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■オープニング本文 オアシスから離脱する鉱夫たち。 彼らは着の身着のまま、取るものもとりあえず次々とオアシスを後にする。遠くからは既に戦闘の音が微かに聞こえてき、小型飛空船は僅かに老人や年少者を乗せて離陸する。 「砂漠の中だ、奇襲に気をつけろ!」 誰かが叫んだ。 出撃した警備兵たちは無事だろうか。時間を稼げたら、上手く離脱してくれているといいのだが。走龍がいななく。その健脚は土くれを、砂を蹴散らし、遥か地平線へと駆け出した。 ● 臨戦体制ともなれば昼夜がなくなるのが戦場であるのならば、戦線の後方にありながらも、港のドッグもまたすでに戦場であるのかしれない。神砂船出港準備のために数時間ごとに人員を変えながら、夜すらも徹して準備がつづけられる。 技師たちが船の各所の最終チェックをしてまわり、部族の長たちが酒を片手に軍議を語り合い、集められた兵たちが目を爛々とかがやかせながら得物を磨いている。 まさに戦いがはじまらんとする、そんな時であった。 その裏では、こんな事件が起きていた。 「また首を斬られた死体とな?」 別段、めずらしい話を聞いたわけでもないという風に女は応えると、食べかけのスープを飲み干して、立ち上がると部下に連れられて、詰め所に向かった。 死体を検分する。 「鋭利な刃物で斬られたか? しかし、みごとなものだな。まるで天儀の刺身のような切り口だ。肉料理でもさせたら、さぞや綺麗なスライスが皿にならぶな」 「犯人は天儀の人間でしょうか?」 「まさか魚と同じように人間を調理をする人間はおるまい?」 「いえ天儀の神秘、シノビに違いありません!?」 言外に人間以外の存在を臭わしながら、女はなおも死体を見回した。 別段変わっているところは見えないが、わずかに体から香る匂いが気にはなる。 「この男はいつ、どこで死んでいた?」 すでに数人、同じような姿となって殺されているのだ。いまさら首なしの死体のひとつやふたつ増えたところで驚くことはない。 が、面倒だとは思った。 「夜を狙っているな」 部下たちの話を総合するとそれがわかった。 殺された者達は皆、夜警の途中、ひとりになったところをやられたのだ。だが、公人としては少々、私人としては大変気になる情報もあった。 昨晩、殺されたこの男はいっしょに夜番をしていた同僚に、いい女を見つけたと言って勝手に持ち場を離れたのが、他人の見た最後の姿だというのだ。 「ただのバカか!?」 相手が故人であるのに、その最後の様子を聞いたとき、女の口からは隠すことすら放棄したほどの本音が漏れてしまった。そして、さすがに激高した姿を部下に見せるのははしたないとでも思ったのが、 「夜鷹は夜なのによくよく目が利く鳥と見えるな」 「はい?」 女が天儀を旅した時に現地で教わった言葉だそうだが、誰もその意味をわかるものはいなかった。まあ、いいさと女はため息をついて――もちろん、それは部下たちを混乱させるのが目的でつぶやいた台詞なのだ――事後策について考えを巡らした。 女の直感は、ほぼ正確にその事件の意図を読んでいた。 直接攻撃にこないということは、少なくとも、この敵――あるいは部隊なり、その目的を持った単体なのかは不明だが――は、これ以上、大がかりな攻撃はしかけてこないであろう。むしろ、これからもこのレベルのいやがらせがつづくと考えておいた方がいいかもしれない。この程度で兵たちの戦意を挫かれることはないが、あるいはそれでなくとも神砂船の出航を、すこしでも遅らせるのが目的なのかもしれない。 