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■オープニング本文 「まずいで!」 武天山中のとある村で住民が鬼気迫る顔付きで訴えていた。 「今朝早く、森から鳥の群れが南に飛び去るのを見たでぇ」 「ヒヨドリとかそういうのか?」 地団駄を踏みそうな勢いの男を別の村人がなだめる。 「違う違う。いろんな種類が一斉に飛び立ったんじゃ」 「そりゃまさか、鬼来峠のほうからか?」 「鬼来峠?」 新たに首を突っ込んできた老人に、のんきに構える村人が聞き返した。「鬼来峠」なんていう地名は聞いたことがなかったのだ。 「七曲がり峠のことじゃ。下のもんは知らんじゃろうが、森の鳥が渡れば峠から鬼が来るっちゅう言い伝えが残っとるんじゃ」 老人がこたえる。下のもん、というのは村の入り口付近の集落を指すようだ。峠側、つまり上の者たちだけに伝わっているということではあるが、人々の記憶から薄れてしまうくらい鬼の来襲はないともいえるだろう。 「そんな伝説だけで判断しても……」 「いや、今年はおかしい。前々から峠の方まで猿が下りて来とったが、最近じゃ見掛けんなった」 例年なら、このころに餌を求めて動くので目撃例が多くなるのだという。それが、ない。 「あれらも賢いんで、先に逃げたか」 「もしくは、すでに鬼にやられた後か」 とにかく戦々恐々とする村人たちである。 「そういや、開拓者ってのに頼めばアヤカシ退治は万全とか聞いたなぁ」 「よし、そんじゃそれらに調査と万が一の退治を頼むで」 こうして開拓者ギルドに、おそらく峠まで出てくるであろう鬼退治依頼が寄せられた。より厳密には、鬼来峠周辺の調査とアヤカシがいた場合の退治ではあったが。 そして依頼を受けて現地入りした開拓者たちは思い知ることとなる。 状況はすでに進行しており、村人たちの危惧した通りに鬼アヤカシ20匹程度の軍勢が鬼来峠周辺をすでに活動圏域としているという事実を。 開拓者たちは鬼来峠、今で呼ばれる七曲がり峠の九十九折りで組織的に動く鬼アヤカシを叩くこととなる。 ちなみに峠の向こう側は長く山林が続いている。鬼は村側にしか来ないと見られ、逆に開拓者側が峠の向こう側に回り込んだり展開する余裕はない。村から登って峠の頂上に出るまでに鬼に遭遇する形となり、九十九折り道を登りつつの戦いとなることは必至である。 開拓者の奮戦が期待される。 |
■参加者一覧
凍也(ib8625)
17歳・男・サ
ユイス(ib9655)
13歳・男・陰
アーディル(ib9697)
23歳・男・砂
鴉乃宮 千理(ib9782)
21歳・女・武
戸隠 菫(ib9794)
19歳・女・武
ドロシー(ic0013)
21歳・女・武
夜辻・十字郎(ic0022)
26歳・男・騎
狗神 覚羅(ic0043)
18歳・男・武
草薙 早矢(ic0072)
21歳・女・弓
ルーガ・スレイアー(ic0161)
28歳・女・サ |
■リプレイ本文 ● 開拓者達は列をなして九十九折りの峠道を上っていた。 「ふむ。鬼どもがうようよと湧いてきた、か」 ルーガ・スレイアー(ic0161)がばさりと自分の金髪を振り整えて言った。風に乱れた髪を手櫛で整えようともしないのは、龍の獣人として風に戯れるのは自然であるからなのか。 「あぁ、鬼らしいな。自分と元々似たような存在らしい」 ルーガと並び先頭を行く凍也(ib8625)もぴりぴりしている。が、こちらは手櫛で髪を整えている。