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■オープニング本文 前回のリプレイを見る 天儀の北部、理穴。 弓使いの氏族が祖となった国である。 東部の広範囲を魔の森に侵食されていたが、開拓者や七カ国連合軍によって大アヤカシ「炎羅」を撃退し縮小せしめたことでも知られるが、長い歴史を見れば随分と様変わりしている。森の住民と言われた理穴の一族も先述の魔の森の侵食により森を追われ西部平原への依存度が高まった。その平野部は隣国である武天の援護もあり治安を保ってきた。 今では、首都の奏生(ソウジョウ)が貿易都市としても栄えている通り、交易・交流は活発である。 その中には当然、泰国の商人・旅泰も含まれる。 「そして旅泰が拓いたのが、ここ『拳風(けんぷう)』なんだよ」 理穴の旅泰の町、拳風で南那珈琲通商組合の林青が誇らしく言った。 「ほへぇ。赤い色の建物が目立ったり、泰国風なのねぇ」 林青について歩いていた深夜真世(iz0135)がきょろきょろ見回して感心した。確かに泰国の町のような風景である。 「ただ、珈琲なんかは売ってない。住民の中には珈琲に馴染みのある者もいるだろうが、こんなところまで大量には運んでいない。まだ珈琲が商売になるとは思ってないはずだからね」 「でも良かった。ここなら安心♪」 「何が?」 真世の反応をいぶかしむ林青。 これに真世はごにゃごにゃと、「私、この国の出身で家出してきたから」とか打ち明けた。 「詳しい事情は知りませんが、旅泰をやってる身からすればその判断は正解ですよ。……それより、先ほどここは旅泰の町といいましたが、もう一つの顔があります」 「もう一つの顔?」 「ええ。こちらの方が今では色濃いですが……」 一呼吸置いて林青は「泰拳士が多く集まる町です」と言い切った。 「そして、腕試しの決闘の町でもあります」 「おっかないなぁ、もう」 「ま、無差別暴力の町ではないのでご安心を。腕試しをしようとする者の多くは、義侠心にもあふれていますから、弱い者には優しいです」 ここで安心して暮らそうとするなら、強さを見せないことと面倒ごとを察知する能力だとまとめる。 「そんな町で珈琲売って、難癖つけられないかなぁ?」 「許可はもらってます。難癖つけられたら、許可があると言って、一杯飲んでもらうことでしょう」 「は?」 真世、きょとんとした。 「難癖つけてくるのは、実力主義者です。許可があるという言葉より、美味い一杯に納得してもらった方が手っ取り早いです。何が起こるか分からないこの町でうまく珈琲を販売し認知度を上げるには、厄介ごとや突発事態を上手く活用することでしょうね。……さ、売り場の広場に着きましたよ。屋台の準備に取り掛かりましょう」 さあ、珈琲お届け隊☆の始動である。 |
■参加者一覧
紗耶香・ソーヴィニオン(ia0454)
18歳・女・泰
アーシャ・エルダー(ib0054)
20歳・女・騎
アイシャ・プレーヴェ(ib0251)
20歳・女・弓
唯霧 望(ib2245)
19歳・男・志
禾室(ib3232)
13歳・女・シ
ディディエ ベルトラン(ib3404)
27歳・男・魔
ジレディア(ib3828)
15歳・女・魔
泡雪(ib6239)
15歳・女・シ |
