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■オープニング本文 ――ぽろん、ぽろろん。 乾いた石の店内に、物悲しい余韻を引く弦楽器の調べが響く。 「マスター、ノスタルギアを」 カウンター席に座る吟遊詩人、クジュト・ラブアが店長のビオスに注文した。 「どうぞ」 「常連さん、増えました?」 「おかげさまで」 長い鉄製グラスを受け取り返すと、ビオスはにこりとした。 「何よりです」 グラスに視線を落とすクジュト。希儀産白ワイン「レッツィーナ」に桃の果実酒と赤いワインを加えた酒の色を楽しんでから、ちびりと飲む。 「一見客さんも多いですけどね。気に入る人はお酒はもちろん、演奏や雰囲気がいいって言ってくださるんですが」 「座敷で正座したり胡座をかくのが苦手な人はいますからね」 ぱきり、とピスタチオの硬い殻を割りつつクジュトが応じる。この店はもちろん、椅子とテーブルのみだ。履物を脱がなくてもいいという手軽さがある。もちろん、座敷でゆったりしたいという向きには天儀の飲み屋がいいのだが。 「クジュトの旦那、ここでしたか」 ここで、もふら面の男が来店し隣に座った。クジュトの手元を見て同じものを注文する。 「この店はいいですね。……特に、まだしがらみがなさそうだから秘密の話に向く」 もふら面の男、クジュトの耳に近付いてくすくす笑いながらつぶやく。 「ええ。しばらく、他のいつもの店だと私の動きを見られている節があったので重宝します」 クジュト、浪志組の監察方をしている。 浪志組設立時には、資金調達のため旅館の寄り合いなどに出向き出資をお願いしたり、浪志組が姿を見せることで飲み屋などに安心してもらっていたのだが、あまりに行動が見えすぎるのも問題だった。実際、クジュトはこの店には隊士服は着用せず、吟遊詩人として来ている。 「ただまあ、回雷さんや市場豊さんなんかは旦那の代わりに馴染みの店に顔を出してますが面白くなかったり『クジュトさんはどうしたんだ』なんて聞かれるようですけどね」 「ははは。酒は仲間と飲んで楽しいものですから」 「その点、うちは……」 ここでビオスが口をはさんだ。 「一人で来たり数人で来る客が多いです。そういう雰囲気を望んでのことでしょうが」 たまに客が少なすぎることがあって寂しすぎる雰囲気になることがある、と。 クジュト、改めてビオスを見る。 へへへ、と苦笑する顔は何かを望んでいた。 「分かりました。屯所やいつもの酒場で情報交換するのもいいですが、次はここでやりましょう」 しょうがない、とクジュトが心に決めたのは、浪志組隊士や監察方、いつもそれとなく協力してもらえる人からまちの情報提供をしてもらう会合のことだった。 こうして、情報を寄せてくれる人が募られた。 町を回ってみて「異常なし」でも重要な情報だという位置付けで、もちろん「こんなうわさを聞いた」、などの事件のきっかけになるかならないか判断つかないものでもいい。ただ単に酒を飲んだり演奏するだけでも、店の役には立つ。 |
■参加者一覧
樹邑 鴻(ia0483)
21歳・男・泰
海月弥生(ia5351)
27歳・女・弓
アルマ・ムリフェイン(ib3629)
17歳・男・吟
泡雪(ib6239)
15歳・女・シ
サラファ・トゥール(ib6650)
17歳・女・ジ
ケイウス=アルカーム(ib7387)
23歳・男・吟
庵治 秀影(ic0738)
27歳・男・サ |
