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■オープニング本文 ここは天儀の……。 いや、場所は伏せる。 「ほうほう、幽霊温泉」 とある村の村長宅で、ガタイのいい武僧がニコニコして鯉の刺身に箸をのばしていた。 名は参帽(さんぼう)。日来密宗(ひらみしゅう)という、名も知られていない宗教の僧らしい。 はい。この村の奥の山にある秘湯で、温泉宿にしたのですが……」 村長は参帽に銚子を差し出しつつ話す。参帽、猪口で受けて「おっとっと」。 そちらの異国の方もどうですか?」 話を継ぐ前に、ひょいと差し出した銚子を横にした。 では、お言葉に甘えまして」 そこには、浪志組観察方のクジュト・ラブア(iz0230)がいた。現在、雲隠れをして浪志組の活動する神楽の都を離れている。隠密活動をするにも立場と面が割れてしまっているので行方不明の噂を流すためだったりするが、これは余談。 「どうかされました?」 「いえ……」 苦笑したクジュト、素直に酌を受ける。普段は座敷演劇のミラーシ座長として女形として踊ったり、宴席を盛り上げるべく酌をしたりしていたのだが、それを懐かしく思ったらしい。これも余談。 「とにかく、露天温泉の洗い場などで人が気を失って亡くなることがありまして、しばらく湯あたりの末のことかと気にしつつも放っておきました。しかし、これが何度も続く。老若男女が一度に六人も亡くなったこともありまして、これは妖怪『あかなめ』の仕業ではないかと」 「あいや、お待ちを」 ここで参帽、止めた。クジュトも山菜をつついていた箸を止めている。 「一度に、六人? あかなめは六体以上いる……いや、十数体はいると思われますが」 「はい」 村長、頷いた。 それが最後でした。……その事実を知った宿の者や宿泊客が錯乱し、首を吊って自ら命を絶った者も出たのです。その後、宿は荒れ放題。ならず者の盗賊が居着いたこともありますが、いつの間にか姿を消したそうでもあります。幸い、村からは遠い秘湯でのこと。今では誰も近寄らないことで落ち着いていたのですが……」 「山菜採りで近付く必要が出た、と」 あおった猪口を置いたクジュトが言った。 「はい」 神妙に答える村長。 彼らの前の膳には山菜料理が多い。 村に来たときに米の不作を聞いている。 今後一年、村は山菜に頼らねばならないのだ。 「温泉宿のあたりでも今後、山菜採りなどで近付く必要があります。ぜひ、秘湯の妖怪と、宿に居着いた幽霊を退治してくださいませんか」 村長、土下座してお願いするのだった。 |
■参加者一覧
葛切 カズラ(ia0725)
26歳・女・陰
エメラルド・シルフィユ(ia8476)
21歳・女・志
ニーナ・サヴィン(ib0168)
19歳・女・吟
リスティア・サヴィン(ib0242)
22歳・女・吟
リィムナ・ピサレット(ib5201)
10歳・女・魔
雁久良 霧依(ib9706)
23歳・女・魔
八甲田・獅緒(ib9764)
10歳・女・武 |
