わりとどうでもいい
マスター名:西川一純
シナリオ形態: イベント
相棒
難易度: 易しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2014/06/28 22:01



■オープニング本文

 天儀の中心都市たる神楽の都。
 様々な人が行き交うこの都に、開拓者ギルドは存在する。
 はてさて、今日はどんな依頼が舞い込むやら―――

「かこうじゅん、でしょうが!」
「かこうとん、です!」
 ある日の開拓者ギルド。
 お昼の休憩中に、職員の西沢 一葉と鷲尾 亜理紗が何やら言い争いをしているようだった。
 仲の良い二人のことなので他の職員は珍しがったが、内容がわりとどうでもいいことだったので各々休憩に戻る。
「じゃあ聞くわよ……キャッスルと言えば!?」
「バトルキャッスル!」
「ちょっ……ドラゴンキャッスルに決まってるでしょ!? 何考えてるの!?」
「一葉さんこそ何考えてるんですか! じゃあ噂の開拓者、緋色くんと言えば!?」
「『お前を殺す』」
「はぁ!?『ッハハハハハハ! 後一機ぃ!』ですよ!」
「そんな本人も忘れてそうな黒歴史掘り出してくるんじゃないわよ! どうやらあなたとは一度きっちり話を付ける必要があるみたいね!?」
 会話の内容もくだらないが、発端も至極くだらない。お弁当を食べている最中、午前中に眼帯をつけた客がいたことを思い出し、亜理紗がポロリと『眼帯といえばかこうじゅんですよね』などと発言したことによる。
 そこからはもう止まらない。お互いの認識のズレが次々と浮き彫りになり、口論に発展する始末。ある意味離婚とはこうして起こるのねという見本のような流れだった。
 離婚話と違うのは、人生においてさして重要でない喧嘩であることなのだが……本人たちには意外と譲れないラインの話が多く、『そんなくだらないことで』と仲裁に入ると大火傷する可能性があるのは離婚話と変わらない。
「いいですよ、いくらでも語り明かしますよ。でも、こういうのって本人たちだけで言い争いをしても絶対に結論でないと思うんですよ」
「確かにね。第三者の意見というか裁定が必要かも」
「……やりますか?」
「……久々にやっちゃいましょうか。羅字音!」
 羅字音とは、正式名称『神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜!』という開拓者ギルドのPRイベントである。
 神楽の都某所に人を集め、拡声採用のある宝珠を用い亜理紗と一葉の二人が参加者からもらったお便りを読みつつトークを繰り広げるというもの。
 依頼の形式上、開拓者自身の出番はほぼ100%無い。好き嫌いは多分に分かれることだろう。
 今回は更に形式が特殊で、亜理紗と一葉が言い争いしているわりとどうでもいいこと11個に対し、自分はどちらを指示するか記入してもらい、特記事項があればコメントを添えてもらえるとディ・モールト・ベネ。
 題材一つ一つに対し寄せられた投票結果やコメントなどを読み、亜理紗と一葉がトークしていく流れとなるだろう。11個のお題に対し、どちらがより支持を得られるか……パーソナリティ同士の勝負とも言える。
 ただし、内容は わ り と ど う で も い い ことばかりであることをお忘れなく。
「ふっ……とうとう私が一葉さんを超える日が来てしまったんですね」
「言ってなさい。今回キッチリ勝って、次は『刻の涙を見る』って題材の羅字音開いてあげるわ!」
 ちなみに二人が言い争いをしている題材は以下のとおり。

1:かこうじゅんorかこうとん

2:ドラゴンキャッスルorバトルキャッスル

3:お前を殺すor後一機ぃ!

