かぐらじ! 第三回
マスター名:西川一純
シナリオ形態: イベント
相棒
難易度: 不明
参加人数: 12人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/10/25 23:03



■オープニング本文

 天儀の中心都市たる神楽の都。
 様々な人が行き交うこの都に、開拓者ギルドは存在する。
 はてさて、今日はどんな依頼が舞い込むやら―――

「祝! 第三回かぐらじ開催決定〜♪」
「わー、パチパチパチ〜♪」
 ある日の開拓者ギルド。
 職員の十七夜 亜理紗が発表したかぐらじ続行の報に、先輩職員の西沢 一葉、そして集まっていた開拓者たちも喜びを隠さない。
 かぐらじ。正式名称、『神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜!』という開拓者ギルドのPRイベントである。
 過去二回行われ、打ち切りになったかと思われたが、熱い声にお答えして(?)復活となったようだ。
 知らない諸兄のために説明すると、神楽の都某所に人を集め、拡声採用のある宝珠を用い亜理紗と一葉の二人が参加者からもらったお便りを読みつつトークを繰り広げるというもの。
 依頼の形式上、開拓者自身の出番はほぼ100%無い。好き嫌いは多分に分かれることだろう。
 最初は嫌がっていた亜理紗と一葉も復活が嬉しい模様。慣れたとは言わないまでも楽しかったのは事実らしい。
「というわけでコーナーの御紹介です。『ふつおたのコーナー』『知ったか乙』『怖い怖い』『褒めてくれ!』の4つです」
「あれ? 『ぼくがかんがえたさいきょうのぶぐ』は? 一番好評な企画だったのに」
「コーナー決めてるのは上ですもん。と、兎に角説明しておきますと、ふつおたのコーナーは普通のお便りを送ってもらうコーナーです。基本的に話題は何でも構いません。公序良俗は守ってくださいね♪」
「『知ったか乙』は、私達に質問を送ってもらって、私達がそれを知ってる体でトークをする企画だったわよね。これ、質問の答えを知ってればいいんだけど知らないとすっごい恥ずかしい思いするのよね‥‥。他は初見ね?」
「『怖い怖い』のコーナーは、みなさんに『何だかよく分からないけどトラウマになるような気がする言葉』を送ってもらいます」
「何それ。ただ単にトラウマじゃ駄目なの?」
「意味が分からないけど怖い言葉だからいいんです。例えば‥‥ナインボール」
「うっ」
「ロンダルキア」
「うぅっ!?」
「五十‥‥三万です」
「ちょっ!? えっ、何!? 意味は分からないのに凄い寒気とか倦怠感が!?」
「私たちはきっと色んな意味で疲れますよ。色んな意味で。最後の企画『褒めてくれ!』は、開拓者さんに褒めて欲しい自分のエピソードを送ってもらいます。で、それを私たちが100点満点中何点か、独断と偏見で採点するというものです。例えば‥‥『昨日、失敗せずにオリジナルの術を発動できました! 褒めてください!』というお便りが来たとします」
「22点」
「リアルな数字っ!? と、と言った具合に私たちが判定します。点数の高い低いは完全に私たちの趣味やその場のノリですので、苦情は一切受け付けませんので悪しからず」
 過去の『羅字音』や『羅字音・弐』を読んで感覚を掴んでおくのも有効かもしれない。基本的に二人がトークしているだけではあるが。
 一人が複数のコーナーに投稿するのも自由。今回こそは選べるくらいお便りが来て欲しいものであるが‥‥?
「ふっふっふ‥‥ここで重大発表です! 一葉さんとは別の先輩に確認したところ、イベント依頼は拘束期間に含まれないとのことです! つまり、他に入りたい依頼がたくさんあっても、拘束期間を気にせずお便りを送っていただけるということですね! これで安心して参加していただけます♪」
「懐具合的な意味では?」
「う‥‥‥‥」
「‥‥ごめんなさい、余計なこと言ったわね。ホントごめんなさい‥‥」
「い、いいえ、お気になさらず。拘束期間の問題をクリアした上でまた参加者が少ないようなら今度こそ打ち切りになっちゃうかも知れませんが、こうなったらいつ打ち切られてもいいようにその時その時を全力で楽しみましょう!」
「了解。がんばりますので、皆さん奮ってご参加くださいね」
 泣きの三回目とも言える今回の開催。依頼被りを克服したかぐらじの明日は明るい‥‥か?