いや、角の古傷を触っているようにも見える。黒い頭髪の右半分が白いが、もしかしたら角がこちら側にないのが影響しているのかもしれない。彼が修羅と分かるのは、残った左の角によるところが大きい。 「まあ、道は一本で間の斜面に潜伏なんかはなさそうだから捜索は楽だよね」 先行前衛のもう一人、武僧の戸隠 菫(ib9794)が言う。好奇心が強いのだろう。青い瞳がキラキラしている。周りを見る左の目元に、泣き黒子。 「とはいえ、数も其れなりいる様子……早々に退治しないとね……」 「峠の鳥の伝承が残っていて良かった。……カグラ、あまり出るなよ?」 続く中衛。銀狼獣人の狗神 覚羅(ic0043)がぼそりと呟くと、鳥の獣人であるアーディル(ib9697)がやれやれといわんばかりに連れを心配する。 「調査のつもりがもうこんなところまで……まぁ、探す手間と移動距離が減ったことですしよしとしましょう、か……? 非常に戦いにくい場所ですが」 後衛にはエルフのドロシー(ic0013)がいる。 「……」 ドロシーの声に、中衛の位置にいる夜辻・十字郎(ic0022)が振り返った。 無言。 「ちょっと十字郎! いま、『この泥舟さんはその非常に戦いにくい場所で何ごてごて武器を持って来てるんだ』とか思ったでしょう!」 鋭い突っ込みに十字郎、うろたえる。 「まったく。いいこと? ぼーっとしてたら貴方も崖から落としますからね!」 「お嬢の矛はそういうつもり、か」 威勢よく言うドロシーの武器は、矛「天鈴」と宝珠銃「皇帝」。十字郎が内心突っ込んだ所以だが、彼女の戦術に関する言葉に納得する。もっとも、ドロシーの方は遠まわしに「頑張ろう」と言っているつもりなのだが。 それはそれとして十字郎、中衛の覚羅を見て最後尾にいる鴉乃宮 千理(ib9782)も見た。 二人とも武僧であり、銃を持っている。 「僧が銃を使ってはならない道理はないさね」 千理、十字郎の視線に気付きそんなことを言う。 十字郎、無言。 「銃を扱うお坊さん、かっこいいとは思わんかね?」 さらにそんなことを千理は言いつつ、鴉獣人の翼を動かしにまりと薄闇のような笑みを浮かべる。 その横で。 「本当なら大鎧を着て霊騎に乗って……」 弓術師の篠崎早矢(ic0072)がぶつぶつ言っている。こちらは、それっぽい格好が出来なくて不満のようで。 この時、前衛側から声がした。 「そうだ。ボクが『人魂』で鴉を作って飛ばして空から地形の確認と索敵をしておくよ」 修羅の陰陽師、ユイス(ib9655)が符「幻影」を構えていた。 「さあ、いって」 そして鴉を空に放つ。 これが、図らずも開戦の合図となってしまった。 ● ユイスの放った鴉は、一瞬にして石つぶてで消された。 「静かに! 鬼アヤカシ、すぐ上の段にいたよ。……それにしても、どうしてすぐに見破られたんだろう?」 「なるほど、峠の鳥の伝承か……」 首を捻るユイス。その様子を見つつアーディルは納得した。 鬼アヤカシが来たので鳥はほぼどこかに渡った後である。鬼アヤカシ、鳥を獲物としたか、それとも誰かの偵察と見たか。 「バレたのでしたらすぐに前進です。楽しみだなぁ……」 語尾を飲み込みつつ凍也が走る。 ここから展開が早くなるッ。 「鬼来峠とは良く言ったものだね……」 ユイスが呟いたとおり、敵の1小隊は峠道を下りて来ていま、カープを曲がり姿を現した。敵はどうやら「獲物がいた」程度の認識だったらしい。下りて来て開拓者を目の当たりにして驚きの表情を浮かべている。 いや。 いま、歓喜の顔つきに変わった! 