【AP】スライムが現れた!
マスター名:猫又ものと
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2014/04/10 11:05



■オープニング本文

※このシナリオはエイプリルフール・シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。


 突如として現れたアヤカシ。
 手のひらサイズの小さな粘泥――ドぎついピンク色のスライムは、何もせず。
 あまり強そうには見えないそれは、十数匹で、ただぷよぷよしていた。


「何だコイツ」
「気持ち悪い色してんなー」
「あ、あれは……!」
「え。何だ、お前。あのアヤカシ知ってるのか?」
 その姿を見て青ざめる開拓者。
 他の開拓者達が小首を傾げている間に、スライムは襲いかかってきた!


 ピンクスライム1の こうげき!
 カイタクシャ1に 0のダメージ!


「うお! ビックリした! でも全然痛くないぞ」
「気持ち悪いだけで大したことなさそうだなー」
「違います……! このアヤカシの本当の怖いところはそこじゃない!」
「え……?」


 ピンクスライム2の こうげき!
 カイタクシャ2に 0のダメージ!


「げえっ!? 良く見たら鎧が溶けてるじゃないか!」
「ちょっ! 俺の服も溶けたっ」
「……何でまたコイツらが……! もう嫌……!」
「なんつーアヤカシだよ。……って、お前顔色悪いけど大丈夫か?」


 ピンクスライム3は なかまを よんだ!
 ピンクスライム16が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム4は なかまを よんだ!
 ピンクスライム17が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム5は なかまを よんだ!
 ピンクスライム18が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム6は なかまを よんだ!
 ピンクスライム19が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム7は なかまを よんだ!
 ピンクスライム20が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム9は なかまを よんだ!
 ピンクスライム21が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム10は なかまを よんだ!
 ピンクスライム22が あたらしく あらわれた!


「げえっ。仲間呼びやがった!」
「装備は溶かす、増える……厄介だな」
「いやああああああああああ!!」
「おい! お前どこ行くんだよ!」


 カイタクシャ3 は にげだした!
 しかし まわりこまれてしまった!


「あああああああ!! だから嫌だって言ったんですよおおお!!」
「落ち着け! とりあえずあいつに効く攻撃手段はないのか!?」
「……素手」
「は? 素手?」
「武器は駄目です。溶けます」
「マジかよ……。とりあえずやってみようぜ!」


 カイタクシャ1 の こうげき!
 ピンクスライム3に 3000のダメージ!
 ピンクスライム3 はたおれた!

 ピンクスライム1の こうげき!
 カイタクシャ3に 0のダメージ!

 ピンクスライム2は なかまを よんだ!
 ピンクスライム23が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム4は なかまを よんだ!
 ピンクスライム24が あたらしく あらわれた!

 ピンクスライム5は なかまを よんだ!
 ピンクスライム25が あたらしく あらわれた!


「本当だ。素手の攻撃は通ったぞ!」
「きゃああああああああ! いやああああああ!!」
「もしかして、このスライムって……噂に聞くアレか?」
「……え。もしかして、こいつらがアレなのか!?」


 この数ターンのやり取りで分かったことを、開拓者達は頭の中で必死に整理して……一つの噂話を思い出した。


 武器や鎧などと言った装備品から服までことごとく溶かすスライムがいること。
 既に何人もの開拓者達が犠牲になっていること。
 一体一体は弱い。それゆえ命までは取られない。
 が、攻撃方法が執拗でとにかく気持ち悪く、死ぬより恥ずかしい目に遭わされるとか――。


「こ、こいつはヤバイな……」
「人として大事なものを守るためにも、ここは戦略的撤退をだな……」
「賛成! そうしましょう! 是非そうしましょう!」
「仕方ないな……離脱するぞ! ついて来い!」


 カイタクシャ達 は にげだした!
 しかし まわりこまれてしまった!


 どうする?


