欲望の刃
マスター名:香月丈流
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: やや難
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/12/17 20:21



■オープニング本文

 天儀刀。
 『斬る』事に特化し、天儀独特の技術で発展した刃物。若干湾曲した形状もさる事ながら、刀身の美しさは他の追随を許さない。鞘や柄などの外装が無くても、美術的価値が高いのは珍しい事である。
 とは言え、刀の本質は武器。折れない、曲がらない、良く斬れるという特性を持つため、侮蔑や畏怖の念を込めて『人斬り包丁』という俗称まで生まれている程だ。
 しかし……武器として優秀過ぎたために、今回の悲劇は生まれたのかもしれない。

「きゃぁぁぁぁ!!」
 武天の街に響く、絹を裂くような女性の叫び。女性だけではない。男性も、子供も、老人も、同じように悲鳴を上げている。
 騒ぎの中心に居るのは、50歳前後の男性。天儀刀を手に暴れ回っているが…その瞳は虚ろで、焦点が合っていない。悲鳴と血飛沫が舞う中、黒い霧のようなモノも周囲を漂っている。
 その出所は、天儀刀。恐らく、この刀にアヤカシが憑りついたのだろう。
 だが……その原因は、男性自身の欲望だった。
 彼は、武天でも指折りの刀匠である。今まで培った技術の全てを込めて刀を造りあげたのだが…その情熱が行き過ぎた。
 『作品のデキを試し、更なる高みへと昇華させたい』。
 そんな想いが膨らみ、アヤカシに魅入られたのだろう。刀匠は、作品の試し斬りが出来る。アヤカシは、人々の恐怖を集められる。悲しい事に、利害は一致している。とは言え、アヤカシが一方的に憑りついて、男性を操っているのだが。
 問題は、男性が暴れ回っているせいで街に混乱が起きている、という事。死亡者は出ていないが、怪我人の数は多い。役人も手を出せず、絶望的な状況である。最後の望みを託し、住人はギルドへ駆け出した。


■参加者一覧
杉野 九寿重(ib3226
16歳・女・志
ユウキ=アルセイフ(ib6332
18歳・男・魔
ジェーン・ドゥ(ib7955
25歳・女・砂
ブリジット・オーティス(ib9549
20歳・女・騎
山茶花 久兵衛(ib9946
82歳・男・陰
藤本あかね(ic0070
15歳・女・陰
ツツジ・F(ic0110
18歳・男・砲
カルミア・アーク(ic0178
24歳・女・騎


■リプレイ本文

●渦巻く混乱
 響き渡る悲鳴。
 周囲に広がる混乱。
 逃げ惑う人々。
 押し寄せる人波を逆行するように、8人の男女が街道を駆け抜ける。
「安心しろ。ギルドから俺たち開拓者が派遣されているから、もう大丈夫だ」
 一般人を落ち着かせるように、山茶花 久兵衛(ib9946)が声を掛けていく。恐怖の伝播を抑え、周囲を鎮静化させたいのだろう。
「アンタ等の事は、俺が必ず護ってやる。安心して逃げな!」
 九兵衛が一般人を落ち着かせ、カルミア・アーク(ic0178)が避難を促す。混乱の渦中にあった街が、ほんの少しだけ冷静さを取り戻した。
 そうなると、恐怖よりも興味が勝ってくる。人混みに紛れ、1人の少年が逆行し始めた。
「妖刀が暴れてるから、奥には近付かないで! それと、誰かケガ人の搬送を手伝って! お願い!」
 それを、藤本あかね(ic0070)が見逃すハズが無い。少年に叱咤の言葉を掛けつつ、周囲に協力を求めた。
「自力で動ける奴は逃げろ! その辺でウロウロされるよりは百倍マシさ」
 狼狽える一般人に向かって、怒声に似た叫びを上げるツツジ・F(ic0110)。口調は厳しいが、怪我人を遣い、手を貸す優しさも兼ね備えている。
「人を斬らねば完成しないのであれば、完成させなければ良かったものを…」
 街の混乱を目の当りにし、悲痛な言葉を漏らすブリジット・オーティス(ib9549)。今の街の惨状を見たら、誰でも彼女と同じ事を思うだろう。
「妖刀、魔刀、天儀刀には様々な異名が付くと聞き及んでいます。その刀身に咎を宿らせる前に…終わらせましょう」
 言いながら、ジェーン・ドゥ(ib7955)は自身の刀を強く握る。彼女の祖父が打った刀であり、一族を繋ぐ一振り。刀には、色々と想い入れがあるのだろう。
「天儀刀、ねぇ…刀身は美しくも、恐ろしいよね…」
 呟くような、ユウキ=アルセイフ(ib6332)の言葉。牛のお面で顔は見えないが、隙間から覗く口元が悲しみに沈んでいるように見える。
「きゃぁぁぁ!」
 不意に響き渡る、絹を裂くような悲鳴。恐怖と、苦痛と、絶望が入り混じったような、心に突き刺さる叫び。
「今の悲鳴は…急ぎましょう。これ以上混乱が広がらないうちに、凶行を止めなくては…!」
 杉野 九寿重(ib3226)の言葉に、開拓者達が静かに頷く。一般人を落ち着かせながらも、8人は叫び声の方向へ走り出した。

