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■オープニング本文 神楽の都の、珈琲茶屋・南那亭にて。 「クジュトの旦那、先の事件であの町の旅館の寄り合いに出資を取り付けたのはいいですが、人は集まらなかったですね」 アサシンマスクで口元を隠している、普段はもふら面を被っている男が言った。 いや、「失敬」と言うと、いつものこげ茶色のもふら面に切り替えた。早速、面を上にあげて口元を出し、南那産の「香陽」を味わう。そしてふうっ、と溜息。これを見て、対面に座るクジュト・ラブア(iz0230)は笑みをこぼした。 「なるほど、もふら面の方が都合がいいわけですね」 「よくできた面ですよ。‥‥それより、浪志組はまだ知名度が不足してますね」 クジュトに言われ、もふら面の男は肩を揺すった。笑っているのである。 「もの字さん、その知名度ですけどね」 今度はクジュトが話を切り出した。ずずず、と珈琲をすする。気に入ったのだろう、悦に入った表情をしている。 「まず形を作ったといっても、表向きは何をしているのかも分からない、じゃあ人は集まらないと思うんですよね。ですから、神楽の都を巡回すればどうかと思います」 「しかし、住民が不安に感じるんじゃないですかね? 何も起きてないのに見回りするってのは」 「いいんですよ」 もふら面の男の懸念を、一言で一掃した。 「どうしてです?」 「天儀の流儀だと、年の瀬ならそういう巡回があっても不思議ではないと聞きましたよ。それに」 「それに?」 ここでクジュト、間を置いた。くすっ、と悪戯っぽく笑う。 「真面目にする必要はないですからね。巡回とは名ばかりの、こちらの売名行為ですから」 「まあ、これからこういう人物が定期的に巡回することになるというのを知らせるのも手ですねぇ」 乱暴に、それでいて激烈に分かりやすく言ったクジュトに対し、もふら面の男は体外的に響きのいい表現で言い直した。 「ですから、むしろ私などが適任なんですよ。巡回道中に、歌なんかで交流していけば好感度も高い。腕は立つけど強面だったり無愛想なのばかりで回ると、それこそ不安に思われる可能性もありますがね」 「それなら、ミラーシ座で行くのが手っ取り早い」 「ミラーシ座は、浪志組ではないですよ。‥‥別団体なのは当然として、これから諜報活動をするならまったく関係ない組織の方がありがたい」 「でも、ミラーシの人が来たらどうするんで?」 ここでにやりとするクジュト。 「一座で舞台や宴席に立つときは多かれ少なかれ化粧をしてますし、衣装も違います。それに接する人種が違うので、まあ心配はありません」 「確かに、一般住民がお座敷芸なぞたしなみませんか」 もふら面の男、ついに納得する。 「注意点は、楽しく巡回することです。でないと安心や好感度アップなんかには繋がりませんからね。お店に寄りつつ、間食をしつつ、それこそ散歩をするように‥‥」 というわけで、楽しい年の瀬の巡回の始まりである。 参加者には、どういった場所や店を回って楽し‥‥もとい、どういった場所や店を回って安心してもらうか、どんな人とどうやって触れ合うかを話し合って実行することが求められる。一応、安全を守る姿勢を見せるため、クラスに関わらず刀などはこれ見よがしに帯びておく(もしくは携行品に入れておく)と良い。 |
■参加者一覧
露羽(ia5413)
23歳・男・シ
リエット・ネーヴ(ia8814)
14歳・女・シ
紅咬 幽矢(ia9197)
21歳・男・弓
ニーナ・サヴィン(ib0168)
19歳・女・吟
リスティア・サヴィン(ib0242)
22歳・女・吟