■参加者一覧
神町・桜(ia0020
10歳・女・巫
梢・飛鈴(ia0034
21歳・女・泰
雪ノ下 真沙羅(ia0224
18歳・女・志
天河 ふしぎ(ia1037
17歳・男・シ
ネオン・L・メサイア(ia8051
26歳・女・シ
エメラルド・シルフィユ(ia8476
21歳・女・志
ファムニス・ピサレット(ib5896
10歳・女・巫
熾弦(ib7860
17歳・女・巫


■リプレイ本文

 それは帰還中の出来事だった。
 依頼を共にした仲間達と、一緒に食事なんてどう? なんて話になって……。
 今頃心地よい達成感に包まれているはずだったのに。
「……アカン。これはアカンよ」
 ぼそりと呟く梢・飛鈴(ia0034)。
 周囲を埋め尽くすどぎついピンク色の粘泥に、神町・桜(ia0020)も頭を抱える。
「どうしてこんな事になっておるのじゃ……」
 そう。飛鈴が言うように、依頼が無事に終わって後は帰るだけだった。
 そのはずなのに、突然ピンクの粘泥がはい! こんにちは状態である。
 適当に撒いて逃げようかと思ったが、何しろしつこい。とにかくしつこい。
「弱い癖に回り込む事だけは出来るとか、何その執念……」
 呻く熾弦(ib7860)。そんな執念、ハッキリ言って要らない。
「んーと。囲まれてしまいましたね」
 可愛らしく状況を説明するファムニス・ピサレット(ib5896)。
 そう言いながら、あまり慌てた様子がないのは『なんだかいい事がありそう』とか不穏な事を考えていたからかもしれない。
「此れはまた面白……いやいや。厄介な状況になったな」
「……な、何か定期的にこういう事態になる気がします……」
 げふんげふんと咳払いをするネオン・L・メサイア(ia8051)に、仔兎のようにふるふると震える雪ノ下 真沙羅(ia0224)。
 愛らしい真沙羅の肩を引き寄せ、ネオンはそっと囁く。
「ふふふ、心配するな真沙羅。我に任せておけ」
「はい……!」
 頼もしい恋人の言葉に、ぽっと頬を染めた真沙羅だったが……本当に大丈夫なんでしょうかね?
 仲間達がそんな話をしている間も、飛鈴の脳内に美味しそうな食事が過ぎる。
 ――肉汁たっぷりの小籠包に、キューッと冷えたお酒。炒飯もあると嬉しいナァ。
 そこまで考えてふるふると頭を降る彼女。
 現実逃避してる場合じゃなかった。早々にこの厄介な粘泥共を何とかしないといけない。
 まあ、女だけだし。ひん剥かれるくらいなら……。
 ――ん? 女だけ……?
 そこでふと我に返る飛鈴。彼女の目線の先には、天河 ふしぎ(ia1037)の姿があって……。
 ――あかん。
 思わず空を仰いだ飛鈴。そこにじわじわと粘泥が迫る。
「と、とにかく。早いとこ何とかしよう。そうしよう」
 茫然自失状態から復帰して慌てて動き出したふしぎ。
 彼は今回、居合わせた面子の唯一の男性で、そして目の前には、アレな事で有名な敵である。
 色々とこう、悪い予感しかしない。
「みんな、ここは僕にまかせて、今のうちに!」
 ここは男らしく、と先陣を切って飛び出した彼。
 這い寄る粘泥を、美しい漆黒の刀身が滑らかに両断……したはずだった。
 手に感じる違和感。何だか愛剣が、軽い……?
「うわああああ!! 御雷が! 御雷がああああ!!!」
「ふしぎ、何やってるんだ。スライムごとき軽く斬り捨てれば良かろう。お前は相変わらず頼りないなー」
 ふしぎの悲痛な叫びを聞き、はっはっはと笑いながら駆けつけたエメラルド・シルフィユ(ia8476)。
 素早い動きで剣を抜こうとしたものの、粘泥に飛びつかれ……その何とも言えぬ不気味な感触に戦慄する。
「うわっ。なんだこいつら!? ……って、剣! 私の剣どこ!? ふしぎの剣は何故柄しかないんだ!?」
「だから溶かされたんだってばああああ!!」
