。 「けろりーなはお前に決めたですの☆」 ケロリーナも同様に。馬体を撫でてやったりとかいがいしく世話をしだした。 ● そしてレースは近くなる。 「そろそろ準備を‥‥。ってこんな服を着るんですか!」 更衣室からアリス・スプルーアンス(ib3054)の声が響く。 そして出てきたのは、「珈琲杯記念競争」勝利騎手の皇 りょう(ia1673)。今回も無駄なくぴっちりと体に密着する「競馬勝負服」に身を包んで颯爽と‥‥。 「あ、りょうさ〜ん。って、あれ?」 「‥‥いや、真世殿。流石に、この『勝負服』にも慣れた」 一瞬恥ずかしそうに身をよじったが、体型がもろに出てしまう服を堂々と着こなしている。そこへ、盛り上がる観客の声が遠くから聞こえた。薄く笑むりょう。 「私の武人の端くれという事か」 あくまで大勝負を控えているというという、本分に立ち戻った表情だった。 と、ここでアリスも出てきた。顔が赤い。 そっと、自らの胸元を見る。 (胸‥‥揺れるでしょうねぇ) どどんと普段より存在感を示すふくらみ。このときばかりは恨めしいようで、しょんぼり肩を落とす。 そこへ、ツインテールの金髪がふわっと揺れて行った。 「まったく。どうも最近騎士といえばアーマーってイメージが先行しがちなのよね」 ぶちぶち言いながらカツカツと歩を進める。シルビア・ランツォーネ(ib4445)だ。 「ちょっと待ってよ、シルビアったら」 シルビアを追うのは、リュミエール・S(ib4159)。 「馬での勝負なら負けないぞ」 さらに声を掛けるとぴたとシルビアが足を止めた。ふふん、と金髪を肩の後ろに流す。 「本来、馬術も騎士の領分‥‥。ランツォーネ家に伝わるパパ直伝のジルべリア馬術、とくと見せてあげるわっ!」 凛々しく気高く言い放つ。 「私のシルヴィーは負けないからね〜」 一方、リュミエールは嬉々として肩に手を掛けほっぺたをぷにぷに寄せてくる。彼女の方が背が低いのでべったり密着状態とも言うが。 「な、何気安く私の名前を呼んでんのよ。しかもいつ誰があんたの‥‥」 「痛い痛い、冗談だってば。今のは馬の名前で、正しくはシルフィードね」 寄せたほっぺの逆をぷにもにとつねられ慌てるリュミエール。‥‥若干うれしそうなのは、なぜ? 「‥‥それにしても、何と言うか‥‥華やか、ですねぇ」 親友というか悪友というか、そんな二人を見つつ望がつぶやく。女性だらけの競馬大会の様相を示しているからではあるが。青地の勝負服をぴちっと着こなす折り目正しい青年らしく、気後れしているらしい。 って、ちょっと待った。 「さあ、がんばりましょうねぃ」 皆を誘って馬のそばで昼食を取っていた光が、腹ごなしに馬を引き始めた。見た目微妙だが、彼も男性ですっ。 ● 「さあっ、これが本日の目玉競争、『安須杯』の出走表だよっ。張った張った!」 レースが近くなり、開拓者がコース内部の練馬場に姿を現すと予想屋を中心に活気付き始めた。 出走表は、外枠から順に以下の通り。 (枠/馬名/騎手/予想戦法/紅白下が内側となる。枠順は抽選結果による) 9/ナギ/唯霧望/先行/白 8/ツァーリケロリン/ケロリーナ/先行/白 7/クレナイモミジ(赤毛)/禾室/差し/紅 6/フチュウフェスタ/アリス/差し/紅 5/マルス/龍威光/差し/紅 4/シルフィード/リュミエール/先行/紅 3/白拍子号(白毛・牝)/皇りょう/差し/白 2/イースタンスカイ(鹿毛)/新咲香澄/先行/白 1/サンライトハート(栗毛・牡4)/シルビア/差し/紅 ふーん、とこれを見上げた真世。ぽつりとつぶやく。 「へえ〜。珈琲杯で勝ったりょうさんは内で、2着だった禾室ちゃんは外なのね」 この声に、ざわっ、と一斉に振り返る来場者たち。 「え? えっ、何?」 びくっと身を縮める真世だが、もう遅い。読みにくい勝負の中、りょうと禾室に人気が集中したとか。 そして、レースが始まる。 ● (逃げ馬不在‥‥) カ・カッとフチュウフェスタの向きを変えながら、アリスがつぶやいた。長い金色のツインテールが風になびく。 (まずはゲートですね‥‥良いスタートが切れるように) 白い面立ち、青い瞳にもう羞恥の色はない。