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■オープニング本文 アル=カマル。 吟遊詩人ロマラ・ホープ(iz0302)は知り合いがいる村を目指して、砂漠の大岩地帯に沿って『行商の道』を歩いていた。 その途中、人のような形をした石の前で、真剣な眼差しで術を施している少女がいた。 「よし、やったわ!」 少女の声が聞こえたかと思うと、石化した男性が生身の状態に戻っていた。 「‥‥ここは‥?! そうだ、思い出した。コカトリスが現れて、視線が合ったと思ったら、身動きが取れなくなって‥」 「良かったわ。ちょうど通りかかったら、石化した人がいたから驚いたけど、無事に成功して治ったわね」 少女が満悦の笑みで告げると、男性は礼を述べた。 「本当にありがとう。石化して粉々になっていたらと思うと、ゾッとするよ」 「コカトリス以外にも、アヤカシがいるの?」 「君は開拓者なのかい。だったら、話は早いかな。ナール・デーウが突然、出現してね。さすがに勝てないと思って、逃げている途中にコカトリスも現れて、気が付いたら、ここにいた訳なんだよ」 男性の話を聞いて、少女は内心どうしようかなと思いつつも、笑みを浮かべた。 「分かったわ。アヤカシ退治なら任せてよ。貴方は安全な場所まで避難して」 「ここから東2キロ辺りにバドル村があるから、そこに行くよ」 そう言って男性は再度、礼を告げた後、村へと向かっていった。 少女は男性の姿が見えなくなると、その場に座り込んだ。 「あーもー、疲れた。『解術の法』で石化を解除するのに、かなり練力使っちゃったよー」 そう言いつつ、少女は岩陰で休むことにした。 今までの様子を見守っていたロマラが、少女に近づき、声をかけた。 「旅の途中ですか? 私は吟遊詩人のロマラ・ホープと言います。噂では、この辺りにアヤカシがいると聞いたものですから、調査に来ていたんですよ。どうやらコカトリスとナール・デーウが出没しているようですね」 すると、少女は黄昏たような顔つきで、答えた。 「アタイは巫女のケート。そうなんだよ。これまたやっかいなアヤカシが出たみたいでさー。アタイの能力じゃ、石化した人を治癒するだけで練力がギリギリだし、アヤカシ退治まで手が回らなくてさ」 「でしたら、ギルドに依頼を出してみましょうか?」 ロマラがそう言うと、ケートはポンと軽く手を叩いた。 「そうだよ。一人じゃ無理でも、他にも開拓者がいればアヤカシ退治、できるよねー」 その言い分から、どうも見習い巫女のようだなとロマラは思ったが、石化を解除できるのは、巫女の『解術の法』だけだとも言われている。完全に石化してしまった者に対しては、元の状態に戻るまで何度も術を施すこともあった。 「巫女のケートさんがいるなら、心強いですよ。『解術の法』が使えるなら、石化しても治せるんですから」 ロマラは思ったことを言っただけだったのだが、ケートは褒められたと思ったのか、うれしそうだった。 「まっねー。アタイがいれば、アヤカシ退治にも、専念できるだろうからねー」 「それでは、ギルドに報告して、コカトリスとナール・デーウ退治の依頼を出してきましょう」 ロマラがそう告げると、ケートはガッツ・ポーズをしていた。 |
■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
斑鳩(ia1002)
19歳・女・巫
パラーリア・ゲラー(ia9712)
18歳・女・弓
琥龍 蒼羅(ib0214)
18歳・男・シ
ルンルン・パムポップン(ib0234)
17歳・女・シ