■参加者一覧
/ 鷲尾天斗(ia0371) / 小伝良 虎太郎(ia0375) / 平野 譲治(ia5226) / からす(ia6525) / 不破 颯(ib0495) / 无(ib1198) / ウィリアム・ハルゼー(ib4087) / フランヴェル・ギーベリ(ib5897) / 各務 英流(ib6372) / アムルタート(ib6632) / エルレーン(ib7455) / かく(ib7941


■リプレイ本文

●泣きの第三回
一葉「せーの」
二人「開拓者ギルドプレゼンツ! 『神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜!』」
亜理紗「皆さんかぐらじはー、開拓者ギルド職員、十七夜 亜理紗です♪」
一葉「同じくかぐらじはー、ギルド職員、西沢 一葉です♪」
亜理紗「というわけで見事復活&継続が決定致しました、かぐらじでーす!」
一葉「投稿者の皆さん、そして今回も会場に来てくださってるお客様のおかげです。本当にありがとうございます」
亜理紗「本当、始まるまでドキドキだったんです。望んでくれている方がいらっしゃるのは知ってましたけど、いざ投稿するとなると話が違ってきちゃうんでしょうかねぇ」
一葉「それについてはあとで触れる機会があるからその時にね。風が冷たくなってきた今日この頃、皆さん防寒対策は出来てますね〜? かぐらじで風邪を引いたなんてことがないようにお願いします」
亜理紗「おー、皆さん元気いいですね。それじゃ、私達も張り切って行きましょう!」
一葉「神楽のみなさーん、開拓者羅字音ですよ〜! 略してかぐらじ! 今回から依頼の名前もかぐらじになってるわね」
亜理紗「このイベントは。開拓者ギルド。眼鏡の分鏡堂。お食事処さざなみ。お休み処(?)夜零館、の提供でお送りします」


一葉「改めましてかぐらじは。西沢 一葉です」
亜理紗「かぐらじはー、十七夜 亜理紗です。そういえば一葉さん、私、ずっと思ってたんですけど‥‥」
一葉「何?」
亜理紗「この拡声用の宝珠、あまり見かけないですよね。結構貴重なものだったりするんですか?」
一葉「まぁ宝珠はどれも貴重といえば貴重だけど‥‥これの場合、使い所がないから出回ってないだけじゃない? 声を拡散させる能力なんて、意外と使い道狭いわよ」
亜理紗「そうですかぁ? 戦場とかの号令にいいのでは‥‥」
一葉「‥‥敵にも丸聞こえになるけどそれでもよろし?」
亜理紗「‥‥ごめんなさい。そ、それではコーナーに行きましょう! まず最初は‥‥ふつおたのコーナー!」
一葉「このコーナーは、奇をてらってもてらわなくてもいい普通のお便りを募集しています。日常で疑問に思ったことや感じたこと、開拓者ギルドへの不平不満悪態叱咤憤慨異議苦情もこちらまで」
亜理紗「また地味に一言増えた!? と、とりあえず最初のお便りです。えーっと、こちらは‥‥いつもありがとうございます、各務 英流(ib6372)さんからです」
一葉「あら、普通のリアクション」
亜理紗「えへへ、頑張りましたっ!」
一葉「いや、頑張りどころ違うでしょ‥‥」
亜理紗「読みますよー。『お姉様! 今は合戦関係で皆の残りライフは‥‥!』だそうです‥‥?」
一葉「こっちも読むわよ。鷲尾天斗(ia0371)さん。『なんツーかァ‥‥スタイルが新しすぎたのと時期的な問題だ。合戦後の慰安的羅字音とかだったら‥‥ま、まァ気を落とさないでなァ。俺は好きだぞ!!』だって」
亜理紗「あー‥‥え? うん‥‥え? いや、合戦ってお金がかかるのは知ってますけど、それは国の問題であって、開拓者個人やかぐらじと何か関係が‥‥?」
一葉「とりあえず、どうもかぐらじをやる時はいつもタイミング悪いっていうのは確かみたいね。形式が斬新すぎるっていうのもあるんでしょうけど」