4:梵梵or殺殺

5:タケノコorキノコ

6:つぶあんorこしあん

7:虹野or陽ノ下

8:からくりorアーマー

9:イモチョキorピストル

10:ブルースorゼロ

11:メイドor巫女

 左側が一葉の意見、右側が亜理紗の意見である。
 お題そのものは推して知るべしだが、虹野or陽ノ下は人気のアイドル的開拓者、ブルースorゼロは最近有名になってきたからくり開拓者のことである。他意は存在しない。いいね?
 果たして、わりとどうでもいい言い争いの軍配はどちらに上がるのか!? それ以前にこんなわりとどうでもいい言い争いに投票してくれる人がどれだけ居るのか!?
 その結果さえもわりとどうでも……よくはないが、いい―――


■参加者一覧
/ 鷲尾天斗(ia0371) / 海神 江流(ia0800) / からす(ia6525) / 无(ib1198) / フランヴェル・ギーベリ(ib5897) / 各務 英流(ib6372) / アムルタート(ib6632) / 神座亜紀(ib6736


■リプレイ本文

●通算四回目!
一葉「せーの」
二人「開拓者ギルドプレゼンツ! 『神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜!』」
亜理紗「皆さんかぐらじは、開拓者ギルド職員、鷲尾 亜理紗です」
一葉「同じくかぐらじはー、ギルド職員、西沢 一葉です。というわけであなたの結婚式も含めると通算4回目かしら。今回は今までとちょっと趣が違うわよね」
亜理紗「コーナーが一つしかありませんからね。にも関わらずたくさんの観客の皆様、ご来場ありがとうございま〜す。暑くなってきた昨今、水分補給はマメに、ですよ♪」
一葉「はい、じゃあさくっと始めましょうか。神楽のみなさーん、開拓者羅字音ですよ〜! 略してかぐらじ! 本日は私と亜理紗の激しいトークバトルの予定です」
亜理紗「このイベントは。開拓者ギルド。眼鏡の分鏡堂。お食事処さざなみ。お休み処(?)夜零館、の提供でお送りします♪」