アムルタート(ib6632)
16歳・女・ジ |
■リプレイ本文 アル=カマル、バドル村。 大岩地帯から避難してきた人々は、村の宿屋で待機することになった。 吟遊詩人ロマラ・ホープ(iz0302)が村長に頼んで、臨時で宿屋を避難場所にしていたのだ。 「ここかにゃ」 パラーリア・ゲラー(ia9712)はまずロマラに挨拶し、大岩地帯の状況について聞き込むことにした。 「大岩地帯の地図なら、持っていますよ。私が作ったもので良ければお貸しします」 ロマラはそう言うと、パラーリアに手書きの地図を手渡した。 「助かるのにゃ。これがあれば探索にも役に立つのにゃ」 「こちらこそ、助かります。私は村に残りますね。避難してきた人達はまだ不安のようですから」 「そうみたいだね。開拓者の誰かが村にいれば、人々も安心だよね」 アムルタート(ib6632)は砂漠の日差しを感じながらも、どこか楽しそうだった。 「それじゃ、出発しよっかー」 準備が整い、アムルタートが歩き始めると、巫女のケートが駆け寄ってきた。 「アタイも行くよ。待って〜」 「ケート、付いてくるなら、俺達から離れるな」 琥龍 蒼羅(ib0214)はケートが来ることも見越して、そう告げた。 「分かった。今回はよろしくね」 ケートがそう言うと、三笠 三四郎(ia0163)が答えた。 「アヤカシとの対戦は、回復役を中心にした輪形陣にしますが、状況次第では臨機応変に対処した方が良いと思うので、陣形が崩れた時は後衛に下がって下さい」 「了解でーす」 ケートが元気よく返事をすると、斑鳩(ia1002)が頷く。 「アヤカシ退治だけでなく、逃げ遅れた人達もいれば助けましょう」 「コカトリスと視線が合うと、石化しちゃうんですよね。正義のニンジャとしては放っておけないのです!」 ルンルン・パムポップン(ib0234)はすでに犠牲になっていた者がいることを知り、黙って見過ごすことができなかったのだ。 「視線に気を付けて、嘴の色も確認です」 何故か嘴の色が気になるルンルン。さてさて、どんな色なのだろうか。 「村から大岩地帯までは『行商の道』で繋がっているから、そこまでは無事に辿り着けるはずにゃ。地図にアヤカシが出没した場所が書かれていたけど、北西の辺りに集中しているみたいにゃ」 パラーリアは地図を確認しながら、さらに進んでいく。 開拓者たちは集中的に出没している地域を目指すことにした。 ● 道中、走った体勢で石化している者を発見した。 ケートが何度か『解術の法』を施すと、男性が元の状態に戻った。 「ここで石化した者がいたとしたら、この辺りにコカトリスがいても不思議ではありませんね」 三四郎がそう言うと、斑鳩は『瘴索結界「念」』を発動させた。 「‥‥アヤカシの気配が二つ‥大岩の陰にいるようです」 そう言いつつ、斑鳩はアヤカシがいるであろう場所を指さす。と同時に、コカトリスが2体、岩陰から姿を現した。 接近されないように距離を取りつつ、三四郎はロングボウ「ウィリアム」で矢を放つ。蒼羅が戦弓「夏侯妙才」で援護射撃をすると、パラーリアは『月涙』で矢を放ち、コカトリスの首を射ぬいた。 弓で攻撃する度にコカトリス2体は徐々に近づいてくる。アムルタートは射程内に入ると、鑽針釘で迎え撃ち、『イムヒア』でトランス状態になりながら敵の攻撃に備えていた。 ルンルンは魔刀「エペタム」でコカトリスを狙い撃ちながらも、視線を合わせないように気をつけながら、嘴の色を見ていた。 「嘴の色は黄色でしたか。金か銀だったらご利益があるかと思ったのですけどね」 開拓者たちは間合いを取りながら、射撃や投擲攻撃を繰り返していたが、コカトリスは一気に駆け寄ってきた。