■リプレイ本文 ● 「ほうほう、ここですな」 目当ての温泉旅館に到着した時、参帽はまだ遠い位置で皆を止めた。宿は二階建てで、建物に植物が絡み随分と古びている。 「どうしました、参帽さん」 「いやあ、これはいますな」 聞いたクジュト・ラブア(iz0230)に、参帽が慎重に返した。 「なにがいるんですぅ?」 獅子の獣人、八甲田・獅緒(ib9764)がぴこぴこと獅子の耳を動かしながら聞いてみる。 「そりゃ幽霊に決まってるじゃない」 陰陽狩衣をきっちり着こなす葛切 カズラ(ia0725)が涼やかに言う。 「ふぇ? 温泉に入りにきたのじゃないのです?」 獅緒、言い切った。 「いいわね温泉♪ 色々楽しみだわ♪」 雁久良 霧依(ib9706)も長い黒髪を撫で付けながら白く細い首筋をさらす。 「まあ、女ばかりだしゆっくりとくつろげそうだな」 エメラルド・シルフィユ(ia8476)もそんな感じか? 「あの、エメラルドさん? 女ばかりじゃないけすけど」 クジュトが申し訳なさそうに口を挟む。 「……な! そ、そのようなこと私が気付かないはずがないだろう!」 「クジュトさんは女装してれば問題ないんじゃない?」 ちょっと間違えただけ、と言えない子たるエメラルドが顔を真っ赤にすれば、横からリィムナ・ピサレット(ib5201)が問題なさげにそんなことを。 「ま、女ばかりでもなく妖怪もいるんでしょ?」 カズラが冷静なツッコミ。 「アヤカシはちょっと怖いですけど、温泉は楽しみなのですぅー」 獅緒、状況を改めて思い出した。とはいえやっぱり温泉第一なのは、ぱたぱた振ってる尻尾を見れば分かる。 その横で、はあっ、と額に手をやりやれやれと肩を落としている姿が。 「それにしてもクジュトはなんでそう……妖怪ばかりに……」 リスティア・サヴィン(ib0242)だ。思えば何度妖怪退治につき合わされたかとかぶつぶつと漏らしている。 「あー、それより。……ほら。二階の窓から手招きしてますな」 妖怪退治にクジュトを巻き込んでいる張本人、参帽が話を変えた。見ていた窓を指差すことはしないが。 「ホントだ。あたしが先に旅館の周りをぐるっと回ってこれで調べてくるよ」 リィムナ・ピサレット(ib5201)が元気良く身を乗り出した。これとは、目に掛けた【片眼鏡「斥候改」】。彼女の製作した赤いレンズの片眼鏡で、瘴気などの流れが大雑把に分かるらしい。 「あ、用心してください。遠くを見ながら動いていると近くがおろそかに……」 「いいわ。私がついていってあげる」 気にしたクジュトの横から霧依が出てくる。 こうしてリィムナと霧依が周辺を回って偵察した。 ● 「温泉には瘴気反応がたくさんあったよ。後は……」 偵察したリィムナからの情報で、旅館に入ると散らばった。 「『一階には奥の方にいるようだよ』かぁ……」 リスティアがリィムナの言葉を思い出しつつ、ぎしぎしと床を軋ませながら一階の廊下を進んでいた。 が、いない。 「まさか幽霊を求めて幽霊旅館を彷徨うことになるとはねー」 ぎしぎしと歩を進める。 「先ずは幽霊からの掃除ね〜〜」 こちらは、カズラ。やはり幽霊を求めて彷徨っている。 「どこにいるか分からないんじゃ、肝試し感覚でいいか」 がら、と襖を開けて客間に入る。中にはちゃぶ台があるだけだ。湯呑みから湯気が立ち上り、座布団も敷いてある。カズラ、近付く。 「おかしいわ……」 ね、と言ったところで眉がぴくりと動いた。 ちゃぶ台の下から仰向けになった親父の顔が出てきたのだ。べろり、と赤い舌が出て下賎な笑みを浮かべる。視線はカズラを見上げたままだ。 つまり、下から覗いている。生足とかその上とか。 カズラ、す、と短銃「サイレントワスプ」を足元に構える! ――たぁん。 「ぱぱっとすませて温泉ね」 あっさりと幽霊を退治して浴場へと向かう。 こちら、エメラルド。 「どこにいるのか……」 幽霊を求めて徘徊していたが、どうも出会わない。 と、ここでぶるっと身を震わせた。どうも用事ができたらしい。 