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■オープニング本文 こつんっ 「ちっ…」 一抹が舌打ちを零して…めんどくさげに振り返った先にはなぜだか将棋の駒が落ちている。 「どうしたのにゃ?」 そんな一抹を見つけて散歩から帰った猫又・ポチが彼に声をかける。 「ああん? おまえがやったんじゃねえのか…」 その様子に一抹は相棒の仕業ではないと悟ったらしい。手にした駒をぽいっと捨て再び昼寝に戻る。 「将棋の駒にゃね…誰かの悪戯かにゃ?」 ポチもそれにあまり興味を示すことなく、板間の涼しい場所を探してごろりと横になった。 とても平和な昼下がり――しかし、これはまだ序章に過ぎなかった。 ごつっ 「ギャッ!」 それは深夜過ぎの事――一抹の隣をちゃっかり占領してポチがご機嫌な睡眠を楽しんでいた時の事だ。 ポチの真上に昼間の一抹同様に将棋の駒が降ってきたのだ。ただ、昼間のそれと違ってその駒の大きさは床の間に飾れるような大きいもので落とされたポチはたまったものではない。間一髪で気付いて避けはしたが、尻尾に当たってしまったらしく、涙が滲む。 「なんだ…静かにしろ…」 だが、一抹はそう声をかけただけだ。 「ご主人……おいらをもっと労わってほしいのにゃ〜〜」 じんじんする尻尾をぺろぺろしつつ、その日はポチも仕方なく眠り戻るのだった。 けれど、この将棋事件はこのままでは終らない。 時間を問わず一抹を狙って執拗に繰り返され、それは日に日にエスカレートしていったのだ。 「ご主人…これじゃあおちおち眠れないのにゃ…」 それは共にいるポチにも例外ではなく、常に緊張状態にいなければならないポチにとっては迷惑でしかない。押入れには大小ありとあらゆるサイズの将棋の駒が押し込まれ、果ては将棋板まで降ってきた始末である。 「そう言うがいい修行になっていいだろう」 「修行って原因を解明しようとは思わないのにゃ!?」 「ああん? 心当たりがなさ過ぎる…いや有り過ぎてな…」 「どっちなのにゃ!」 乱れた頭を掻きながら曖昧に答える一抹にポチが問い返す。 「おまえは知らんだろうが、これは一応仕事人の仕業だ」 「仕事人にゃ?」 「昔聞いた事がある…相手を殺す訳ではないが、しつこく付き纏っては嫌がらせをして相手を精神的に追い込む仕事があるとな。ようするに何か俺に気に食わん奴がいたんだろう…そして仕事を依頼した。ただそれだけだ」 顎に手を当ててそういうと、今までに投げられた将棋の駒を拾い上げ手の中で弄んでみせる。 「そんな仕事儲かるのかにゃ?」 「知るか…しかし、何が生業になるかわからん世の中だ…案外儲かるのかもしれんな」 「へ〜〜〜って納得している場合じゃないのにゃ! その人に会って止めて貰うにゃ」 ふんっと鼻息を粗くしてポチが肉球を僅かに硬くする。 「止めてと言ってもあっちも仕事だろう…依頼人をどうにかせんと無駄だろうよ」 「なら、依頼人を探すにゃ! ご主人心当たりをばんばん言うにゃ」 「面倒くせぇ…そんなもん知るか」 だが一抹は特に乗り気ではないらしくそういうと、ポチが以前の依頼で取り付けてきた野菜箱からトマトを一つ取り出し無言で齧るのだった。 |
■参加者一覧
ダイフク・チャン(ia0634)
16歳・女・サ
秋霜夜(ia0979)
14歳・女・泰
アーニャ・ベルマン(ia5465)
22歳・女・弓
アルマ・ムリフェイン(ib3629)
17歳・男・吟
ウルグ・シュバルツ(ib5700)
29歳・男・砲 |