6枠の定位置に収まりながら集中し、展開の想定に余念がない。 「まったく、力の手綱が駄目だなんて」 サンライトハートを操り最内枠に収まるシルビアは、ちょっとツン。アイテム「力の手綱」を有効利用しようと思ったが、公平を期して追加装備は認められなかった。 (でも、パパ直伝の馬術をもってすれば) きっ、と前を見据える。 ――パパパァパァ〜ン♪ ここで、開始前の楽隊演奏が流れた。ざわめく観客。一気に緊張感が高まる。 そして、ゲートが跳ね上がったッ! 安須杯競争、ここに火蓋が切って落とされた。 各馬一斉のスタートはきれいに決まった。 内からシルビア、香澄、リュミエール、アリスのスタートが鋭い。が、緩やかに下げるシルビアとアリス。 外からはケロリーナと望。特にケロリーナ騎乗のツァーリケロリンが良い足を見せ伸びる。 「かえるさん大好き〜♪」 とはケロリーナ嬢のレース前の一言。気合が入っているのか否かは謎ながら、とにかく絶好調か。ちなみに白と黒のツートンの勝負服を着用。縦巻きロールのツインテールがゆんゆん揺れる姿とあわせ、シックでキュート。 ここで改めてコースを見る。 全体はトラック状で、反時計回り一周。スタートは観客席前を長い直線で走り、再びこの直線のほぼ最後までを走りきる。長い距離である半面、頭数が少なく幅が広いので馬群れに沈む危険は低く、馬の実力が試される仕様となっている。 「手応えは、いいですね」 静かに面を引きしめるのは、望。騎乗するナギの蹴り足が力強い様子。スタート直後の上り坂をものともしない。瞬発力はないが、手堅く前に食らいついている。 その前。 「さぁ、スカイ行くよ。先行の王道的レース展開で勝利を目指そう」 好位置から飛び出した香澄は、理想の位置取り。慌てることもない。 と、先頭は今、香澄からケロリーナに変わった。 そして、香澄の後ろにはリュミエール。 「よしよーし! 好調っぽい、行こうか!」 前にシルビアがいないこともあり素直に良い気分か。 ともかく、先行組は長い直線もあり第一コーナーまでに理想的な位置に付いた。逃げ馬もいないので手堅い展開となっている。 ● 一方、差し馬組は目には見えない駆け引きの戦いを繰り広げていた。 「皇さんの後ろにうまいことつけたですねぃ」 光は、珈琲杯勝利騎手のりょうをマークした。りょうは、珈琲杯と一転、先行しない。戦法も相まって自然に第二集団先方に付くことができた。 りょうは笑みを湛えている。白拍子から、気持ちよく走れている手応えを感じているのだ。 その、りょうの目の前には第二集団先頭のシルビアがいる。 「少し不格好だけど‥‥」 あぶみの位置を上げ、シルビア自身は腰を浮かし背中を丸め前傾姿勢で騎乗している。見た目若干不安定、というかお尻を突き出しているといえばそうなるわけで。ちなみに下半身はピッチピチの白いズボンで下着のラインが浮いていたり。ただし、馬への負担は少なくなるっぽい。 「後ろの奴ら、ヘンな目で見たら承知しないんだからねっ!」 ちら、と振り返る。 後ろは、りょう。 ほえ、と目を丸めるりょう。まあいいわと前を向くシルビア。 「よくわからないですねぃ」 りょうの後ろの光はシルビアの様子に首をひねったとか。 ともかく、光の後ろにはここまで下げたアリス、そして最後尾は禾室という流れ。 「苦しい戦いだが、信じてるぞ」 中段のりょうは我慢の競馬だ。 全体のペースはほぼ平均的。綺麗な隊列で第一コーナーから第二コーナーへと‥‥。 ああっと! 「えとえと、ツァーリケロリン?」 下り坂で、先頭、ケロリーナのペースが上がる。抜群の速度を誇るが、その分気分で走られているか。 ケロリーナが上半身を上げたことで、不本意なペースアップと後続は判断。ここは追わない。全体のペースに影響はなかった。 これは各馬、スタミナ差の出ない戦い。わずかに数の少ない先行馬有利の展開となった。 やがて、第三コーナーを過ぎて緩やかにコースは登り始める。 「距離が長くなるのは覚悟の上」 りょうの鞭が入った。馬を思いっきり外へと回しはじめる。 「囲まれるのは勘弁ですねぃ」 光は、何と心眼。