■リプレイ本文 ● 希着風酒場「アウラ・パトリダ」の店内は、まだ開店前の静けさがあるようです。 カウンターの中で店長風男性が鉄のグラスを拭き、女性がテーブル席にクロスを敷いていたり。 その様子を、外から誰かが覗いているようですね。 「明るすぎるということもなく、暗すぎるということもなく……」 呟く女性は「南那亭めいど☆ 」こと泡雪(ib6239)です。 メイド服姿で窓から覗く背中。ふりん、ときつね尻尾が興味に揺れます。 ですが、おやおや。あまりに熱心なので背後から人が忍び寄ったことに気付きません。 「こんばんは」 「きゃっ!」 飛び上がる泡雪。振り向くと、黒い肌に銀の髪が目立つ女性がいました。 ジプシーのサラファ・トゥール(ib6650)です。 「ん?」 店内では、店長のビオスが外の様子に気付きました。女性店員のセレーネに声を掛けて、そして楽器をいじってるクジュト・ラブア(iz0230)にも声を掛けるのです。 窓の外では、あっという間に普段の落ち着いた様子に戻った泡雪とサラファが談笑しています。入り口に回って、改めて入店。 「いらっしゃい」 アウラ・パトリダ、本日も開店です。 うふふ、あははとカウンターに笑い声。 「入店しにくい雰囲気だったのかと思いました」 クジュトがレッツィーナと桃の果実酒を混ぜた酒「ネクタル」の杯を掲げて話を振る。 「新しいお店ですから、まずはどんな雰囲気か入店する前に確認してみたかったんです」 泡雪はそれだけ言って、ウーゾと桃の果実酒を混ぜた酒「バッカス」の杯を合わせて乾杯。 「それにしても、サラファ様は気配を消すのが上手ですね」 「ナハトミラージュを感付かれてしまってはジプシーとして辛いですから、そう言ってもらえるとほっとします」 おや。泡雪にそう振られたサラファはカウンターに入っていますよ? 抱えていた荷物を下ろして中身を出しています。食材みたいですね。続けて下ごしらえを。 「それにしても、サラファが料理上手なんて知らなかった」 「各地を転々としてましたからこのくらいは」 目を丸めるクジュトに、目を細めて答えるサラファ。 しばらくすると一見の客が入り始めました。もちろん、常連客も。 「いつものように、曲がいりますかね」 「クジュトが弾くなら、私も踊ります」 「それじゃ、後は任せてね」 クジュトが立つとサラファが追います。料理の続きは、セレーネが。 店内に、ゆったりとした楽曲が流れます。 クジュトの演奏に、サラファのしなやかな腕が伸び絢爛の舞衣が揺らぎます。 紡ぐ音は広い大地のような、流れる舞は緩やかな風のような。 「……あら」 ここで、爽やかな緑色の装備に清らかな金髪の女性客が。 海月弥生(ia5351)の入店です。 ● 「ふうん。石作りの酒場ね……。いい雰囲気じゃないの?」 「そうですね」 カウンター席に座った弥生は「ネクタル」に赤いワインを入れた「ノスタルギア」を飲みつつ呟きました。隣の泡雪も、ちびりとやりながら頷きます。 「弥生様は、希儀風のお酒にどんな食べ物が合うと思います?」 いま、つまみはピスタチオ。二人ともぱきり、と硬い殻を割って噛めば味わい深い豆を摘まんでいます。 「んーと……。小さなサンドイッチなんかどう?」 「それもいいですね」 そわ、と泡雪。落ち着かないのは、普段は店側だからでしょうか? と、ここで静かな拍手が。 クジュトとサラファが演じ終えたようです。 席を空けるべく動く泡雪。そのままカウンターの中に。代わってクジュトが弥生の横に着きました。 「よっ、久し振り」 この時、横からクジュトに話し掛ける男の姿がありました。 小麦色の肌で鍛え上げた体の頼もしそうな男は、泰拳士の樹邑 鴻(ia0483)です。 「訳あって、ちょいと離れていたが……孔雀流の方はどうなっている?」 