【夢々】超戦隊ジンヨウマン
マスター名:猫又ものと
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 6人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2015/01/16 22:18



■オープニング本文

※このシナリオは初夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。

※このシナリオは、シナリオリクエストにより承っております。


●超(ミラクル)戦隊ジンヨウマン
 ハァ、ハァ、ハァ……。
「ここまで来れば大丈夫ですかしら……」
 天儀防衛軍隊員、ひいはずっと逃げ続けていた。
 彼女が持つゴダイストーン。これが敵……恐るべきダークゴダイの手に落ちれば、この天儀は滅亡する。
 早く、早く長官と合流して、この石を……。
 再び走り出そうとしたひい。そこに紫色の影が現れる。
「ハハハハ! 私から逃げられるとでも思っていたのか?」
「あなたはアクル男爵……!」
 紫色の髪を靡かせて笑う男。ひいの瞳が、恐怖に翳る。
「さあ、ゴダイストーンを渡せ。そうすれば命だけは助けてやる」
「そんな……! それは、それだけは出来ませんわ……!」
「これを見てもそんな減らず口が叩けるのか? リリカルリリヒメ、あれを……」
「畏まりました、アクル男爵様」
 アクル男爵にぺこりと頭を下げる金髪の少女。
 彼女が腕を振り上げると、そこに突如として一台のバスが現れる。
「うわあああん! こわいよおおお!」
「助けてええええ!!」
「おかあさああああん!」
「あ、あれは……幼稚園バス!? 何の罪もない子供達を人質に取るなんて何て卑怯な……!」
「何とでも言うがいい! さあ、ゴダイストーンをこちらへ渡すのだ!」
 じりじりと迫るアクル男爵。
 子供達を見捨てて逃げることもできない。
 ああ、わたくしは一体どうしたら……。誰か……誰か助けて……!
「そこまでだ! アクル男爵!」
「なに!? その声は……!」
 突然響き渡る凜とした声に、アクル男爵の表情が憎々しげに歪む。
 ひいが振り返ると、そこには黒髪に片眼鏡の青年が立っていた
「待たせたな、ひい。大丈夫か?」
「神村長官! 来てくださったんですのね!」
「神村……またお前か!」
「アクル男爵。幼稚園児を人質に取るなんて、そんな羨ま……いやいや、卑怯なことは断じて許すことは出来ん。ゴダイストーンを渡すことも出来ん。諦めるんだな」
「そうか、ならばここで全員死ね!」
 神村長官の大見得に怒りに震え、巨大な氷の剣を振り下ろすアクル男爵。
 そこに、一陣の風が疾り、剣を弾き飛ばした。
「何……!?」
「あたし達のことを忘れて貰っちゃ困るね!」
「私達は天儀の生けとし生けるもの全てを守る! その名も……」
「超戦隊!」
「ジンヨウマン!」
「私達が来たからには、あなた達の思い通りにはさせません!」
「アクル男爵、覚悟なさい!」
「おのれ、ジンヨウマン……! どこまでも邪魔をしおって……! 今日と言う今日は決着をつけてやる! 覚悟しろ!」
「ゴダイーー!」
「ゴダイーー!」
 アクル男爵の声に合わせるように現れる黒服の兵隊達。

 牙を剥く強敵アクル男爵とリリカルリリヒメ。
 多くの謎を孕んだゴダイストーンの行方は……?
 果たして天儀防衛軍は天儀の平和を守れるのか!?
 戦え! 超戦隊ジンヨウマン!


