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■オープニング本文 ──事件の冒頭 ザワザワザワザワ 大勢の人々で賑わう村。 ここ泰国中央にある『凛安(りんあん)』から少しだけはなれた『昇竜』では、現在、風龍八十八聖にたいしての対策が行なわれていた。 ここ最近、近隣の街や村が風龍八十八聖によって襲撃を受けている。 その情況を重く考えた昇竜の泰拳士寄合所では、敵の動向を探るべく調査を開始しようとしていたのである。 すでに敵のアジトが桃華近くの『隆碓山(りゅうたいざん)』の麓であるのは、情報で判った。 だが、その場所を調べるのはかなり困難を極める。 というのも、深い森林と切り立った渓谷、道なき場所に敵はアジトを構えているのである。 「どうにかして、アジトの詳細とそこに至るまでの道を探し出す事が出来たら‥‥」 寄合所では、そんな相談が続けられていた。 だが、どうあがいても『空から調べる』しか方法が見つからない。 かといって、この街では『龍』が存在しない。 開拓者は龍に跨がって大空を自在に飛ぶことができる。 ならば、開拓者のこの事を頼みこんでみては‥‥。 そう考えた寄合所は、開拓者ギルドに依頼を頼む形を取ることにした。 |
■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
当摩 彰人(ia0214)
19歳・男・サ
八重・桜(ia0656)
21歳・女・巫
アルカ・セイル(ia0903)
18歳・女・サ
巴 渓(ia1334)
25歳・女・泰
斉藤晃(ia3071)
40歳・男・サ
海神・閃(ia5305)
16歳・男・志
かえで(ia7493)
16歳・女・シ |
■リプレイ本文 ●飛翔 ──昇竜・開拓者ギルド 早朝、まだ朝靄がたなびいている。 「ふぅ‥‥もうすぐ任務か」 昇竜の開拓者ギルド横に隣接されている『龍騎場(昇竜にある、騎乗系朋友専用の私設)』では、三笠 三四郎(ia0163)が朋友である炎龍の『さつな』にそう告げている。 これから始まる作戦。 それが『さつな』にとって初めての実践である。 戦闘任務ではないものの、実際に依頼で朋友に乗るのは初めて。 その為、三笠は出発前の鞍や手綱などの調整を行なっていたらしい。 「なんだ、あんたももう来ていたのか?」 アルカ・セイル(ia0903)もそう告げつつ、自分の朋友である『ワイルドオセロット』を連れてくる。 そして三笠の『さつな』の横に止めると、そこで『待機』の命令を告げる。 「第一班はすでに出発しています。僕達第2班はこれから準備だそうです」 「ふうん。で、残りの二人は?」 「今、上空で身体を温める為の飛行中ですよ‥‥」 そうアルカに返事をした時、二人の近くにかえで(ia7493)と当摩 彰人(ia0214)の二人が着地する。 「上空はいい感じだねぇ。風が心地好いよ」 そう告げつつ、かえでが炎龍からゆっくりと降りる。 その横では、初めての実践飛行で少々興奮したのか、落ち着かない朋友を宥めている当摩の姿もある。 「落ち着け朱鷹。まだ出撃ではない‥‥」 そう朋友の朱鷹に告げつつ、当摩も龍から降りてくる。 「どうだい? うちの班は速度的にはあまり早い方じゃない。あんたの朱鷹が唯一の駿龍、俺達のは炎龍。万が一追いかけられた場合はうまく頼むよ」 そう当摩に告げるアルカ。 「まあ、任務的には奇襲だろう? 俺の朱鷹が一番いい相性っていうことだろう?」 「まあ、そうですね。戦闘になった場合は、私達のさつなや炎龍が相性という点ではあっていますからね‥‥」 そう当摩に三笠が告げる。 