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■オープニング本文 海の上というのは栄養が偏りがちである。 その為どこぞの海賊はカメを食べたという話がある。 しかし、できれば食べたいのは食べ慣れた肉ではないだろうか。 そう彼らは飢えていた。なぜなら航海に出ても既に一ヶ月は過ぎている。 もう魚を見るのはうんざりだ。確かに栄養価は魚の方が高いかもしれない。脳の活性を促す栄養素が含まれているというのはわかる。けれど今彼らはそれを必要とはしていなかった。そうほしいのはたった一つ。 モォ〜〜 そらみたことか、気付けば幻聴まで聞こえ始めているではないか。 ここはれっきとした海の上――陸地に住む筈のその声の主が近くにいる筈がない。けれど、 モォ〜〜 また聞こえた。その声にたまらなくなってマストの上の男が望遠鏡を覗く。 そこにそれはいた。近くにあった船の上だ。丸々と太った体に円らな瞳、時たま耳と尻尾を揺らしなんとも平和そうな、そして美味しそうな顔をしている。それに別のやつに視線を移すと、骨を作るのに欠かせないという栄養源であるツートンカラーのそれまでいる。 「お、お頭ぁぁ! あの船、あの船を襲いましょうぜ! あそこには肉がある!!」 望遠鏡を覗いたまま、よだれをたらしただらしない格好で見張りが言う。 「な、なに! それは真だな! よし、面舵一杯! 狙いはあの船だ! 何としても落とすぜ、いいな!」 『おーーー!!』 船内の者達の意識が一つとなった。 空腹時の人間ほど恐ろしいものはない。ましてやそれに飢えていた者達となれば、いつも以上の力を発揮するだろう。猛獣と化した男達の船が忍び寄る。ここは海の上、逃げ場はない。 一方、話は少し遡る。 新海は頼まれた仕事を一つ終えて、次の仕事に取り掛かる準備を始めていた。 それは何かといえば、牛の輸送である。この夏、新海はある依頼を受けて牛を海に連れてきていた。そしてその牛に海水浴をさせろといわれ、言うがままに世話をしていたのだがその理由というのはなんと牛の旨みを引き出す策だったらしい。 「餌を変えると味が変わるように、海の塩分につからせりゃいい具合に塩味になるんじゃないかと思ってねぇ」 そう平然と言ったのは依頼人。そういえばこの仕事の依頼はなべぶたんという養豚場の主の紹介だったのを思い出す。世話した手前愛情が芽生え始めていたのだが文句を言える筈もなく、新海は次のステップへ。引き続き今度は輸送に同行してくれと頼まれたのだ。 「少しでも輸送費を安くする為に海路でお願いするよ」 そう言って用意された大き目の船に乗り込んで、一路出荷先の港を目指す。 ただの船旅になる筈だった。最後の別れまで牛達を見守り続けるだけの簡単なお仕事――けれど、蓋を開けてみれば迫ってくるのは髑髏マークを掲げたかなり大きな海賊船だ。しかもあちらの乗組員の目はなぜだか異様に血走っている。 「な、なんなのさね〜〜!!」 久し振りにあった災難に新海が叫ぶ。けれど、事態は己の手で収拾する他ない様だった。 |
■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
大淀 悠志郎(ia8787)
25歳・男・弓
蓮 神音(ib2662)
14歳・女・泰
黒羽 修羅(ib6561)
18歳・男・シ
アーディル(ib9697)
23歳・男・砂
ラフィーネ(ic0730)
19歳・女・志 |
