綺羅星の群像劇
マスター名:西川一純
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: 難しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2015/01/06 23:20



■オープニング本文

 天に瞬く星々の、輝き受け継ぐ黄金の印。
 時は現在、場は集星。今、星座の力を持つアヤカシたちとの戦いが激化する―――


 星の一欠片(スターダスト・ワン)。それは八十八星座が描かれた黄金のメダルである。
 特別な出自を持つと思われる盾座を言葉巧みに誘導し、奇妙な協力関係を取り付けた開拓者たち。
 星見の間を突破し敵の本拠地導星の社へ到着した一行は、楔を打ち込み橋頭堡を確保。
 地下深くに眠るその場所には、ジルベリアで見られるような巨大な神殿がそびえ立っていたのだった―――
「ついに敵の本拠地に辿り着いたわけね。残る星座は20前後……激戦の予感」
「そ、それも重要なんですけど、一葉さん……どうして今回の依頼に平坂 空羅まで連れて行かないといけないんですか?」
 ある日の開拓者ギルド。
 今回からは直接導星の社に転移できるので、敵の内情を探るためにスニーキングミッションを行おうとしていた矢先、ギルド職員の西沢 一葉から聞かされた言葉は鷲尾 亜理紗にとって衝撃的であった。
 平坂 空羅と言えば、黄道十二星座こそ無いものの、かなりの数の星の一欠片を所有し、しかも他人にはできないメダルの同時発動も軽々やってのける、言わばライバル的な存在だ。そんな人物を何故依頼に同行させなければならないのかと不満なのである。
「仕方ないでしょ。私だって嫌だけど、上から言われちゃったんだもの。きちんと依頼として出したのか、協力を申し出たのか、賄賂を積んだのかは知らないけど、私達に拒否権はないの」
「……じ、実は私の転移術、10人で定員オーバーなんですぅ」
「……本当に? 嘘を吐くと後が怖いわよ?」
「……嘘です。ごめんなさい……」
 はぁ、とため息を吐く一葉と亜理紗。案件の担当だからといって過度な我儘は通用しないのが組織というものである。
 どちらにせよ、アヤカシの巣窟に乗り込もうというのだから危険は避けられない。覚悟が必要だといえよう。
「とにかく、敵がまだ20種前後の星座を残している以上、一気に攻め込んでも苦戦は必至。今回は導星の社の構造をなるべく調べ、地の利を少しでも身につけ、できれば敵の戦力を削る。敵の本拠地である上に平坂 空羅に盾座もいるから、不確定要素も満載。充分に注意してね」
「はい。ちなみに、平坂 空羅には護衛とかつけなくてもいいんですよね?」
「勿論。本人からもそういう発言が出てるし、無理に付いて来るんだからそこまでやってあげる必要はなし。勝手にやらせて、危なそうなら助けてあげるでいいんじゃない?」
「ですよねー。じゃあ早速準備してきます〜」
 そう言って依頼書の作成のため、一旦奥に引っ込む亜理紗。
 一人になった一葉はギルドの喧騒を眺めながら、ぽつりと呟いたのだった。
「……私は阿漕な事をやっている……。これは、甘え……未練―――」


 カウント・ザ・メダルズ! 現在、開拓者が使えるメダルは!
馭者座、山猫座、テーブル山座、三角座、南の三角座、海豚座、アンドロメダ座、ポンプ座
望遠鏡座、魚座、鳳凰座、矢座、時計座、彫刻具座、彫刻室座、蛇座
水蛇座、海蛇座、画架座、牡牛座、エリダヌス座、小犬座、小狐座、小獅子座
小馬座、蠍座、蝿座、六分儀座、八分儀座、大熊座、小熊座、孔雀座
竜座、顕微鏡座、カメレオン座、水瓶座、カシオペア座、ヘラクレス座、狼座、乙女座
巨嘴鳥座、コップ座、鶴座、飛魚座、炉座、祭壇座、麒麟座、一角獣座
鷲座、風鳥座、烏座、白鳥座、双子座×2、冠座、南の冠座、インディアン座
旗魚座、蜥蜴座、帆座、ペルセウス座、定規座、ケンタウルス座、コンパス座 、髪の毛座
オリオン座、猟犬座、レチクル座、牡羊座