「まあ、実際のところ、起用、ここに集まっているのは全て初めての実践・初陣なんだからなぁ。そこんとこ気を付けた方がいいって事だろう?」 アルカの問いに、かえでも静かに肯く。 「これから、ギルドからも龍たちを使う依頼を多く受けるようになりそうですから。今のうちに慣れておいた方がいいですね」 そうかえでが告げると、一行は静かに肯いた。 「それじゃあ、そろそろ準備といきますか!!」 当摩がそう叫ぶ。 そしていつでも出撃できるように、一行は最終チェックを始めた。 ──その頃の山の裾野・北方 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ 静かに滑空する龍が4騎。 第一班の八重・桜(ia0656)達である。 「間もなく資料にあった渓谷付近です。そろそろ周辺の警戒をしておいたほうがいいですね」 そう八重が告げると、横で飛んでいた海神・閃(ia5305)が静かに肯く。 「少し龍たちが疲労していますね。1度着地して休ませた方がいいでしょう」 そう告げる海神。 「まったく。てめぇたちの駿龍に会わせると、こっちは多少きつくなるんだ。もう少し速度を下げてくれ」 斉藤晃(ia3071)がそう前方の二人に告げる。 「斎藤のはまだいい。俺のは甲龍だ‥‥一番遅いんだからな‥‥」 そう告げつつ、必死に一行に追い付こうとしている巴 渓(ia1334)。 「‥‥あそこにひらけた場所が‥‥そこで一旦休息を取りましょう」 そう告げる八重の意見に、一行は静かに従うことにした。 「ふう。御苦労さま。すこし休んでいてね」 カバンから龍専用の保存食を取出し、それを愛騎である染井吉野に与える八重。 その横では、やはり海神が、自分の愛騎である風花に餌を与えている。 ──グルルルルルルル‥‥ 斎藤の『熱かい悩む火種』は餌を食べおえてもまだ満足せず、もっとよこせと斎藤に喉を鳴らす。 「おいおい、もう少し餌上げておいた方がいいんじゃないか?」 そう告げつつ、愛騎サイクロンから飛びおりて餌を取り出す巴。 「まあ、もう少し与えてみるか‥‥巴のサイクロンは様子はどうだ?」 サイクロンは甲龍、もっとも速度が遅い。 その為、他の仲間たちが速度を落としていても、サイクロンは全力飛行に近い状態となることもあった。 「多少、疲労の色が見えているが‥‥問題ない。俺のサイクロンは、この程度でへたばったりしない」 と告げる巴。 「さて、ここまでの地図がこんなかんじせですね‥‥」 と、持ってきた竹簡を広げ、墨で地形を書き記していく八重。 「弾の場所については、今頃第2班が調査しているころだろうが‥‥大丈夫か?」 そう巴が告げるが、他の仲間たちは『大丈夫なんじゃね?』的な返答をしている。 「シッ‥‥龍を木陰に入れろ」 と突然斎藤が小声で叫ぶ。 そしてその指示に従い、龍たちを木陰に移した直後。 ──ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥツ 駿龍が2騎、一行の頭上を通り過ぎていった。 その鞍の上には、それぞれ一人ずつ武道家らしい人物が座っている。 「風龍八十八聖のメンツだな。この場所ではそれはか考えられまい」 そう斎藤が告げると、一行はそのまま近くから消え去っていくのをじっと待っていた。 ──その頃 別ルートで同じ南方から入ってきた第2班。 第一班とはちがうエリアからの低空飛行を行ない、地図を次々と作成していく。 「河川ですか。それに切り立ったガケ。深い大森林。徒歩での突入はほぼ不可能ですね」 三笠がそう告げると、横を飛んでいた当摩が下を指差す。 