●凶刃を祓う者
 逃げる一般人が急激に減った頃、開拓者達は街道の角を曲がった。直後に飛び込んで来た光景は、倒れている人々と、怯える者と、腰を抜かした女性。そして、刀を振り上げた刀匠の姿。
 頭で考えるより早く、九寿重とブリジットは地面を蹴って駆け出した。ほぼ同時に、ジェーンは短刀に気力を込めて投げ放つ。
「ぅおい! おぬしの相手は俺たちだ!」
 挑発的な九兵衛の叫びに、刀匠の注意が一瞬逸れた。が、それも束の間。迫り来る短刀を払い落すと、そのまま手首を返し、女性に向かって刀を振り下ろした。
 その切先が届くより早く、九寿重が2人の間に割って入り、双刃で斬撃を受け止めた。
「血に染まった凶刃…恐怖と迷惑を振り撒くのは、見過ごせません」
 青い瞳が、刀匠の刀を射抜く。彼女の言う通り、刃は血に塗れていた。
「初対面の方を殴るのは気が引けますが…失礼します!」
 謝罪の言葉を口にしながらも、盾で殴り掛かるブリジット。無論、力加減は忘れていない。
 刀匠は九寿重の刀を弾くと、殴打を避けるように後方に跳んだ。着地と同時に、逃げるように踵を返す。
 次の瞬間、刀匠の頭上を影が通り過ぎた。金色の頭髪を揺らしながら、ジェーンが着地して退路を塞ぐ。
「貴方の刀は、ジルベリアの鎧を貫けますか? ジルベリア人が打った刀に勝りますか? 斬り、折る事が出来ると思うのなら、相手をしましょう」
 言いながら、ジェーンは刀を構えた。挑発の言葉に、刀匠の眉が跳ね上がる。もしかしたら、操られながらも意識が残っているのかもしれない。
 刀匠と対峙する、九寿重、ジェーン、ブリジット。3方向から様子を窺い、逃がさないように目を光らせている。
「アヤカシは任した。まずは一般人を避難させねぇと…行こうぜ、カルミア」
 ツツジの提案に、カルミアが静かに頷く。注意が開拓者達に向いている隙に、2人は怯える一般人の避難を開始した。手を貸して立ち上がらせ、刀匠から遠ざけていく。
「俺達が敵を抑え込んでる間に、出来るだけ遠くへ逃げろ! 手の空いてる者、力のある奴は怪我人を屋内に運べ!」
 怪我人を抱き上げながら、指示を飛ばすカルミア。周囲の一般人を誘導するように、来た道を戻る。ツツジは怯える者に檄を飛ばし、避難を促した。
 一般人が避難していく中、刀匠が刀を振り廻す。対峙している3人は兵装を操り、逃走を牽制し、周囲の人や家屋に被害が及ばないように一定の距離を保った。
「一気に勝負を決めたいけど…まずは、一般人の避難が優先ね。面倒だけれど…」
 呪符を構えながら、軽く苦笑いを浮かべるあかね。少々悪ぶった発言をしているが、心の中では一般人の心配をしていたりする。
「それに、お互いの邪魔しないように、行動には注意しないとね」
 ユウキの言う通り、互いのスキルが悪い方向に干渉したり、前衛の行動を妨げては意味が無い。意識を集中してタイミングを計っているが…仮面を外した方が見通しが利きそうな気がする。
 一般人を先導していたカルミアは、手頃な家屋に飛び込んだ。後を追うように、十数人が足を踏み入れる。避難して来た者が全員居る事を確認し、カルミアは怯える少女の頭に手を伸ばした。
「直ぐに戻るから、大人しくしてるんだよ?」
 微笑みながら、優しく頭を撫でる。少女の無邪気な笑みに見送られながら、カルミアは刀匠の元へ走り出した。
 ほぼ同時刻。ツツジの誘導もあり、周囲の一般人は避難を終えていた。屋内に誰かが居るかもしれないが、少なくとも被害が及ぶ範囲に人影は無い。
「そろそろ頃合いか…おぬし等、ここは協力して、あのバカモノの動きを止めないか?」
 辺りを見渡しながら、九兵衛は懐から符を取り出す。避難が終わった今、残るは刀匠だけである。街の被害を抑えるためにも、これ以上暴れさせるワケにはいかない。
「僕は構わないよ? 今は、刀匠の捕縛を最優先したいし」
 即答しながらも、ユウキは視線を外さない。動き回る刀匠達を、目で追っていた。
「…私の足を引っ張らないなら、何でも良いわ」
 それは、あかねも同じである。本格的に後方支援をするために、ユウキ、九兵衛、あかねは集中力を高めた。
 集中しているのは、彼等だけでは無い。刀匠の攻撃を受けながらも、前衛の3人は周囲の様子を覗き見ていた。目配せし、意志の疎通を図る。
 刀匠は大きく踏み込み、刀を大きく薙いだ。迫り来る斬撃を、九寿重は難無く兵装で挟み止める。
「刀の出来は良いですが、太刀筋は素人以下ですね。その程度では、私の命には届きません」
 不敵な笑みと共に、手厳しい言葉を口にする九寿重。予想外の状況に、刀匠は明らかな動揺を見せた。それは、致命的な隙とも言える。
 ユウキは地面に手を付き、精霊力に干渉。刀匠の足元から魔法の蔦を生やし、急速に伸びて全身に巻き付かせた。