きょろきょろ周りを見ると、おあつらえ向きにそういう扉を発見した。 ちょうどいい、とあけたところ――。 ――ぶらん……。 天井から伸びた荒縄に首を釣った男が振り返るように回ってこちらを向いた。白目ででろりと赤黒い舌を垂らし、脱力した手足が揺れる。 「ひいっ!」 思わず悲鳴を上げるエメラルド。このままでは一方的に攻撃を受けて……。 「貴様ぁっ! 婦人用の厠で何をしてるかっ!」 エメラルドの義憤、大爆発! 「貴様のような奴は、貴様のような奴はっ!」 ロングソード「クリスタルマスター」で何度も何度もぶった切る。 「何やってるの、エメ?」 ここで、近くまで来てエメラルドの様子に気付いたリスティアがやってきた。 「ティアか、いま婦人用の厠に男の幽霊がいてだな。あまりにけしからんので息の根を……」 「ここ、殿方用じゃない?」 はっ、と見る。確かに扉には「男」と書かれていた。 「ぐ……す、すまん……」 自らの非を素直に認めたが、再びハッとする。 「い、いや。そうではなくてな」 「それよりエメ、すっきりしたの?」 エメラルド、真っ赤になった! 「そんな気も失せたわあっ!」 そして、獅緒。 「幽霊さん……アヤカシとわかっていてもドキドキしちゃうのですぅ」 耳をぺたんと倒して警戒しつつ、廊下を歩いていた。 そして二階への階段を発見。 「二階にもいるっていってたですぅ」 ぎしり、と階段に足を掛け、上る。 そこで! ――がたん、でろ〜ん。 上から逆さまになった幽霊が万歳した格好で獅緒の目の前に物凄い勢いで垂れ下がった! 「きゃぁ!? 幽霊ですぅ!?」 獅緒、あまりの恐ろしい形相に思わず目を瞑った! 「……って、アヤカシでしたぁ…」 思い直して目を開け、気付く。 無意識のうちに仏刀「烏枢沙摩」を握った拳を抉りこむように突き出していたことを。 幽霊、なぜか透過せずにぐにゃり、と顔をひしゃげてくたばっていた。 その形相の恐ろしいこと! 「ひぃぃっ! ……きゃぁ!」 再び拳をぶち込みノックアウトしたのはいいが、バランスを崩して階段を滑り落ちる獅緒だった。 「……親にも千尋の谷に落とされたことないのにですぅ」 激しく尻餅をついたが、無事。 二階には、別階段からリィムナと霧依が上がっている。 「……これでいいわ」 霧依、外に向かって手を振っていた少女の幽霊アヤカシに鋭い氷の刃を放って楽にしてやり振り向いた。 「敵は弱っちいね」 リィムナは隣の部屋だった。声だけ聞こえる。 「あら、お布団?」 霧依、リィムナのいる部屋に行って呆れた。 「ち、違うよ霧依さん。敷いてあったんだ。……その、部屋に入ったら男の幽霊が布団に入ってておいでおいでって」 布団の隣に座り掛け布団を手にしていたリィムナが赤くなって説明する。横に置いてある鑽針釘で幽霊を倒した後、布団をめくって確認していたのだが、これをその……いつものような……。 「おねしょしたわけじゃないんだ」 うふん、と霧依。 「違う、違うよ。……あっ、そこ危ないよ」 必死に否定していたリィムナ、近寄る霧依の足元を指差す。はっと気付いて止まる霧依。どうやら経年劣化で床が抜けかけていたらしい。 「ちょっと気分じゃなくなっちゃったかな」 霧依、いたずらしようとしたらしい。雰囲気を察していたリィムナ、ほっと安堵の溜息をつくのだった。 ● そして、旅館部分の捜索と幽霊退治は完了。ついに温泉に。 混浴、の暖簾のかかる部屋の前まで来た。 「アヤカシはちょっと怖いですけど、温泉は楽しみなのですぅー」 尻尾をぱたぱたさせて獅緒が目をキラキラさせている。 