■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163
20歳・男・サ
鷲尾天斗(ia0371
25歳・男・砂
真亡・雫(ia0432
16歳・男・志
相川・勝一(ia0675
12歳・男・サ
雪切・透夜(ib0135
16歳・男・騎
レネネト(ib0260
14歳・女・吟
各務 英流(ib6372
20歳・女・シ
何 静花(ib9584
15歳・女・泰


■リプレイ本文

●綺羅星、はぐれ星
「お前たちとつるむつもりはない。俺は俺の好きにやらせてもらう」
 星見の間をすっ飛ばし、導星の社まで一気に転移してきた開拓者たちと平坂 空羅。しかい空羅は開口一番協力関係を否定し、すたすたと歩き出してしまう。
 ここは星座アヤカシの本拠地。まだ見ぬ星座がごろごろいるはずで、一人歩きなど正気の沙汰ではない。
「平坂ってお前、久しぶりに見た気がするな、元気だったか風邪引いてないか」
「やれやれ……予想通りと言いますか。こちらも勝手をされては困りますのでね……私が同伴しましょう」
「亜理紗さんの護衛として動くつもりでしたが、頼れる旦那様がいらっしゃるので僕もおつきあいしますよ」
「フン……監視か。まぁいい、俺が倒した星座のメダルは貴様らにはやらんぞ」
 平坂の身が心配というよりも、勝手なことをされて後々こちらに被害が出るのを懸念した三笠 三四郎(ia0163)と真亡・雫(ia0432)は、監視がてら空羅と共に行動するようだ。
 ちなみにいの一番に声をかけた何 静花(ib9584)は半ば冷やかしのつもりで付いて行くことにしたらしい。
 他の面子は基本的に亜理紗をガードしつつ周辺の探索に当たる。三笠たちが正面に見えるジルベリア風の神殿に入っていった後も、残りのメンバーは慎重な姿勢を崩さない。
「……はて。確か誰かが遠見した時、洞窟の中に神社を見たという話を聞いたのですが、見えるのは神殿ばかりなのです。神社があるようには見えないのです」
「……あるよ。この神殿を抜けた所に神社もあるんだ。神殿を抜けないとそこには行けない」
「随分な和洋折衷と言いますか……なんだか神社の前に無理に神殿を建設したような感じですね」
 ここは地下深くの洞窟だが、光苔でも生えているのか周囲は曇りの天気程度の明るさがある。
 レネネト(ib0260)の疑問に盾座が答え、それを聞いた雪切・透夜(ib0135)がそんなことを呟く。
「どんどんと核心へと近づいている……のでしょうかねー。まだよくわからないですけど」
「近づいていてもらわなくては困りますわ。愛しのお姉様と御一緒できるのは僥倖ですけれども、お姉様を狙う不逞の輩をこれ以上増やすわけにもいきませんもの!」
「これ以上ってなんだ。ッつーかさァ、手っ取り早くコレ燃やしちまった方が被害拡大しねーンじゃね?」
「……無理だと思うよ。あれは普通の建造物じゃないから」
 相川・勝一(ia0675)と各務 英流(ib6372)はここが敵の本拠地であるということにまだ実感が湧かないらしい。
 鷲尾天斗(ia0371)は周囲を警戒しつつも過激な提案をするが、盾座によると火付けは無理であるようだ。
「…………?」
 大雑把に周囲の地形や目の前の神殿をスケッチしている雪切。忍眼で罠の発見にも務めるが、その気配は一切無い。
 本拠地に罠など必要ないと思っているのか、それとも……?
『両方だよ。開拓者諸君』
 目の前の神殿には入り口が一つしか無い。三笠、真亡、何が入っていったその場所から、二体のアヤカシが姿を現す。
「初めまして。わたくしは鳩座コルンバと申しますポー」
「我は南十字座クルッスス! いざ、尋常に勝負!」
 鳩人間といった風体のタキシード姿のアヤカシと、全身を鎧で武装し十字架を盾に刻んだ騎士風のアヤカシ。やはり調査だけして帰るというわけにはいかないらしい。
「とにかく数を減らしていかないとですね。相川・勝一……推して参る!」
「お姉様の御身は私が守ります。さぁ、鷲尾さんはずずいと捨て石に!」
「やかましい! 空羅が居るからねェ……嫁を護らず旦那が務まるかァって言うのよ!」
 先に突入した三人を心配しつつ、開拓者たちは戦闘へと突入する―――

