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■オープニング本文 「こっちは俺にまかせるさねっ!」 現在依頼の真っ只中――新海明朝も張り切ります。 それと言うのも手にしている武器のせい。 去年申請してやっと実用化した鍋蓋手裏剣――実験をしていたとはいえ、やはり実践で使うのは勇気が要ります。アヤカシ相手に何処までやれるのか、そこはやってみないことには判りません。 「とりゃああああああ!!!」 新海は大きく後ろに振り被り、鍋手裏を投擲しました。 それはみるみる敵へと向かいます。まだ使い始めたばかりの鍋手裏でしたが、それは製作者の腕というもの。思ったところに飛んでいきます。遠心力で収納されていた刃が出現し、付属していた鎖は音を立てて飛んでいきます。 そして、それは見事敵に巻きつきました。 空に大きく翼を広げていた大怪鳥の足にうまく絡みつき逃がしません。しかし、 「ぬわぁあああああああああああああああ!!!!!」 それに引き摺られるように新海も引き摺られてしまいます。 鎖を放せばよいのですが、どうやら絡まってしまったようで外せません。 「たっ助けてさねぇ〜〜!!」 大怪鳥は逃げようと大きく翼をはばかたせ、高度をぐんぐん上げています。 じたばたもがく新海とそれを気にせず逃げに徹する大怪鳥。 依頼を共にした開拓者は本来の目的である豚鬼の相手で精一杯です。 加えて、依頼内容は平原の豚鬼の退治だった為か比較的レベルの低いものが多く、弓術士等の遠距離攻撃が出来る人間がいないという状態であり、皆おろおろするばかり‥‥。 それでも必死に豚鬼を倒して、新海を追いかけましたが相手は空――手も足も出ないようです。 その間にも新海は更に上へと誘われ、姿が見えなくなりました。 そして、暫くして――依頼帰りのあなたの視界にその大怪鳥は現れます。 それを追いかけている新米開拓者の姿も‥‥息は切れ切れもうへとへとのご様子です。 そこで彼らはあなたを見つけ言いました。 「あの人、僕らの仲間なんです! 通りすがりの大怪鳥の相手して、あんな事に‥‥何とかして下さい!!」 懇願する眼差し――あなたもそこそこ疲れていますが、彼らはそれ以上のようで地面に腰を下ろしている者もいます。 「そんなこと言われても‥‥」 そう食い下がろうとするあなたですが、 「腕利きの方とお見受けします。お願いしますっ!!」 期待する新米開拓者の瞳に退くに退けない状態。 それに、ここで断っては先輩開拓者の名が廃ります。 空高くを飛び去っていく大怪鳥に、叫びを上げている一人の開拓者‥‥ そして、あなたを見る新米開拓者達。 あなたは仲間に視線を送り、救出に乗り出します。 |
■参加者一覧
和奏(ia8807)
17歳・男・志
村雨 紫狼(ia9073)
27歳・男・サ
春陽(ib4353)
24歳・男・巫
蒼井 御子(ib4444)
11歳・女・吟
蓮 蒼馬(ib5707)
30歳・男・泰
笹倉 靖(ib6125)
23歳・男・巫
翠荀(ib6164)
12歳・女・泰
りこった(ib6212)
14歳・女・魔 |