そして、現状でこのようなことをしでかすであろう敵もひとつしか思い浮かばない。 そうであるのならば、話は簡単だ。 「アヤカシならば余計な犠牲者を出す必要はない。開拓者を呼べ!」 女にためらいはなかった。 大切な兵を勝てない戦いで、必要もなく消耗させるような趣味は彼女にはなかった。 ● アル=カマルの射るような日差しも、ようやく西の空に消え、夜気がしだいに砂漠に広がる頃、黒い、どろどろとした影が集まろうとしていた。ねっとりとした、まるで火のつく泥と呼ばれるモノに似たそれはやがてぐにゃぐにゃと、まるで見えないモノの手により泥人形が作られるように、形らしきものを得たかと思うと、泥を練ったような不格好な人間の模造品が幾つもできあがった。 ただ、それは足下ですべてがつながっている。 中央に立つ、一体が叫んだ。 「散!」 影が四方に散った。 |
■参加者一覧
羅喉丸(ia0347)
22歳・男・泰
鴇ノ宮 風葉(ia0799)
18歳・女・魔
ルオウ(ia2445)
14歳・男・サ
秋桜(ia2482)
17歳・女・シ
劫光(ia9510)
22歳・男・陰
トカキ=ウィンメルト(ib0323)
20歳・男・シ
无(ib1198)
18歳・男・陰
シータル・ラートリー(ib4533)
13歳・女・サ |
■リプレイ本文 照りつける日差しから逃げるようにアル=カマルの開拓者ギルドに飛び込んできた无(ib1198)は、その熱さと呼んでもよい暑さに音を上げながら、編み笠をとると椅子に座って酒を注文した。 神砂船のドッグを見に来たというのに、とんでもない出迎えである。 「まいったね」 やれやれと汗をぬぐっていると、薔薇の香りのついた水が出された。 「おいおい酒を注文したろ?」 「昼間はでませんよ」 泣きぼくろのウェイトレスはギルドの職員だ。 文句をいうと話だけは聞いてくれたが、やがてにっこりと笑って、 「死にたい?」 との返答。 そして、砂漠で昼間から酒を呑むことが、どれほど愚かしいことなのかとくどくどと説明をする。ただでさえ高温で汗をかきやすいアル=カマルの地では、アルコールによってムダに発汗作用が促進されて脱水症状となって倒れる人間も昔から少なくないのだという。 「そして砂漠で倒れてみなさい――」 その言葉の間は、無言のまま不吉な言葉を述べていた。 「だから昼間は自粛しているんです。あ、でも夜の予約は大歓迎ですよ」 自分は時間外ですがと女は笑うと、仕事募集の依頼広告を置いていった。 「ここの開拓者ギルドでは、こんなサービスがあるのかね?」 懐の尾無狐とともに依頼書の中にある一文と、その歓迎の仕方の両方に首かしげるのだった。 ● 「どんなものだろうな?」 羅喉丸(ia0347)たちは兵がアヤカシに襲われたと思わしき場所を巡っていた。 まず无が警備開始前に神砂船のドッグにて依頼者、責任者および作業者に雑談を交えつつ事件概要を確認。事件概要は手帳に記録、何か違和感があるのかメモをしながら頭を存分に回転させている。 「首を切断、ね。でかいハサミでも使ってんのかねぇ」 死体を検分した劫光(ia9510)は首をひねっていたが、現場をまわり、関係者に事情を聴取していくうちに得心することもあった。 「抵抗もなく……っていうか、背後からずばって感じでしょうか?」 「隙をつかれた……犯人は一人、ということはないみたいだな」 トカキ=ウィンメルト(ib0323)は直感で語る。 「しかも地図を見ると、あちらこちら。犯人は絶対に一人ということはありませんね」 秋桜(ia2482)ののぞき込む町の地図には、事件の起きた日時と場所をマークされている。依頼人から提供されたものだ。 「数人……いや、アヤカシだから数体かな?」 