「湯気が廊下まで出てきて……。いい感じじゃない」 ちょうど温泉が恋しくなる時期よね、とカズラが長髪を撫でる。 「クジュト?」 「ええ。私と参帽さんは念のため、周りを張っておきます」 リスティアに見られてクジュトは参帽の肩をつかんで回れ右。 「ここで一緒に入ったら恋人に何言われるか知れませんからね」 というわけで、クジュトと参帽は姿を消す。 そんなこんなで、脱衣所は女性だけ。 「妖怪なんかが出るんだとあまり楽しめそうにないなあ…」 そんなことを言いつつリスティアが後ろ向きのまま脱ぎ脱ぎ。 「風情がないけど……」 ま、仕方ないわとかいいつつワンピース水着でヒップをまるんと包んで上げると、腕を通して肩にぱちん。くねっていた白い素肌の背筋は水着に包まれてしまった。 その水着と背中の隙間に、何か触手らしきものがずりりと入り込んで水着をずらす! 「ひいっ!」 「リスティアさん、だめよ〜。妖怪は背中を舐めるんじゃないかと思うからそんな水着はだめ〜」 びくっ、として胸を両手で隠して振り向くと呪本を手にしたカズラが妖しく微笑していた。長い髪が下の大切なところを隠し、呪本が胸元を隠している。その本から触手がうねうねと伸びていた。 「ちょっと、何よそれ」 「これ? 蠱惑姦淫蕩触手遊戯(しゅみのさんぶつ)って言うんだけど……」 奥義よ、とカズラに微笑されてしまいツッコミどころがなくなるリスティア。 「……仲間の方にトラウマを植え付けられそうね」 ずらされ下を隠す水着はそのままに、新たに胸にはたおるを巻いて隠し、しっかり背中は出すことに。 そしてカズラの視線が、今度は霧依に。 「ちょうどいいわね♪」 霧依は、ビキニ「ノワール」姿。一見、普段着からマジックローブを脱いだだけのように見えるが、くるんと振り向いた後ろ姿はTバック。着替えているのである! それはそれとして、伸ばした手の先をうっとり見詰めているのは、リィムナの制作したネイルリング「真紅」を観賞していたから。これで精霊魔法が使えるらしい。 次にカズラ、エメラルドを見た。 「しかし…アヤカシが出るとわかっていて入浴するのはこう…ゾッとせんなあ…。しかも剣も持ち込めんとは…心細い…」 カズラと違って便利武器はないようだ。ちなみに、水着に着替えている風に見えるが……。 「……着替えてね、エメラルドさん」 「みゅんっ! な、何をする、当たり前だ」 触手につるりん、されて振り向くエメ。涙目でカズラに主張し水着に見えていた普段着を脱ぐ。カズラ、満足そうに頷く。 「敵に襲われるのに無防備でいる事となんか覗きを待っているみたいで二重に落ち着かないというか…。 どうしても舐められなければ駄目か…?」 よいしょ、と下着風の普段着をレの字に曲げた足から抜きつつ弱音を吐くエメラルド。 「あたしはこうするから、エメラルドさんにも貸してあげるよ」 隣でリィムナがそんなことを。見ると、タオルに鑽針釘と呪星符をくるんで頭に乗せていた。 いや、そんなことより! 「ん?」 リィムナ、カズラの触手に気付いた。そして自分の姿を見る。 いま、彼女は水着「ピュアホワイト」を着ていた。リスティアのようなワンピースタイプだ。 「ひゃん!」 うに、と触手が背筋に押し付けられ敏感に反応するリィムナ。 「それだけ薄くて肌が透けそうならアヤカシも騙せそうね」 何より敏感みたいだし♪とカズラ。リィムナはセーフらしい。 それより触手は、くわっと隣の女性にくわっと迫った! 「女性ばかりなので混浴っぽくないな……きゅわぁっ!」 