鬼達も突っ込んでくる。 ――ひゅん、とすっとすっ。 と、その出足が止まった。 放物線を描いた矢が鬼の足元に刺さった。その数、二本。 「先手必勝」 後方では早矢が会心の面持ちで次の矢をロングボウ「流星墜」に番えている。 (此方が急な登り坂なのが幸いしたな。射角を上げれば、敵陣の後列に届く) 彼女のやや前方では十字郎が理穴弓で放っていた。 もちろん、前衛も黙ってはいない。 「一番槍は僕だ!」 この隙に魔刀「天津甕星」を抜刀した凍也が切り込む! ただ、斬り伏せる。 その一点のみを目的とした刃はしかし、敵の刃と激しく音を立てて合わさった。 ともに、一撃必殺のみを求め渾身の一振りを鏡映しのようにまったく同じ軌道で繰り出していたのだッ! 刀と刀の挟んでにらみ合う。敵の形相はおおよそ、人や修羅といった心を持った存在とはかけ離れていた。一目で異質と分かるほど。 「なるほど。修羅とは違いますが……斬り尽す存在としては近いですかね!」 凍也、とにかく前へ、の意気込みで押して敵の体勢を崩すと続けて袈裟に切り下ろし言い放つ。 無論、この一瞬の攻防は隙となっていたはずだ。 が、他の敵から横槍は入らなかった。 「どうした、かかってくるがいい……それとも、何の抵抗もせずなますにされたいのか?」 続いていたルーガが剣気をみなぎらせ得物の長巻「松家興重」を見せつつ、敵を冷たく睨んで威圧していたから。敵は一瞬怯むもすぐに動き出す。売られた喧嘩は倍で買うとばかりの勢いで! 「さあぁ、この新たな我が武器の威力……貴様らで試させてもらおうか」 ルーガも負けてはいない。すでに詰めてその一歩目をつぶしにきていた。横の凍也を気遣い、突き。 これで前が塞がった。 しかし、敵の運動能力は高い。 ルーガの横から強引に体を入れて敵が突破してきた。 ――ざすっ! そこにウィングド・スピアが伸びる。 「そんなにやられたいのかしら?」 菫だ。 武器特性を生かし、二列目から効果的な戦い方をしている。 戦闘の立ち上がりは、偵察から先に状況を知り敵の出鼻をくじいた開拓者側が流れを掴んだ。 が、出足の鋭さが次の悲劇を生むこととなる。 「やはり来た! 奇襲だ。気をつけて」 前三人の背後でそんな叫び声が上がる。 ● 叫んだのはアーディルだった。 同時にざざざ、と何かが大挙して滑り落ちてくる音。 そして開拓者最後方。 「突進して曲がってすぐを押さえたのはいいが、落差はなくなったので上から降りてきやすくなっている、ということか」 千理、この状況をしっかり見ていた。 そして飛竜の短銃で狙った。 敵の、着地して一瞬止まったところを! 「ガッ!」 見事命中し、さらに敵の動きが遅れた。 それでも中には素早い敵もいる。ぶうん、と金棒を大きく振り回してまずは混乱を撒き散らす。 「大丈夫。敵に仕事はさせないよ」 ここでユイスの袂が大きく振られた。 瞬間、霧状のどす黒い式が召喚されて敵を包み視界を封じた! 「切り裂いて」 さらに斬撃符。小さな鼬の式で追撃するユイス。 この時にはすでに他の鬼4体も動き出している。 「そうたやすくここを抜けられるとは思わぬことだ……」 前方側に攻めてきた敵には覚羅が襲いかかる。手にするショーテル「ズフル」を宝蔵院流に構え荒童子。爪のような精霊の幻影を纏い敵を掻っ捌く。にぃ、と不敵な笑みを見せるが敵二列目の一撃に仰け反る。 「カグラっ! 敵の数が多い、何とか……ぐっ」 荒童子で横に崩れた敵に魔槍砲「アクケルテ」の槍先を見舞っていたアーディルが戦友を気遣う。