 振り解こうと暴れる刀匠に、小さな式が絡み付く。あかねが出現させた、呪縛の式だ。抵抗する程に、拘束が強くなっていく。
 更に、九兵衛が符を投げ放った。それが蟲の形を成し、刀匠に噛み付く。猛毒が神経を侵し、全身の動きを鈍らせた。
 強力なサポートに、捕縛されて身動きが封じられる。ブリジットは刀匠の背後に回り込み、胴と腕を軽く締め上げた。それでも、刀を手放そうとしない。
「ジェーン殿、あとを頼みます!」
「お任せを。無礼をお許し下さい」
 謝罪しながら、ジェーンは刀匠の手首を手刀で叩く。手加減した一撃だったが、その衝撃で刀が手から零れ落ちた。同時に、刀匠の身体から力が抜けて膝から崩れ落ちる。
 彼が地面に付く前に、ブリジットが素早く抱き止めた。あかねとユウキは、スキルを解除して捕縛を解き放つ。力無く倒れ込んだ刀匠を心配するように、後衛の3人が駆け寄ってきた。全員が見守る中、ブリジットが呼吸や脈を計る。
「…外傷は無いみたいですね。多分、気を失っているだけでしょう」
 その言葉に、胸を撫で下ろす一同。避難が一区切りし、タイミング良く戻って来たツツジは、周囲を見回して状況を読み取った。
「無事に引き離せたか。俺の役目は、ひとまず終わりだな」
 安堵の言葉を口にしながらも、緊張と集中は切らさない。鋭い視線を、落ちた刀に向けた。刀匠の刀には、アヤカシが憑依している。それを倒すまで、完全に安心する事は出来ない。
 開拓者達が行動を起こすより早く、アヤカシ刀は禍々しい輝きを放ちながら宙に舞った。暴走しているのか、周囲を縦横無尽に飛び回る。突然空中で静止した直後、切先を家屋に向けて一気に突撃した。
 中には、避難した一般人が居る。
 その事に気付いたツツジは、地面を蹴って駆け出した。アヤカシが建物に近付く中、自身の体を盾にするように進路を塞ぐ。そんな彼の肩に、刀が深々と突き刺さった。苦痛に顔を歪ませながらも、刀の柄に手を伸ばす。
 それが届くより一瞬早く、アヤカシは後方に飛び退いた。反動で、ツツジの肩から血が溢れる。激痛に呻き声を漏らし、肩を抑えながら膝を地面に付いた。
「あなた、何考えてるの!? 死ぬ気!?」
 動揺と怒りが入り混じった、あかねの叫び。彼女と九兵衛が、心配そうにツツジに駆け寄る。
「…施設を破壊されたら修復に時間かかるし、一般人にも被害が出ちまう。だったら…俺の身体を盾にした方が、十倍マシだろ」
 ゆっくりと顔を上げ、痛みを堪えながら強がるツツジ。もしもアヤカシが施設を破壊していたら、彼は一生後悔していただろう。
 予想外の返答に、あかねは呆気にとられているが。
「がはは! 面白い小僧だな、気に入ったぞ。だがな、俺より先に逝ってくれるなよ?」
 豪快に笑いながら、九兵衛はツツジの頭をクシャクシャと撫でる。ツツジは若干迷惑そうだが、九兵衛の人懐こい笑顔を見ていると、苦情の言葉が消えていった。
「さて、と。手っ取り早く、終わらさせて貰おうか…これ以上の悲劇は御免だね」
「同感です。相手がアヤカシなら、手加減はしません…!」
 ユウキとジェーンの視線が、アヤカシを捉える。瘴気を撒き散らしながらも、アヤカシは未だに低空を漂っていた。その切先は、刀匠に向いている。もしかしたら、再び操るチャンスを窺っているのかもしれない。
 アヤカシの野望を打ち砕くように、桃色の風が吹いた。その正体は、戻って来たカルミア。小振りな盾を構え、防御を固めている。
「俺は刀匠を護る事を優先させて貰うぜ? 刀ぶっ壊すのは任せるよ…任されてくれるだろ、センパイ達?」
 不敵な笑みを浮かべながら、仲間に声を掛ける。この場に居る開拓者の中で、カルミアは一番経験が浅い。そういう意味では、他の者を『先輩』と呼ぶのは間違っていないだろう。
「先輩、ですか。そう呼ばれたら、頑張らないワケにはいきませんね…!」
 刀を握り直し、闘志を燃やす九寿重。それを表すかのように、彼女の兵装が紅い燐光を纏っていく。
 ジェーンと九寿重は同時に駆け出し、アヤカシとの距離を詰めた。刀が攻撃対象を選ぶように切先を揺らすと、その隙を狙ってジェーンが跳躍。両手で兵装を強く握り、渾身の力を込めて振り下ろした。固い金属音が周囲に響き、火花が派手に飛び散る。体勢を崩したアヤカシは、落下して地面に叩き付けられた。
 間髪入れず、ユウキは地面から蔦を伸ばす。それがアヤカシの鍔や柄に絡み付いたが、行動不能には至っていない。動きを封じるため、ユウキはアヤカシの周囲に冷気を生み出した。空気中の水分ごと蔦が凍結し、アヤカシの動きを封じて地面に縛り付ける。
 青白い氷を打ち砕くように、紅い閃光が奔った。九寿重の双刀が、紅葉のような燐光を散らしながらアヤカシを捉える。輝く氷の粒と、深紅の燐光が入り乱れる中、アアヤカシの刀身が砕け、黒い霧が溢れて空気に溶けていった。