蒼羅は携帯していた銀の手鏡を掲げた。 「鏡で視線を跳ね返すことができるという話を聞いたことがあるが、どうなるか」 すると、コカトリスは突然、立ち止ったかと思うと頭を下げて、尻尾を左右に振り始めた。まるで防御体勢に入っているようにも見えた。 「これなら接近戦も可能だな」 蒼羅が鏡を懐に入れても、コカトリスは防御体制のままだった。蒼羅は斬竜刀「天墜」による『秋水』でコカトリスの首を斬り裂いた。 「‥‥今のうちに、頼む」 蒼羅の言葉で、三四郎は太刀「兼朱」を構え『回転切り』で2体のコカトリスを斬りつけていく。 「これなら、なんとかなりそうですね」 「尻尾の方は、任せて〜」 アムルタートは『イムヒア』を発動させていたせいか、コカトリスの尻尾の動きに合わせて、踊るように攻撃を仕掛けていた。ルンルンは他にもコカトリスがいないかと『超越聴覚』で遠くの音に聞き耳を立てていた。 「足音が聴こえてきます」 「にゃにゃ。射程ギリギリ、北西の方角にアヤカシの気配がするにゃ」 パラーリアは『鏡弦』を使い、敵の居場所を特定できた。 「この辺りには気配がありません」 斑鳩はコカトリス2体が倒された後、『瘴索結界「念」』を使い、周囲を調べてみたが、近くにはいないことが分かった。 「私の射程内にいないようですが、パラーリアさんが感知した方角に行ってみましょう」 「コカトリスとナール・デーウが一緒にいるかもしれん。その時はまた、鏡を使ってみるか」 蒼羅がそう言うと、皆はさらに北西へと向った。 ● 大岩地帯の北西へと進みながら、ルンルンは『三角跳』でいくつもの大岩を飛び跳ねながら偵察していた。 「ナール・デーウ、発見です。こっちに向かってきます!」 ルンルンの動向が気になったのか、炎の巨人ナール・デーウがルンルンの目の前に出現し、火炎放射で攻撃を仕掛けてきた。 だが、ルンルンは秘伝の術『夜』を発動させ、周囲の時間を停止させた。 三秒強の間、周囲の時間が止まる。それはルンルンのみの体感時間であった。 ナール・デーウが放った火炎放射はルンルンを狙っていたが、わずかな時間停止により、突破口が見えた。 「ルンルン忍法フライング☆クリティカルヒット!」 ルンルンは攻撃から逃れ、転がるように岩場に着地した。 その刹那、パラーリアの放った『月涙』の矢が、ナール・デーウの腕に命中。さらに『六節』で矢を再装填し、射撃の手を休めなかった。 「まずは、こっちからにゃ」 「あっははー、いっちゃうよ、いっちゃうよ」 アムルタートは『ノウェーア』で舞ながら、『サルヴァ・ノス』で殺気を感じて、鑽針釘を投げつける。 「こちらに接近してくるアヤカシが2体います。おそらくコカトリスでしょう」 斑鳩が『瘴索結界「念」』で、敵の気配を察知し、皆に知らせる。 「まだナール・デーウは倒せていません」 三四郎は後衛から弓で援護射撃をしていたが、蒼羅は近寄ってくるコカトリスに銀の手鏡を向けた。すると、コカトリスは立ち止り、震えながら頭を下げて、尻尾を振り始めた。 「これで少しは時間稼ぎにはなるだろう」 「今度のコカトリス、嘴の色が紅です。初めて見ました!」 ルンルンがそう言った矢先、ナール・デーウは爆炎弾を放ち、大暴れし始めた。 大岩が飛び散り、周囲は砂も舞い上がった。 だが、斑鳩は『瘴索結界「念」』をさらに使っていたこともあり、アヤカシの居場所は感知できた。 「皆さん、その場で動かず、ナール・デーウの動向に気を付けて下さい。私の方へ向かってきています」 それを聞いて、アムルタートは斑鳩を庇うように、『イムヒア』を発動させ、敵の攻撃を受けた瞬間、鞭「ゴールドバインド」で反撃した。