一葉「改めましてかぐらじは、西沢 一葉です」
亜理紗「かぐらじはー、鷲尾 亜理紗です。んー、この苗字になってからのかぐらじは初めてなんでちょっと新鮮♪」
一葉「はいはい惚気死すべしされるわよ。それじゃ今回の目玉にして唯一のコーナー! 『わりとどうでもいい』」
亜理紗「このコーナーでは、事前に提示した11の質問に対し投票及びコメントを頂いて、私と一葉さんどちらの意見がより支持を得られるかを競い、ついでにコメントを弄ってトークしようというコーナーです。本人たち的にはどうでも良くないこだわりがありまーす」
一葉「こちらのパネルを御覧ください。お題11個の詳細が書かれてるの分かります? この左右にめくれるようになってる部分があって、そこに投票結果が書かれてます」
亜理紗「私、これ一度やってみたかったんです! パネルの隠された部分をバッと剥がして進行! んー、なんか司会者っぽい♪」
一葉「司会者よ、これまでも!」
亜理紗「にゃはは。それじゃあまずは最初のお題……『かこうじゅんorかこうとん』!」
一葉「左に書いてあるのが私、西沢 一葉の意見。右側に書いてあるのは亜理紗の意見です」
亜理紗「会場の皆さんはどっちだと思いますー!? …………なんとなーくかこうとんの方が多そう?」
一葉「むむむ。ではお便りでの結果はどうだったんでしょうか。オープン!」
亜理紗「かこうじゅん0! かこうとん7で私の勝ちー♪ 圧倒的じゃありませんか我が軍は」
一葉「うそー!? なんでどうしてホワイ!? 一票も入らないって!? 横山さんに謝ってー!?」
亜理紗「誰ですか……。ふっふっふー、結果は素直に受け入れましょう♪ 頂いたコメントを紹介ですよ。私の義妹、アムルタートさんから。『葛根湯みたいで美味しそうだよね!』」
一葉「葛根湯って美味しいの……?」
亜理紗「さ、さぁ……発汗作用が良くなるとは聞くんですが。他にもペンネーム空さん。いつもありがとうございまーす。『学者的にはこれ』ですとか、こちらも常連、神座亜紀さんから『惇兄(とんにい)読みが頭に刷り込まれてるからかな?』というコメントをいただいてますね」
一葉「学者さんに否定されるとぐうの音も出ない私……。そういやじゅんにいとか呼ばれてるのは見たことないわね……。あぁでも、でもね、私の青春ではかこんじゅんだったの! 松本さんのイケボでかこうじゅんって呼ばれてたのよぉぉぉ!」
亜理紗「だから誰ですか!? えっと、この話題を続けると一葉さんが壊れちゃいそうなんで次のお題に行きますね」
一葉「くすん……。次は『ドラゴンキャッスルorバトルキャッスル』何のことかわからない会場の皆さんはフィーリングで感じ取ってください」
亜理紗「結果は……ジャン! 3対4でバトルキャッスルの勝利〜♪ やっふー!」
一葉「連敗だけど、今回は惜しい感じ! まぁこれに関しては禍根はないわ。えっとコメントとしては……『折角仲間になったのに敵に回って大苦戦。忘れがちだが「友情」を司るナイスガイ』だって」
亜理紗「かー! この人は分かってますよ! 海神 江流さん、覚えておきます! いいですよー、いいですねー! マイナーなところを攻めていく姿勢を私は貫きたい!」
一葉「……あんまり深すぎると周りがついて行けないぞって旦那さんに注意されたんじゃなかったの?」
亜理紗「うぐっ……まぁ、その……これってマイナーですかぁ?」
一葉「マイナーです」
亜理紗「キッパリ!? え、えっと他のコメントは……あ、旦那様の鷲尾 天斗さんから『黄色は嫌』だとか」
一葉「色で決めないで!? ペンネーム空さんからは『実は両方知らない』ってコメントが。ほら、やっぱりマイナー」