●嘆きと後悔を越えて
「こりゃ! おぬしはアヤカシの誘惑に負けるとは、何をやっとるか!」
 目を覚ました刀匠を待っていたのは、叱咤の嵐だった。口火を切った九兵衛が、説教と共に『有難い拳骨制裁』を振り下ろす。50歳前後になって拳骨を喰らうのは、ある意味貴重な体験かもしれない。
「なぁ、刀匠のおっさんよ。強い刀がありゃ強くなれんのか? お前の自己満足で、面倒起こさないでくれよ」
 吐き捨てるような、ツツジの言葉。刀が事件に関わっていた事もあり、どうしても拒絶反応が出てしまうのだろう。
「心の弱さは罪ではありませんが…果てない欲望を制御する理性をもてないのは意味が違います。その事を、お忘れ無きよう…」
 道具に正邪の区別は無い。だからこそ、作り手と使い手の責任は大きい。必要無い被害を生んだ刀匠の行動に、ブリジットは胸を痛めていた。
「とりあえずは、一件落着ね。あまり気持ちの良い事件じゃなかったけれど…」
 あかねの語尾が、徐々に小声になっていく。依頼は終わったが、両手を上げて喜べる状況ではない。彼女も、複雑な心境なのだろう。
「嘆いていても仕方ありません。私は、怪我人の救護に向かわせて貰います」
 兵装を納め、踵を返す九寿重。これだけの事件なら、怪我人も相当な数になっている。未だに治療を受けていない人が居れば、応急処置の手助けをしたいのだ。
「私もご一緒します、杉野様。人手が多くて困る事はありませんし」
 その気持ちは、ジェーンも同じである。2人は軽く顔を見合わせると、救護所に向かって駆け出した。勿論、道中に怪我人が居ないか、周囲に気を配る事も忘れない。
 開拓者達の会話で状況を理解したのか、ツツジが守った建物から一般人達が姿を現した。恐怖の元凶は居なくなったが、恐怖に蝕まれた心は簡単には治らない。誰もが、暗い表情をしている。
「みんな、もう怖がらなくて大丈夫。これでも聞いて、落ち着くと良いよ」
 沈んだ心を溶かすため、ユウキは懐から横笛を取り出した。そっと口を近付け、音を鳴らす。静かな演奏が周囲に響き、人々の心を優しく包んだ。
 ユウキの横笛を聞きながらも、刀匠の表情は暗い。アヤカシに魅入られた事を悔やみ、反省しているのだろう。
 そんな彼の肩を、カルミアが力強く叩く。
「誇り高き騎士…こっちじゃ武士って言うんだっけ? 今後、アンタがソイツ等に相応しい物作るの、楽しみにしてるぜ」
 微笑みながら、期待の眼差しを向ける。刀剣が騎士の魂ならば、それを造る匠に敬意を払うのは、カルミアにとって当然の事なのだろう。今後、彼女の微笑みが刀匠の心の支えになるかもしれない。