■リプレイ本文 ●両者の思惑 距離はまだある。素人目にみれば海上での目測はそんな印象を与えている。 しかし、海のプロはそうではない。風向きと船の速度を計算し、後どれ位で相手が接近するかを瞬時に判断する事が出来る。 「船長、このまま停止して追い風に乗ってあれが移動した後T時にぶつかってはどうです?」 まだ冷静な副官そう提言する。だが、船長はといえば残念な事にそうではなくて、 「馬鹿野郎がッ! 万一ぶつけて大事な食料源を失ったらどうする!? ここは慎重に橋を渡すか、あるいは…」 「あれですかい?」 「あぁ、あれだ…成功すれば肉が待ってる。やってくれるな?」 ギラギラした瞳に遥か先の船を捕らえて言う船長に子分達が頷く。 あくまで『肉』優先――今の彼らにはそれが最重要事項となっている。 (「全く仕方のない人ですねぇ」) 副官が心中で呟く。そう、彼はベジタリアン…。 それはさておき、狩られる側にたった開拓者らとて負けてはいない。 海賊旗を見つけるや否やすぐさま作戦会議を始めている。 「敵の船はガレオン船という事なので、推定戦力は百人位。内操船に四十、戦闘要員と幹部合わせて六十人と言った所ですか、ね。あの船は操縦にそれなりの人手がいるので、活動できる戦闘要員はそんなにいないと見ています」 敵の船を観察して三笠三四郎(ia0163)が発言する。 彼が何故詳しいのかといえば幼少の頃より古今東西の学問を叩き込まれているからに他ならない。それはこの過酷な環境を制する為であり、今も常に質素な生活を続けて…些かその辺からある思考回路も普通より敏感なのようで。 (「あれほどの海賊船なら財宝やら賞金首やらで結構いい値が…」) 牛云々より先に、そんな事が過った彼である。 「うぅ…私は、兄様を探しに…それだけなのに…」 一方ではたまたま乗り合わせた船がこんな事になって、困惑するラフィーネ(ic0730)がいた。アル=カマルから出てきたはいいが右も左も判らず、彷徨い気付けば路銀も後僅か。そこでこの仕事を受けてみたらこの事態――ただただついていない。そんな彼女の緊張を解すべく、 「何はともあれ、旅にアクシデントは付き物だけど…あの様子を見たか? 何だか向こうは必死のようだな」 とアーディル(ib9697)。彼女とは同国出身という事で気を回す余裕を見せる。 「あれはきっと神音が可愛いからだよ! 駄目駄目、神音の操はセンセーに捧げるんだから! あんなむさい人達なんて御免だよ!」 そこに一人、何か勘違いをしているっぽい少女がいた。蓮神音(ib2662)だ。 「あの距離ではあんたの姿ははっきりと見えないと思うがねぇ」 そんな彼女ににやにや笑いつつも大淀悠志郎(ia8787)が呟く。 『あれは、きっと肉だ』 そこへいつも携帯している手帳を取り出し断言したのは黒羽修羅(ib6561)だった。 彼は喉を壊しており、普段から筆談で周りとのコンタクトを取っている。 「肉って牛の事さね?」 その意見に新海が不思議そうに尋ねる。 「まあ、普通に考えても相手は海賊ですし積荷が目的で間違いないでしょうね」 「となるとだ。何か策を考えんとな…あっちとこっちでは戦力が違い過ぎる」 こちらは貿易向けの末次船に砲台が二台の超軽装備。それに対してあちらは大型のガレオン船に砲台が八台。速度を考えても逃げ切るのは難しいだろう。絶望的な状態に場が静まる。 「ど、どうしましょう…」 ラフィーネの声が震える。 「あ〜なら、自分の話を聞いてくれ。実はちょっとしたことを思いついた。読み通りにいけば、最高に冴えた結果になると思うが乗るかい?」 飄々とした様子を崩さず、悠志郎が提案する。 その策はまさに王道だった。基本中の基本であるが、当たればこの場で最も有効と言えるかもしれない。 