■リプレイ本文 ●走る! 「ああ‥‥娘が鍋蓋手裏剣のデータ取りの手伝いをしたとか言っていたが‥‥完成していたのか」 空を行く大怪鳥を見つめ、蓮蒼馬(ib5707)が呟きます。 「俺も付き合ったくちだが‥‥あンの馬鹿たれ、まーだ珍武器諦めてなかったんだなぁ。見上げた根性つーか、まさに見上げてるんだが物理的に‥‥」 そう口走った村雨紫狼(ia9073)――つっこみを待ってみましたが、残念ながらスルーです。 「うわっ、おっきなとりだ!」 それを見てじゅるりと涎が零れたのは翠荀(ib6164)さん。禍々しい程の黒の肢体に鋭い嘴――けれど、彼女には食料としか見えていないご様子。 「とりーっ! まてー! めしー!」 ばびゅーーんと一発――瞬脚発動。風になるとばかりに飛び出しました。幸い、今いる場所は視界がよく障害物もありません。それでも後続の為にと取り出したのはキャンディーです。ぽろりと一緒に何かが落ちたようですがそれには気付かず、所々に飴をおいて‥‥それを目印に来てもらおうという事でしょう。 「え、今何てったの?‥‥‥鍋のふたで手裏剣‥‥」 そこに反応したのは狐系獣人の蒼井御子(ib4444)です。 はっと空を見上げれば、確かに大怪鳥のその足にそれらしきモノが絡まっています。 「やだ、マジ、見たいっっ!! 交渉する為にも助けないとっ!」 そういうが否や彼女なりの最大スピードで鳥を追いかけ始めます。けれど、彼女は吟遊詩人‥‥どれだけ頑張っても翠荀に追いつく事は叶いません。 「あぁぁっ見えなくなりそう‥‥こんなことなら龍でもこっそり連れてくれば良かったー!」 そう叫びながらも目視で後を追いかけます。 「俺も追いかける。印は小石に書いておくから、後を頼むな」 そう言って蒼馬も続きました。彼も瞬脚の使い手で見失いを防止出来ることでしょう。 「ええっと‥‥それでは自分はどうしましょうか」 そんな呑気に言葉したのは和奏(ia8807)さん。 その横では、なにやら鍋の道具を持ち合わせて牛獣人の春陽(ib4353)が見上げたまま頬をかいています。 「まぁ、追いかけるしか他ないわな」 そう言ってぷかりと煙を吐き出して、自信なさげなのは笹倉靖(ib6125)さん。 「仕方ありません。あなた方はギルドに戻って状況説明を‥‥万が一に備えて救援要請の手配をお願いします」 和奏がそう新米開拓者達に指示を出し、疲れは靖の神風恩寵で回復を。 すると、俄かに元気を取り戻した彼らはぺこりと一礼。新海を託し帰路につく模様です。 「それでは、くれぐれもよろしくお願いします」 しっかりと手を握って、彼らはギルドを目指しました。 「さて、それじゃりこったたんは俺の腕にカマーン」 それを少し見届けて、くるりと反転――紳士的な笑顔を作った紫狼さん。両手を広げ促します。 「えっえ〜と‥‥あの、これは??」 「ふざけてる場合ですか、紫狼さん」 困惑するりこった(ib6212)に問い質す和奏。残りの二人の視線も彼に注がれています。 「いやっ、ほら‥‥やましくねーって!! 俺はただ遠距離かませるりこったたんを走って消耗させちゃまずいと思ってだなぁ〜」 以前彼と同行した者なら彼の趣向は確認済み。和奏はその一人であり、ロリっ娘大好きな彼の事を良く知っているようで、目で何か語っています。 「まあ、個人の趣味をどうこういうのもアレですからねぇ」 あさっての方を見つめ春陽は苦笑い。靖に至っては再びぷかりと煙を吐き誤魔化します。 「‥‥ちょ、ほらいそがねぇと鍋マンがやべぇって!!」 ぐんぐん高度を上げて、遠ざかる大怪鳥を指差し紫狼が叫びます。そして、 「ちょい揺れるけど、しっかり捕まっててくれよ!」 気が逸れた瞬間に彼女を横抱きにして、後は一目散。その場から半ば逃げるように駆け出す紫狼です。 (「このままお持ち帰りした‥‥げふげふっ」) そう心中で葛藤し彼はなんとか思い留まりました。 