■リプレイ本文 ● 「よ、娘さん。変わった服着てどこに急ぐんだい?」 赤い壁に反り返る屋根の並ぶ大通りを駆けていた姿が、この一言で振り向いた。足元をぴょんぴょん跳ねて続いていた金色のもふら様もきききと止まる。 「この先の広場です。珈琲の臨時販売をするんですよ♪」 「珈琲販売するもふ〜」 振り向いた姿は深夜真世(iz0135)。そして足元のもふら様は、紗耶香・ソーヴィニオン(ia0454)の朋友、もふ龍。 ここは、理穴の片隅に旅泰が開いた町、拳風。真世の翻したジルベリア風のメイド服は珍しい。 「ぜひ、来て下さいね☆」 真世はウインクすると、沙耶香に頼まれていた買い物を両手に抱いたまま広場へと急ぐのだった。 「沙耶香さん、ただいま〜っ。言われたとおり、材料は手に入りやすかったよ」 「ありがとうございます。さて……今回も珈琲に合う料理を作りましょうかね☆」 「もふ龍も頑張るもふ!」 珈琲移動販売屋台に戻り、早速買い物を沙耶香に渡す真世。沙耶香はてきぱきと餡子やひき肉などを仕分けし、点心系の料理の準備をするのだった。 「旅泰の町ですからひき肉も手に入りやすいです」 「林青さん、水出し珈琲はどんな様子です?」 馴染みの町にうんうんと頷く林青を現実に引き戻したのは、泡雪(ib6239)だ。 「ああ。昼過ぎには出せると思う」 「味も香りも最高らしいですから、味にうるさいお客様に出してみたいです」 にっこり微笑む泡雪だった。 「純粋に一杯を楽しむお客様、スイーツと珈琲を楽しむお客様。いろいろ来るといいですね〜」 「珈琲お届け隊☆最終任務じゃ、気合入れて行こうぞ! ふぁいおー!」 泡雪の隣ではディディエ ベルトラン(ib3404)がコーヒー豆の香りを確かめながら呟き、その背後をメイド服姿の禾室(ib3232)がどたどた駆け抜け元気いっぱいにジャンプ。 「拳士の土地、ですか……」 ジレディア(ib3828)は、街の風景を見ながらぼんやりしている。 「決闘の町ですかー、なんだか暑苦しいですねー」 隣にアイシャ・プレーヴェ(ib0251)も来てこっそりと呟く。 「理穴は弓術師で有名な土地ですし、こういう場所があるのは少々意外です」 「でも、弓がとても上手い人ばかりじゃないし」 ジレディアが言ったとろで、そっと真世が寄り添って寂しそうに口を開いていた。 「理穴は真世さんの生まれ故郷でしたよね?」 「うん。家出しちゃったけどね」 アイシャに聞かれ真世はてへへ、と答えた。寂しそうである。 「え? 真世さん、も、ですか? どうして……」 思わず聞いたジレディア。そこへ、泰服姿のアーシャ・エルダー(ib0054)が登場した。 「勝負を挑まれたら断れないのが騎士魂。……というわけで、沙耶香さん。泰拳士っぽい動きを教えてください」 「ちょうど点心は蒸してますし泰国風で懐かしくありますから、少しだけ」 ほこほこ湯気の上がる蒸篭の前から泰拳袍姿の沙耶香が出てきて、たちまち「はいっ!」、「はっ!」など組み手が始まる。 真世は気を取り直しこの様子を見ていると、唯霧 望(ib2245)が隣に並んできた。いつもと同じく落ち着いた様子である。 「いよいよ珈琲お届けも最後。いつもとは少々勝手が変わりますが、悔いなく終えられるよう頑張りましょう」 望の言葉に三人は頷くと、「あ」と顔を上げた。 客が集まり出したのだ。 「いらっしゃいませ。珈琲茶屋・南那亭にようこそ」 声をそろえて接客に駆け出すお届け隊☆メンバーであった。 ● 「やはり珈琲に馴染みなく、見たことも無いものを口にしてもらうにはパフォーマンスで興味を持ってもらうのがいいみたいですね」 しばらく組み手をしていたアーシャが席を見回して言った。運動して頬はほんのり上気している。 「それじゃ、私は料理に戻りますね〜。もふ龍ちゃん。もふら饅頭を運んでね」 沙耶香は構えを解いて下がる。