鞭がナール・デーウの左脚に命中し、その隙に三四郎が『新陰流』による太刀「兼朱」で攻撃を仕掛けた。 「まずはナール・デーウを倒したいところですが、コカトリスもいますから、気が抜けませんね」 「そうだな。俺が鏡を持っているせいか、コカトリスはまだ防御体制のままだ。だが、その効果もいつまで持つか‥」 蒼羅は浮遊しているナール・デーウを見上げ、『白梅香』を放った。敵が浮いた状態とは言え、『白梅香』ならば対象に命中すれば瘴気を浄化させることができた。何故かナール・デーウは斑鳩に近づこうとするため、斬竜刀「天墜」で接近戦に持ち込むこともできた。 「‥‥斑鳩を狙っているようだな」 「陣形で中央にいますから、ナール・デーウも狙い目だと思っているのでしょう」 先程の乱戦で、斑鳩が『閃癒』で味方の怪我を回復していたことに気が付いたのだろう。 回復役さえいなくなれば勝ち目があるとナール・デーウは察している恐れもある。 「‥石化したら、さすがに俺でも身動きができない。先にコカトリスを倒した方が効率的だ」 蒼羅がそう言うと、斑鳩が相槌を打つ。 「私はナール・デーウから離れた方が良いでしょうし、石化対策もできますから、蒼羅さんに付いていきます」 「接近戦なら、私も太刀で攻撃ができますし、ここは二手に分れて応戦したいところですね」 三四郎の言葉に、ルンルンが自分の策を告げた。 「火炎巨鬼は私が引きつけますから、先にコカトリスをやっつけちゃって下さい」 「コカトリスが動き出す前に倒すのにゃ」 パラーリアは弓を構えた。『月涙』で薄緑色になった矢が、コカトリスの頭に突き刺さった。すると、地団太を踏み始め、ゆっくりと頭を上げようとしていた。 すかさず蒼羅が銀の手鏡を掲げると、コカトリスたちは頭を下げるが、足を軽く何度も踏みながら、尻尾で威嚇してきた。 「やはりコカトリスから倒した方が良さそうだな」 蒼羅はそう呟くと、『虚心』でコカトリスの尻尾を潜り抜け、『秋水』で首元から斬り付けた。三四郎は『回転切り』で2体のコカトリスを薙ぎ払っていく。 毒の危険もあったが、蒼羅は尻尾の毒針を回避すると、さらに『秋水』で攻撃し、コカトリスの首が飛び跳ねると同時に、瘴気となって消え去った。 「‥‥残りは‥」 「ナール・デーウだけだと良いんですけどね」 三四郎がそう言うと、巫女のケートが駆け寄ってきた。 「すぐ近くに両脚だけ石化している旅人が三人いたよー。どうしよう」 「戦闘に巻き込まれたから大変です。私はケートさんと一緒に彼らを助けに行きます」 斑鳩の言葉に、蒼羅が応えた。 「ナール・デーウの方は、三四郎たちと倒す」 「適材適所といったところですね。私はナール・デーウの方へ行きます。旅人たちを助けることができるのは、お二人だけし、お願いします」 三四郎はそう告げると、蒼羅、パラーリアと共にナール・デーウの方へと走り出した。 「斑鳩お姉ちゃん、こっち、こっち」 ケートが腕を掴み、斑鳩を旅人の元へと連れていく。見ると、石化して身動きが取れない男性が「助けてくれ!」と騒いでいた。 斑鳩とケートが『解術の法』を施すと、男性たちは元の状態に戻った。 「ありがとう。助かった」 「まだ油断は禁物です」 斑鳩は『瘴索結界「念」』を使い、アヤカシ一体の気配を感じ取った。 「アヤカシが近くにいます。早くここから逃げて下さい」 「だったらアタイが村まで旅人を連れていくよ。鏡も持ってるから、なんとかなるよー」 そう言って、ケートは旅人と同行して、村まで向っていった。見送った後、斑鳩はナール・デーウがいる場所へと行き、パラーリアの隣に並んだ。 