「忙しくて稽古をつけにも行けない状態ですよ」 「そりゃいけねぇな」 鴻とクジュトの会話を聞いていた弥生が、はっとするのです。 「浪志組……」 誰にも聞かれないよう呟いて、酒をちびり。 弥生の脳裏に蘇るのは、いままでの依頼の中、裏で色々暗躍したこと、それなりに結果は出したこと、そしていつの間にか重苦しい何かを抱えてしまった心境になっていること――。 「弥生様?」 「ん? ……ありがと」 複雑な思いに沈んでいると、泡雪がミニサンドイッチをカウンターから差し出していました。隣では、同じく泡雪から「バッカス」に赤いワイン少しを混ぜた「エルピーダ」をもらい目を輝かしている鴻。 「それにしても、初めて見るカクテルが多いな、ここは。ここまで充実してるってのも凄いな」 「開拓者さんのおかげですよ」 鴻、一気に飲んで今度はネクタルを頼んでいます。えらく上機嫌ですね。ビオスはにこにことネクタルを差し出し。 そして、セレーネが首を突っ込みます。 「さ、アンタの言ってた料理、できたわよ。食べてみて」 ちょうど調理は終わったようで、サラファの前にとん、とんと皿を置くのです。 「皆さん、どうでしょう?」 改めて皆に勧めるサラファ。 そのメニューは。 ・刺身のオリーブ漬け ・豆腐のオリーブオイルかけ ・蒸し鶏と野菜のオリーブ風味 「ほーう、こりゃ美味そうじゃねぇか」 「わっ!」 クジュトは突然声がして飛び上がりました。 美味そう、と首を突っ込んだのは、はっきりした目鼻立ちにきりりとした眉。いかにも武将然とした庵治 秀影(ic0738)です。 「今日は盛況じゃねぇか、クジュト君。くくくっ、商売繁盛で良いこった。それじゃ、バッカス……って、早いな」 自慢の髭を撫でつけながら席に座ると、勝手知ったるビオスがバッカスとピスタチオを素早く出したのです。これには秀影、「さすがだねぇ」。 そんなしんみりする秀影の横では、早くも試食会が。 「どれもいいわね。……鴻はどうかしら?」 「刺身は定番で置けないでしょうが、美味しいですね。……鴻さんはどうです?」 「豆腐は常に手に入れば手軽ですよ。……鴻さんはいかが?」 弥生が、クジュトが、サラファが一人黙々と食べていた鴻を見て話題を振るのです。 「ちょっと待て。どうして俺にばっかり聞くんだよ!」 「くくくっ。鴻君が一番ガタイが良くって、一番食いそうだからじゃねぇのかい?」 食うのをやめ皆に噛み付く鴻を見て、秀影が静かに笑います。 「ついでに、そんなに飲んで大丈夫なの?」 さらに弥生のツッコミが入ります。 「ああ、どれも美味いよ。……ああ、ほどほどにしとくよっ!」 鴻はさっきから結構飲んでますもんねぇ。そんな様子を見てカウンターの泡雪はくすくす笑っています。 「カクテルに合う料理でこれからの季節ならば、裏ごしした野菜たっぷりの冷製スープなどいかがでしょう」 こと、と皿を出す泡雪。 「おっ、新しい料理かぃ。ほほっ、旨そうじゃねぇか」 「うん。美味しいですね、泡雪さん」 秀影やクジュトたちはおいしそうに冷たいスープを味わっています。 「それはいいけど、こっちに来てお酒飲んだら?」 「ありがとうございます。そうしますね、弥生様」 弥生が言ったのは、カウンターの中にいた泡雪が酒を飲みたそうにしていたから。 「くくくっ。見事に酒好きが集まったようだなぁ」 「あら。そう言いながら結構飲んでるじゃない?」 鴻がペースを落としつつも、少なくとも全種類を飲もうとしている様子を見て秀影が言うのですが、彼も普通に飲んでいるので弥生が口を挟みます。 