「よし、それで行きましょう」 皆が同意し、それぞれ持ち場に急ぐ。 「あ、これ。万が一の時に牛さんに使ってね」 そんな中、別れ際に神音が新海に小さな小瓶を手渡した。 その小瓶のラベルには『フォレストノート』と書かれている。牛が動揺した時に使って欲しいのだという。総勢五十匹…今、牛達は船内で呑気にお食事中だ。 「みんな頑張ってくれるみたいさね。だから大人しくしてて欲しいさぁ」 新海が牛を撫でながら言う。そんな彼を見つめて、修羅は思う。 (「絶対に渡さぬ……コレ程うまそうな牛は初めてなのだから」) 腹が鳴った。長旅で我慢していたのは何も海賊だけではない。 ●作戦 海――そこには遮るものはなく、逃げ場のない戦場と言っていい。 逃げる事が叶わないならば、残された道はそう多くない。 相手との和解? それも一つの手であるが、好戦的に向かってきた相手にそれは多分通用しないし、したとしても良い様に扱われて後は…そんな未来が頭を過る。ならば後は戦うのみ――相手が降伏、あるいは撃沈されるまで続くであろうその戦いは、陸地のものとは訳が違う。波に揺れる不安定な足場に、船の扱いも重要だ。いかに回避し攻撃するか? しかし、彼らの戦いはそこだけでは終わらなかった。 「さすがシノビの修羅おにーさん。水の上もスイスイだよー♪」 神音が修羅におんぶされた状態で感心したように言う。 「……」 それに修羅は無言を保つ。言葉を返そうにもこの状態では筆談は出来ない。アメンボが如く、海面に『水蜘蛛』を使って立ち視線の先には海賊船。彼の少し後にも三四郎がボートを出しているが、相手に見つからないよう回り込む事は容易ではない。なぜなら、周辺に隠れられる障害物がないのだ。いくら船上の面子が引き付けているとはいえ、ボートや人は見張り台から目視する事は出来る。 (「接近されても困るけど、せめてもう少し近づいて貰わないと…」) 奇襲にならない。ボートを漕ぐ手を止めて三四郎が思案する。そう思っているのは修羅も同じだった。いくら早駆と併用しても勘付かれては意味がなく、それ故になかなか前に進めない。海上で止まってしまった奇襲班…しかし、彼らはまだ気付かない。彼らに迫る存在に――。 末次船の船上からひっきりなしに飛ばされる火矢。こちらは船上の囮班。 海賊船は何を思ったか彼らの船の側面に垂直になるよう正面向きで位置取り、砲台は全く使ってこず、そこが逆に不気味で攻撃の手を強める。 「いいな〜、ぶつけるなよ。耐えろ、今は耐えるんだぁ〜」 ギラギラとした瞳でこちらを見つめる海賊船の男達に変な身震いを覚える開拓者達。 風向きは追い風、放つ火矢は若干風に流されるのを考慮しつつ、火災によるあちらの兵力と速度減少を狙う。 「明朝、申し訳ないですが追加をお願いします!」 アーディルの指示に新海が応えて、追加の矢の作成に入る。 実はこの矢、即席の産物。悠志郎が持参した包帯に酒を浸し鏃に巻いた物だ。武装船でなくとも頭を使えばなんとでもなる。『思考と工夫』それが悠志郎の大事にする基本概念…博徒のような考え方をする彼であるが、実際のところはちゃんとした計算高さも兼ね備えている。 「ラフィーネさん、この砲台はどうするんで?」 唯一オマケ程度に完備していた二台の砲台。それを引っ張り出してきて船員の一人が問う。 「えっと…でしたら、それも帆を狙うのに、使って、下さい…」 それに彼女はおどつきつつも対応する。今ここで落とされれば兄探し所ではなく、海のお魚の餌になってしまうかもしれない。 「ちょっと待って下さい。