亜理紗「ジェネレーションギャップ……」
一葉「はいはい、それじゃ次のお題ね。そろそろ1勝がほしいわ。『お前を殺すor後一機ぃ!』結果は……ジャン! 4対2でお前を殺すの勝利〜! まずは1勝返したわよ!」
亜理紗「そんなー!? 緋色くん……あぁ、あくまで開拓者のお一人デスヨ? 彼を知ってる人はまず最初にこれを聞いたはずなのにー!」
一葉「いや、まだキャラが定まってなかったんでしょきっと。コメントでも神座さんから『初っ端女の子に言い放つ言葉としては衝撃的だよね』とか、この方も常連、ペンネーム黒小人さんから『俺は神など信じない』、海神さんから『早く戦争になあれ!』とか熱いコメントが!」
亜理紗「後ろ二つ他の名言じゃないですか! 最後のは緋色くんのですらないし!」
一葉「じゃあ後一機ぃ! にはどんなコメント来てるのよ」
亜理紗「えっとですね……アムルタートさんから『あーっと一機! あーっと一機!!』旦那様から『のーこめんと』……」
一葉「身内票ばっかりじゃないの。コメントですら擁護されてないし」
亜理紗「うわーん! 負けはしましたけど天斗さん、アムちゃん、愛してますー!」
一葉「はいはい、次行きましょうか。次のお題は……『梵梵or殺殺』。……おぉ、会場の皆さんのボルテージが急に上がった!」
亜理紗「やっぱり気になりますよね。よね! どちらも一時代を築き多くの犠牲者(?)を出した罪深き存在! より評価を得たのは……こちら!」
一葉「あーっと、3対3で同点、引き分け! またしても決着ならずかぁ!」
亜理紗「……あれ? お題3もそうだったんですが、人数比おかしくありません? 最初は7票がデフォだったのに」
一葉「そこに気がつくとは……やはり天才か。ぶっちゃけたことを言うと無効票がでてるからよ。どちらも選べなかった人がいるみたいね」
亜理紗「お気持はわかります。どちらもよいものですもんね!」
一葉「コメントもいただいてるわよ。あなたの旦那様から『もでらーだったら梵梵だろォ!』」
亜理紗「天斗さんの裏切り者ー!?」
一葉「こらこらそこは個人の趣味だから。っていうか、もでらーって何?」
亜理紗「彫刻とかを彫る人だと聞いてます(キッパリ)」
一葉「……彼、そんな趣味あったっけ……? 追い打ちを掛けるようだけどあなたの義妹から『梵字? ボンボン? お坊ちゃん!』」
亜理紗「アムちゃんまで!? オンドゥルルラギッタンディスカー!? しかも内容理解してないっぽいし!」
一葉「まーこれで不正無く投票してくれてるってことがわかったからいいじゃない。そっちのコメントは?」
亜理紗「えっと……神座さんから『梵梵って仏像狂四朗しか知らないんだよね。殺殺は賭博場あらしとか、グライダーQ太とか知ってるよ』って、古ッ!?」
一葉「……神座さん、あなたよりかなり年下よね……?」
亜理紗「それはツッコまないお約束。ペンネーム幼蕾の狩人さんからも来てますけど……コメント読みます?」
一葉「聞かなくても分かる気もするけど……どうぞ」
亜理紗「『源ちゃんの入浴シーンは至高!』」
一葉「アウトー! まったく相変わらずねこの人も!? ブレなくて逆に安心するレベル。ところで亜理紗、あなた根っからの梵梵派だったのになんで殺殺推してるの?」
亜理紗「心情的には梵梵なんですが、売り上げ的な実情を考えると敗北を認めざるをえないかなーって……。無くなっちゃいましたしね……梵梵……。うぅっ……!」
一葉「湿っぽくなるからやめてもらえる……?」
亜理紗「じゃあ語らせてください! 思う存分! 梵梵の思い出を!」