■リプレイ本文 ●へとへと? いつもの如く風の通る板間は一抹が占領している。 そして、その背に隠れるように身を丸くしているのは猫又のポチだ。 「ポチさん、元気ありませんね…」 そんな様子を見つめて、依頼を受けてやってきたアーニャ・ベルマン(ia5465)他四名が中へと入る。 「あ、来てくれたのにゃね」 それに気付いてポチが立ち上がった。 しかし、睡眠不足がたたっているのか足取りはぎこちなく畳に転がっていた駒に足をとられる。 「大丈夫か?」 そこで手を差し伸べたのはウルグ・シュバルツ(ib5700)だった。 小さく頭を下げるポチの様子をを見て、事態の深刻さを改めて実感する。 「え〜とポチちゃんは、寝る?」 そこでこのままではどうにもならないとアルマ・ムリフェイン(ib3629)が提案した。 他の面子も聞きたい事はあれど、今のポチを目にしては聞き出す気にはなれない。 「だったら寝ている間あたしが監視しておきますね」 そう言って秋霜夜(ia0979)がポチを優しく撫でる。訪れた一行は皆彼の味方の様だ。 「だったらあたいもお昼寝するみゃ♪」 ポチに駆け寄って、冗談半分にダイフク・チャン(ia0634)も言う。 「とりあえずこれを使ってくれ…後、腹が減っているならこれも」 そこでウルグは準備していた木箱と鰹節を二人に預けた。 なぜ木箱なのかといえば箱の口を横にして置けば三方向からの駒は防げ、尚且つ投擲地点の割り出しも容易になると考えたからだ。 「ありがとなのにゃ」 ポチは早速その箱を寝床に手拭を引き込んで静かな呼吸を始める。 「全くおまえさんのご主人は何をしたんだろうな」 ウルグはそう呟いて、ちらりと一抹を省みた。けれど、彼は素知らぬ様子だ。 「そうですよぉ! ポチさん疲れ切って可愛そうです」 とこれはアーニャだ。視線と言葉で一抹に精神攻撃を仕掛けてみる。だが、それは効いていない様だった。 「これも修行のうちだ…」 そう返して不貞寝を始めようとする。 「風安さん、寝る前に一ついいですか?」 だが、それに待ったをかけたのは霜夜だった。駄目元でも聞いておけば何かの手掛かりとなるかもしれない。 「あぁん? 心当たりなら判らんぞ」 「いえ、違います。風安さんは大店の旦那さんや貴族のご当主に呼ばれて将棋を指しに行くことは無いです?」 もしそうであれば依頼人はきっとその相手。一抹の性格から『接待将棋』などという事は考えられず、コテンパンにのしてしまい、相手から恨みをかったのではないかと彼女は推測する。だが、 「ないな…第一俺は将棋は指せん」 「それは将棋を知らないという事ですか?」 知っているなら教えて欲しいと思っていたアルマ。散らばっていた駒を手に取り、しげしげと見つめながら問うと、一抹は静か頷く。 「んー、残念」 「本当に。私の見当違いでしたか…」 依頼人の目星をそうつけていた霜夜。白紙に戻ったと肩を落とす。 「じゃあ原因は何かな? そもそも駒に意味はあるのかな?」 「ただ単に駒は仕事人のこだわりアイテム…という線もありますよ?」 ポチを囲んで様々な意見が飛び交う。 「この駒は…どこのものみゃかね〜?」 そこで少し視点を変えたのはダイフクだった。さっきポチが躓いた駒を手に言う。 その他にもサイズは色々あるようで大きいものでは三十cmを越え、飾るだけでなく貯金箱の機能も有しているものまである。 「将棋の駒に関しては私が当たってみます。事前に工房の位置を調べてきましたので」 地図を取り出してアーニャが言う。 「なら、情報関係はアーニャに任せて俺達は仕事人の張り込みでもしようか?」 「そうですね。聞き込みも大事ですが現場を押さえるのが一番ですし」 とこれはウルグと霜夜だ。