ナキ=シャラーラ(ib7034)
10歳・女・吟 |
■リプレイ本文 ● 珈琲茶屋・南那亭は今日も賑やかです。 「え〜。ミラーシ座の巡回じゃないの?」 いきなり唇を尖らせているのは、リスティア・バルテス(ib0242)です。 「いや、今回は浪志組ですから」 「じゃ、甘味巡りしましょうよ☆」 たしなめるクジュト・ラブア(iz0230)に、リスティアは一転明るく身を乗り出します。 「ふふ、お店を見て回るのが今からとても楽しみです」 「うめえもん食いながら見廻ればOKなんてナイスな仕事だな! クジュトの旦那、よろしく頼むぜ!」 傍にいた露羽(ia5413)が静かに目尻を下げれば、同じくナキ=シャラーラ(ib7034)がにこーっと元気な笑顔をします。 「年の瀬の賑わいっていいわよね♪ まぁ私は稼ぎ時だけど稼がないけれどね」 やっぱり同じ席に座るニーナ・サヴィン(ib0168)もウキウキ。吟遊詩人さんらしく賑やか大好きのようで。 「あら、ニーナ。それはもったいないじゃない?」 「こんな時期くらい家に帰らないと父さんが拗ねちゃうし……。クジュトさんも新年にはウチに遊びに来る?」 リスティアに問われ理由を話したニーナは、「いいこと思いついた♪」とばかりにクジュトの方を向いて橙の瞳を見開き覗き込んだり。すぐにくす、と笑って距離を取るあたり、風の妖精さんのように華やかで気紛れです。 「賑やかそうでいいですねぇ」 「おい……、ちょっと待て」 おや、この雰囲気にストップを掛ける人がいましたよ。 弓術師の紅咬 幽矢(ia9197)です。 「キミたち、これ仕事だからね? 何『天儀食べ歩きツアー』みたいなノリになってんの?」 引き締まった凛々しい面そのままに、真面目で強気な性格のようですね。 ここで、店員の深夜真世(iz0135)がやってきましたよ? 「わあっ、『甘味食べ歩きツアー』に行くんですか? 女の子ばっかり集まったらそうなっちゃいますよね〜。いいなぁ」 「甘味の好きな人に悪い人はいないわよ。ね。そう思うでしょ?」 「うんっ。思う思う〜」 「いや待て。ボク、男だから。って、人の話をちゃんと聞けっ!」 ぽわわん、と頬を染める真世に同意を求めるリスティア。この盛り上がりに幽矢の突っ込みはすっかり放置状態です。 「私も男ですが。……って、あの、遊ぶ事ばかり考えている訳ではありませんよ?」 露羽も突っ込むが、爆発した幽矢からは放置状態。 この混乱を余所に、とててっとクジュトに近寄る小さな姿があります。 「私、リエットなの。よろしくだじぇ! クジュトねぇ〜♪」 見上げてにこぱと笑顔を作るリエット・ネーヴ(ia8814)に、「ええ。よろしく」と返すクジュト。ところが、この様子に烈火の幽矢が気付き、詰め寄るのです。 「リエットは真面目に巡回するだろう? どこを廻りたい?」 「う? えっとね。私はね〜。……餌が食べられる場所がいいな♪」 リエット、屈託ない笑顔で幽矢の銀色の瞳を見返し言うのです。 「ああっ! なんでこういうのばかり集まったんだ?」 「喉が渇いても大丈夫で店の人と仲良くなったら情報も貰えるかもだじぇ!」 額に手をやり天を仰ぐ幽矢に、ぐっと拳を出して主張するリエット。幽矢は「お?」と見直したようです。 「じゃ、決まりだな。行こうぜ?」 刀身にヴェールを巻いて見えなくしたバルスウェンデンを背負い立ち上がるナキ。首に巻いた真っ赤なジン・ストールがなびいています。思わず真世もその様子に見惚れましたよ。 「どうだ真世っち、かっけーだろ! 帰って来たら熱いコーヒー頼むぜ!」 「うんっ。分かった。任せてっ」 「そーだ。可愛い店員さん、この辺りで美味しい甘味屋さんといえば?」 