■参加者一覧
天河 ふしぎ(ia1037
17歳・男・シ
リィムナ・ピサレット(ib5201
10歳・女・魔
緋那岐(ib5664
17歳・男・陰
クロウ・カルガギラ(ib6817
19歳・男・砂
戸隠 菫(ib9794
19歳・女・武
火麗(ic0614
24歳・女・サ


■リプレイ本文

「ちぃっ。ひい、こちらへ」
「長官……!」
 アクル男爵の命で次々と襲いかかってくる黒服の兵隊達。
 神村 菱儀(iz0300)がひいを呼び寄せると、あっという間に二人を取り囲む。
「他愛もないな。さあ、ゴダイストーンを渡……」
「させるかああ!!」
 手を伸ばすアクル男爵。そこに割って入る赤い影。
 ズシャア! という音を立てて赤いゴーグル煌かせた天河 ふしぎ(ia1037)が地上に降り立つ。
「来てくれたか、レッド!」
「勿論ですよ。イエローも一緒です!」
 長官とひいを庇うように構えるレッド。そこにはあぁ……とため息をつきながらイエローと呼ばれた火麗(ic0614)がやって来る。
「あのさー。とりあえず長官あげるから幼稚園児返してくれないかしら? それなら人質無視しても問題ないし」
「なん……だと!?」
「ゴダイーー!」
 イエローの爆弾発言にどよめく敵陣営。
 敵の気を引く為の作戦かと思いきや、イエローの目は本気である。
 そこにスッパーン! というイイ音がして、彼女の頭にハリセンが叩き込まれた。
「ちょっとー! あたしの菱儀お兄ちゃんになんて事言うのよー! って、やだー! まだ出番じゃないのに飛び出しちゃったじゃないっ」
「何、今の」
「見なかった事にしてやれ」
 いそいそと去るリィムナ・ピサレット(ib5201)を見送りつつ大刀で黒い兵隊をあしらうイエロー。長官が片眼鏡を上げている間に、レッドも兵隊達をばったばったとなぎ倒す。
「これじゃキリがない! やっぱ長官を渡そう! あんな変態いない方が世の為だから!」
「大丈夫。幼稚園バスの方は、今頃彼女が……」
 本音がダダ漏れるイエローに真面目に答えるレッド。
 次の瞬間、煌く光。戸隠 菫(ib9794)の詠唱と共に、幼稚園バスを中心に暖かな蒼い光に包まれる。
「お待たせ! 時■結界を張ったから人質は安全だよ!」
 ウィンクして見せる菫ことサファイア。
 説明しよう! 彼女の■空結界は、ダークゴダイ陣営と天儀防衛軍以外の全ての生物が忽然と結界内から消える。中の光景は変わらないままだが、全く次元の違う空間である為、何を破壊しても実世界に何ら影響はないのだ!
「何と言うご都合主義な……!」
「えっ。違うよー。これの元ネタは退m……」
「サファイア。それ以上言うとヤギに食われる。気をつけろ!」
 歯軋りをするアクル男爵。無邪気に答えるサファイアにツッコむ長官。
 そこに、ほーっほっほっほ……と言う笑い声が木霊する。
「アクル男爵、何を遊んでおる。そのような者共、さっさと殲滅せよ」
「お、お前は……!」
「わらわは黒憐姫むぅむぅ。偉大なるダークゴダイ様の片腕じゃ」
 紫髪の男と天儀防衛軍の者達を一瞥し、ころころと笑う少女。黒いスーツとマント身に纏っているが、顔は緋那岐(ib5664)のものだ。
 『わーった、俺が六になる。それでいいだろオイ!』とか言う自棄気味な彼の声が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。多分。
「我らに立て付くとは身の程を弁えぬ者達よ。わらわの宝刀が相手をしようぞ」
 黒憐姫の声に導かれるように現れた白装束の男。
 フードを目深に被っている為顔が見えないが……強いという事だけは判る。
「こうなったら変身するしかないね。皆、行くよ! 超変身(ミラクルチェンジ)!」
 レッドの声に応え、腕を天に翳すサファイアとイエロー。
 本日二度目の説明しよう! 彼らは腕に装着したジンヨウブレスを起動すると、超戦隊ジンヨウマンに変身するのだ!
「燃える心の熱き開拓者! ジンヨウレッド!」
「煌く青き風! ジンヨウサファイア!」