「アヤカシ、美人局ってところかな?」 「シノビなのかしら?」 もちろん、しゃべっているだけでは真実にたどりつけない。 「やはり本番は夜か――」 劫光は義妹のシータル・ラートリー(ib4533)のことを思った。 義妹は、いまごろ夜にそなえて、お昼寝としゃれこんでいる。天儀とはまた違った暑さではあるが、なんにしろ動くことすら億劫になる。こうなると、彼女の要領のよさには頭が下がる。ならば愚者は賢者に従おう。 夜まで、休息をとることになった。 ● そして、夜。 開拓者たちは、何組かに別れ、月夜の町でアヤカシを探し、狩ることとなった。 ● 「アヤカシのゲリラ戦か……好きにやらせっかよな! んで、美人局って、なんだ?」 「あんたバカぁ? バカなんでしょ、そうなんでしょ!」 ルオウ(ia2445)のすっとこどっこいな台詞に、思わず鴇ノ宮 風葉(ia0799)は化粧台から振り返ると、背後の団員に詰め寄った。まだ男装の途中だが、その容姿はまさに漢と書いて男と読む! 「うゎーん」 思わずルオウはかつあげにあった少年というシチュエーションに扮して泣いたふりをしようとしたが、目の前の視線が怖いくらいにまじめであることに気がついた。 「うわー様になってんなー」 あまり変わらない気もするが、うぶな青年のきまじめな感想は、褒め言葉か、そうでないのか。自分には女としての色気が少ないという自覚はあるが、あるからといって、それを認めるのは女としてのプライドがどうしても許せなくて、思わず、ぽかり。 「な、なにをするんだよ、だんちょう!?」 「いいから黙ってなさい!」 ● 「夜を狙って、警備の殿方だけを狙った手口……。じわじわと内から毒のように効いてくるような……。確かに、天儀のシノビそのものですなぁ。とはいえ、人とは違うのやも知れませぬが」 アル=カマルの兵装をした、ふたりが町の巡回をしていた。 秋桜のアイデアでアル=カマルの兵のふりをしているのだ。 そこまではわかるが、 「付け入る隙を与えやすいように、アルカマルの酒瓶片手にふらふらとぶらつきましょう〜」 酒の匂いをぷんぷんさせているのは、さすがにやりすぎではないだろうか。 「にしても、女子に誘惑されてとは……さぞ魅力のあるお姿だったのですねぇ」 そのうえ、こんな無防備な状態ならば敵の目も引きやすいだろうという目論見とともに、相棒を誰かが誘う隙があるようにも見せることが出来るだろう。 (誘う――) 突然、秋桜は少女(?)のまなざしに戻って、相棒をじっと見つめると、劫光はなんだこいつという顔をして、蝙蝠の姿をした式を空に放った。 「これでよし。さあ、行くぞ」 「あ、うん、はい!」 秋桜の目には、よこしまな願望で目がかがやいていた。 が、その願いは叶わず、他の班が見廻りと警備をする番となった。 休憩の間は、休憩室でアルカマルのお酒を…… 「なにをやっているんだ?」 劫光の視線はごくごく少数の趣味の方々からのみ、歓喜の声があがりそうな冷たいものだ。 「こ、これも油断を誘うためですっ」 最後に、彼女は一応、酒笊々を使っていたということをフォローしておこう。 ● 羅喉丸はトカキといっしょに巡回をした。 「あれは?」 トカキが町の中にあやしげな影を見つけた。 「影?」 「ああ、まさに影だ。ほら、あれを見ろ!」 月光のさす道に、人影もないのに黒いモノが広がっていた。まるで白い紙にしたたり落とした、墨汁のように見える。そして、それが獲物をさがすかのようにうごめいているのだ。 「気がついていないか?」 「先制ができるかな?」 「やってみるさ!」 羅喉丸が走り寄って、殴った。 