亜理紗「よ、よくわかりません。私にも分かるように説明してください」
一葉「『今は止めて、かぐらじ! もう私のサイフポイントはとっくにゼロよ!』」
亜理紗「大変わかりやすいお言葉で‥‥。でも皆さん、言わせてください! かぐらじの開催は私達が決めてるわけじゃないんですよ! 時期は選べないんですぅ!」
一葉「パーソナリティーとしてちょっと上申してみましょうか‥‥。とりあえず次のお便り行くわよ。ペンネーム、平野 譲治さん。‥‥だからこれペンネーム? えっと、『おおっ! 頑張ったなりねっ! 今回も楽しみにしてるのだっ!』だそうよ」
亜理紗「ではこちらも。ペンネーム、幼蕾の狩人さん‥‥ってこの方も相変わらずですね! むしろ安心しましたけど! えっと‥‥『やあ! どうやら打ち切りにはならなかったみたいだね! 第三回にお便りを出すことが出来て、とっても嬉しいよ! ‥‥まぁ、亜理紗君を食べに行けないのはちょっぴり残念だけどね。これからも第四回、五回と続いていく事を願っているよ』とのことです」
一葉「‥‥アッー、言っとく?」
亜理紗「こ、今回はいらないんじゃないでしょうか。でも嬉しいですよね。こういうお便りをいただくと、あぁ、望まれてるんだ、やってよかったんだって思えます♪」
一葉「ホントにね。あ、こんなのもあるわよ。ペンネーム空(から)さん。『第三回おめでとうございます。とりあえず打ち切りにならなくてよかったです(苦笑)。次も楽しみにしてますよ〜。主に二人がいじ(め)られるのを』」
亜理紗「余計な一言つけちゃった!? 途中まで凄く暖かいお便りだったのに!」
一葉「続けてもう一枚。ペンネーム、まるごとラブ! さんから頂きました。『いや〜今回も少ないねぇ。まあこりずに年1回とかで続けてくれたら嬉しいんだけどなぁ。楽しみにしてる知り合いもいるし。まあ頑張れ〜』」
亜理紗「年一回きりだけですか!? ただでさえ危ないのに、年一とかにしたら忘れ去られちゃいますよぅ!?」
一葉「なんていうかこう、私達というかかぐらじの弄り方を心得てるお便りよね‥‥ちょっと凹むわ」
亜理紗「うぅ‥‥そんな時はこのお便りを! アムルタート(ib6632)さんからです。『やっほー! アムルタートだよ♪ 天儀の合戦って激しいね! うっかり突っ込んで大けがしちゃったよ。あんな全身包帯巻いたの久しぶりだった〜。亜里砂も一葉も怪我には気を付けてね!』‥‥って大丈夫なんですか!? 名前だけ見て意気揚々と読んじゃいましたけど!」
一葉「合戦は命がけだから‥‥。ま、まぁお便りをくれてるなら大丈夫でしょ。続きがあるみたいね?」
亜理紗「あ、はい。『あ、そうだ! トリック・オア・トリ〜ト〜♪ えへへ〜最近依頼で知ったんだよ♪ 今度ギルドに貰いに行くから! お菓子か悪戯か決めておいてね♪』だそうですけど‥‥?」
一葉「あぁ、多分ハロウィンのことね。子供がお化けの仮装をして、お菓子をくれないといたずらしちゃうぞーって家々を回るの。まぁ天儀にはないお祭りと思ってくれていいわ」
亜理紗「へー、やっぱり地域地域で全然違うんですねぇ。そういえばこんなお便りも来てました。ペンネーム‥‥えっと‥‥妙に上手い絵の、闇目玉さん。『ジルベリアや泰国、アル=カマルには行った事ありますか?』だそうです。私は天儀から出たことありませーん」
一葉「私もないわね。行ってみたいとは思うんだけど、なかなかね‥‥ギルドの仕事って纏まった休み取れないから」
亜理紗「報告書まとめるの、結構大変なんですよ! 文章力で悩むこともあるんですよ! わかって下さい!」
一葉「誰に言ってるの? ペンネーム黒小人さん。『最近なんか物騒だよね。私の屋敷にも朋友が3体もやってきたよ(現在11体の朋友と契約中)。かぐらじ続いたら次は誰かゲストで来たりとかするんじゃないかと思う』だって。ゲストねぇ‥‥少なくとも開拓者さんの中からゲストっていうのは難しいわね」