「閃く金色のツッコミ……じゃなくて刀! ジンヨウイエロー!」
「「「天儀を護るは我らの使命! 超戦隊! ジンヨウマン!!!」」」
「ダイゴ! サダルスード! やーっておしまい!」
「ゴダイーー!」
 手にした杖を振りかざす黒憐姫。ダイゴというのは黒い兵隊達の事を指すらしい。
 彼女の声に従い、ジンヨウマンたちに襲いかかる。
「雑魚は私に任せて!」
 サファイアの声。その同時に蒼い稲妻が次々と降り注ぎ、ダイゴ達を屠っていく。
 そこに、金色の髪の少女がゆらりと姿を現した。
「ほう。稲妻使いか。ではわらわが相手をしてやろうかの」
「リリカルリリヒメ……! ようやく姿を現したわね!」
「わらわが出るまでもないと思うたが気が変わった」
「確かあなた、雷撃の技が得意なんだっけ?」
「うむ。どちらの雷撃が優れておるか……試してみようではないか。来るが良い」
「それはこっちの台詞よ! 覚悟してね!」
 ぶつかる視線。青と金色の稲妻が交錯する……!
 そんな中、イエローは身長ほどもある大刀を振り回して兵隊達と戦っていた。
 兵隊自体は大した事はない……と言うか、イエローの揺れるたわわな胸に目が釘付けで隙だらけだったので、本当に刀で撫でるだけで簡単に倒れる。
 が、その後ろに控えているアクル男爵はそうもいかない。
 ――あいつの隙を生むには……そうだ!
「アクル男爵! 食らえ!」
「こ、これは……手編みのセーター(ウール100%)! しかも私にジャストサイズ!」
「どうだい? それを見て何か感じないかい?」
「……お前、何故私が冷え性だと知っている?」
「はぁ?」
 紫髪の男は、イエローを上から下までじろじろと見つめる。
「ふむ。容姿、体型共に申し分ないな。よし。そこの女。私の嫁にしてやってもいいぞ」
「はああ!? バカ言ってんじゃないよ!」
「お前の気持ちは受け取った」
「そうじゃなくて! それ見て洗濯したくならない?」
「む? そういわれてみれば……」
「そうだろ? お洒落着洗いならアクルって言うからね。アクルなら毛糸洗いに自信が持てま……」
「ふむふむ。成程……って、それはア■ロンだ馬鹿者! 際どいネタ振ってくるなーー!!」
 怒りに震えるアクル男爵。だがセーターはしっかり握っているので手は封じる事が出来ている。
 これは好機と、一気に畳み掛ける。
 一方。白い刺客、サダルスードはジンヨウマン達には一切構わず、執拗に長官を狙っていた。
「神村菱儀……! 死ね……!」
「くっ……。お前、何故私を付け狙う?」
「答える必要はない」
 叫びと共に見せる人間とは思えぬ跳躍。長官に向かって迷わず振り下ろされる刀。
 そこに、助手のイツがするっと割って入った。
「長官、きずつけちゃダメ……!」
 ぴたりと止まる刀。サダルスードは飛び退り、再び距離を取る。
「そこを退け。俺の狙いは神村菱儀だけだ」
「長官は……天儀防衛軍の大切なヒトだから……だめなの」
「いいからそこを退け!」
 両手を広げるイツに声を荒げる白い刺客。
「貰ったーー!!」
 膠着状態から生まれた隙。それを我らがレッドが見逃すはずがない。
 サダルスードは彼の炎を纏った斬撃を辛うじて避けたが、フードの一部が焼け焦げて……。
 露になったその顔は……何と、1年前から行方不明になっていた天儀防衛軍隊員、クロウ・カルガギラ(ib6817)のものだった。
「久しぶりだな。お前達」
「クロウじゃないか! 無事だったんだな!」
 笑顔で駆け寄ろうとするレッドを制止する長官。彼は黙って首を横に振る。
「長官、何で止めるの……?」
「そうだよ、仲間じゃないか!」
「……違う。ヤツはかつてのクロウじゃない」
 イツとレッドにもう一度首を横に振って見せる長官。それに白い刺客がフフフフ……と不敵に笑って見せる。
「そうだ。貴様達の知るクロウは死んだ。ここにいるのはダークゴダイの忠実なる戦士、サダルスード! 神村、死んでもらうぞ!」
 呆然とするイツ。クロウ……否、サダルスードが凄まじい早さで長官に迫る――!