位置関係を確認してからりょうを追う。 一方、最後方。 「ここが勝負所、頼むのじゃ!」 馬を気遣い鞭を嫌う禾室も、ついに追撃体制。 「自慢の脚を存分に見せなさいっ!」 ツンとともに鞭をかますシルビアは、見事な加速。前方が外へ回す間隙を突いて一気に前に。あっと言う間に先頭集団後方に食らいついた。 「勝負所とはいえこのコースの長い直線を考えたら最後まで持ちませんね」 最後尾となったアリスは、まだ我慢をする。とはいえ、置いていかれないよう注意を払う。 ● 舞台は最終コーナー。 先頭は粘るケロリーナに、ここまで上げてきたリュミエール。香澄と望もしぶとく続き先行馬健在。 「わわっ」 が、ここでケロリーナが失速する。 先頭集団から脱落すると、あっという間に後続にも捕らえられる。 そして、最後の直線ッ! 脚が溜まるだけ溜まった後続に本格的な鞭が入り、怒涛となって襲い掛かってきた。 「はっ!」 鞭と発破を掛けるりょうは大外から。 その内から鋭く光が抜ける。最軽量の禾室は気性の特に良いクレナイモミジと折り合い良くここにつける。 (前が開いた!後はこの子を信じるだけっ!) 最後尾だったアリスは、ルートに恵まれ一気に最短距離で伸びて来た。豊かな胸が揺れているが、それどころではない。 「ちょっ‥‥どうしたのよ、一体!」 ご乱心は、シルビア。 差しに絶好の位置につけ、ひたすら鞭であとは直線一気と思っていたのだが、がくんと手応えがなくなったのだ。 いや、シルビアだけではない。 香澄、禾室、リュミエールも失速した。どうやら上り坂が影響したらしい。逆に、りょうと望がものともしていない。 「負けないよ!」 根性の鞭は、香澄。馬との折り合いもいい。坂を苦にしない圧巻の伸びを見せるアリスが迫るが、勝負は前残り。 これは望のナギと香澄のイースタンスカイの一騎打ちだッ! 意地の張り合いはともに譲らず。鼻先、いや首の上げ下げの勝負かッ! 二頭横並びで今、ゴールイン。 間髪いれずアリスが入り、根性で粘ったリュミエールが続く。りょうと光のつばぜり合いは、最後に馬の首を押さえる技術で追いすがった光が届かず。馬力不足が響いた禾室が続き、速度に優れたがゆえに序盤の下り坂で疲弊する不運に泣いたシルビア、ケロリーナがゴールインした。 さて、優勝争い。 審判員の判定は、白、2番。 栄えある安須杯は、ハナ差で香澄とイースタンスカイ号に輝いた。 ● 「改めて、おめでとう。香澄さん」 控え室で、にっこにこの真世が香澄に抱きついた。「望さんも、おめでとう」と準優勝者にも。どうやら馬券で当たったらしい。 「ふふふー、どうだシルビア! 私が本気ならこんなもんよー」 リュミエールは悪友より好成績に、ここぞとばかりに抱き付いてもふもふもふ‥‥。 「鬱陶しいわね。珈琲が飲めないじゃない」 シルビアの方は鋭い眼光ながら、上品にカップを寄せつつぐぎぎぎとのど輪でりゅみさんを押し返し。 「真世もどうじゃ、珈琲が入ったのじゃ」 その珈琲を入れていたのは、禾室。持参した自家製用珈琲一式で共に戦った仲間をおもてなし。 「まあ、これも勝負。‥‥あ、すまぬが注文を頼む」 りょうさんは、出前を呼んだらしい。 「‥‥この上から下までを一通り持って来て頂きたい」 「んあっ! それじゃあ私は、これとこれとこれを五人前ずつ」 甘味と聞いて真世も無茶仲間に混じったり。 って、その請求はもしかして勝者に行くのでは‥‥。 「スカイ、よく走ってくれたね、ありがとう」 「調教師さん、『ナギ』の名前を私の龍にもらっても良いか?」 どうやらそそくさと避難し、馬との触れ合いなどを楽しんでいるようで。 「こ、これがオトナの味ですのね☆」 苦味に涙を浮かべて右目を閉じるケロリーナ。真世はこの反応に喜びお世話お世話。 「よく頑張ってくれました」 三位のアリスはフチュウフェスタを労っている。 「よくがんばりましたねぃ」 光は、マルスにごほうびのニンジンを。 「‥‥真世さん?」 後、真世に話し掛ける光。 「お馬さんに乗れないようでしたら、今度一緒に練習しませんか?」 ここに来て最初にしたように、目を輝かせる真世だった。 |