亜理紗「はは‥‥二人だけでいっぱいいっぱいですもんね、色んな意味で」
一葉「こっちのお便りはペンネームねこ>もふらさん。『この天儀に来て2か月、だいぶ慣れてきたような気がするの。でもまだまだみじゅくものだから、依頼で会ったらよろしくお願いしますなの!』だそうよ」
亜理紗「こちらこそです! と言っても、私自身が依頼に同行することは少ないんですけどね。続きまして‥‥あ、コーナー最後のお便りですね。ペンネーム偽胸さんから。『うぃる印の偽胸は如何? 胸の悩みを抱える某亜理紗様の様な方やロリ砂迅騎に狙われたくない人まで広くお勧め出来ます!』って私は胸のことでなんて悩んでませんよ! これでも83ありますから!」
一葉「ペンネームからして一部の女性からは反感買いそうだけど‥‥何これ、胸を大きく見せるために何かし込むってこと?」
亜理紗「でしょうね。逆に、このロリ砂迅騎ってなんでしょうね?」
一葉「あなたがそれを聞く‥‥?」
亜理紗「はい!? 私、ロリ砂迅騎っていうのじゃありませんよ!?」
一葉「わからないならいいの。というか分からないほうが幸せ」
亜理紗「えぇ!? き、気になるじゃないですかー!?」
一葉「偽胸さーん、ふつおたのコーナーで商品宣伝は今後禁止ですからね〜。以上、ふつおたのコーナーでした」
亜理紗「ロリ砂迅騎ってなんなんですかぁぁぁっ!?」


一葉「知ったか乙」
亜理紗「このコーナーでは皆さんから質問をいただき、私たちがその内容を知っていようが知っていまいが知っている体でトークするコーナーです」
一葉「採用されたお便りの内容、絶対教えてくれないのよね‥‥調べられないように」
亜理紗「きっついんですよねぇ、このコーナー‥‥。とりあえずいきますか。まずは‥‥ペンネーム黒小人さん。『枝豆は大豆である』‥‥‥‥‥‥へ?」
一葉「こらこら、コーナーの趣旨忘れないの」
亜理紗「苦手なんですもん、このコーナー! えっと、騙されませんよ! 枝豆は枝豆であって大豆じゃありません!」
一葉「そうよね‥‥色も全然違うし。あぁ、あれでしょ。大豆じゃなくて実はそら豆の仲間でしたーってやりたいんでしょ? 甘い甘い」
亜理紗「お、客席の皆さんも枝豆は枝豆だろってうなづいてますよ! 勝ったッ! 第三部完ッ!」
一葉「これで間違ってたら相当恥ずかしいわね‥‥。え、えっと、次ね。これは亜理紗のツッコミに期待」
亜理紗「はい!?」
一葉「まずはペンネーム平野 譲治さん。『風の谷からっ』」
亜理紗「何が!? え、これ知ったかも何もないですよねぇぇぇ!?」
一葉「続けてペンネームまるごとラブ! さん。『アレって良いよな〜爽やかで』」
亜理紗「どれ!? い、いや、そうですねとしかリアクション取れませんよ!」
一葉「もう一丁。鷲尾天斗さん。『亜理紗のスリーサイズ』」
亜理紗「ちょっとぉぉぉ!? そりゃ知ってますよ! 本人ですもん! でも公序良俗を守ってくださいって言ってるじゃないですか!? スタッフもなんでこのお便り選んだんですかぁぁぁっ!?」
一葉「上から83、ごじゅう‥‥」
亜理紗「一葉さんのもバラしますよ」
一葉「‥‥‥‥‥‥‥‥あ、争いは何も生み出さないわよね‥‥」
亜理紗「ですよねー」
一葉「目が本気だったわよ、一瞬‥‥」
亜理紗「ツッコミに疲れたので普通っぽいの行きます。ペンネームねこ>もふらさん。『「はいぼーる」ってどういうボールですか?』ハイボールっていうのはですね、とあるスポーツでの反則です。その競技では一定以上高くボールを上げてはいけないというルールがありまして、それに違反するとハイボールを取られます」
一葉「‥‥ぶふっ! くくく‥‥あはははははっ、あは、あはははは! 頑張った! 亜理紗頑張った!」