「旅人たちは無事だったかにゃ」 「石化を解除して、ケートさんが村まで連れて行ってくれました」 斑鳩が戦闘場所に戻った頃には、ナール・デーウとの戦いも佳境に入っていた。 ルンルンは『三角跳』を駆使して大岩を飛び越え、ナール・デーウの周囲を駆け回っていた。 「力技だけが全てではないのです!」 俊敏な動きで、ルンルンは敵を翻弄していた。 「キャッハー、仕方がないから君の相手は私がしてあげるよー♪」 アムルタートと言えば『イムヒア』を発動している影響か、敵の動きに合わせてリズムを取りながら踊り、反撃の隙を窺っていた。 ナール・デーウと言えども、ルンルンとアムルタートの素早さには付いてこれず、ついには浮遊したまま、その場から動かなくなってしまった。 「ありゃ、止まっちゃったよ。これじゃ、合わせて踊れないねー」 アムルタートはそう言いつつも、鑽針釘を投げつける。ナール・デーウは両腕に力を込めて、斑鳩に狙いを定めていた。それに気が付いた蒼羅は斑鳩の前に立ち、迫り来るナール・デーウに『白梅香』を繰り出した。梅の香りが漂い、澄んだ白い気‥。瘴気が浄化され、追い撃ちをかけるようにパラーリアの『月涙』がナール・デーウの肩に命中し、三四郎の『新陰流』が炸裂した。 咆哮と共に、ナール・デーウは消滅していった。風が舞うかのごとく‥。 ● ナール・デーウを倒した後、開拓者たちは大岩地帯をさらに探索していた。他にもコカトリスがいないかと念入りに探してみたが、アヤカシの気配は感じられなくなった。 ルンルンは『超越聴覚』を使っていたが、アヤカシらしき音は聞こえなかった。 「風が出てきたねー♪」 アムルタートは空を見上げた。昼間の太陽は、暑く、砂漠の大地を照らしていた。 「そろそろ戻るか」 蒼羅がそう告げると、一同はロマラが待つバドル村へと歩き出した。 村に到着すると、ロマラが出迎えてくれた。 「お疲れ様です。石化していた人達も助けて下さって、ありがとうございます」 「コカトリスは目撃数と合わせて、4匹いました。ナール・デーウは情報通り、一体のみでしたよ」 三四郎が報告すると、蒼羅は探索中に見つけた古ぼけた鏡をロマラに手渡した。 「誰かの落し物だろう」 「これは‥‥私の知り合いが持っていた鏡です。見つけて下さって、感謝します」 ロマラはまるで、誰かと再会したかのように大切に鏡を受け取った。 「いざという時のために、俺も鏡を持っていたが、コカトリスとの戦いで役に立った」 蒼羅が言うように、コカトリスと遭遇した際に備えて、鏡を持ち歩く開拓者もいるらしかった。 「蒼羅さんが発見してくれた鏡は‥‥私の亡くなった友人の物です。本当にありがとう」 ロマラはうれしそうに微笑んだ。 「そうか。見つかって何よりだ」 蒼羅は落ち着いた表情だったが、ロマラは喜びを隠せなかった。 「お礼に、何か料理でも‥」 「あ、だったら、ここの名物料理が食べたいにゃ」 パラーリアがにこやかに微笑む。 「でしたら、カレーを食べてみませんか? 美味しいですよ」 ロマラは開拓者たちを村長宅に招き入れ、カレーを卓に並べた。 「どうぞ召し上がれ」 「いただきますにゃ」 パラーリアはカレーを食べ始めた。 「辛いけど美味しいにゃ」 そう言った後、アムルタートも席に座り、カレーを満喫していた。 「この辛さ加減、良いね〜。後からジワーって、口の中が熱くなるのが癖になりそうだよー」 「そうなんですか? それじゃ私も」 ルンルンは興味深そうに言いながら、一口。 「‥‥辛いです」 蒼羅と三四郎、斑鳩も席に座っていたが、三人がカレーを食べたのかどうか、今はまだ誰にも分からなかった。 |