一葉「尺が足りなくなるから自分の家で旦那さん相手に語ってなさい。後ね、ペンネーム空さんから『王泥棒好き。というか癌癌は?』っていう声とペンネーム黒小人さんから『銃銃』って声が」
亜理紗「元気出して元気出して少年岩岩♪」
一葉「古っ! っていうかまた一部の人しかわからないようなネタを!」
亜理紗「えっ、これもマイナーでした!?」
一葉「……自分のマイナー基準を世間一般のマイナー基準と一緒にしないほうがいいと思うわよ?」
亜理紗「ぐぬぬ。と、とりあえず岩岩はですねぇ、梵梵や殺殺より対象年齢が高かったようなイメージが有るんです。それに、二大巨塔と言えばやっぱりこの二つでしょう?」
一葉「まぁそこに異論はないけど……って話が脱線していくわね。次、お題5いくわよ」
亜理紗「ふぁい……。次のお題は……これも荒れそうですが『タケノコorキノコ』! ファイッ!」
一葉「いや、これはもう決まったようなもんでしょ……結果は……ジャン! げ、嘘!? 3対4でキノコの勝ち!?」
亜理紗「キノコは正義。はっきりわかんだね」
一葉「いやいやいや! 観客席からも結構なブーイング起きてるじゃないの! あのサクサクッとした食感に対してそっちのはバキバキっていうか凄く軽くて安っぽいじゃない!?」
亜理紗「ド素人ですね、そこがいいんですよ。傘は傘、へたはへたできちんと分かれていることに意義があるんです。食感の良さは認めますが、一体型になっているのは実はマイナスポイントですよ」
一葉「嘘だぁ!? ヘイジャーッジ! ジャーッジ!」
亜理紗「そんなのいませんから。えーっと、鷲尾天斗さんから『たけのこ厨はデカイ顔せず今までの用に大人しくしてろォ』とのコメントが他にも神座さんから『キノコの方が食感が好きなんだよね』とかアムちゃんから『きのこ料理美味しい!』とか!」
一葉「こっちだって、ペンネーム空さんから『食感でこっち』とか海神 江流さんから『あのザクザクした歯ざわりがいい。竹藪には大金が落ちてたりするし』って熱い意見があるのよ!」
亜理紗「竹藪に大金なんて落ちてます……? っと、タケノコ側のコメントが何故かこちらに。ペンネーム幼蕾の狩人さん。『キノコは嫌いでね……ボクは女性にしか興味ないからタケノコはいい……薄衣を一枚一枚剥いで未成熟な白い肌を―――』って何読ませるんですかぁっ!?」
一葉「う、うーん……投票はありがたいけどなんか複雑な気分。……あら、こっちにはキノコ側のコメントが。入れ替わっちゃったのかしらね。何々……ペンネーム黒小人さん。『混ぜて食べろ。それで世界が平和になる。美味し糧に境無し、結局のところ美味ければどうでもよくなる』」
亜理紗「混ぜるッ!? 馬鹿なッ! キノコとタケノコをッ! 同時にッ! 混ぜて食べるだなんてッ! そんなッ! そんな恐ろしいことッ!」
一葉「なんで急に奇妙な感じになったわけ……? あぁ、でもごもっともな意見かも。結局はどっちも美味しいんだから、論争するくらいならどっちも同時に食べちゃえ、みたいな」
亜理紗「グ、グムー。そうなると次のお題も結果が出ちゃった風味なんですけどね。お題その6、『つぶあんorこしあん』結果は……デデン! 惜しい! 4対3でつぶあんの勝ちですかー!」
一葉「よしよし、巻き返してきたわよー! 意気揚々とコメントね。ペンネーム幼蕾の狩人さん。『コシも好きだがアンコを舌で押し開き中で密やかに息づく「つぶ」を優しく―――』ってこらぁぁぁ!? どうしてこの人はもう!? っていうかさっきの取り違えと言い、スタッフわざとやってるでしょ!? スタッフー! スタッフゥー!」
亜理紗「いや、もう幼蕾の狩人さんには関心しますよ。よくあんこやキノコタケノコでそっち方面にもっていけますよね。この人なら墨と硯でもそっち方面に持っていけそう」