相手が正面向きで直進してきている今ならマスト自体を狙えるかもしれない…」 火矢での狙いは速度低下だが、砲台からならばそんなちまちましたものを狙わなくともどかんといけるかもけれない。 「おい、どうした? 手が止まってんぜ?」 その様子に狙撃を繰り返していた悠志郎が問う。 「俺がここでこれを打ち込みます! その後、閃光練弾も…どうやら奇襲班が足止め状態のようなので」 余り海上から移動していないのに気付きアーディルが言う。 「ほう、判った。じゃあ頼む…自分は海面の面子にも伝達だ」 悠志郎はそう言うと、早速矢文を拵えて海上班に飛ばし、砲撃に備える。 「ラフィーネは弾込めを手伝って頂けますか?」 「は、はい…」 アーディルの声に彼女はびくりと肩を揺らしつつも手伝いへ。 一か八か…これが当たらなければかなりヤバイ。 「よし、じゃあいくぞ!!」 どーーーーん 小さいとはいえ、凄まじい爆音を上げながら弾丸は海賊船へと向かう。 ウモォォォーー それと共に牛達が動揺して声をあげたが、今はそれどころではない。 「さて、もう一個」 「はい…」 どーーーん 再びの爆音。初めのそれから微調整をかけて――何発目かの後、海賊船のマストを直撃したのを見届けるとアーディルは『閃光練弾』を発動する。 「今だよ、修羅おにーさん!」 「……」 神音の言葉に修羅が頷いて…海面を全速力で駆ける。 「私もいか…ッて、ええっ!!」 二人を余所に三四郎は仰天の声を上げていた。 ●奇襲合戦 ボートを漕ごうとオールを持とうとした時だった。 ボートの縁にぬっと出てきた手にそれを掴まれて、思わず仰け反り転倒しかける。 「え、えっえっ…これってまさか」 (「人魚??!!」) いる筈がない。何かの童話で聞いた事はあるが、実在するなど聞いていない。いや、アヤカシでそういうのがいるかもしれないが、よりにもよって今それが現れたのならそれは最悪極まりない。 「にいちゃん、抜け駆けはいけねぇ…ぐえっ!!」 だが、その手の主が顔を上げて――彼はそれを見る前に殴っていた。 いや、正確には腰に挿した剣を相手の頭に振り下ろしていた。 「あ……えと、これは…海賊?」 殴られ気絶した男の姿を見て彼が理解する。 「なんだ、人魚じゃなかったのか……ってまずい! この方達が下から来たのなら!」 船が危ない。奇襲を考えたいてのは彼らだけではなく海賊らもまた、予想を上回る行動で彼らの船に迫っていたのだ。 「気付くのが遅せ〜んだよ!」 海賊のお頭らしい男が甲板に出て、ふんぞり返る。 だが、彼の船には神音と修羅の影が近付いていた。 「うひょー肉だ肉ぅ!! 大人しく牛を渡しなぁ!」 「そうすりゃ、命だけは助けてやるぜぁ!!」 末次船というのは海面から甲板までの高さが意外と低い。積荷が牛であり重みで下がっているというのもあるだろうが、用途が貿易用とあって積み下ろしがしやすいような仕様になっている様だ。よって、水中を潜ってやってきた海賊達が上がるのもガレオンに比べれは楽であり、両側から同時に上がられては全てを防ぎ切る事は出来ない。 「くっ、仕方がない! 応戦する!」 そこで悠志郎は武器を持ち替える。 が出たのは苦無『鍋木』で…慌てて匕首と取り替える。 「船員の方々は中へ。ここは俺らが何とかします!」 登り様の相手に閃光練弾を、上がってしまった者には魔槍砲を槍としてアーディルが必死に捌く。ラフィーネもこの時ばかりは脅えている場合ではなかった。刀を手に取り、出ていた牛を地下へと誘導し、新海と共に扉前に立ちはだかる。 「大丈夫さね?」 「は、はい…それより牛さんの方は?」 「問題ないさね。