が、自らが口にした通り落ちてきた敵の数が多い。さらに5体が降りてきていたのだ。物量で負けている。アーディル自身も手痛い一発を食らうことになる。 敵はさらに5体が降りてきている。こちらは降下地点から後方に向かっていた。敵は前衛に5体、中央に15体だ。しかも指揮官がいて組織的に動いている。これは開拓者達にとって想定外だった。 ともかく、後衛側。 「今度は、本職をお見せしましょう」 ゆうらり、と十字郎が立ち上がる。敵がまず前方に攻めた隙に理穴弓を捨て、得物を破山剣とベイルに持ち替えている。 鬼、もちろん十字郎狙いで殺到する。 と、ここで銃弾が敵を仰け反らせる。 「鬼ごときにここを通すわけには行かなくってよ」 意表を突く形となった攻撃は、彼の後ろにいるドロシー。小型の宝珠銃「皇帝」を手に会心の微笑を浮かべる。 「足止めします」 リロードするドロシーを守るため、ベイルでがっちり守る十字郎。が、敵の圧力は強い。盾で攻撃を止めるもぎりりと押し込んでくる。ついでに大きく裂けた口から牙を覗かせギラついた表情を見せてくる。 (近くで見るとすげぇ怖ぇ!? 無理だろ、こんなのと友達になるの!!) おバカな考えを改めていた十字郎。もちろんこの隙を他の鬼が狙うがドロシーのリロードが間に合い格好の的となる。 「ぼやっとしてないで屈んで!」 さらに後方からは早矢の声。すぐに理解し反応した十字郎が屈むと、一直線に早矢の一撃が敵に立った。山なりで狙ったり一直線で射抜いたりと豊富な技術を見せる。 「……首を刈らせて頂きました」 この間隙を縫い、十字郎は上体を捻り逆手持ちで背中に隠し気味にしていた剣を走らせた。ブラインドでやや下から顎下のポイントを狙う一撃で敵を倒す。 しかし、この間にも次の敵が十字郎に襲い掛かる。ついにドロシーも巻き込まれた。敵の数が違うのだ。 「いかん。数的有利を作れ。敵を落とせ!」 千理が最後方からドロシーへの援護射撃をしつつ叫ぶ。 「とんだ戦闘ですわ」 ドロシー、ついに銃を諦め矛をぶうんぶうん振るいだす。 ● 「前が後になりましたが、こちらは任せてください」 敵を半数以下にした前衛で、菫が叫ぶ。 「すまない。斬って来る」 凍也、手短に礼を言うと取って返した。菫は敵の攻撃を両手で構えたスピアでがっちり受けつつウインクで送り出した。 (僕は、刃だ) 誰にも聞こえないよう呟き、瞳をらんと輝かせる凍也。 「ん? お願いします」 覚羅とアーディルの後方、その間から支援攻撃していたユイスが背後の気配に気付いて身を引いたぞ? そこから一直線、地断撃をぶっ放す凍也。 「愚か者どもがッ! 貴様らの相手は、この私だッ!!」 続いてルーガが咆哮。向かう敵を通す覚羅とアーディル。突出した敵に大きな胸を揺らし、ルーガのダウンスイング。凍也も切りつけこれで敵に止めを刺す。 一方のアーディルと覚羅は効果的に戦っていた。 「寺に篭っているよりはこっちのがやはり性にあう……寺を出奔した甲斐があったものだ」 乱戦の中、ショーテルを振り下ろす覚羅。その横からアーディルが前に出る。 「この破壊僧め」 二人で作る横一線のラインから突出しての、大きな横薙ぎ。多用した切り上げなどから変化をもたせる。 「確かに俺は僧席に身を置く立場だが……何を今更だよ」 アーディルの作った空間に今度は覚羅が飛び込み、戦友への反撃を狙う敵を突く。言葉はまだあったがそれ以上は言わない。伝わるだろう? とニヤリ背中越しに。 「お前がそれでいいなら、正しい選択だったんじゃないか?」 