「あなた、なかなかやるわね」
「おぬしもの」
 幾度となく放たれるサファイアとリリヒメの雷撃。
 ぶつかって打ち消しあい、お互いを飲み込み……だが、じわじわとサファイアが追い詰められているように見えた。
「さて、そろそろトドメと行こうかのう」
 迫るリリヒメにくすりと笑うサファイア。金色の少女の眉がピクリと上がる。
「何がおかしい」
「本当に、ソレがあたしだと思った……?」
 背後から聞こえる声。振り返ると、サファイアがもう一人。
 おかしい。では、目の前のジンヨウマンは……?
「さあ、ここが年貢の納め時だよ! リリカルリリヒメ! サファイアの煌めきの前に倒れなさい!」
「あああああああ!!!」
 目の前のサファイアが幻影であった事を悟った瞬間、放たれる蒼い光。
 リリヒメは空間ごと分断され、断末魔の叫びと共に消えて行く。


 その頃、イエローとアクル男爵はというと……。
「未来の花嫁よ、名は何と言う?」
「あんたに名乗る名前はないよ!」
「恥ずかしがる事はない」
「だからあんたの勘違いだっての!」
「結婚式も盛大にやろう」
「あーもーしつこい!」
「所帯を持ったら毛糸洗いは任せておけ!」
「結局ア■ロンじゃないか!」
 氷の大剣と光の刀をぶつけ合いながら漫才を続けていた。


 そして、長官を狙う白い刺客は……相手がクロウだと判り手が出せぬレッドを斬り捨てるべく刀を振るっていた。
「クロウ、もう止めるんだ!」
「黙れ! 俺は神村を殺す!」
 紙一重で避けるレッド。終わりの見えぬ戦いに、イツが叫ぶ。
「クロウ……一緒にかえろう?」
「俺は……お前など知らない」
「イツの事忘れちゃった……? 長官を殺したいなら、イツごと斬ればいい」
 涙で滲む少女の黒い瞳。
 ――そうだ。この少女が言うように、こいつらごと斬ってしまえばいい。
 どうして……どうしてそれができない?
「クロウ! 目を覚ませ! 思い出すんだ! 世界を共に護ろうと誓ったあの時を!」
「俺は……。俺は……!」
 レッドの悲痛な叫びに頭を抱えて苦しむサダルスード。そこに、ドーーン! という破壊音と共に突然巨大な黒壁と白壁が迫る。
 何もかもを巻き込み、倒れる壁。
 このままでは全員潰される……!
「危ない……!」
 微かに聞こえた声ち奔る白い影――気がつくと、天儀防衛軍の面々は壁から逃れており……目の前に、壁に潰されたサダルスード――否、クロウが横たわっていた。
「まさか庇って自滅するとはの。洗脳が不完全であったか。こうなっては仕方がない。わらわが直接相手をしようぞ」
「黒憐姫……貴様アアァ! 貴様だけは絶対に許さない!」
「ふむ? そうか。これを食らって立っていられるかな?」
 怒りに燃えるレッドに襲いかかる黒憐姫の『必殺ドミノ倒し』。
 本日三度目の説明しよう! 必殺ドミノ倒しとは黒壁と白壁を交互に構築、目標物目掛けて迫るのだ!
 避ければいい? 諸君、舐めてはいけない。
 物凄い速さに、尽きる事なき練力。
 こんなふざけた技でも何とかしてしまう黒憐姫恐るべし……!
「レッド! 今助けに……きゃああ!」
 リリヒメを屠り、加勢に来たサファイアもレッドと共に壁に飲み込まれる。
 その様子を見つめていたアクル男爵は、心配するなと言うようにイエローを見つめる。
「黒憐姫よ。この黄色い娘だけは見逃してくれ。連れて帰る」
「勝手を言いよるのう」
「だから勝手に決めるなって言ってるでしょ!」
 幹部達に噛み付くイエロー。レッドとサファイアを救出するにはこの二人を抜けて行かなければならない。
 さて、どうするか……。
 その時、背後からくすくす……と愛らしい声が聞こえて来た。
「全くもー。何やってんのー?」
「あ、あんたは……!」
「白いぱんつがキラっと光る! 行動隊長ジンヨウアルビニオンだよー!」
「ほう。今日は白か。いい趣味だな」
「えへへー。菱儀お兄ちゃん好みのかわいーの履いてきたよー! 見るー?」
「それは後でゆっく……いやいや。何でもない」
「判った! 頑張るからご褒美頂戴ね!」
 咳払いをする長官に、アルビニオンは白いひらひらのミニスカートを震わせながらハートマークを飛ばす。
 本日四度目の説明しよう!
 ジンヨウアルビニオンとは、長官が生み出した最新型の強化人間である。
 最新故に能力は勿論ジンヨウマン最強。
 強化時に人格まで弄られ、えろえろキュートな長官大好きっ子に変化してしまったのだ!
 ……長官、最低ですね。知ってたけど。
「もう字数も少ないから巻いていくよー! せーの! ガエンミラー!」
「「ぎゃああああっ!?」」
 突然出現した黒壁白壁になぎ倒される黒憐姫とアクル男爵。
 本日五度目の説明しよう! ガエンミラーとは、どんな技も一度見ればコピーし、オリジナルより高い技量で再現するのだ!
 ……何その反則技。
 この他にも『ヨミデルどかーん』とか『アルビオンコレダー』とかいう反則技が沢山あるんですが使わなくても倒せそうですね。何しろ最強だし。
「おのれ……何故、わらわの『必殺ドミノ倒し』をおぬしが使えるのじゃ!?」
「ちっちっ、あなたは天儀じゃあ二番目だよ♪ 一番はあたし♪」
 アルビニオンに馬鹿にされ地団駄を踏む黒憐姫。
 その間に体勢を立て直したジンヨウマン達が、武器を合体させて巨大な銃を作り上げる。
「行くよ! レッド、サファイア!」
「OK! 力を貸して、皆! 未来を作るために」
「よし、今だ! くらえ! グレートファイナルジンヨウクラッシュ!」
 銃に集まる膨大なエネルギー。それが光となって幹部達に放たれる……!
「花見の準備をしておきなさい! いいわね?」
「私の嫁がああ」
 黒憐姫とアクル男爵は意味不明な事を呟きながら消えて行った。