亜理紗「一葉さん知ってて黙ってましたね!? あぁっ、よく見たら客席からも失笑がちらほらと!?」
一葉「はー、はー、ご、ごめんなさい。ハイボールっていうのはお酒の飲み方っていうか割り方の一種よ。そっか、亜理紗お酒飲まないものね‥‥くっくっく‥‥!」
亜理紗「むがー! 次行きます! アムルタートさんからで‥‥『ニムニルドの由来って何?』だそうです」
一葉「ニムニルドね。ほら、あれよ。ジルベリアだかの神話に出てくる神器の名前ね。他にはメギンギョルドとかが有名」
亜理紗「違いますよー。料理の名前ですよ。ニムっていう動物お肉をよーく煮こんで作るシチューみたいな料理のことです。語源はニム煮るどーっていうダジャレらしいですけどね!」
一葉「ないわー」
亜理紗「自分でもそう思います‥‥」
一葉「亜理紗が反省した所で次行きます。ペンネーム、空(から)さん。『ロングアイランド・アイスティーっておいしいですよね〜。マンハッタン・アイスティーもおいしいですよね? 亜里沙さん、一葉さん、今度一緒に飲みませんか?』だって。いいわね、アイスティー。お茶なら亜理紗も飲めるでしょ?」
亜理紗「はいです! なんでこういう名前がついてるかは知りませんけどね。クッキー焼きますんで、その時はご一緒させてくださいね♪」
一葉「‥‥‥‥ぷっ! ぷくくく‥‥!」
亜理紗「あれっ、違うの!? もしかして飲み物ですら無いとか!?」
一葉「くすくすくす‥‥い、いいのいいの、気になるなら後でお調べなさいな」
亜理紗「うぅ‥‥記憶喪失には辛いコーナーです。えっと次は‥‥ペンネーム偽胸さん。『閃癒の効果を説明してください♪』‥‥え? だってこれ、普通の回復術ですよね」
一葉「調整中」
亜理紗「ちょっ!? え、どこに疑問を挟む余地が‥‥」
一葉「いいから。色々あるのよ‥‥少なくとも私達には手に負えないわ」
亜理紗「どのくらい?」
一葉「あなたが陰陽師の術を全部自在に使いこなすくらい」
亜理紗「絶望的じゃないですかー!? やだー!」
一葉「というわけで次のお便り。各務 英流さんから。『知っているか! 今日のお姉様の下着の色は―――』」
亜理紗「言わせねぇよ!? もとい、言わせませんよ!? 公序、良俗を、守れと、あれほどっ!」
一葉「おー、凄い。奪う、振り上げる、地面に叩きつける、踏むと見事な流れね。でもお便りは粗末にしないように」
亜理紗「もういいですよね!? 以上、知ったか乙のコーナーでした! もうこれ止めましょうよぉ!」
一葉「上に言って頂戴、上に」


亜理紗「怖い怖い」
一葉「このコーナーでは、意味は分からないのにトラウマになりそうな言葉を募集しています。聞くとなんとなーく不安定になる言葉などなど、私達は勿論会場の皆さんにもダメージが行きそうなコーナーです」
亜理紗「心臓の弱い方は無理をせずに、気分が悪くなったら係りの者に申し出てくださいね!」
一葉「一応聞きたいんだけど、このコーナーは誰が得するのかしら」
亜理紗「さ、さぁ‥‥また変な企画を考えたものですよね。とりあえず最初のお便り行きます。ペンネーム、まるごとラブ! さん。『ぱるぱるぱるぱる‥‥』」
一葉「‥‥ん? 客席に多少のダメージがあるみたいだけど、私はどうってことないわね。亜理紗は?」
亜理紗「んー、私もあまり。『バルバルバル』だったら危なかったですね」
一葉「次行きましょうか。ペンネーム空(から)さん。『‥‥きたぜぬるりと‥‥』」
亜理紗「むっ‥‥! し、しかしまだこの程度では!」
一葉「『御無礼』とか『失礼、頭ハネです』とかと同種よね、これ」
亜理紗「お、一葉さんも結構分かって来ましたね?」
一葉「残念ながらね。次、亜理紗読んで」
亜理紗「りょーかいです。ペンネーム、平野 譲治さんで‥‥『大量の鳥』」
一葉「これは普通に怖いわよ! 意味が通じなくい言葉じゃなくて!」