一葉「え、それなら普通一度は考えない?」
亜理紗「えっ」
一葉「えっ」
亜理紗「なにそれこわい。きちんとしたコメント行きましょう。アムちゃんから『粒がない方が好きだな♪』ですよねー、舌触りが滑らかでいいですよねー!」
一葉「鷲尾 天斗さんから。『こしあんキライ』」
亜理紗「はぅあっ!? そ、それなら毎日こしあんの入ったお菓子作ってこしあん好きに矯正してあげますよぉぉぉ!?」
一葉「他にも『やっぱり粒粒感がある方が好きかな?』とか『料理、菓子として完成されてればどちらでも』とか。うーん、やっぱりこの結論に至っちゃうわけね」
亜理紗「どちらもいいものには違いありませんからね……。でもでも、ペンネーム黒小人さんの『サツマイモ』ってコメント! サツマイモ餡はつぶあんじゃできないわけですよ! こしあんならではですよ! 黒小人さーん、素敵なコメント感謝ですよー!」
一葉「はいはい。じゃあ後半戦も頑張っていくとして、次のお題7ね。『虹野or陽ノ下』結果は……ジャン! 4対2で虹野さんの勝利ー♪ 3勝3敗1分け、いい感じいい感じー♪」
亜理紗「ウワァァァン、ちなみにどちらも開拓者の人ですからねー、誤解のなきように注釈ですー。おっかしいなぁ、運命的な感じなら絶対陽ノ下さんなのにー!」
一葉「スカウトだって充分運命的でしょ。これについてのコメントは控えさせていただきます。なんかこう、危ない感じと悲しい感じが入り乱れてるので。でも亜理紗、無効票のこれだけ読んで」
亜理紗「はい……? 虹野or陽ノ下なのに答えが『亜理紗』? コメントは……『やっぱ嫁が一番だァ、愛してるよ』……天斗さん……私もですよー! 負けても悔いはありませんー!」
一葉「爆発してしまえ」
亜理紗「ちょっ!? 一葉さんが読めって言ったくせに!?」
一葉「段取り上仕方なく。はー、私にも良い人現れないかしら」
亜理紗「ぐ、愚痴っぽくなるんで次に行きましょう。お題8『からくりorアーマー』。これは開拓者さんには超身近ですからね……どうなるでしょう。結果は……デデン! ぶっ!? 6対1でからくりの勝ちですか!? 逆転されちゃったー!?」
一葉「だってアーマーって基本騎士用でしょ? からくりは誰でも相棒として連れていけるし。コメントにも『相棒だから』とか『相棒の雪那にはお世話になってるからね
』とか『一緒に踊れるから!』って意見が満載」
亜理紗「うわー……身内や神座さんまでそっちー……」
一葉「まずはアーマーが変形・合体できるようになってから来なさい。話はそれからよ」
亜理紗「からくりだってそんなことできないでしょうが!?」
一葉「海神 江流さんからのコメント。『話し相手にもなってくれる』」
亜理紗「……ぐぅの音も出ません……」
一葉「ペンネーム幼蕾の狩人さん。『大抵のアーマーよりボクの方が硬い』」
亜理紗「どこが硬くなってるんでしょうかねぇ!? もういいです、次行きましょう!」
一葉「はいはい。お題9『イモチョキorピストル』結果は……ジャン! れ、0対6でピストルの勝ち……!? うっそ、これイモチョキって言うでしょ!? うわー……ホント得票数0って本当に凹むわ……」
亜理紗「どこの地方民なんですか一葉さんは。グーチョキパーもしくはピストルでしょ、常識的に考えて」
一葉「石鏡の地方民よ! だってジャンケンにピストルなんて手はないもん! グーチョキパーは反則だもん! チョキの変形型であくまでチョキ、それ以上でもそれ以下でもないのがイモチョキだもん!?」