 抜くはずだった剣が鞘ごと消えて呆然とする彼女に、逆ギレするふしぎ。
 正直、ただの粘泥だと思ってナメていた。
 まさか、装備を溶かすなんて……!
「私は生き残るわよ……!」
 目の前で起きた惨劇に、社会的な生命の危機を感じた熾弦は慌ててプレスティディヒターノを発動させ、半纏と忍装束を身体の中に隠す。
 いくらかの有名な粘泥でも、体内に隠してるものまでは溶かせないはず……!
「うん。勝った! 試合に負けても勝負には勝った!」
「負ける前提でどうするのじゃ! ……こうなれば、全力で殲滅するしかなかろう!」
「せやね。少しでも散らさにゃ洒落にならんしぃ」
「はい。皆さん、今お助けします……!」
 高笑いをする熾弦にビシっとツッコむ桜。飛鈴と真沙羅がこくりと頷き、彼女達は迷わずピンク色の中に突っ込んで行く。
 粘泥達は嬉しそうに身体を震わせると、次々と飛びかかり……。
「やあああああ!!」
「ハァッ!」
「えい! とぉっ!」
 流れるような動きの桜と驚異的な瞬発力と衝撃波で敵を蹴散らす飛鈴。
 確かに粘泥は弱いが……攻撃する度に装備は溶けるし、生暖かく、嘗め回されるような気持ち悪い感触はどうにもならない。
「いやあああ! 服ー! 服があああ!!」
「ひゃああ! やめてやめてーーー!!」
 聞こえて来るエメラルドとふしぎの悲鳴。
 2人共それぞれ雷の刃と素手で必死に応戦しているが……あっと言う間に飛びつかれ粘泥に塗れている。
 ヤバイ。これはヤバイ……!
 真沙羅も必死に攻撃するが、粘泥が何故か豊かな胸目掛けて飛びついて来る為、避けるのだけで精一杯という状況だった。
「んっ……。ちょっとネオン、助けてください!」
「ん? ああ。そうだったな」
 愛しい人に呼ばれて、我に帰るネオン。
 勿論攻撃に参加していたが、ところどころ服が溶け、だんだん艶っぽい姿になっていく真沙羅を上から下までじっとり見つめていたとか、そんな事口が裂けても言えない。
 そしてもう1人、そんな仲間達の様子に興奮冷めやらぬ人物がいた。
「おおおお! すごい! すごいですよー! 真沙羅さんのおっぱい! Nカップ……いや、Oカップでしょうか!?」
「ちょ! 何で知ってるんですかーーー!?」
 ぼよんぼよんと揺れる真沙羅の双丘をガン見して叫ぶファムニス。
 ふへへへ……! と怪しくて妖しい笑みを浮かべて、皆の後ろにこそこそと隠れていた熾弦に飛びかかる。
「きゃあああ!? ファムニスどうしたのよ!?」
「ふへへっ! ファムニスは知っているのです! 熾弦さんはいいおっぱいを隠し持っているのです!! んー……これはFカップですね! んん〜! やわらか〜い!」
「ええ!? 何で分かっ……!? ちょっと、や、やめ……」
 幼女にむにむにと胸を揉みしだかれて慌てる熾弦。
 おかしい。スライムの手からは逃れているはずなのに何故こんな目に遭っているの……!?
「皆さん大変です! このスライムには装備品や服を溶かす以外にも紫ツインテールの10歳児を混乱させる能力があるんです! うへへへ!」
「「「「「「「な、なんだってーー!?」」」」」」」
 ファムニスの爆弾発言に騒然となる一同。
 ピンクスライムの申し子! 巨乳ハンター☆ 爆☆誕!
「え。ファムニス、ちっぱいもすきですよ?」
 そうでしたか! それは失礼……って、そうじゃねえよ。大ピンチですよ。
 胸を揉まれる上にサイズまでバラされるとか一体何の罰ゲームですか!
 ある意味ピンクスライムより強敵ですよ!?
 混乱したファムニスに気を取られているうちに、粘泥達は数を増やし、更に場を混沌とさせていく。
「わあああああああ!! 僕の船の鍵があああああ!!!!!」
 僕の夢が……溶けた。溶けてなくなった……!
 命より大事な快速小型船起動宝珠を溶かされて、燃え尽きるふしぎ。