「それでは私らも行きますか」 残された春陽がそう言って、大追跡の幕が上がります。 「あえ? どこいった?」 さっきまで見えていた大怪鳥―― しかし気付けば姿は小さくなり、翠荀の視界から消えてしまったではありませんか。 「くそー! うちのとりー!!」 アレだけ大きければ食べ甲斐もあったのに‥‥焼き鳥は勿論の事、春陽が鍋を持っていた事を思い出して、鳥鍋もいいなと考えていたとこでした。唐揚げも肉団子も、これではどれも食べる事は出来ません。もともとアヤカシである大怪鳥は食せるものではないのですが、『成せば成る‥‥かもしれない』と望みを捨てない彼女です。 手にしていた飴を口に放り込み、熱くなった頭を冷やそうとするのですが本能で動く彼女にとっては無理難題――なかなか難しいようでした。 「どうした?」 と突然の事です。声に吃驚して思わず距離を取れば、そこには蒼馬の姿がありました。 「えっと、その‥‥とりが見えなくなって」 男性にトラウマがある為か距離を保ったまま、彼女が言葉します。依頼スタート時から聞いていたので、彼もこれと言って無理に近付こうとはいたしません。 「俺の目視だと高度を上げていたみたいだから、雲に隠れたのかもしれないな」 冷静に状況を判断し、辺りに視線を巡らせます。 ギルドの資料によれば大怪鳥は高度の高い場所を好む敵――低空を飛ぶ事は珍しいのです。大方、新海を連れているから高度を上げにくかったのでしょう。けれど、上げたと言う事は――。一瞬嫌な予感が過ぎりましたが、彼が落ちた形跡はありません。 新海も一応開拓者‥‥片手は鎖に自由を奪われているとはいえ、何もしない筈がない。一般人ならまだしも、助けを呼ぶだけの能無しではない筈です。助かる為に何らかの手掛りを残しているかもしれない。彼らが飴や羽根ペンで印をつけたように――蒼馬がその手掛りを探ります。 「どうかしたのか?」 すると後続のメンバーもやっとこ先行隊に追いついて、二人に声をかけてきます。 赫々云々――状況を打ち明けて、空と地。どちらにも視線を配ります。 ガッ それは僅かな音でした。何かがつき立てられた様なそんな音。その音を察知したのは音にも気を配っていた靖です。視線で促し、近付けばそこに木の楔のようなもの。 「おや、それは‥‥」 蒼馬が引き抜いたそれを見て、鍋の人とは付き合いの長い和奏は察します。それが新海お手製の鍋蓋製苦無である事に‥‥。彼が愛用しているらしい武器であり、殺傷能力は低いものの軽くて便利なのだそうです。 「えっ、こんなものまで!! ますます見たい!!」 鍋蓋製の武器にひたすら興味を引かれているらしい御子さん。 「まだ近い筈だ。これを辿ろう」 「鶏肉ぱーてぃーだもんね!」 蒼馬と翠荀が再び辺りに視線を送ります。 「必死なのはわかるが、足元注意しないと転ぶぞ」 冷静にそう告げたのは靖さん。けれど、少し遅かったようでじたばたする翠荀に手を差し伸べて、どさりと一緒に転倒です。 「みっせー、ありが‥‥ってわぁぁ!!」 友達の靖でさえ接近注意――彼女に思わずはね飛ばされ、再びバランスを崩し苦笑い。苦労性の称号は伊達じゃない模様‥‥。 「周りに目撃者もいらっしゃらないようですし、怪鳥さんの個人情報も皆無‥‥しかし、あのオマケを自宅までお持ち帰りしてくれるものなのかな‥‥」 そんな中、ぼんやり空を見つめ自分のペースを崩さない和奏さんなのでした。 ●狩る! 暫くして、草原を越え舞台は森に移ります。幸いあの後、苦無を頼りに目視による上空捜索にて雲の切れ間より大怪鳥を発見し、未だ追跡は続いています。