●目的
 少し時は逆上り……先に神殿に入った三笠、真亡、何の三人は、空羅の同行に注意を払いつつも周りの風景に思わず感嘆していた。
 薄暗いながらもあちこちに三本ロウソクが立つ燭台が設置され、灯された火が周囲を照らす。
 入口正面には二股に別れた大階段があり、登りきった二階の踊り場には巨大な鏡のようなものが設置されている。
 一階の手前と奥、左右に合計4つの扉。これらはまるで人の手で作られたかのような印象さえ受けるが……?
「……つまらん。てっきり踏み込んだ途端アヤカシが襲いかかってくると思ったんだがな。拍子抜けだ」
「心眼にも反応はありません。どうします、一階と二階、どちらを調べますか?」
 空羅が得物を抜いてやる気まんまんだったのに対し、辺りはあまりに静か。
 真亡は内心他のメンバーを待つべきだとは思いつつ、三笠に問いかける。
 と。
「相変わらず血の気の多いやつだな。それが英雄様の心構えか? というか、英雄って結局なんだ、なにするんだ?」
「そのズバッと物を聞ける性格、少し羨ましいですよ……」
 身も蓋もない事を聞く何に対し三笠は頭を抱える。しかし空羅は平然とこう答えた。
「俺は英雄などではない。俺はこの星の一欠片を集め、石鏡に……いや、いずれは世界に覇を唱えるつもりよ」
『は……?』
「駄洒落か?」
「違います! つまりあなたは、石鏡に戦乱をもたらそうとしているわけですよね?」
「それがどうした」
「馬鹿な! そんなことを我々が許すとでも!?」
「許しを請う気なら最初からこんな手の混んだことはせん。ここに来た時点で第一段階は完了している」
 ニヤリ、と空羅が笑う。すると山猫座のメダルを使用していた三笠の脳裏にあるヴィジョンが浮かぶ……!
「こっちへ!」
 真亡と何を無理矢理引っ張り、一番手近だった右手前の扉に飛び込む三笠。
 それとほぼ同時に、空羅の身体から白いオーラが業火の如く立ち昇る……!
「チ……何かメダルを使っていたな。まぁいい……俺は俺で星座狩りだ―――」
 その左手には、炉座、ヘラクレス座、飛魚座のメダルが握られている。
 悠々とした足取りで、空羅は左奥の扉を開いていくのだった―――