 跪く彼に、ぬめぬめと纏わりつくスライム。
 ショックが大きすぎたのか、気持ち悪さも気にならない。
「しっかりするのじゃ! ふしぎ! 立て! スライムに飲まれるぞ!」
 遠くに聞こえる……あれは桜の声だろうか。
 虚ろなまま向けた視線の先。そこは何と言うか……まさに艶かしい天女がおっぱい……いやいや、いっぱいの桃源郷というか。
 燃え尽きていた彼が正気に戻るには十分過ぎる程、刺激的な光景だった。
「わわわ! 桜! 服……。これ、使って」
 ふしぎから半分以上溶かされ、ボロボロになった上着を差し出され桜はきょとんとする。
「……ふしぎ。どうしたのじゃ? 前屈みになったりして」
「聞かないでっ。僕だって男の子なんだからっ」
「???」
 噛み合わない会話。彼がこちらを見ようとしないのを不審に思った桜は、ふと自分を見下ろして……。
 ……朱袴が、綺麗さっぱり消えて真っ白いほっそりとした足が露になり、腰にかろうじて下着がしがみついている。
 上半身を包んでいた千早も大分溶け、可愛らしい二つの膨らみがチラリと見えている状態だった。
「う……!? 丸見えではないかーー!?」
「だから言ったのにいいいい!!」
 今頃ガビーンとショックを受ける桜に、ふしぎの逆ギレ再び。
 気付いてしまったが最後、もう今までのようには動けない。
「当たらなければどうという事は……!」
 そうは思っても避けきれない。
 何としても最後の一枚は守らねば……!
 意を決した桜。その瞬間、粘泥につつつ……と背中を這われて、ビクリと身体が跳ねる。
「ふぁ! ええい、どこを触って……ぬ、あ? な、何か体が変……っ」
 今まで感じた事のない感覚に困惑する彼女。ふしぎが慌てて粘泥を払い退けようとして……。
「ちょっと! 服出す間、その服貸して!」
「えっ?!」
 そこに割り込んで来た熾弦。粘泥と激しく戦ったのか、殆ど服がなく……白磁のような肌と肉付きの良い太ももが露になり、形の良い大きな胸は腕からこぼれそうになっている。
 隠した服を取り出すまでの間、身体を隠したい。
 その為に手段を選んでいられないのだろう。彼の持つ上着を奪おうとして、胸をむにゅーと背中に押し付ける形になる。
 あ。気持ちいい。いやいや、ヤバいヤバい!
 ふしぎは咄嗟にと飛びずさり――。
「きゃああっ」
「あ、ごめ……」
 むにゅり、という感触に慌てて振り返ると、そこには耳まで真っ赤になっているエメラルドがいた。
 透き通るような肌は恥ずかしさの為か仄かに赤く染まり、くびれた腰と臀部にかけてのラインが彫刻のように美しく……所々残っている服がまた妙な色気を醸し出している。
 掌にあるたわわに実った乳房は、呼吸をする度上下に揺れて、しかも柔らかくて……って、掌?
「やっ、ば、馬鹿ぁっ!? 触るなぁっ!!」
「ち、違うんだ! これは事故……」
 ばっちーーーん!!
 思い切り平手打ちされ、前屈みのまま吹き飛ぶふしぎ。
 ああ、何と言う運命の悪戯。何と言うらきすけ!
 そして飛鈴も、絶対絶命のピンチを迎えていた。
「こ、こら、ファムニスやめんか!」
「わーい! ふっかふかー! んー。飛鈴さんはGカップかなー?」
 ほぼ全裸で飛鈴の胸に顔を埋めて幸せそうなファムニス。
 粘泥が下半身を這っている上、幼女に胸を狙われている。
 ――別に生娘と言う訳でなし、この程度何の事はないと思っていた。
 ファムニスが胸から離れない上にしつこく揉みしだいて来るのも、粘泥の感触が、その……人肌より生暖かい癖に舌のように動き回るのも予想外だった。
 何より、ファムニスの小さな手やキメの調ったすべすべの肌。ほんの僅か、胸に膨らみの兆しが見え始めているすらりとした幼い肢体、白地に小さな赤いリボン付のお子様ぱんつが可愛くて、別な趣味に目覚めそうというか……。