走り通しで数十分――大怪鳥も飛び通し。いい加減、敵も疲れてきたようで高度は更に低くなり森の木すれすれに飛んでいます。 「今しかねぇな」 とそこでにたりと笑ったのは紫狼でした。りこったを抱えたまま、彼が大きく息を吸って、 「魔法少女ちょう可愛いーー!」 雄叫んだ言葉にりこったは赤面、残りのメンバーは仰天します。何を言い出すかと思えば、どんなカミングアウトだよ。いえいえ、けれどそれはただのカミングアウトではなかった様子。その言葉に大怪鳥は反応し、進路を変えて彼らを認識したようです。 「まさか、今のは咆哮かよ!」 ぜいぜい息を切らしながら到着したのは最後尾の靖です。 「よしっ、後はこれで!」 ひゅんと音を立てて蒼馬が弓を引きました。矢には荒縄がついています。けれど、それはくしくも敵には届きません。新海の横をすり抜けただけでぽとりと地面に落下します。 「おわっ、危ないさねっ!!」 「蒼馬さん?」 そして徐に両手をあげて、 「お手上げ‥‥ですか?」 春陽の問いに頷きます。 「なら、りこ頑張る!」 紫狼の腕からようやく降りて、次はりこったがチャレンジします。 狙うは翼――使うはサンダー。杖を掲げれば、雲ない空に雷一発。 「当たれーー!」 その雷は、大怪鳥を捕らえました‥‥が、 「ぎゃああ!!」 しかししかし大怪鳥の悲鳴と共に新海の声も聞こえます。 「あれは‥‥鎖を伝って感電したようですねえ」 ぷすぷす煙を上げる新海にぽつりと春陽が呟きます。 「やだっ! ごめんなさい、です!」 そんな事態に思わず謝るりこったさん。 「大丈夫、こっちには笹倉とウッシーがいるから」 そう言っている間にも大怪鳥はもがきます。さっきの雷で再び高度を下げて、じたばたじたばた。下の新海も右へ左へ、苦しそうです。 「下手に攻撃すると巻き込むし‥‥あ、そうだ」 そこで何か閃いたのは御子さんでした。ハープを片手に奏でるのは夜の子守唄――範囲内にいれば仲間にもかかるこのスキル。皆には耳を塞ぐよう指示を出し、 「地に住まう‥‥あぁ、もういいやっ、ねーーむーーれーー!!」 半ば強制的に奏でられたその曲で大怪鳥の眠りを誘います。ついでに新海の瞼までも、痛みを眠りに変えて落ち着くかと思いきや、 がさがさがさっ 意識を飛ばしかけた時、彼を襲ったのは森の木々でした。大怪鳥の羽ばたきが衰え、ぶら下がっていた新海が木々に当たる高さに到達してしまったのです。 「痛い、痛いさねぇ〜〜」 まだ取れぬ鎖に翻弄されて悲鳴を上げる鍋の人――慌てて御子が曲を変え、彼を共鳴の力場で支援します。 「ったく、だらしねぇなぁ」 その様子を見つめて、刀を握る紫狼さん。 「この高度なら何とかなります」 そう言って和奏も続きます。大怪鳥は既に木の高さまで下降しふらふら。中途半端にかかった眠りに、戦闘意欲は半減し、今がチャンスと言えるでしょう。 「く〜い〜も〜の〜〜!!」 素早く木を駆け上って、翠荀が鎖の付いた足に骨法起承拳を叩き込みます。すると、ぽきりと足が折れ、空かさずそこへ跳躍してきた和奏の白梅香が足を両断。足は瘴気に還り鍋手裏は鎖と新海と共に落下します。 「今のうちにあの方を助けましょう」 和奏持参のふわふわ毛皮を手に彼の元に向かおうとする春陽でしたが、振り返れば完全にグロッキー状態の靖の姿があったりします。 「はぁはぁはぁ‥‥もう無理。俺、走りすぎて吐きそう‥‥」 口数が少ないと思ったら顔面蒼白、確かに具合が悪そうで助ける所ではありません。 「いやはやこれは‥‥大丈夫ですか?」 