影がうめくように形をゆがめると、圧倒的な悪意を羅喉丸を向けながら、だが、まるで逃げ水のように、その影は町の中へと向かっていった。 すぐに角を曲がり、追いついたときにはすでに姿を消していた。 「外れだったか……」 拳を何度も握りしめながら、まるで影を殴りでもしたかのようであったと羅喉丸は愚痴るのであった。 「おもしろいものを見せてもらったらさ。なんにしろ俺たちはアヤカシの影を捉えたわけだ」 だが、その時、隣の建物の影を女の歩いている姿があったことに二人は気がつかなかった。 ● 月下の美人である。 声をかけてきたのは、アル=カマルの風俗に身をやつした女で、頭から足まで黒いローブに身を覆い、その媚びるように細めた目元に泣きぼくろがあることがわかった。 「美人みたいね」 「顔が見えなくて美人とは、これはいかに?」 団長の断言に団員が問う。 「美人ってオーラって言うか、雰囲気があるのよ! これだから童●は!」 「男の求める美人と、女の推す美人は違うと思うんだけど」 などという正論はこのさい問題ではないらしい。 「さあ空気を読みなさい」 「わかった……よ」 ルオウは、そう言って上司の為に、場を離れる部下のふりをした。 なんにしろ、美人かどうかはわからなかったが、のぞき見た泣きぼくろのある目元は、とても色っぽいものだとうぶな青年は思った。遠くで女をくどく――まあ、よくも言葉をあれだけならべることができるものだと感心すらする――鴇ノ宮の声がしていた。 ● 「あら?」 无と見回りをしていたシータルは足を止めた。 「どうした?」 「うん、ちょっと見知った顔が見えたの」 そう言うとシータルは駆け足で走って、その背後まで近づいた。 そして、歩くスピードをゆるめると、大きく息をひとつ。 「ふぅ――」 そして声をかける。 (……日中に味方の識別をする為、合言葉を伝えてあると思いますが、なんでしたかしら? 酒は呑みたし――) (――死にたくはなし) 誰が作ったのかわからないが、互いに合言葉を言い合って、苦笑いとなった。しかし、すぐに素面に戻る。 「あれは?」 「声をかけてきた女がいて、だんちょうがのこのことついていったんだ」 「じゃあ?」 「わからんが――」 可能性はゼロじゃないとルオウが言外に言うと、ふたり――じきに、あとひとりも追いついてきて――三人は女たちの後を追った。 じきに人気のない場所に出る。 「こういうところでかい? どこかの部屋じゃないんだね!」 ローブの女の肩に手をまわし、もう一方の片手は相手の胸あたりをまさぐっている。 (だんちょう、慣れすぎです!?) 団員の声なき声に応じるかのように、女がぼそりとつぶやいた・ 「死にたい?」 ローブの下から声がしたかと思うと、女の背後の影がもりあがった。 「アヤカシ――!?」 完全に隙をつかれた。 女がなにかをしてきても対応できるように体にくっつけていて、動けなくするつもりでいたのが、災いとなった。 まさか影が襲ってくると思ってもいなかったのだ。 (まずい――) 目をつぶった。 苦痛が……――こない。 「えッ?」 一陣、闇の中に熱風が吹いたかと思うと、抜刀、一刀のもとにアヤカシを断ち切った者がいる。 「我が一閃に、断ち切れぬものなし」 月光にふくよかな女の姿が影となった。 影にも似た、その浅黒い顔に笑顔が浮かび、刀を腰に戻すと、シータルがにっこりと笑う。 「間に合ったようですね」 昼間、眠って鋭気を養ったのが幸いした。 この夜、一番、動くことが出来たのは彼女であろう。 その後につづいて悲鳴にも似た声がした。 「だんちょう!?」 「遅ーい!?」 白馬……もとい、走竜の王子さまの登場だ。 「いや、いまはのってねーし」 気にするな。 