大きなタオルで胸から下をすっぽり包んで巻いていた獅緒がぴぴんと尻尾を立てた。 「獅緒さん、話聞いてたのかしら?」 カズラ的にはこちらがアウトで。触手で獅緒の肩をぺろんした。 「でも恥ずかしいですぅ……」 「いま自分で言ったじゃない。混浴っぽくないって」 獅子耳ぺたんとして恥ずかしがる獅緒に柳眉を吊り上げるカズラ。 「はいはい。こうすれば恥ずかしくないわよ」 リスティアが手伝い、腰巻きと胸だけ隠したスタイルの獅緒が完成。 「ぱぱっとすませて適度に……しましょ?」 「待て、カズラ。今、適度に何をすると言った?」 「まあまあ。ゆっくりしましょということでしょ、エメラルドさん」 「霧依? エメは、その『ゆっくり』がどういうものか確認したいんじゃないかしら?」 「霧依さん、リスティアさん、待って〜。……獅緒さんも一緒に行こう?」 「はぁい、リィムナさん。楽しみにしてた温泉ですよぉ」 というわけで、湯船へ。 「あかなめさんが綺麗にしていたというのも何か複雑な気分ですぅ〜」 どうやらとっても綺麗なようで。 そしてみんな仲良く並んでまずは体を洗うことに。 「…霧依さん柔らかぁい♪ ひゃ…そこはっ…んにゃああ♪」 リィムナたちはぎゅむぎゅむと洗いっこみたいだが。 瞬間! 「ひゃあん♪」 霧依の悲鳴。リィムナはぐったり。 もちろん並んでいる方も。 「ひゃう!」 獅緒の悲鳴。はらりとたおるが舞う。 「ぃやぁんっ!」 エメは自らの胸を抱くようにして上体をくねらせる。 「現れたわね! 蠱惑姦淫蕩触手遊戯!」 堂々と立ち上がり敢然と戦うカズラ。まるで英雄のような勇姿! ……武器はアレだが。 「エメ!お願い!!」 「こら、ティア。お前の手にしてるハリセンを使えばいいだろう!」 「盾にしてるわけじゃ……きゃーーーっ!」 ちなみにティアの悲鳴は、『魂よ原初に還れ』。仕方なくエメは裸のまま大きく蹴りを繰り出していたり。 「温泉を綺麗にしておくだけでとどめていればよかったのに、悪い子は退治しちゃうのですよぉ!」 獅緒は精霊力を込めて拳でずたーん。舌を出したあかなめの顔面に当ててそのまま体重を乗せて床に殴りつけた。腰巻きだけの格好で高々と後ろ足を上げた格好で。 「頭冷やして反省なさい♪」 「弱っちい……ゴミだね♪」 氷で攻撃した霧依がふぅ、と爪先の付け爪に意気を吹きかけ、リィムナは黄泉より這い出る者で迎撃。 2度3度舐められはしたが、一人二体三体をあっさり倒した。 ● その後。 「はふ、これで皆も安心して使えるようになr…ふぇ? タオル…ぁ、きゃぁ!?」 「あらあら。触手がいたずらしちっゃたわ」 「カズラ、獅緒をからかって遊んでるんじゃ……きゅぅん!」 「エメラルドも仲間にして欲しいみたいね」 そんな騒動を背に、ティアがふーっ、と脱力して湯を楽しんでいる。 「トカマクピネガントカマクピネガン、コクリちゃんになぁれ〜。……霧依さん。僕、ずっと貴女が好きでした☆」 「まあ、嬉しい。……あら、貴女リィムナちゃんね♪ 何度も親愛のキスしてるから分かるわ♪」 反対側ではリィムナと霧依が新たなプレイを開発したようでいろいろやりつつ熱烈なキスをしている。 そんなの無視して、ティアはぽちゃん、と腕を上げて肩に湯を刷り込むようにして堪能中。 平和である。 いい湯である。 クジュトたちも入ればいいのにと思っている。 が。 「ティア、一人だけずるいぞ!」 エメがどぱーんとやってきた。 「……やっぱりこうなるのね」 ティア、これはのぼせるわね、などと思いつつ巻き込まれるのだった。 |