亜理紗「でも厄介なんですよね、ホント。おちおち洗濯物も干せやしない」
一葉「斬撃符ででも撃ち落としちゃいなさい。次行くわよ。各務 英流さん。『お姉さまに「愛してる♪」って言われるのが怖い。最後に一枚、婚姻届が怖い。でもトラウマは克服したいから‥‥ね、お姉様♪』」
亜理紗「上手いこと言ったつもりですかぁっ! いや、上手いですけど! というか、天儀では女性同士の結婚はできませんよね!? そうだと言ってください!」
一葉「‥‥出来ないっていう法はないわよ?」
亜理紗「ウソダドンドコドーン!」
一葉「冗談よ。次行きましょう。ペンネーム黒小人さん。『8月32日』」
亜理紗「え、それは誰もが望んでいるのでは‥‥」
一葉「永遠に夏が続いたらどう思う? って補足してあるけど」
亜理紗「エンドレス―――」
一葉「言わせないわよ? あと、これ。『うしろ』」
亜理紗「ぶっ!? こ、これ言葉よりお便り自体が怖いですよ! 客席の皆さん、見えます!? 真っ赤な紙に黒い字で『うしろ』って書いてあるんです! 字が垂れてるのがまた怖いっ!」
一葉「こういうのもアリっちゃありよね‥‥技ありだわ」
亜理紗「視覚に訴えるのは止めましょうよう‥‥。つ、次行きます。ペンネーム偽胸さん。『体重計。カロリー。ウエスト』」
一葉「げふぅっ!?」
亜理紗「あぁっ、こうかはばつぐんだ! か、会場の女性陣にも甚大な被害がっ!?」
一葉「こ、これも言葉のままで十分怖いじゃないのよ‥‥! 深くは触れないで次行きます。鷲尾天斗さんからで‥‥『六道』」
亜理紗「ごめんなさい」
一葉「ホンットごめんなさい。理由はわからないけど謝っておかなきゃいけない気がするわ‥‥」
亜理紗「記録係は業が深いのです‥‥。つ、次行きましょう。アムルタートさんから。『バルス!』」
一葉「うぅっ!? なんか急に日差しが眩しくなったような気がして、目が‥‥!」
亜理紗「あ、立っちゃ駄目ですよ! ふらついて落っこちるの確定ですから!」
一葉「か、会場の皆さんは大丈夫ですか? ‥‥‥‥はー、ようやく落ち着いてきた」
亜理紗「落ち着いてきたところ申し訳ないんですが、最後のお便り行きます。これ、今までで一番コーナーの趣旨を理解してくださってるものでして、書いてある事ずらっと行きますよ」
一葉「ど、どんと来なさい」
亜理紗「では‥‥ペンネーム、闇目玉さん。『葱』」
一葉「うん?」
亜理紗「『スピキュゥゥゥゥール!』」
一葉「ひでぶっ!?」
亜理紗「『クリスタルタワー』」
一葉「あべしっ!?」
亜理紗「『攻撃力はさほどでもない』」
一葉「たわばっ!?」
亜理紗「『危険な花びら』」
一葉「はぁ、はぁ‥‥」
亜理紗「『白紙』」
一葉「おぶばっ!?」
亜理紗「こ、これ、言ってる私も大ダメージなんですけど‥‥あぁっ、会場の皆様方が大惨事に!? 衛生兵ー! 衛生兵ー!」
一葉「ね、葱と花びらはよく分からなかったけど、他の言葉はどうしてこんなにダメージあるのかしら‥‥」
亜理紗「闇目玉さん的には葱が一番怖いみたいですよ? ほら、字が滲んでるでしょ?」
一葉「あら本当。私は二番目のかしらねぇ‥‥何もできない・させてもらえない感が凄かったわ」
亜理紗「他は触れないほうがお互いのためでしょうか‥‥」
一葉「うん、そうだと思う。というわけで、怖い怖いのコーナーでした」
亜理紗「本当に誰得だったんですか、このコーナー‥‥」


一葉「褒めてくれ!」
亜理紗「このコーナーでは、頑張ったこと、自慢したいことを送っていただき、私達がそれに勝手に点数をつけるコーナーです」
一葉「点数についての苦情などは受け付けませんので悪しからず。というわけでどんどんいきましょうか」
亜理紗「はーい、読みまーす。あ、コーナーまたぎましたが二連続ですね。ペンネーム闇目玉さん。『この間荒鷹陣のレベルが7になった! 褒めてください!』うーん、90点!」