「弥生さんもしれっと飲んでらっしゃいます」 「……悪酔い客用に一応、隔離室を準備していますが」 にこやかに杯を傾けつつ泡雪。サラファは万が一の準備をしているようですね。もっとも、言ったサラファも冗談のつもりで、皆もそのつもりで笑ってます。それに、サラファもそう言いつつおいしそうに飲んでますしね。 「そういえば秀影さんて、つまみだけでなくちゃんと料理も食べるんですねぇ」 「どうしてそういう言葉が出るか知らねぇが、どうしても味見してみろってんなら嫌たぁ言わねぇよ。……それより、何か困ってるんじゃなかったのかぃ?」 クジュトから振られ秀影が答えたところで、来客がありました。 ● 「クジュトちゃ……クジュトさん、お待たせ〜」 銀狐の耳が覗くブルーフェザーハットの顔を上げほくほく顔で明るく言うのは、吟遊詩人のアルマ・ムリフェイン(ib3629)です。浪志組隊士ですが、今は隊士服は着ていません。 「俺も寄らせてもらったよ。……ふうん。いい酒場じゃない。一曲演ってみたくなるね」 一緒にいるのは、同じ吟遊詩人のケイウス=アルカーム(ib7387)。どうやら途中で偶然一緒になったらしいですね。 「ケイちゃん、それは後だよ。僕はクジュトさんに噂話で呼ばれたんだから」 これでも僕、こういう立場なんだからねと、こっそり『鑑札「浪志組監察方」』を見せるのです。これに目敏く弥生が気付いたり。 「噂話? そういえば六日前かな。夕方、ちょっと妙なお客がいたんだ」 ケイウスが座ってネクタルを飲みつつ話し始めた。 「八つくらいで、赤い着物の女の子。俺が演奏してるの、じっと見てるんだ。酒場に子供なんて気になって声を掛けようと思ったんだけど、演奏を終えて一瞬目を逸らしたらもういなくて」 特に、顔つきが尋常ではなかったとか。 「……ケイちゃんも? 僕もその子、六日前の夕昏時の見回りに…。蒼褪めて何か探していたような、印象的なあの子。お婆ちゃんに話し掛けられて少し目を離したら、もう居なかった」 アルマも身を乗り出して不審な出来事を話すのです。 「特徴は同じだけど、同じ時間にまったく別の場所……」 アルマ、双子か何かかとも思うのですが……。 「その子、気配はしっかりありましたか?」 そういうことにはうるさいサラファも聞いてみます。 ここでアルマ、ピンと耳を立てました。何か思いついたようですね。 「ねぇ、ケイちゃん。足は見た? 見たのは夕暮れ。逢魔時とも言うしまさか…幽霊…」 「わー!なんにも聞こえなーいっ! ……って、痛っ!」 アルマ、とびっきり怖そうな顔でケイウスに迫るのです。ケイウスの方は幽霊が苦……こほん、思わずその気になって必死で両手で耳をふさいでカウンターの下に身を隠そうとして、頭ごちん。アルマの方は、肩の力抜けてくすくす笑っています。悪戯好きさんですね、もう。 「それはともかく、私の方は妙に落ち武者ぽいのが居たのを覚えているかな」 ちびりとやりながら弥生。依頼で行ったジルベリアから帰るとき、そんな不審な人物がいたとか。密航者かもしれません。 「人通りの多い所は、やはり要注意だな。子供のスリなんかは、思っている以上に厄介だったし」 鴻は上の空で酒をやりつつ、そんなことを。町をそれとなく見回ったとき、人通りの多い所でのスリを捕まえたという話に出くわしたようです。 「酔っ払い同士のいざこざもあったが、どこぞの婆娑羅姫みたいなのが出ていないだけ、まだマシってもんかもしれない」 さすがにこの時だけは頭を抱える鴻です。クジュトも眉間に指をそえてますね。 ● 「そういや、最近某所の串焼き屋台が出てねぇって噂を知ってるかぃ」 俺だって酒だけ飲んでんじゃねぇんだよ、と秀影が口を開きました。 