二人はそれぞれ外で待機し、仕事人の動きを警戒するらしい。 「あたいは鳴子を作って…後はポチと待つにゃ」 「鳴子ならいい考えがあるよ!」 ダイフクの言葉ににこりと笑って、今度はアルマ。 相談途中もさり気無く部屋にある駒をかき集めて、何か考えがあるようだ。 「全く大層なこった…ほっときゃ収まるだろうに」 そんな彼らのやる気を削ぐように一抹がぼそりと呟く。 (「ああきっとこういう性格だから起きた事件に違いない」) 誰も声には出さなかったが、彼を知る者は皆そう思っている。 けれど、彼自身はそれを気にする筈も無くただ在るがままを貫いている。 (「もっと大切にしないと私がもらっちゃいますよ」) アーニャはそうも心中で呟きながら、早速聞き込みに向かおうと玄関の戸に手をかける。 ――とその時だった。 「この、バカヤロー!!」 一抹の家の隣から聴こえた男の罵声――それを聞き、思わず皆視線を向ける。 そしてアルマが超越聴覚で聞き耳を立てれば、どうやら何かいざこざが起こっているらしい。 「うちの玉姫がおまえのお嬢を傷つけただと? 馬鹿いえっ、俺の玉姫がそんな下品な事するもんかよっ!!」 声音からして酒が入っているのだろうが、内容が些か穏やかではない。 「しらばっくれんなっ! ここに傷が出来てんだろうが! ええっ!?」 飛び出すべきか否か? 迷うところではあるが、下手に飛び込んで話がややこしくなってはと様子を見守る。 「んなっ証拠はあるのかよっ! 言い掛かりで慰謝料なんざ請求すんなっ!!」 その後もその喧嘩は数十分に渡って――結局折れたのはいいがかっていた方だった。 小さく舌打ちをして、苦々しげに去っていく。 「ったく覚えてろよ。今に天罰が下るぜ」 ぽそりとそう呟き、男は去っていく。 「…次から次へと、これじゃあ寝れねぇ」 一抹は表情を変えぬまま、そうぼやくのだった。 ●おろおろ 「おはようなのにゃ」 翌朝ポチが復活し、本格的な活動が開始される。 改めて嫌がらせされる時間や量をポチに尋ねて、それぞれ目星をつける。 ちなみに昨日は来客が多かったせいか仕事人も仕事を見合わせたようで、嫌がらせはなかったようだ。 「それではポチさんには天井裏を見て頂けませんか?」 仕事人の潜んでいる場所は恐らく上、そう見た霜夜がお願いする。 「あ、もしネズミさんが手下にいたら便利なんですけど…」 「ネズミ? おいら子分とかそういうのいないにゃ」 猫又であるから鼠に頼る必要が無いらしい。けれど、どこか負けたような気分になってポチが気を落とす。 「だいじょーぶみゃ! じゃああたいがお供するみゃ」 しかし、そこでダイフクがフォローを入れて…ウルグの肩を借り奥を覗き込んでみれば、蜘蛛の巣だらけの筈の天井裏には何やら不自然なものが点在している。 「これは竹筒みゃ?」 そうそこで見つけたのは旅人がよく持ち歩く水筒代わりの竹筒だった。その他にもお握りが包まれていたのだろう笹の葉や取り落としたのか飴玉まで転がっている。 「これではっきりしましたね」 その物品を見て彼女らは確信した。仕事人はやはり屋根裏を使っていたらしい。 しかし、この証拠の数々――大胆不敵にも程がある。 「全く呆れたもんだな…気付かなかったのか?」 ウルグがポチに問う。もし気付かなかったのだとすれば、相手は相当な腕前と言う事になる。 「ごそごそしてたのは知ってるにゃ。けど、にゃんかふわふわして」 「ふわふわ?」 よく判らない答えに首を傾げる。 「まあ、奴を抑えれば全てわかる。俺は外の通りで見張っておこう」 そう言って彼は庭に出ようとしたが、 「おっと」 板間には将棋がずらりと並べられ、足の踏み場が無い。 