●カタキ
「見つけた……姉さまの敵! 南の魚座ピスケス・アウストリヌスが相手よ!」
 右手前の部屋の中に飛び込んだ三笠、真亡、何であったが、飛び込んだ直後に扉が閉まってしまい、脱出できなくなっていた。
 そこには一匹のアヤカシがいたのだが、その容姿に真亡は覚えがあった。というか、忘れようがなかった。
「あなたは……ピスケスさんの、妹さん……?」
「そうよ! 姉さまがやられたと聞いてすぐにでもアンタを殺しに行きたかった……でも、姉さまの代わりにここを守るのが使命だってライブラ様に言われて……! でもようやくこの時が来た! さぁ勝負しなさい!」
 かつて真亡が倒した魚座。その妹を名乗るアヤカシに、真亡は躊躇を禁じ得ない。
 確かに外見はそっくりだが、田舎言葉ではないし人魚でもなく足が二本。しかも魚座が全てを魅了する雰囲気を持っているのに対し、彼女からはまったくそれが感じられなかった。
「ほー、同じ顔でこうも違うのか。性格というのは大事なんだなぁ」
「あえてノーコメントとさせていただきます」
 同じく魚座と戦ったことのある何のコメントに、三笠は再び頭を抱えつつ呻く。
「待ってください! 確かに彼女を倒したのは僕ですが……!」
「問答無用!」
 水で出来たフラフープのようなものを出現させた南の魚座は、自分を中心にそれを高速回転させ水のカッターと化し体当たりを敢行する!
「ちっ!」
 さり気なく背後の扉を蹴りつけその場を離れる何であったが、扉が開く気配は全くない。セオリーで言うなら、この南の魚座を倒さねば開かないというところか。
 この神殿はまっとうな建物ではない。それを思い知ったのは、真亡が心眼を再起動するのと斬り刻まれた壁がすぅっと自動修復されるのと同時であった。
「まさか!? 心眼に反応が無かったんじゃなくて、周囲全てに反応していたんですか!?」
「安心しなさい! この部屋にはアウストリヌスしかいない……他のやつなんかにやらせるもんですか!」
 水のフラフープはいくらでも増やせるらしく、円月輪のように飛ばしてくることもある。
 勿論自分の周囲に展開し初撃のように斬り刻みに来ることもあるので始末におえない。
 どうする……三笠が作戦を決めあぐねていた時だ。
「……何さん、援護をお願いします。三笠さんは、僕が失敗した時のフォローをお願いします」
「どうする気だ、などというのは野暮だな。どれ、試してみようじゃないか」
「……自分を犠牲になんていう作戦なら尻拭いは御免ですよ」
「大丈夫ですよ。僕にも、待ってくれている人がいますから」
 何の髪の毛座=髪が一部伸び、無骨な刃のような形に集合・硬化する。念じるだけで自由に操作可能
 髪の毛座のメダルの効果で、飛来する水のフラフープを叩き落とす何。それに業を煮やし、南の魚座は体に3つのフラフープを纏い真亡に突撃する。
 あくまで目標は真亡。軽量級の何を意地で弾き飛ばし、凶器のリングが真亡を襲う―――!
「……姉……さま……?」
 しかし、その鋭いリングは真亡の目の前で止まっていた。魚座のメダルを使った真亡を前に、何故か南の魚座は足を止めてしまったのである。
 美しい銀髪が伸び、絶世の美少女に変身した真亡。しかしその容姿は魚座にも、南の魚座にも全く似ていない。
 それでも南の魚座が足を止めたのは……真亡から感じる雰囲気が、魚座と同じに思えたから―――
「……謝っちゃいけない……けど……!」
 メダルを切り替え、鶴座のメダルを発動させた真亡。それとほぼ同時に、彼の白刃から龍の顎が放たれる……!
 閃波「白亡龍」。鶴座で反撃時攻撃力二倍の効果を得ているこの技を耐えることは、南の魚座にはできない。
「そっ……か……。姉さまは、納得して……アンタにメダルを、預けたんだね……なら……いい、か……」
 満足そうに消滅していく南の魚座の顔は、魚座の散り際とあまりに似ていて―――
「……ごめん……」
 悲しい泣き笑いで、真亡は南の魚座を看取る。その手には魚座と南の魚座のメダルが寄り添うように輝いていたという。
「どうやら扉が開くようになったみたいです。みんなのところへ戻りましょう」
 三笠に声をかけられ、真亡はその部屋を後にしたのだった―――