一葉「平和なお便りでよかったわ‥‥さっきみたいなのが続いたらどうしようかと。85点で」
亜理紗「技がどんどん精練されてくのを実感するのも楽しいですよね! ますますの精進をお祈りしてます♪」
一葉「でも、技から考えると闇目玉さんは泰拳士なのかしら。私たちの知ってる人かしらね?」
亜理紗「それは詮索しないのが暗黙の了解ですよ。次、お願いします」
一葉「はい。鷲尾天斗さんから。『亜理紗とその他大勢の美少女と一緒に暮らす夢を見た』だって。60点」
亜理紗「う‥‥むー‥‥うーん‥‥さ、30点」
一葉「ほほう。亜理紗ちゃんとしては二人っきりのほうが良かったと?」
亜理紗「そ、そんな事言ってないじゃないですか! た、ただ、私だけ名前だったのは嬉しかったかなー、なんて‥‥」
一葉「イタタタ‥‥」
亜理紗「イタくないですよっ! か、一葉さんだってその他大勢の美少女に含まれてるかも知れないじゃないですか!」
一葉「私、もう二十歳だし。それでも入ってたら20点」
亜理紗「やっぱりその他大勢扱いは嫌なんじゃないですかー!?」
一葉「そりゃ女性としてはね。次行くわよ。ペンネーム平野 譲治さん。『打ち切り打ち切りと言いながら頑張る亜理紗と一葉』‥‥72点」
亜理紗「あれっ、意外と低いんですね。しかも半端。私は95点くらいあげたいんですけど」
一葉「さっきみたいな酷い目に合うこともあるから‥‥。楽しいことも嬉しいこともあるんだけどね」
亜理紗「ですね。じゃあ次ぎ行きましょうか。ペンネーム、まるごとラブ! さん。『馬鹿をゲットする為だけに射程伸ばすスキルを全て習得したこと。一気に金が吹っ飛んだぜ‥‥』うぅ‥‥涙ぐましいので87点で」
一葉「馬鹿ってあれだっけ? 幻の食材とか言われてたケモノ?」
亜理紗「ですです。‥‥って個人が特定できてしまいそうですねこれ!?」
一葉「依頼のために財を投げ出すその姿勢‥‥嫌いじゃないわ! ということで90点で。次行くわよ。アムルタートさんから。『重傷状態でお化け屋敷のお化け役(ミイラ)を最後までやりきったこと! めっちゃ痛かったけど、凄く楽しかった〜♪ 迫真の演技っていうか9割マジで呻いてたけど、ちゃんと最初から最後までしっかり驚かしたんだよ! 凄いでしょ〜♪』凄いけどすぐ治してもらって!?」
亜理紗「あ、これってもしかしてふつおたに来たお便りと繋がってるんですかね? とりあえず身体を酷使してまで迫真の演技を求めることじゃないですよぅ‥‥75点」
一葉「頑張りは認めるけど、身体を大事にしてねということで65点。好きな踊りが踊れなくなるのも悲しいでしょ?」
亜理紗「次行きますよー。ペンネーム、空(から)さん。『来月こそ暇になると言い続けて丸三年になりました、すごいでしょう?』‥‥‥‥一葉さん。私、何故だか涙が止まりません‥‥」
一葉「どこでも同じようなこと言われてるのね‥‥開拓者ギルドだって、来月はもっとゆったり出来るよとか言われてもそうなった試しがないし‥‥」
亜理紗「空さんは100点! でも暇になるといった人は15点!」
一葉「空さんに95点。暇になるといった人は5点で。ま、言った人も決して暇じゃないだろうから。次行くわよ‥‥ペンネーム偽胸さん。『ボク一応男の子ですが依頼で男の人を誘惑してカップルのいちゃらぶを妨害するのに成功しました!』100点」
亜理紗「点数高っ! 空さんでさえ95点止まりだったのに!?」
一葉「カップルなんて爆発しちゃえばいいのよ。あぁ妬ましい‥‥ぱるぱるぱる‥‥」
亜理紗「一葉さーん、コーナーが巻き戻ってます! 戻ってきてー!」
一葉「こほん、失礼しました。亜理紗、点数は?」
亜理紗「え? いや、その‥‥人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に堕ちろという諺もあるくらいですので、まぁその、50点くらいで‥‥」