小隊仲間である幽矢の煩わしさを知っていたリスティアは無視を決め込んでいましたが、出発となると話は別。すっかりナキに乗せられ仲間気分の真世に聞いてみます。 「えっと、あっちにある甘味処の餡子と向こうの茶屋の甘辛煎餅はいい感じよ?」 「分かったわ。お土産、期待してて」 真世に手を振るリスティア。ようやく出発です。 ● 「おい、あれ。……なんなんだろうな?」 「旅芸人っぽいが、ただ者じゃなさそうだ」 「身分を隠すにしちゃ派手すぎるがなぁ」 クジュトたちが巡回する様を見て、道行く人々はそう囁き合っています。 それもそのはずですよね。 バラージドレスにハニーヒール、フェアリークロースをなびかせ歩くニーナは踊り子そのもので、バイオリン「サンクトペトロ」を持ったリスティアは奏者。一方で、黒猫の面を顔の横にずらして被る露羽や背中と脇に刀を差すリエットなどは楽師とはちょっと違うし。ジプシー装束のわりに身の丈以上ある刀を背負うナキと弓「緋凰」を手にし堂々歩く幽矢にいたっては明らかに武闘派の匂いがします。 と、その時でした。 「おんどりゃあ、どこ見て歩いとんならぁ!」 「ひいいっ。ごめんなさい」 「悪い思うなんら形で示さんかい。おら、指ぃつめちゃ……ガッ!」 ならず者と住民が揉めてましたが、突然ならず者が倒れましたよ。額には痣があり古銭が落ちています。 「まあ、こんなものでしょう」 「私たちは浪志組です。共に神楽の都を住みやすい町にしていきましょう」 古銭を投げた露羽がそ知らぬ顔をすると、クジュトが浪志組を声高らかに宣伝するのでした。 そして先を急ぎます。 やがて甘味処に来ました。 「甘味屋さんは基本よね♪」 うふふ♪と人差指を立ててニーナが暖簾を潜ります。 「はい、七人さんだね。いらっしゃい」 「う……」 店員に案内される間、リエットは客の服装や食べている甘味に興味を惹かれた風にきょろきょろしてます。剣を背負っているとはいえ、こんな小さな可愛い娘が無邪気な視線できょろきょろしているのですから、まさかならず者をチェックしているとは思われません。本人も途中から忘れてるくらいですから。 ともかく、席に案内されました。 「リスティア姉さん、何にする?」 「ニーナはみたらし団子? 餡子の団子も良さそうよ?」 「あ、そっちも美味しそう♪ でもこれも美味しそうだし」 リスティアとニーナが一つのお品書きを覗き込みながらきゃいきゃい話してます。 「これ、美味しそうじゃないですか? あ、きなこも……たくさんあって目移りしてしまいますね♪」 「そーよね、露羽さん♪」 「そうしてると若い娘そのものですね」 二人に露羽も交じってさらに華やかに。思わずクジュトが笑います。 「あたしは温かいものを頼むぜ! 何せ寒いからな」 「それじゃナキは甘酒?」 「あら、冷え性何か?」 「ニーナ、それで頼む。……動けば温かいが食えば心も温まるからな、リスティア!」 「そりゃそうだわね」 「そうだじぇ、リスティアねー!」 ナキの主張に納得するリスティア。動くことが大好きなリエットも元気いっぱいに同意します。 そして再び、がたりと立ち上がる男が一人。 「ねえ、なにこの流れ。ボクたちは甘味を食べに来たわけじゃ……」 「すいませ〜ん。お団子と甘酒、両方お願いしまーす♪」 幽矢が拳を固めて力説したところで、ニーナが手を上げ注文します。 「自腹? 自腹だよね?」 「いや、隊費で落ちますよ? 必要経費がどれだけ掛かるか確認するのも目的ですし」 思わず振り返った幽矢にクジュトはさらりと説明するのです。 「ちょっ、クジュト! あんたが甘やかしてどうする。ってコラァ! 聞けェ!」 「あー、皆さん騒がせてごめんなさいね。