亜理紗「いや、さっき一葉さん『自分のマイナー基準を世間一般のマイナー基準と一緒にしないほうがいい』って自分で言ってたじゃないですか。壮大なブーメランですね。コメントでも、アムちゃんとペンネーム幼蕾の狩人さんから『イモチョキって何?』って一字一句違わない疑問が来てますよ」
一葉「いや、私としてはその二人が一字一句違わないコメントをしてきたことのほうが不思議だけど……。ケッコンしてしまえばいいと思うわよ」
亜理紗「幼蕾の狩人さんには義妹(いもうと)はあげられません!」
一葉「然り。じゃあとりあえず次行きましょ。お題も後二つ、10番目!『ブルースorゼロ』! 結果は……ジャンジャジャーン! ……い、今明かされる衝撃の真実ぅ……」
亜理紗「1対6で私の勝ちー♪ これで4勝5敗1分け! ほらほら一葉さん落ち込まないでー。今度は1票入ってますよーほらほらー♪」
一葉「ぴぴぴーぴぴー。ぴぴぴーぴーぴぴぴー」
亜理紗「口笛でごまかさないように。あ、ちなみに勿論このお二人もからくりの開拓者さんたちですので類似品にご注意ください。ではゼロに寄せられた熱いコメントをご紹介! 海神 江流さん。『ゼロは2シリーズ跨いでる格の違い』ですよねー!」
一葉「二番煎じのくせに……」
亜理紗「おんやぁ? 悔しかったら主役のタイトルの一つも作ってもらってくださいよぉ」
一葉「うぐぐっ……! 接近戦しかできないくせに……!」
亜理紗「そこが魅力ですし。いざとなれば落鳳破なんてのもですね……」
一葉「……わかった。この話はやめよう。ハイ!! やめやめ」
亜理紗「兄さん!? それはともかく、いよいよ最後のお題! 奇しくも4勝5敗1分けといい感じで進んでおります。このまま私が逃げ切るのか、はたまた一葉さんが意地で引き分けに持ち込むのか!? ラストのお題は『メイドor巫女』! 結果は……コマーシャルの後!」
一葉「無いから! 台本にないことしないの! 剥がすわよ……ジャン! えっ、あれっ? さ、3対1でメイドの勝ちー!」
亜理紗「無効票多っ!?」
一葉「というわけで11個のお題で激論バトルを繰り広げましたが、結果は5勝5敗1分けの完全ドロー! なんかマッチポンプっぽくなっちゃったけど、不正は存在しない。いいね?」
亜理紗「アッハイ。というか、最後のお題がなんかもにょるんですけど。無効票についたコメント、聞いてもいいですか?」
一葉「えっとね……『……選べようものか……くっ!』」
亜理紗「あー……分かる気がします」
一葉「『服装より中身が幼女かどうかの方が重要だ!』」
亜理紗「あー……全く理解できない」
一葉「『すくーる水着。ろりにすくみず、これ最強』」
亜理紗「た・か・とさぁぁぁぁぁんッ! 何ですか学校の水着って!? わけわかりません! 普通の水着じゃ駄目なんですか!?」
一葉「亜理紗、論点違う。あくまでロリが主軸よこれ」
亜理紗「わかってますよ! これじゃうちの旦那様が幼蕾の狩人さんと同類みたいじゃないですかぁ!?」
一葉「えっ」
亜理紗「えっ」
一葉「なにそれひわい」
亜理紗「上手いこと言ったつもりですか!? ……って、え? なんですかスタッフさん。ペンネーム空さんからのコメント?『ギルド上層の人が今回の羅字音は二人の各人が自分で推した格好で行い、羅字音中でお互いにお互いを描写説明するって宣伝してました。期待している方も多いと思います、ガンバ』……いや、私は普段から巫女服の上にギルド指定の羽織ですんで……え、羽織を脱げ? い、いやそれはちょっと……」
一葉「えっ、何? 私にメイド服着ろって!? 嘘でしょ、着替えてこいっていうの!? 来場者へのサービス!? いやいやいや、21歳のメイド姿とか需要無いでしょ! そこ、拍手しない! え、用意はしてある!? ちょっ、待っ、嘘ぉぉぉ!?」