一葉「嫉妬の心は父心なのよ? 押せば生命の泉湧くのよ。生温い感情は捨てなさい!」
亜理紗「うわーん、いつもの一葉さんじゃないー! と、とりあえず、ペンネーム幼蕾の狩人さん!『ところでボクの称号を見てくれ。こいつをどう思う?“超変態仮面貴族”女児ぱんつを顔面に装着して大立ち回りを演じたら貰えたのさ。フフッ、さあ褒めてくれ!』すごく‥‥レズレズです‥‥ってちっがぁぁう! 褒められますかっ! 35点!」
一葉「うーん‥‥まぁ、それをやりきってわざわざこの公共の場に投稿してくるクソ度胸は称賛に値するとは思うけどね‥‥じゃあ私は60点くらい」
亜理紗「というか、そのぱんつはきちんと同意を得たんですよね? 無理矢理だったら今からでも通報しますよっ!」
一葉「大丈夫でしょ、多分。えーっと‥‥あ、最後のお便りかしら。ペンネーム黒小人さん。『豪華錦絵「興志王」を強化しました。鉄くずになりました。担当した鍛冶屋の若者は逃げ出した。万商店の方からドドドという音と砂煙が‥‥。私は代理のもふえもんから鉄くず貰って帰ったけど、彼は多分捕まったんじゃなかろうか』‥‥‥‥あかんて、これはあかんてぇぇぇ!」
亜理紗「か、一葉さんが動揺のあまり方言に!? というかですね、そもそもなんでそれを強化しようと思ったんですか? なんで失敗したら絵から鉄くずが出来るんですか? ツッコミどころが満載すぎてどうしたらいいのか‥‥」
一葉「いや、それ以前の問題でしょ!? お願いだから逃げてー! 今夜が山田ー!」
亜理紗「あぁぁ、一葉さんの知的なイメージが崩れていく‥‥。点数は20点ということで! これで‥‥って、あれ? まだ一通ありますね。えっと‥‥うわ、各務 英流さん。なんかもうオチが読めた気がしますが‥‥『これから百年先も、お姉様を愛し続ける事を誓いますわ! さあ存分に褒めて下さいまし♪ そしてこの愛に応えて下さいまし♪』‥‥さん‥‥いや、ろく‥‥うぅっ‥‥ご、50点で‥‥」
一葉「あ、かなり迷ったわね。流石に低い点数をつけると忍びない? ちなみに私は70点」
亜理紗「さらっと復活せんでください。いやその、100年経ったら流石にお互い生きてないでしょうし、お応えできるかも分からないんで‥‥」
一葉「女の子同士のことだとしっとも湧かないものねぇ」
亜理紗「湧かれてたまりますかっ! 以上、褒めてくれ! のコーナーでした!」
一葉「もう少し自制しないとキャラを誤解されちゃうわね‥‥私」


亜理紗「お送りしてまいりました、神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜! 通称かぐらじ! そろそろお別れの時間となりました。今回もあっという間でしたねぇ」
一葉「喋ってるとすぐ時間経っちゃうんだけど、文字に起こす時大変なのよね。長いこと長いこと」
亜理紗「仕方ありませんよ、いただいたお便りはなるべく多く紹介したいじゃないですか。会場の皆さんもそれを期待して来てくださってるんでしょうし」
一葉「まぁね。最近、本当にかぐらじがギルドのPRになっているのか不安になってきたけど、これからも頑張りましょう」
亜理紗「なんで突然ネガティブになったんですか!?」
一葉「うぅ、まだちょっとおかしくなってるのかしら。とりあえず、開拓者ギルドではみなさんからの依頼をお待ちしています。今回お便りをくれたような楽しい開拓者さんもたくさんいらっしゃいますので、物怖じせず気軽に依頼を持ち込んでくださいね。お待ちしています」
亜理紗「次回もそう遠くないうちに‥‥少なくとも年内には開催したいとのことですので、その時はまた素敵なお便りをよろしくお願いしますね♪」
一葉「それではお時間です」
二人「かぐらじ、御静聴ありがとうございました♪」