あの香水が意外と効いているみたいさぁ」 森林の香り…こんな船内でも何とか彼らの神経を落ち着かせているらしい。 「けども何時までもつか判らないさね…早く片付けるさぁ」 「そうですね…」 二人は互いに頷いて、得物を握り締めた。 「ぐわぁーーーはっはっ! どうだ、このスンバらしい作戦は!!」 ぼふっ 子分達が乗船したのを確認してふんぞり返っていた船長だったが、突然の衝撃に見事にその場で転倒する。その瞬間、視界に入ったのはお下げの少女と前髪で目が隠れた黒髪の男…見慣れない二人に彼は慌てて飛び起きる。接近して鳩尾を狙った神音だったが、流石にそれはかわされている。 「もう大人しくしてればいいものを…大体、お前なんて全然神音の好みじゃないんだよ!」 びしぃと船長を指差して神音の勘違いはまだ続いているらしい。 彼女の接近を止めるべく残っている子分らが駆け寄るのだが、修羅の立ち回りの早さに手も足も出なかった。どうやらこちらに残っている子分達は志体持ちではないらしい。加えて、船を操るに長けている者ばかりなようで神音の崩震脚一撃で見事にへたり込んでしまう。 「ぐぬぬぬぬ〜、おのれ。勝手に乗船しおって!!」 船長が苦虫を噛む様な表情で二人を睨みつける。 「私も忘れないで頂きたいです」 そこへ三四郎も加わった。あの後、必死にボートを漕いでこちらに来たらしい。汗が尋常ではない。 「あ〜、全くいつかこうなると思ってましたよ」 だがそこへ一人、落ち着いた様子の、副官が現れた。彼自身からは殺気を感じないが、雰囲気が他の者達とは違い、彼らは警戒する。 「おお、よかった。こいつらをどうにかしてくれ」 船長が彼に言う。 「しかし、三人相手は無理ですよ? 一人位引き受けて下さい」 「あぁ、勿論だ。私がこちらの二人を受け持とう」 明らかに駄目っぽい雰囲気を漂わせている船長であるが、本人は自信満々に言う。 「では、いざ…」 そこで改めて戦いの火蓋が切って落とされた。 三四郎が二本の剣を腰から抜き放ち前に出る。対する男は大振りの刀だ。海賊には似つかわしくない。重さを感じさせない動きでそれを扱い、彼とは互角に渡り合う。 「こんな使い手がいるなんて…」 世界は広い。けれど、自分が負ける訳にはいかない。発気で相手を牽制しつつ、無双の連続攻撃。相手に踏み込む隙さえ与えなければ問題はない。後は体力の問題だ。けれど、この勝負に決着がつく事はなかった。なぜなら、 「うわぁぁぁぁぁぁ!!」 (「弱い、弱過ぎる」) 「あれ、もう終わり?」 それは拍子抜けする程呆気なく船長がやられたからだ。 初手…修羅が船長の懐に飛び込み、苦無が彼の胸部分を掠めて…それを必死に回避した船長。踏み止まり、剣を振り翳す。だが、交差するように迫っていた神音が足元に空気撃を放てば、足元を掬われ状態を崩す。そして、そこに八極天陣の追い討ちが決まり…船長は意識を失ってしまったのだ。 「あぁ…まぁ仕方ないですよね。子分達に自分の分まで食料を差し出してしまう位の船長ですし」 その姿を見て、三四郎と対峙していた男が降伏。海賊船から白旗が上がる頃には末次船の方も一段落ついていたのが実際の話であり、この海上戦は開拓者側の勝利に終わる。 そして、海賊船を捕縛した彼らは海賊船で末次船を引張る形で港へ。無事牛は買い取り主に引き渡されて…捕縛された海賊達が恨めしげに見つめる中、牛肉の味はといえば――、 「こ、これは…」 『うーまーいーぞー!!』 上質な脂に程よい塩味が加わって味付け無しでいける絶妙な味わい。 (「もう普通の肉は食えないかも」) 誰もがそんな気分になりつつも、今ある幸せを噛み締めるのだった。 |