声を掛けられたもふ龍は「もふ龍饅頭もふ☆」と、早速接客に。 「たのも〜。そこのイケメン、私と勝負しなさ〜い!」 アーシャの方は、びしりと望を指差したり。 「美しいご婦人からの申し出とあらば、お受けしない理由がありませんね」 ふうっ、と望は溜息をつくと執事服のネクタイを緩め、一気にばさりと上着を跳ね除けた。するとその下から泰国風の上着を着た姿の望が現れる。すぐさま「はっ!」と塀に上がって立った。すでにアーシャもひらりと飛び乗っている。 「いきますよっ!」 「っ! なるほど、そう来ますか」 たちまち、左右に逃げ場のない戦いが始まる。アーシャが正拳突きから足元狙いの蹴りを放てば、望は突きをいなして三回転半捻りを入れたジャンプ回避。着地に詰めていたアーシャの拳を止め反撃の拳を出すと、これをアーシャに止められて。 「さすがです」 ぐぐぐ、と力比べをする最中にこっそりと囁くアーシャ。直後、ばっと離れる。いや、アーシャがすぐに飛んで空中から蹴りを繰り出してるぞ。 「くっ!」 ガードごと飛ばされる望。が、塀に片手を着いたまま伸身して横にある植木の幹を何とか蹴って、その反動で戻ってきた。 「ここで終わってしまうのは、貴女もご不満でしょう?」 涼しげに立ち微笑する望だった。 一方、下では。 「神楽の都で人気のコーヒー茶屋、南那亭です♪」 「以前、真世が『おいしいっ』と言っておった珈琲は確か……豆の大きさを揃えて、中間部分だけを注ぐのじゃったかの」 泡雪がいつも着なれたメイド服を翻し声を出して接客したり、今回は味で勝負と感じた禾室が厨房で難癖つけてくる相手のとっておき用の一杯の準備をしていたり。 そんな中、難癖を付ける客も。 「おい。ここで商売していいアルか?」 「あ、あの……許可はとっていますので……」 瞳を潤ませ上目遣いでおずおずと見上げ、珈琲を差し出すジレディア。 「ん……。ま、許可を取ってるんなら、な」 腕を組んで「ふん」とそっぽを向いていた客も、ジレディアの出した珈琲の香りに「ん?」と視線を戻す。結局、味で黙らせた。 「禾室さん、バッチリでした」 こっそり厨房の禾室に手を振るジレディアだった。 「ぷは〜っ、勝負のあとの一杯がたまりません。この苦味こそ闘う拳士に似合う味!」 「お見事な技でした」 アーシャは組み手を終わって珈琲を飲んでいたり。望はすでに執事服になって給仕している。 ところが。 「はん。本物でもねぇ茶番の戦いなんかすんじゃねぇよ!」 店の一角で、斜に構えた若者が声を上げるのだった。 ● どうやら若者、塀の上での手合わせに文句があるようだ。 「……アイシャ」 この一言に、アーシャが立ち上がった。 「やるんですか? お姉。やるからには私、手加減はできない性質……」 「いいから」 仕方なく、アイシャは前に出るとエプロン姿のまま凛とキューピッドボウを引き絞った。 どよ、と客がどよめく。 「はっ!」 何と、アイシャは一発放ったかと思うと後二発を連射した。本気のガドリングボウだ。 「く……」 アーシャ、これを何とか両手甲でいなした。「おおっ」と会場のどよめきが大きくなる。集まった客はこういう街にいるためか、目が肥えている。間違いなくアイシャが本気だったことを見抜いている。 そしてアイシャ、上手い。ガドリングボウは三連射と派手だが、実は威力と命中が落ちる。おかげでアーシャ、矢の先に布が巻いているという特殊形状も手伝いアイシャの矢を捌き切った。 「まだ!」 ところがアイシャの本気はこんなものではない。 六節ですぐに次の三本が来たのだ。さすがに焦りの表情のアーシャ。苦しい態勢で避けきった。 