「狼型のケモノが徘徊している。このあたりは着地不可能だな」 地図にそれらの説明を書込んでいく当摩。 「森が深すぎて、中に入る事が出来ないっていうのが現状か。まあ、それは仕方ないんじゃね? それよりもあそこだな‥‥」 とアルカが前方を指差す。 そこは一ヶ所だけ大きく開けている場所。 その奥に巨大な建物がある所を見ると、どうやらあれがアジトらしい。 「成る程ねぇ。南が正解か‥‥とりあえず火が高くなる前に、1度昇竜まで戻った方がいいね」 かえでが告げると、一行はすぐさま反転し、昇竜へと戻っていった。 ●作戦の確認 ──昇竜・龍騎場横の白竜飯店 「まあ、早朝だったということで、大体こんな感じが‥‥」 当摩がそう告げつつ、第一班と第2班で持ち帰った地図を合わせる。 まだ描かれていない部分は未調査地帯、今回は山の南北に広がる森林、渓谷部分の調査が完了した。 「風龍八十八聖の偵察時間は大体午前に3、午後に3。一回の偵察で飛んでくる竜は2騎、どっちも駿龍だな」 巴が自分達の見た情報を告げる。 「ふぅん。成る程ねぇ。で、夕方からはどこに向かうんだい?」 「夜間偵察は必要ですが。敵がどう動くか判りませんし」 「恐らくは、ここの開けた場所が龍の発着場所でしょう。となると、南よりも北側の斜面から近寄った方が早いということになります」 そう肯く三笠。 「この発着場所から北側の斜面まで、概算で30分は掛かります。問題は飛行中、敵に見つかる可能性がかなり高いのです」 そう捕捉を加えるかえでに、一行は静かに肯く。 「地図を作るのはそれほどやぶさかではない。問題は、万が一用の抜け道の発見と、敵戦力の確認。あやかしの姿が一つも確認されていない事から、恐らくは魔の森はこの界隈には存在せずという所か」 斎藤がそう告げつつ、持ってきていた酒を呑みはじめる。 「いきなり酒かよ。大丈夫かよおっさん」 巴がそう呟くが、斎藤は笑いつつ呑みつづける。 「まあ、いずれにしても、今後の方針を考えないとなぁ‥‥」 海神がボソッと呟くと、そのまま地図をじっと眺めていた。 ●深夜の奇襲 ──山麓北方上空 「こっちだこっちだ。みんな集まってきやがれっ!!」 派手なパフォーマンスを行ないつつ、巴が空中を激しく飛行する。 その動きが偵察に出ていたらしい敵から報告され、すぐさま敵アジトからも駿龍が2体、 巴のサイクロン目掛けて飛来する。 「ここまで近付くとは‥‥敵と見なして排除する!!」 駿龍に跨がっている風龍八十八聖の道士が、巴に向かって一気に急接近。 そのまま手にした剣を振りかざす。 ──ヒュンッ!! だが、騎乗した状態での攻撃など、かなりの熟練が必要。 あっさりと巴は攻撃を躱わすと、さらに上昇を続ける。 「へへん。そんな攻撃、あたる筈がないだろうさ」 と相手を挑発しつつ、巴は飛行を続ける。 ──その頃 「ふぅ‥‥大丈夫かねぇ‥‥」 南方にある発着場に緊急着陸した第2班。 そこには誰もいなく、龍が入る事の出来るぐらい巨大な小屋などが隣接していた。 その中には、まだ1騎の龍が残っており、静かに眠っていた。 「こっちの道が、アジトに続くみちですね‥‥」 三笠がそう告げて、アジトのある方角を指で示した。 「みたいだねぇ。かえでのほうはどうだい?」 「そこの小屋の中にはだれも人はいないみたいですね。中には幾つか部屋があると思いますけれど、そっちに向かう扉には鍵が掛かっていますね」 と、アルカと当摩に告げるかえで。 その間にも、当摩は細かい図を次々と書き込み、地図をどんどん完成させていく。 「‥‥と、これはなんだ?」 近くの草むらで、三笠が何かを拾った。 