 ――あかん。というか色々マズい。
「やーらかーい! きもちいい〜! これ邪魔ですよ!」
「あっ。ちょっと!?」
 ファムニスにぽいっとブラジャーを投げ捨てられ、慌てる飛鈴。
 ぷるん、と砲弾のような大きな胸が飛び出し、狼狽したところに、粘泥達が肉質たっぷりなヒップをぐいぐい押し上げる。
「ひっ……!?」
 これ以上はさすがにマズい……! 誰か、誰かに助けを……!
 周囲を見渡す飛鈴。飛び込んで来た光景に、死んだ魚のような目を向ける。
「あ。……ネオン、だめです……あぁ……」
「いやいや。こうして胸を押さえていないと、混乱したファムニスに揉まれてしまうと思ってな」
「で、でも……んんっ」
 ネオンが両手から毀れそうな乳房を揉むと、真沙羅は切なげな声をあげる。
 粘泥に身体を弄ばれている……その恥ずかしさも、彼女の熱を高めているのだろう。
 全身を朱に染め、羞恥にもじもじと身をよじらせる。
 その姿が可愛らしくて、彼女の脇腹にわざと粘泥を塗りたくる。
「ひゃうっ!?」
「……おっと、すまない。間違えたようだ♪」
 耳元で囁かれるネオンの声。背中に当たる彼女の豊満な胸。己の身体を支えるように割入ってくる、女性らしい滑らかな柔らかい足――。
 それらが気持ち良くて、頭がボーっとして、何だかどうでもよくなってきて……。
「はぁ……ぁあ♪ もっとぉ……もっと、して下さいなぁ……♪」
 全身をぶるぶる震わせて、目がトロリとなる真沙羅。
 色々と限界を突破したらしい。そこにファムニスが大喜びで飛び込んでくる。
「さー! いえっさー! 喜んでもみもみさせて戴くですよー!」
「こらこら。真沙羅の胸は我の物だぞ?」
「えー。いいじゃないですか! 少しくらい! っていうか、まだネオンさんの胸揉んでなーい! もませろー!」
「はっはっは。仕方ないな」
 目をギラギラとさせて近づいて来るファムニスを両手を広げて待ち構えるネオン。
 あまり、というか全然嫌そうに見えませんね……?
「あーっはははは! どうだ! この美しい服を見ろ!」
 そこに聞こえて来た熾弦の高笑い。振り返ったふしぎは、ぶぼっと鼻血を噴出して倒れる。
「わしには素っ裸に見えるんだがの……」
「バカには見えんのだよ! バカには!」
「ああん。熾弦さん素敵ですぅ……♪」
 桜のツッコミに、胸を張る熾弦。
 身を隠すものを全て溶かされ、現実逃避を始めたらしい。
 彼女の動きに合わせてぷるるんと揺れる乳房を、真沙羅がうっとりと見つめて……。
「うわああああん! ばかばかー! も、もうお嫁に行けないぃいぃいぃ!!」
「エメラルドって切羽詰るとああなるんやね……」
「……………」
 既に収集のつかない混沌とした状況の中、乙女のように泣きじゃくりながら、ひたすら憎きスライム達をしばき倒すエメラルド。
 そんな彼女を嘗め回すように見つめる飛鈴。ふしぎは、身体の中心を押さえて前屈みになったまま、鼻血を流して地面に転がっていた。


 こうして、ピンクスライムの脅威は去った。
「な、何じゃったのじゃ、あやつらは……」
「着替え……どうしよう」
「替えも全部溶かされちゃったわよ……」
 疲れた顔をしている桜と飛鈴に、我に返って呆然とする熾弦。
「ふしぎ! 責任持って全員分の着替え取って来い! 今すぐ!!」
「えっ。えええええええ!?」
 恥ずかしさと怒りに燃えるエメラルドが、ふしぎを思い切り蹴り飛ばし……。
「お仕置きは受けます……」
「そうかそうか。じゃあ一緒に来て貰おうか」
「うふふ……一緒に楽しみましょう♪」
 そして、正座して反省しているフリをしていたファムニスが、ネオンと真沙羅に連行されて行くのを、仲間達は生暖かい目で見送った。

 余談。素っ裸で開拓者ギルドに着替えを求めに行ったふしぎは、暫くギルド職員に白い目で見られたとか――。