「まだまだ!」 さらに六節でガドリングボウ。 「くっ、さすがは我が妹、なかなかやりおる〜」 最後の一本だけは両手で捌くことも避けることもできず、右上腕の服を裂いた。刺さってはないが肌は傷付いている。言葉は余裕を残しているが、表情は厳しい。 「……お見事です。お姉」 アイシャが溜息をついたのは、九本全て狙いを変え、しかも最後の一本は一呼吸入れるというフェイントも交えた実戦射撃だったから。有利な条件で、直撃を一本も奪えなかった。 「いつまでも私より上に居て欲しいです、それでこそのお姉ちゃんなんですし」 近寄って抱き締めると、そっとそれだけ言うのだった。 しかし、これで店内の雰囲気が変わってしまった。 ● 「……ふん。珈琲とかいうの、もらおうか」 先の若者は納得したようで、素直に珈琲を注文していたが、問題は他の客だった。 「はい、どうぞ〜」 「おい。あんたもそんな痩せっぽちの青瓢箪に見せかけちゃいるが、できるんだろ?」 ひょろりとしたディディエが給仕したのだが、別の客から腕を掴まれてしまった。 と、ここで泡雪がやって来る。 「では、こちらでご自由に手合せしてください。10人抜きされた人はコーヒーを無料でお飲みいただけます」 「泡雪さん〜。妙に用意がいいですね〜」 困った顔をするディディエだが、目はあまり困った風ではない。泡雪の方も「ふふふ」とディディエの背中を押している。 「いいから来い。店員」 「それでは郷に入っては〜云々という言葉に従いまして、ええ」 そして喫茶敷地の前、5m四方を区切った即席の武闘場に二人が上がる。 「もし怪我をしてもわしが治してやる、安心してバーンといって来るのじゃ!」 「落ちたら負けですよ」 元気一杯の禾室の声援と泡雪の掛け声でたちまち激突する。 「お、っと。これは……」 「む。やりやがるな」 飄々と泰拳士の攻撃をかわすディディエ。どうやら運良く相手はちょっと本気の立ち合いを見て熱くなった程度の駆け出しだったらしい。魔術師とはいえ歴戦のディディエは何とか対応できている。 いや、なにやら悪戯っぽい笑みを浮かべているぞ? 「くそっ!」 何と。戦う二人の周りに冷気が立ち込めているではないか。 ディディエ。かわしつつ追い詰められているが、フローズで反撃していたのだ。 「ふふ……おっと。いけませんね、反撃しても押し返せませんでした」 そして、場外に足を踏み外す。 「畜生、体が芯から冷えちまった。熱〜い珈琲をくれ。10人抜きはまた今度だ」 ぶるっ、と体を震わせ降りる泰拳士の言葉ににやりとするディディエ。禾室に目配せする。 「カップも熱〜い一杯じゃ」 「点心もいかがですか〜。熱いですから気を付けてくださいね」 「もふ☆ 熱々でうまうまもふよ〜☆」 大きさのそろえた豆を使い器も先に温めておくなどした渾身の一杯を持ってくる禾室。そればかりか蒸篭を持った沙耶香もついてきて販売促進。もふ龍も愛想を振りまく。後の話だが、このパターンで売り上げを伸ばしまくるのだった。 「……」 「我ながら卑怯な気もしますが、卑怯も武のうちとか言いますから、はい」 呆れて物も言えない真世に、ディディエはにやりとそんなことを言って厨房に消えるのだった。 ● これ以降、屋台の前は大変な賑わいとなった。 「運動したら喉が渇きますよね? 当店自慢の美味しい珈琲はいかがですか?」 アイシャがにっこり笑顔で給仕をしている。 「そうそう。熱いのがいいとは限りませんからね〜」 その声を聞きながら、厨房ではディディエが少し冷ました珈琲を作っていた。 「……どうぞ」 「ああ、ありがとう。