 しばらくお待ちください

亜理紗「ど、どうも、改めまして鷲尾 亜理紗です。……ほら、一葉さんも出てきてくださいよ!」
一葉「嘘でしょぉ……こんな衆目の前でメイド服とか……ますますお嫁にいけなくなる気がするぅ……」
亜理紗「おぉー……シックな黒地に純白のフリルや意匠が映える、まさに王道メイドスタイル! スカートも長く清楚な雰囲気を醸し出しつつ白い靴下と黒いローファーがいい感じですね。その頭の……ブリムっていうんですか? 一葉さんの基本装備、メガネと合わせて知的なメイド感が出てていいですねー♪ ちなみに中はガーターベルト?」
一葉「も、黙秘します。あなただっていつもの巫女服とはちょっと違うじゃない。羽織を着てないのもそうだけど、朱袴が膝くらいしかない上に生足だもの。あと、なんていうの? 袖と胴部分が独立してて、脇が見えるような作りになってる。何それ、どこの神社の巫女服?」
亜理紗「はくr」
一葉「あー! あー! やっぱ言わなくていいわ!」
亜理紗「いや、一口に巫女服と言ってもやっぱり恥ずかしいですね……羽織がないとこんなに心細いとは。早くもとの巫女服に着替えたい……。え? 今回のお仕置きコーナー? そんなのなかったはずじゃ……」
一葉「何々……『尽く無効票になったお便りがあったんで、メイド服と改造巫女服披露も兼ねて新たなコーナーを設置しました。弄って弄って弄り倒してください』だって」
亜理紗「うぅ……反対しても無駄なわけですからさくっと終わらせちゃいましょう。えっと、どういう形式でいきます?」
一葉「あなたのツッコミスキルに期待して、私がお便り読みあげるからあなたがツッコんで」
亜理紗「ツッコミどころ満載ってことですよねぇ!?」
一葉「いやー、これはひどい。ほらほら、さっきまでと違って立ってやらなくちゃいけないんだから早く配置について」
亜理紗「うーん、なんか身構えちゃいますね……」
一葉「ではお題1『かこうじゅんorかこうとん』。寄せられた答えは……『独眼竜』」
亜理紗「レッツパーリィ! ってちっがーう! 単純に読み方を聞いてるのになんで違う開拓者さんを挙げてるんですか!」
一葉「そうそうその調子。次行くわよ……お題2『ドラゴンキャッスルorバトルキャッスル』。答えは……『キャッスル幻想』」
亜理紗「だーかーらー! どっちかって聞いてるのに! ……でもあの絵は正直衝撃的でした。美麗すぎて」
一葉「お題3『お前を殺すor後一機ぃ!』。答えは『既に暗殺されてた』」
亜理紗「誰が!? 誰に!? 緋色くんまだ生きてますよ!?」
一葉「お題その4『梵梵or殺殺』。答えは……んっと……これ。『々々』」
亜理紗「ウェ!? ……えー……なんて読むんですかそれ……一葉さんも声に出してくださいよ!?」
一葉「無理。私も読めない」
亜理紗「えー……あーうー……じゃあ踊り字だからおどおどでいいか。っていうか私がオドオドしちゃいますから止めてもらえませんか!?」
一葉「お題5」
亜理紗「スルー!?」
一葉「『タケノコorキノコ』。答えは『大人の……が付けば争いも起こりませんわ……』」
亜理紗「いや、付いても同じですよ! 意味深に解釈する人もいますし! っていうかもう分かりましたよ、このお便り各務 英流さんからでしょう!?」
一葉「ぴんぽーん。お題6『つぶあんorこしあん』。答えは『どっちも砂糖の入れ過ぎで食べれたもんじゃない……一週間後、あんた達に本当のねりあんを食わせてやるよ』」
亜理紗「あ、是非お願いします……っていうか誰!? 鼻血出す人!?」
一葉「危険なネタは避けるように。お題7『虹野or陽ノ下』。答えは『大倉。異論は認めますわ』」
亜理紗「あれっ、意外な趣味……じゃなくて、第3の選択肢はやーめーてー!」
一葉「お題8『からくりorアーマー』。答えは『グライダーの事も忘れないであげてください』」
亜理紗「すいません。それについてはホントすいません。グライダー=アーマーの一部みたいに思ってたんで……」
一葉「お題9『イモチョキorピストル』。答えは『実は足じゃんけん。というのがありましたわ』
亜理紗「あー、ありましたね。こうやって足を閉じるのがグーで、こうやって横に開くのがパー。こうやって前後に開くのがチョキ。懐かしいなぁ……って騙されませんよ! イモチョキとピストルどこ行ったんですか!」
一葉「お題10『ブルースorゼロ』。答えは『フォルテでしょうここは!』」
亜理紗「ロックレディじゃ駄目ですか?」
一葉「ウソ技じゃないの」
亜理紗「てへぺろ」
一葉「お題11『メイドor巫女』。答えは『折角なので、私は巫女姿のお姉様とメイド姿のお姉様の両方を選ぶぜ!』」
亜理紗「上からお仕置きが来るぞ! 気をつけなくていい! ……でも、メイド服ですかぁ。一葉さんのソレ見てると、着てみたくはなりますね」
一葉「……言っとくけど服の交換とか絶対しないから。メイド服だけでも死ぬほど恥ずかしいのに、あなたが着てるみたいな改造巫女服とか、生足晒すとかホント無理だから。無理にって言うならキョンシー呼んででも抵抗するから!」
亜理紗「わ、わかってますよ、そんなマジにならないでください。着るならプライベートで着ます」
一葉「それじゃラストお題12」
亜理紗「12!? 11まででしたよね!?」
一葉「『お姉様は私の物ですよね? はいorイエス』。答えは?」
亜理紗「絶対にノゥ!」
一葉「お後がよろしいようで〜」


一葉「お送りしてまいりました、神楽の皆さーん、開拓者羅字音ですよ〜! 通称かぐらじ! そろそろお別れの時間となりました。いやー……どう? 一つのコーナーだけでやる羅字音」
亜理紗「意外とやれるもんだな、っていうのが素直な感想ですかね。依頼形式がアレなせいかやっぱりお便りは少なめでしたけど」
一葉「うーん、そればっかりはねー。好き嫌い激しいでしょうよ。本人出られないんだもの」
亜理紗「でもでも、皆さんの中にも懐かしいことを語れる人がいることがわかって嬉しいですよ! 今度、依頼とは関係なくどこかで語り合いたいくらいです!」
一葉「程々にね。トークバトル自体はまるで申し合わせたかのような引き分けだったけど、禍根が残らなくて返ってよかったのかも。流石は常連の方々」
亜理紗「まぁ多分二度とやらない企画ですよね。今度は普通の羅字音やります?」
一葉「まぁそれは上層部次第ってことで。これでも開拓者ギルドのプロモーションイベントだから」
亜理紗「ですね。それでは皆様、長時間のお付き合いお疲れ様でした。またの機会があるかは分かりませんが、次の機会までのお別れです」
二人「かぐらじ、御静聴ありがとうございました♪」