「これは?」 「鳴子代わりの将棋ドミノです。こういうの見てるとついつい並べたくなりません?」 笑顔のままでアルマは続ける。 「掃除ついでにどうせならと思って…お部屋も綺麗になりましたし、一石二鳥ってね」 「成程な」 物は使い様…この将棋が倒れたらまた片付けないといけないのではと思いつつもアイデアは面白いし、案外うまくいくかもしれない。 「それでは後は待つだけか」 「来てくれるといいですね」 細工は流々、仕上げをごろうじ。 一方アーニャは今、将棋工房にいた。 「これなんですけど、何処のものか判りませんか?」 ポチの家から数個拝借してきた駒を見せて彼女が問う。 「ああ? なんだ、全部ばらばらだな…将棋の生産は北面が多いが、これは木もまちまちだし安もんも混じってる。こんなもん売れたもんじゃねぇよ」 だが職人の意見によれば、これは売り物にはならないらしい。 「え〜とすると、これは自作って事ですか?」 売り物じゃないとすれば考えられるのは…と再び聞き返す。 「いや…俺が思うにそれは型落ち品だろうな。自作といってもこの形を出すのは腕がいる…さしずめ新人が練習で作ったもんを買い取ったとかそんなとこだろうさ」 「あの、ちなみにここはそういう事はされてるんですか?」 もしそうなら買い取った人物が判るかも知れない。期待を込めた眼差しで尋ねる。 「欲しいって奴がいればやらない事はねぇが…これはうちのじゃねぇなぁ」 使っている木の手触りで判るのだろう。ここのものではないらしい。 「有難うございました〜」 彼女はそう言って工房を後にする。この都には他にもその手の工房があるからだ。 「次行って…ん?」 気を取り直して歩き出そうと思った彼女に届いた視線。 振り返った時には姿は無かったが、彼女は確かに誰かの視線を感じて首を傾げる。 (「あれは昨日ターゲットの家にいた外国人……一体、何者?」) 視線の主は路地に隠れて、内心ドキドキしているのだった。 ●わたわた そして、数日が過ぎる。 一抹宅には助っ人達が居座っているおかげで嫌がらせは止まり、ポチは安眠出来ている様だが一抹としてはうっとおしくてかなわない。 「いつまで居る気だ?」 ポチの為に集まった彼らにそんな物言いをする始末である。 だが、そのうっとうしさも今日で終わる事となる。 なぜなら、仕事人が強攻策に出たからだ。 「怪しい人影発見です!」 一抹の家の見える位置の火の見櫓からそれを確認して霜夜がウルグに報告する。 「あぁ、こっちでも確認出来てる」 向かいの路地に隠れて、ウルグも怪しい男は目視出来る距離だ。それもその筈、その男は荷車を猛スピードで引っ張り一抹の家を目指しているのだ。時折、小石に躓いて荷物から溢れてくる駒が彼の怪しさを一層引き立てている。 「何か来ます!!」 超越聴覚を使うまでも無かったが、アルマがその車の接近を知らせて―― 一抹の家まで後数百mに近付くとまずはウルグが威嚇射撃。 「何が恨みか知らないが止まれ! でないと撃つぞ」 マスケットを構えて、男に狙いを定める。 「これも仕事なんです! 期限ももう一杯だし…これにかかってるんです、だから御免!!」 だが、相手も引けないようだった。そう叫んで荷車ごと一抹宅に突っ込んでくる。 『ええっーーーーーーーーーー!!』 その様子に誰もが困惑した。 本来、仕事人というのは公に顔を出さないものではないだろうか? ましてや昼を迎えようと言う時にこのど派手な登場とは一体全体どういうことなのか。 「とりあえず止まって貰うみゃ!!」 駆け出したのはダイフクと霜夜の二名。素早い動きで立ち塞がる。 