「すまなかった……」
「クロウ……やだよ。死なないで……」
「イツの膝で死ねるなら、悪くない……」
 イツに抱えられ、口の端から血を滲ませるクロウ。彼は焦点の合わぬ目で長官を見つめる。
「頼む長官……。一日も早くこの戦いを終わらせて、彼女達が戦わなくてすむ世界を作ってくれ……」
「ああ、判った。約束しよう」
「あと、覚えておいてくれ。幼女とは戦わせるものではない……愛 で る も の だ !」
「クロウー!!」
 がくり、と首が傾き、目を閉じるクロウ。
 彼は爆弾発言を残し、仲間達に見守られ、その生涯を閉じた。
「菱儀お兄ちゃん……あたし聞いたよ。ゴダイストーンの能力! あれって願いを具現化するものなんでしょ?」
「ああ、そうだ」
「……やっぱり。お兄ちゃんは理想の超絶美少女を作ってあたしを捨てる気なんだね……」
「だからあれを使うと……って、アルビニオン?」
「……菱儀お兄ちゃん。もう何もしなくていいよ。あたしが全部面倒みるからね……。大丈夫。全身全霊で愛してあげるから……ふふっ、あはははっ……」
「あれ、放っておいていいのかな」
「長官嬉しそうだからいいんじゃない?」
「拘束されてた方が多分世の為だわ」
 突如ヤンデレ化したアルビニオンに襲われる長官。
 ジンヨウマン達のシルエットが、夕日に輝いた。


 こうして、天儀の平和は守られた。
 だが、彼らの戦いは始まったばかりだ!
 進め! 戦え! 超戦隊ジンヨウマン!