「行きつけで独特な味付けで俺ぁ好きだったんだけどよぉ、味付けに使っていた材料が手に入らなくなったんじゃねぇかって」 アル=カマルで何かあったんじゃね、とも。 「カバブ、ですか。流通系ならともかく、一店単位だと……」 「ま、ともかくあの味がねぇ。店長、ここでも作れないかねぇ」 うーんと唸るクジュトですが、そんなことより食いてぇんだと秀影。 「まあ、努力はしてみますが」 答えるビオスの横で、セレーネが掲示板を掲げています。書いてある文字は、「豆腐のオリーブオイルかけ」など。 「お、いいじゃねぇか」 「魚などは入手した日に、ということなのでこれで報せればいいでしょう」 目を輝かす秀影。サラファは自ら提案した料理の採用に満足そうです。 「そういえば、『恨みの目安箱』というものの噂を聞きましたよ?」 掲示板を見て、ぽんと手を打ち鳴らして泡雪が言いました。 「なんでも、誰かに恨みをもっている人の前に現れる漆黒の目安箱で、そこに恨んでいる相手の名前と恨みの内容を書いた紙を投函すると、相手が恨みの内容に合わせた方法で殺されるそうです」 なんとも不気味な話のようです。 「くくく、人を呪わば穴二つ、って話もあるが、どうだろうねぇ」 「投函した人も死んでそうね」 秀影が笑い捨て、弥生が澄ました顔で長い金髪を払います。 「もしそうなら気に食わないな」 鴻はぱしん、と拳を手の平に打ち付けむっとしています。 「あくまで噂ですが、火の無い所に煙は立ちませんから不気味ですね」 「それは?」 うふふ、とグラスをいくつか出す泡雪に、クジュトが首を捻りました。 「いくつかカクテルを試作しました。飲んでみてください」 「では」 試飲するクジュトたち。 「ここは浪志組さんの行きつけですよね。さっきの目安箱じゃないですが、監視されてるなどで屯所に行けない人がこっそり『自分は追い詰められてます』と内密に依頼したがってることを報せるカクテルにできればと」 そう、泡雪が説明しているときでした。 「ケイちゃん。さっきの話のお婆ちゃんがね、梅干の漬け方を教えてくれたんだ。…出来たら、試食してくれる?」 「う、梅干!? …う、うん。楽しみにしてる、ね…?」 横でにこにこと、知ってて悪戯……もとい、自然な話の流れで梅干を勧めるアルマとケイウスの話が、クジュトたちの耳に入ります。 「名は行き詰まりの『XYZ』か『酔ひもせず』、もしくは前門の虎、後門の狼にかけて『虎狼』……」 泡雪はさらに説明しています。 「いいですね。じゃあ、酒は梅酒のカクテルで、名は『虎狼』。……希儀風の酒場に天儀風というのが、普通ではない状態を表してますので」 泡雪のカクテルから、梅酒を使ったものを採用するクジュトです。 「ねえ。情報引き換えみたいで何だけど、あたしも浪志組に入れないかしら。できれば、観察方」 ここで意を決したように弥生が先程自ら伝えた情報のメモを渡しながらクジュトに向き直ります。酒の話を聞いて面白そうになったのかもしれません。 「そりゃいいですが。でも、どうして?」 「まあ、今更宮仕えしてみるのも悪くない感じかしらね」 肩をすくめる弥生です。観察方については、副長にも相談するようです。 「ねえ、ケイちゃん。一緒に演奏でもしよう? マスター、いいかな?」 「いいね」 弥生の背後では、アルマがそう言って腰を上げてケイウスが乗り気で竪琴を準備しています。もちろんビオスは頷いてます。 「ああいう雰囲気です。気楽に行きましょう」 同じ観察方のアルマに視線をやりながらクジュトは言うのです。 とにかく、お店は料理と酒がさらに充実しました。 |