それは古い『割り符』らしく、表面には『龍の上半身』が刻みこまれている。 「割り符かい。おそらくは風龍八十八聖のだれかの物か、出入りを許された人物のじゃないか? いずれにしてもなにか使いみちがあるかもしれないから、1度ギルドに報告しておこうか」 そうアルカが告げると、一行はすこさず龍の飛び乗る。 ──その頃のアジト付近 超低空飛行でアジト周辺の調査をしているのは八重と斎藤、海神の3名。 森林で良く見えなかったアジトへと繋がる街道を確認した海神は、そこが何処まで伸びているのか追跡を開始。 残った八重と斎藤でアジト周辺の調査を開始していたが。 「敵だ!! 殺せっ!!」 ──ヒュンヒュヒュンヒュンっ 次々と地上から弓が放たれる。 それらをどうにか躱わしつつ、単独で街道を調べている海神が見つからないように必死に囮を続ける二人。 遠く離れた場所では、巴のサイクロンが、敵の駿龍2騎と戦闘に突入。 もっとも、速度で劣るサイクロンでは、敵の駿龍から逃げきることは出来ず、逆に敵は一撃離脱でサイクロンや巴に次々とダメージを与えていく。 「さて。そろそろかな‥‥」 すかさずサイクロンを立て直すと、巴は南方へと飛行を始める。 すぐ上空から一撃必殺を叩き込んでくる敵の駿龍をどうにか躱わしきった時。 ──ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ 敵のさらに上空から、八重の染井吉野が急降下攻撃を開始。 一気に加速し、そのまま敵駿龍の翼目掛けて蹴りの一撃を叩き込む!! 「直撃っ!!」 そのまま一気に駿龍を立て直すと、巴に向かって合図を送る。 「ちょっと早かったですか?」 「いや、いいタイミングだぜ」 そう呟く巴。 「よくも仲間をっ!!」 もう1騎の駿龍が染井吉野に向かって間合を詰める。 だが。 「甘いっ!!」 すかさず間合を詰めた斎藤の『熱かい悩む火種』が、後方から急接近。 そのまま敵駿龍の乗り手目掛けてキックを炸裂!! ──スカッ だが、それは難無く回避される。 「ちっ。まだ甘いかっ」 そう舌打ちする斎藤。 と、南方の方角から、第一班が飛んでくる!! 「急いで撤退しましょう。アジトの位置や潜入に使えそうな街道など、殆゛との場所は地図に書き記しました」 「補給物資倉庫らしき場所も確認。護りも硬そうだったが、そこを落とせば、食糧などの供給を押さえる事もできるっ!!」 三笠と当摩が叫ぶ。 さらに後方では、アルカとかえでの炎龍が後方から追ってくる敵の炎龍目掛けて牽制を続ける。 「敵の龍はアジトの中庭から飛んできます。離れた場所のは来客用らしいですね」 「で、ちょっとやばいのに見つかっちまった。急いで逃げるっ!! 相手が悪いっ」 そう叫ぶかえでとアルカ。 その二人が必死に牽制しているのは、赤い体色を持つ炎龍。 その上には、仮面を付けた武道家が乗っている。 「開拓者の龍か。こんな所までやってくるとはたいしたものだな‥‥」 そう呟く赤流星の斜亜。 第二班がアジト周辺の調査をしていたときに発見し、急ぎ愛騎にて出撃してきたらしい。 「悪いが、地図は置いていって貰う。今、この場所について知られるのはちょっと厄介なのでね‥‥」 と呟くと、そのままアルカの炎龍に向かってクロウを叩き込む!! ──ヒュンッ!! その一撃は間一髪ですり抜ける。 だが、素早く体勢を整えると、斜亜は再び攻撃を繰り出した。 回避一辺倒でしか対処が聞かず、迂闊に攻撃を仕掛けたら反撃されるのは判って居る。 相手の強さを、アルカは瞬時に判断した。 「それならっ!!」 