そんな彼を気遣ううちに地面に直撃したのは鍋の人。枝がクッションになったようですが、目を回しているようです。 「うりゃあ!」 「一発必中!」 「サンダーです!」 巫女以外の見事な連携であっという間に打ち倒された大怪鳥――。大きく口を開けて齧り付きかけた翠荀でしたが、がちりと歯が鳴りどさりと地面に。食いつく前に瘴気になってしまいました。 「むー‥‥とり食べれなかった‥‥」 そんなこんなで翠荀は残念顔――。その横では、少しほっとするりこったの姿も見て取れます。食べる事が好きな彼女でありますが、不安半分興味半分。そういった感じだったのでしょう。 「やはり、アヤカシ。肉は残らないのですね‥‥」 そう言って肩を落として春陽も鍋を見つめます。 「あ、あの〜〜さね」 皆が大怪鳥を惜しむ中、気まずそうに声をかけたのは新海さん。『あっ』という声は聞かなかった事にして、その頃には靖も落ち着いたようで、彼に慌てて神風恩寵をかけます。 「とりあえず、ありがとさねっ」 皆の顔を順に見て、彼はにかりと笑うのでした。 ●食す! 皆の助けで巣まで連れ去られる事を免れた新海さん。さすがに空気を読みました。追跡中の言葉もちゃんと届いていたのです。嘆く翠荀達に出来る事はただ一つ。 「鳥が食べたいなら、俺にまかせるさぁ!!」 ずっと宙吊りだった為、利き腕は脱臼したようですが、そこは開拓者。数日もすれば治るでしょう。逆手で鍋蓋手裏剣を振り被り投擲――。回転と同時に刃が出現し、綺麗な放物線で獲物を仕留め、そのまま下に落します。そして、鎖を引き寄せれば獲物と共に食材ゲット。鮮やかな手つきで行われたそれに一同思わず拍手です。 「うわ、すごい! それ、見せて見せて!!」 それに感動し御子が鍋手裏を手に取ります。弓で鳥を射落とそうとしていた蒼馬でしたが、そっとそれを仕舞ったようで早速調理にかかります。 「物は使いようですね」 そういったのは和奏さん。 「なに‥‥ごはん作るのっ」 その行動に先を察して、翠荀の目が輝きます。次々と仕留めて、それを捌くのは男性陣。 「あぁ!? お鍋の蓋がご飯分しかありません‥‥だれか持ってませんか?」 そう問う春陽に再び登場、鍋蓋手裏剣。真ん中に穴は開いてはいるようですが、そこを塞いで刃を収納すれば普通の鍋蓋機能も健在です。『おお〜』と声が上がる中、次に取り出したるは鍋蓋苦無。 「実はこれも使えたりするさぁ〜」 平らな形のモノを手に取って少し強引につき立てスライドさせれば、包丁代わりにもなる模様――鍋蓋の道は奥が深いようです。 それから半時――春陽の鍋を借りて‥‥出来上がったのはフルコース。鳥鍋に蒸し焼き、苦無を串代わりにした焼き鳥もあります。 「りこは美味しいものなら何でも好きー♪」 「うんまーい!」 喜ぶ笑顔は伝染し、さっきまでの疲れは何処へやら――和やかな食事の開始です。 立ち昇る美味しい香りは森の中を充満し、もくもく煙を上げています。 満腹満足、狸のお腹――存分味わう仲間達。 しかし、その香りがいらぬお客を招いたようで‥‥そこには大きな猪一匹――鼻息荒く猛ダッシュ。 「何でこうなるんだぁ――!!」 そう叫んだのは靖です。他の仲間も色々落としつつ駆け出します。 「でかいいのしし! あれ、たべられるかな?」 逃げながらそう言ったのはやっぱりこの子・翠荀でした。 「あれはケモノっぽいから食べられると思うさぁ〜」 その言葉を聞いて第二ラウンドが開始され――、 救援が到着した頃には猪肉を頬張る彼らの姿があるのでした。ちゃんちゃん♪ |