ただの見世物だから」 やれやれとリスティアが周囲に声を掛けたり。 「私たち、浪志組っていう治安組織なの。……え、知ってる? 話が早くていいわね♪ それじゃ、これ貼らせてくれるかしら?」 そんな騒ぎを尻目にニーナがこっそりと店員に「浪志組見廻実施店」の張り紙を出して交渉するのでした。 ● さて、再出発です。 「あ。リスティア姉さん、質屋よ」 「寄るの、ニーナ?」 「いろんな人が来るからこそ厄介ごとも増えるってものだしね♪」 「そうですね。寄りましょう」 下ろして波打つような金髪を揺らして駆け出すニーナです。 「これからこの強面のおにーさん達が街の治安維持の為ウロウロするようになると思うけど安心してね♪」 「何だよ。ボクのどこが強面……うぐぅ」 「……ほら。ちょこっとは愛想笑いくらいしなさい」 質屋の旦那と話すニーナに肘鉄を喰らう幽矢でした。 場所は変わって、呉服屋。リエットがとてて、と行きました。 「おや、お嬢ちゃん。お使いかい?」 あらら。店の旦那にお客様と間違われたようですね。これは不味いとリエットはきりっと面を引き締めます。 「う! 浪志組見廻りなの。今後共に、浪志組を宜しく〜♪」 「それはご苦労様ですなぁ。ささ、金平糖でも召し上がれ」 「おぉお! ありがとー♪」 旦那は、身を乗り出し喜色満面のリエットに気を良くしたくさん金平糖を渡しました。 そのころ、クジュトたちは。 「おっと。お嬢ちゃん、大丈夫でしたか?」 よそ見して走っていたちっちゃな娘が露羽にぶつかってしまいました。腰を落として立たせてやり、いろいろ話をしはじめましたよ? そういえば出発前に「街の事を良く知るのは大人ばかりではないと思います」とか言ってました。 「この辺りで怖い人に出会ったとかは、ある?」 「ううん、ないよー。それよりお兄ちゃん、どういう人?」 「悪者をやっつける浪志組ですよ。見廻り中ですが、こんなこともできます」 ちら、と仲間を振り返る露羽。すると皆が頷きました。 「歌や踊りがある街は平和な証拠ですからねっ」 クジュトが三味線を構え小気味良く陽気にかき鳴らし始めました。これにブレスレット・ベルの音が加わります。 「いつもはハープだけど今日は舞姫になるわよ♪」 ニーナがふわりと踊ります。 くるりと回るたびに見事な金髪が広がったり。 (舞うのは、好き) 思っただけですが、観衆に伝わってるようですね。どんどん人の輪ができてます。 「浪志組の巡廻です。何かあれば今後とも呼び止めてください」 ここぞとばかりに声を張るクジュト。音楽はバイオリンを構えたリスティアが自然に流れを引き継いでいます。今度は糸を引くような、長くて表現豊かな旋律が流れます。 「踊っちゃいるが、腕は確かだからな!」 舞のほうはナキがヴェールに包んだままの大剣を振るいジプシークロースをひらめかせ、勇壮にやってます。おや、ここで露羽もブレスレット・ベルを鳴らしながら入ってきました。たちまち二人できりきり回りながら戦うような踊ります。観客もリズムが分かってシャンシャン手拍子。リスティアのバイオリンは一転、キュッキュと小刻みになってます。うまく観客を乗せてるようですね。 あれ? 幽矢は浮かない顔をしてますね。 「ふん、不真面目な……」 彼は、真面目です。 今回の巡廻も、武道を志す者として毅然とした態度でするつもりでした。 それが町の平和を守ると信じて。 ところがどうでしょう。 仲間はこれまで一貫して武道とは無縁の振る舞いをしていますが、集まった人々の笑顔は平和な町にふさわしいものばかりです。 「まあいい、ボクは浪士として恥じない働きをするまでさ」 「貰ったじぇ♪」 つん、とそっぽを向いたところで、呉服屋から戻ってきたリエットが金平糖を差し出しました。 