「うわ〜、なんか凄いねー」 そんな様子を後方で見つめるのはアルマ。 「あのー、言っときますけど全然風安さんには効いてませんよ」 そんな状態の中、アーニャが言ったその一言に男は明らかに動揺した。 「ええっ!! 今なんて!」 「だから、全然」 「そのま…ってうわぁぁぁ!!!!!!!!!」 尋ね終わる前にスピードを殺す事ができず、皆まとめて玄関へ。 戸を破壊し、一抹宅へ雪崩れ込み、ドミノならぬ将棋トラップが一部発動しカタカタ歯切れのいい音を奏でる。 「なんだ、なんだぁ??!」 近所の者達もその騒ぎに顔を出し、事は大きくなる中真実は意外なものだった。 大騒動での野次馬にとりあえず頭を下げて追い払い、落ち着いたのは夕方だった。 「あの、本当に申し訳ありませんでした!!」 仕事人だという男が深々と頭を下げる。なぜ彼がこのような行動に出ているのかといえば、当然訳がある。 「俺のターゲットは浦山と玉姫っていう猫だったんです」 どこかで聞いた名前だと思い記憶を辿れば、つい最近耳にしている。 そう隣の男であり、玉姫というのはどうやら飼っている猫の事だったらしい。 「ある人から凶暴な猫がいて、その主人も極悪な奴だからどうか立ち退かせて欲しいって頼まれて…それで男一人猫一人だったから、俺はてっきり」 「その人と勘違いしたと?」 「はい」 がくりと肩を落として意気消沈気味の男が言う。 「なぜ気付かない? 主人は兎も角、ポチの行動を見ていれば判ったろうに」 凶暴な猫と極悪な男――一抹は見方によればそう見えなくも無いが、ポチに凶暴な要素などあるだろうか。 「いや、だってそっちの方を蹴り飛ばしたり引っ掻いたりしていましたし…」 「していたのか?」 男の証言にポチが首を傾げる。だが、思い当たる節が無い訳ではなかった。ポチは毎朝一抹を蹴り飛ばして起こしているし、ことある事にボケる一抹にツッツミを入れる為猫パンチを食らわせている事もある。それが傍からみれば、凶暴と映ってしまっても仕方がない。 「無い事もないのにゃ…」 困り顔を浮かべてポチが答える。 「まぁ、俺は気付いていたがな」 だが、そこで一抹の意外な一言に一同目を見開く。 「じゃあなんで早く言わないのですか!」 こんな大事になる前に止められた筈ではなかったか。 「言っただろうがっ、修行の為だ。ポチも猫又ならこれ位で乱されててどうする? そこの仕事人もそうだ。音は立てるわ、やる事は中途半端だわ…初めから素人だと気付いていた。だが、いつか本人が悟るかと野放しにしていただけだ」 よく考えれば今はぐうたらである一抹であるが、これでも開拓者だ。素人が相手なら気配に気付かない方がおかしい。あえてそれを無視していたのは、自分に危害を加えない、もしくは手を出す必要がないと判断した相手だったという事になる。 「ご主人〜」 「一抹さん…」 ポチと男、二人が彼を見つめる。 「え〜〜とじゃあこれで事件は解決ですかね?」 人違いというなんともうっかりな原因ではあったが、違うと判った以上これからポチの安眠は保障されたようなものだ。仕事人は仕事の完遂が出来なかったようだが、それは自業自得である。 「ちなみに何で駒に?」 興味があったのかアルマが問う。 「えっと、恥ずかしながら…なんかカッコいいなって思って。後角とか痛そうだし」 「あはは〜、そんな事で」 将棋に特に深い意味はなかったのかと苦笑する彼。ちなみに嗅覚対策にはマタタビを用いたそうだ。 「ポチさんのお腹気持ちいい」 「僕も肉球触らせてー」 戸の修理費を支払って貰って事件は解決。 その後お隣さんはさておいて、うっかり者の仕事人が転職を考えたのは言うまでもない。 |