当摩と八重の二人が他の仲間の元に飛んでいくと、素早く地図を回収、そして二人で一気に昇竜へと逃げていった。 「染井吉野っ!! 全力飛行っ!!」 ──ヒュンッ!! その八重の言葉と同時に、染井吉野の速度が一気に加速。 そのまま飛んで逃げていった。 その後ろを追いかける斜亜であったが、速度さを詰めることは出来なかったらしい。 その隙に、他の仲間たちも一気に回避モードで逃走を開始。 追撃の手を逃れる事に成功した。 ●後日談 ──昇竜・白竜飯店 一行が偵察から帰ってきた翌日。 回収した地図を全て繋ぎあわせ、敵アジトへと向かう地図を完成させた一行。 細かい偵察により、河川からアジトへと向かう隠れた道を発見する事にも成功。 そこから向かえば、一気に敵の本拠地を叩く事も可能である。 「‥‥けれど、これは気のせいかも知れませんが‥‥」 そう三笠が呟く。 「どうした? なにかあったのか?」 そう巴が問い掛けると、三笠が話を続ける。 「深夜の偵察とはいえ、追撃の数が少なすぎませんか? 元々飛行していた駿龍2騎と、アジトから飛んできた1騎のみです‥‥」 その三笠の言葉に、一行はふと幾つかの疑問点が出てくる。 アジトである『隆碓山(りゅうたいざん)』の麓にその施設があったことは確認できた。 そこから追撃の竜が出てきたということ、そしてそれに乗っていたのが、つい先月になって報告されていた幹部の一人、『赤流星の斜亜』であったということも確認。 だが、追撃の数が少なすぎるのである。 あれだけ巨大な組織ならば、追撃の竜が20ぐらい飛んできてもおかしくはない。 それらを見越しての夜間偵察であったにも関らず。 そしてアジト付近の見張りの数。 かなり近くまで難無く接近できた事が問題なのである。 場所が場所である為に監視の手がゆるいのかもという想像はつく。 が、それにしても数が少なすぎたのである。 飛んでいた竜に向かって弩や連弩といった対空武器で応戦してきたが、その数も少なすぎる。 「まだ何かあるねぇ。あのアジトには」 「危険を覚悟で、昼間の偵察を増やした方がいいのかもしれないが‥‥」 アルカと言葉に斎藤が告げる。 「アジトの近くには、来客用らしき離発着場以外に開けた場所が無いっていうのもねぇ‥‥」 当摩がそう呟く。 確かに、飛行中に何か在った場合、滑空ででも移動して何処かに不時着する必要がある。 それを考えれば、もう少し何ヶ所か開けた場所があっておかしくないのであるが、それが全く確認できなかったのである。 ちょっと聞き込みしてきた方がいいかねぇ」 と告げて、アルカが外に飛び出す。 「それと、この街のなかに忍び込んでいる敵の間者にもなっ!!」 怪しい気配を感知して素早く飛び出す巴。 だが、外にはだれも存在しない。 「のあ、地図としては完成した。依頼はこれで遂行や。あとはギルドに泰国にいけばいいだけやな」 斎藤がそう告げる。 そしてしばしアルカの帰りを待っている一行。 「ふう。あまりいい情報がないねぇ‥‥」 と告げつつ席に座るアルカ。 「どうだった?」 「旅泰街あたりで色々と話を聞いてきたんだが。風龍八十八聖が近々大規模な何かを起こすらしいっていう噂が流れているねぇ」 「それはなんですか?」 心配そうに問い掛ける八重。 「そこまではねぇ。まあ噂だけだから。もっとも、火のない所に煙は立たない。何か起こるのは確実らしいね」 ニィッと笑いつつアルカが告げる。 いずれにしても、これ以上の情報が無いと判断した一行は、そのままギルドへと向かっていった。 そして泰国を行なった後、各自が自分の朋友の世話を行なっていた。 さて、これから何が始まるのか。 鬼が出るか蛇が出るか。 ──Fin |