今度はアーディル、魔槍砲どーん。 これで二人で前進し、数匹の鬼はやり過ごす。 「どちらかが滅ぶまで、斬り合いましょう?」 後からは凍也の好戦的な声。 前衛側はこれで戦場の流れを完全に掴んだ。 一方、実は4人しかいない後衛側。 「十字郎! 落とすわよっ」 (本当に泥舟さんに落とされる) 矛を振り回し千理の言葉に従うドロシーと、ひたすら小さくなって隙あらば攻撃している十字郎がいた。 「狙いやすくはしてくれているか」 早矢、援護に懸命である。一見薄く細めた目は呆れているようでもあるが、普段から目はぱっちりと見開いているほうではない……が、半分呆れているかもしれない。 「武器を振り回すスペースは限られている。意外にいいのかもな」 最後方からも援護する千理はそう見る。 特にドロシーが烈風撃で敵をふっ飛ばしているのが良いと見る。 が、この三人の連携を見破った指揮官が十字郎を狙った。盾で止められつつも押し込み崖下転落させようとしたのだ。 「十字郎!」 「おおっ!?」 ざりりと落ち掛けるが剣を斜面に突き立て止まる。でもって強引に上がる。気力、気力、気力と、もう意地だけで這い上がる。 「ん?」 ここで、千理がとんでもないことに気付いた。 なんと、落とした敵2体が道の通り下から――千理の背後から上がってきたのだが、戦況の劣勢を見て引き返していったのだ。下に。村の方にッ! 「喝ぁ!」 千理、気合いの入った一喝で敵の足を一瞬止めた。 そればかりではない。他の者も事情を察した。 「ディル」 「よし」 これあるを期していた覚羅が思い切り良く崖に身を投じた。武器を突き立て滑落で速度減退を狙う。続いたアーディルも同じく武器を突き立て気力を込める。 「無茶をする」 千理の方は天狗駆で斜面を斜行し、敵の背後に。無傷で降りて敵の後背を取り銃を構える。 「飴玉代わりさね」 火を吹く朱藩銃。 そして敵の目の前に落ちた覚羅とアーディルが襲い掛かって全滅させた。 二人が上を心配し見上げると、鴉が飛び立っていた。 ユイスの人魂である。 戦闘は終わって、確認のため飛ばしたのだろう。 ● そして、村で。 「確認しましたが、もう鬼アヤカシはいません」 「汝等、運が良かったと言えるのぅ。獣達に感謝せよ?」 ユイスが胸元に自らの手を当てて礼儀正しく報告し、にまりと千理が僧侶らしく感謝の心を説く。 ところで、ルーガがにまにましているぞ。おっきな胸で男をからかうつもりだろうか? が、すぐに真面目な顔をした。 「どうしたの?」 「面白くない。行く前は私の姿にびびってたのに、今じゃ感謝して寄って来る」 側に来た菫が明るく聞くと、龍の獣人であるルーガは残念そう。 「まあ、鬼アヤカシは修羅とはまったく違ったな」 目の前では凍也が戦場の話を村人にしていた。横でうんうんと十字郎が無言で相槌。 「毎回このくらい早いと……え? 戦勝の宴でご馳走?」 ドロシーはつーんとしていたがご馳走の一言に顔を輝かせ早矢の裾をつんつん引っ張っている。 「わ、私も喜べと言うのか?」 早矢、面食らうが素直に喜んでおくあたり、何だかんだで周りに合わせるタイプかもしれない。 「また何かあったときは呼ぶといい 」 「また斜面を滑り落ちるつもりか?」 覚羅は村人にそんなことを言ってるが、横ではアーディルがあれはもうごめんだとばかりやれやれな様子。 とにかく、誰もが来たときよりも明るくなっている。 「まあ、久し振りに運動ができた」 それならそれで宴を楽しむまでと割り切るルーガだった。 |