「え、何これ甘味? い、要らないっ!ボクは民の平和を守るためにだね……」 再度つんすると、リエットの見上げる顔が翳りました。もしかしたら、不安な町でよく見る顔かもしれません。 「ま、まあそうまで言うなら」 何も言ってないリエットから金平糖を貰う幽矢。リエットの顔ににこぱが戻りましたよ。 「美味しい」 ぱくっと一口放って、しみじみ言うのです。もしかしたら、精神的敗北をすでに認めていたのかもしれませんね。 「……にでもお土産で買ってあげようかな?」 「やー、面白かった」 ぼそりと呟いたところで、うーんと伸びをするリスティアたちが戻ってきました。舞は終わったようですね。 「お? 幽矢は何か言ったか?」 「えっ!? ナニモイッテナイヨボク!」 ひょいとリエットから金平糖を貰って食べつつ聞いたナキに、慌ててすっとぼける幽矢でした。 ● さて。夕方も近くなったころ、茶屋に寄りました。 「どうしたの、ニーナ。悩み事? お姉ちゃんになんでも言ってみなさい」 もじもじするニーナに裾を引かれ、「まさか恋の悩み?」とか色めき立ったリスティアがどれどれ、と耳を寄せます。 そして、「ぷっ」。 「そんなの片っ端から頼んじゃえばいいじゃない! すみませんー、ここから全部ー」 リスティア、店員を呼びお品書きを指差し注文しました。全品お試しするようです。クジュトほか全員がニーナを見てます。 「だって、結構食べたから……」 どうやら金額のことを気にしたようですね。 「大丈夫ですよ。ティアさん、一品ずつにしてくれましたし」 「一緒に食べよ☆ここは奢るから」 クジュトの視線に気付き、姐御肌を見せるリスティア。そんなこんなで、煎餅やお饅頭各種の争奪戦が始まるのです。 「やっぱり甘辛煎餅は人数分にしましょう」 「クジュトねー、話が分かるじぇ♪」 「それよかクジュト。あまり裕福じゃねえ人が住んでる長屋にも行こうぜ?」 盛り上がる中、ナキが真面目な話をします。 「天下万民の為の浪士組ならまずは弱い立場の人達を助けなきゃ嘘だろ」 お年寄りの肩揉んでやって悩みや景気を聞いてやったり子どもと遊んでやったりさぁ、とかむぎゅむぎゅ食べながら続けます。 「それよかクジュトの旦那、東堂ってえのは確かな人物なのか?」 「浪志組のほか、孤児のための私塾をやってる人です。これを見てもまず間違いのない考え方をしてますし、何より実行力があります」 「そっか。……だが、加入は今回は見送る」 物思いにふけるナキに、いつでも大丈夫ですよ、と声を掛けるクジュト。とはいえ少し瞳が翳りました。 「こほん。……浪士組、ボクも手伝わせてもらうよ。よろしくね、クジュト」 ここで改めて、力強く幽矢が言い切るのです。 ――強くなりたい。 そんな思いが、彼にはあります。 護るため、自分に正直であるため――。そして彼の決断は、間違いなく強かったのです。 「ボクも、手伝う」 繰り返し言う幽矢に、力強く頷くクジュトでした。 「私は影から手伝いますよ」 「ねぇ?」 顔を見合わせるのは、露羽とリスティア。 「また歩くんでしょ? クジュトさんも寒いからあったまった方がいいわよ?」 「あ、ニーナさん。それは私が飲んでたお汁粉……」 「楽しいことならもちろん手伝うじぇ、クジュトねー」 「よし。そんじゃ後は長屋に寄ってから真世っちのとこで珈琲な」 「ま、まだ飲み食いするのか!」 「だってほら、店員さんにお土産買ったし」 「ふふ、今後が楽しみですね」 とにかく誰が何をしゃべってるのやらで周りの人も楽しそうに見ています。 さすがに「浪志組」の名前は甘味処を中心に轟いたようですね。 |