そら、お代だ」 ジレディアは、闘技場でへばっている客に応対していた。 その、しばらく後。 「あの、もう一杯どうですか?」 「や、さっきの売り子さん。そうだな、お代わりを」 「はい。喜んで」 おずおずと同じ客に聞いたジレディアは、上品で控えめな笑顔をした。 「お待たせしました」 「お。香りがいいね。……懐かしい。故郷の香りがする。しかもこの店の珈琲は特に美味しいよ。領主様が飲む上級の豆みたいだ」 「ありがとうございます」 この褒め言葉はさらにうれしかったようだ。ジレディアは表情を崩して、顔全体で笑顔を作り頭を下げた。それを見て客の方もまた、美味そうに珈琲を飲んでいる。最初の一杯はやや温めで苦味を抑えた珈琲。お代わりは、いつもの熱さで香りを強く出した、味と香りを楽しんでもらう一杯。思い描いた思い遣りは、最上級の褒め言葉をもらえた。 増えた客は、塀の上まで席としていた。 「どうぞ、お待たせしました」 そんな場所に、銀盆を持って軽やかに登場したのは泡雪である。さすがシノビは身が軽い。盆に載せた水出し珈琲をこぼすことなく給仕している。 「む、こりゃ特に美味い。アンタ、いろいろデキるねぇ。……実は強いんじゃない?」 ただ、これで絡まれてしまった。断ってもしつこく対戦を迫られる。 「仕方ありませんねぇ。仕事がありますので、50を数える間だけで」 そして、手合わせ開始。 「四十一、四十二……」 「くっ。どうして打って来ない?」 しかし、ひたすら回避する泡雪。 「五十。……お客様に手は出せません。でも、このくらいは」 ぴた、と止まった二人は、泡雪が相手の正拳突きを始めて右手の平で受けて、男の子の額に左手人差指を添えていた。 「ちぇっ。……せめて、アンタの入れた珈琲をもう一杯楽しむよ」 「ありがとうございます」 ふふっ、と笑って握手に応じる泡雪だった。 「商売にならぬと思うかも知れぬが、同じ料理を作っても料理人の腕や材料の良さで全然変わるもんじゃろ?」 その傍では、禾室が熱心に説明もしていた。 ● そして、日が暮れて。 「これで珈琲お届けも最後、ですね……」 大方片付けた広場を眼下に、塀に座った望が寂しそうに呟いていた。手にはかじった後のもふら饅頭がある。 「ここも結局、あまり難癖をつける客はいませんでしたね〜」 「でも、たくさん売ったもふ☆」 もふ龍を膝に抱いてぽり、とクッキーをかじってから沙耶香が言った。彼女は、失礼な客に一撃入れてのしていたのだが、同じ泰拳士は力量が分かりやすいのかあまり絡まれなかった。 「この町も楽しかったな〜」 「お姉はどの町でも楽しんでましたよ」 途中からメイド服に着替えて給仕したアーシャが塀に座ったまま伸びをすると、隣のアイシャがくすと笑った。 「そういえば真世さん、家出って……」 「うん。家に決められた人生がね」 聞いたジレディアに、真世はそれだけ呟いた。 「私は、好きな人を追って……」 「へえっ、そうなんだ!」 「夢を追いかけるのはいいことです」 ジレディアの内緒話に元気を取り戻した真世。そして、一人下にいた林青がよいしょと皆と同じ高さに上って言った。 「世界が、広がりますからね」 「そうですね。何事もやってみる、です。はい〜」 「もちろんこれからも世界を広げるのじゃ!」 「うふふっ。楽しそうでいいですね」 にこりとする林青に、ディディエが頷き、肉まんをほお張っていた禾室が転びそうなほど胸を張り、そんな禾室の背中を泡雪が支える。 「また、どこかに届けたいよね」 真世は言う。 拳風での販売は、いや、珈琲お届け隊は、大きな収穫と成功をもたらせたのだ。 |