さあ、戦闘のつづきだ。 「頼んだわよ、ルオウ。死なない程度に天国見せてやりなさいな……あら?」 上空では蝙蝠が叫んでいる。 劫光の式だ。 「さてと……じゃあ適当に始めますか」 「先手必勝と」 「早めの回復ですかね」 蝙蝠が集めたのだろう。 他の仲間たちの声がする。 姿がある。 すでに鴇ノ宮の腕の中の女は気を失っている。 伸びた影が、まるで瘴気の沼であるかのようにぼこぼこと泡立ち、やがて足下から手裏剣が跳んできたかと思うと、人の姿となって飛び出てきた。 「影分身?」 秋桜は身構える。 「いや影こそが本体だと考えるべきだな」 劫光も来た。 複数の影が形を得ると、黒装束のシノビとなった。 「裂け、風の竜!」 劫光の放った竜が咆哮をあげながらアヤカシを襲った。 剣を片手に、式を供に、戦う。 一瞬、深夜のアル=カマルに閃光とともに昼が訪れ、そして雷鳴が轟いた。 「以下略!?」 トカキが詠唱もなしに魔法を放ったのだ。 何体かのアヤカシが吹き飛んだ。 さらに戦いがつづく。 「さて、残りはあなただけですね」 秋桜が忍刀を突きつけると、アヤカシシノビを指揮していた、最後のシノビが飛び上がったと思うと、そのまま羅喉丸に刃を突き刺した。 にやりとシノビが笑う。 が、すぐに目元に動揺が走った。 刀が抜けないのだ。 人間が筋肉を固めて、刃を抜けなくしたのだ。 激痛だろう。 だが、その顔には余裕すらあった。 「これがさっきのお返しかい? 元より無傷で勝てるとは思っていなくてな」 刀の柄に手をのばし、つかんでアヤカシの動きを止めると、その頬に向かって羅喉丸の拳が飛んだ。 ● 鴇ノ宮は腕の中の女のことを気にしていた。 ローブの下の女の顔が青いのがわかる。そうとうの疲労だ。シータルは心配げに、その顔をのぞきこんだ。 「アヤカシに憑かれたさいに体力を奪われたみたい」 「悪いわね、あたしの目の前で誰一人死なせる気はないのよ」 鴇ノ宮がローブをはぎとる。 「あっ!?」 无が声をあげた。 その顔に見覚えがあったのだ。 「こいつギルドで見かけた女だ!」 ● 結局、ギルドに勤めていた女はシータルの見立て通り、アヤカシ操られていたらしかった。しばらく――すくなくとも、これから始まる戦いが終わるまでは――ギルドの保護下に置かれることになるだろう。 それにしても、これから、どれほどの戦いが始まるのだろうか? 秋桜はアル=カマルの酒を呑みながら、ふと思った。 この砂の大地で、始まるであろう――吹きすさぶ砂塵の中でぶつかる人間とアヤカシの軍団。揺れる蜃気楼に映える栄光と挫折。まるで神話の語る物語のように――いつしか秋桜は劫光の肩にもたれかかりながら、寝息を立てていた。 「どかしていいか?」 まぁまぁとシータルが義兄を諭す。 「出航は、日程どうりだ」 俺たちの勝ちだなとつぶやいて羅喉丸はトカキとともに杯をあげた。 ● 无は編み笠をかぶりなおすと立ち上がった。 「船が出航するんですよ」 警備の仕事終わったら神砂船での作業の話を技師たちに、いろいろとしてもらう約束をしているのだという。 鴇ノ宮も立ち上がった。 「わたしも行く!?」 「だんちょう!」 あわてて団員が後を追うと、あいからず物騒なことをつぶやいている。 「神砂船は以前の合戦で強奪を考えていた一品。でもね、団員に止められたぁ。軽く眺めておこうかな」 その舌も変わらぬうちに、 「みごとなものですね」 巨大な船が、ゆっくりと目の前を進んでいく勇壮な姿を目の当たりにして、意見を変えた。 「んー、やっぱウチの団に欲しいわねぇ、これ!?」 目をかがやかせると、団長は団員たちに無理難題を突きつけた。 「さあ、つぎの目標はあれの奪回よ!?」 |