●平和と十字軍
 神殿の外で戦う開拓者たちは、二匹のアヤカシに思わぬ苦戦を強いられていた。
 というのも、やはり盾座がオートガードで邪魔をするのに加え鳩座と南十字座が思わぬ強敵だったからである。
 いや、南十字座はともかく鳩座は強くない。強くないが、攻撃が全く届かないのである。
「うるァ!!」
 鷲尾の放った魔槍砲の砲撃が、鳩座に届く前に空中で静止し地面に落ちる。そこでも爆発などせず、さらさらと灰のようになって消えてしまう。
 これは近接戦闘でも似たようなもので、武器を振り下ろしても何か強力なゴムのようなものに弾かれるような感触で空中で弾かれてしまうのだ。
「ポッポッポー。わたくしは平和の象徴鳩座。わたくしから攻撃することもありませんがあなた方の攻撃もわたくしには届かない……ラブ・アンド・ピースだっポー」
「五月蝿ェよ! クリムと能力だだ被りじゃねェか!」
「一緒にしないで欲しいっポー。わたくしの能力は他人を守ったりしないっポー」
「余計質悪ィだろォが!」
 まぁイライラさせて負の感情を還元するというところは一緒である。
 一方、南十字座は正統派で、自身の防御力を活かしこの場への移動術の使い手である亜理紗を殺しにかかる。
 重武装の鎧と盾、そして片手では普通は扱えない大剣を振り回す突破力は侮れないが、彼には一つ誤算があった。それはレネネトの存在である。
「残念ですがそこから先は通行止めなのです」
「うぉぉっ、何故だ!? 何故進めぬ!?」
 レネネトの定規座は、指定した敵を自身から5m以内に近づけさせない効果を持つ。
 亜理紗とぴったりくっついてこれを使用すれば、南十字座は当然亜理紗にも近づけない。
 正統派であるが故、こういう絡め手には対応できないらしかった。
 そこに。
「ちぃっ! 不意打ちとは卑怯! 恥を知れぃ!」
「旅の恥は掻き捨てという言葉があってね」
 太刀で斬り込む雪切。南十字座は目標を雪切に切り替え、大剣を振るう。
 当初、雪切はわざと武器を飛ばされる気でいたのだが、その重たい一撃は飛来した盾座のオートガード3枚重ねもろとも彼の愛刀をいともたやすく弾き飛ばし、握っていた手を痺れさせてしまった。
「(しまった……!)」
 番天印に持ち替え奇襲する気でいた雪切だったが、右手が痺れてそれも叶わない。
「分の悪い賭けは嫌いじゃないさ! ……いや、好きでもないが、どうせ効果がわからないのはいつものこと!」
 まずい! と思った瞬間、相川たちはそれぞれ星の一欠片を発動させる。
 レネネトの牡羊座=自身がもふもふの羊毛に埋もれる。魔術を弾く性質があるが、息ができないので長く埋もれていると窒息する
 相川の狼座=持っている武器が狼の口のように形状変化し、噛み付く武器になる
 各務のオリオン座=体育座りをすると体力とダメージが急速に回復する
 雪切のレチクル座=空中にオーラでできた防護ネットを張る
「噛みつけぇぇぇ!」
 相川が狼槍を南十字座の大剣に噛み付かせ、受け止めようとするが重量差がありすぎる。そこで雪切がレチクル座でネットを張り相川を補助、ふっ飛ばされず空中で耐える!
「何!?」
 その隙を突き雪切が南十字座の懐に飛び込む。彼の手はまだ痺れたままであったが、忍鎧「羅業」には練力に呼応して飛び出す暗器がある。
 普通なら重装甲の南十字座を貫くことはできない威力。しかし、聖堂騎士剣を使用すれば話は別……!
「がぁっ!? 馬鹿な……騎士ならば、正々堂々と……!」
「騎士ならば正々堂々? 冗談、それは驕る強者の理屈だろうさ」
 密着状態では盾座の妨害もありはしない。南十字座は大音響の金属音を響かせ消滅したのであった。
「なんと!? まさかあのクルッススが……しかしわたくしは倒せないっポー」
「それはどうかなァ」
 余裕の表情の鳩座に対し、ニヤリと邪悪な笑いを見せる鷲尾。その手にはカシオペア座のメダル。
 鷲尾のカシオペア座=オーラでできた手持ち式リボンを生成する。2スクエアまで伸縮自在
 洞窟内を飛び回っていた鳩座を鷲尾のリボンが襲う。鳩座は自身の能力で弾けると信じて疑わなかったが……
「その見えねェ防護壁ごと巻きつけたらどうなンのかなァ!?」
「ポ!? ポー!?」
「ついでに攻撃の意思を持ってねェ床と激突させたらどうなンだオラァ!?」
 全力で腕を振るい、鳩座を地面に叩きつける寸前でリボンを離す。
 鳩座は脳天から地面に激突し、そのままメダルを残して消滅したのであった。
 その後、三笠、真亡、何が合流しても空羅が帰ってこないので、一同は苦々しいながら彼を置いて帰還する他なかったのである―――