『萌える』女中喫茶
マスター名:香月丈流
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: やや易
参加人数: 7人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/09/24 16:03



■オープニング本文

「……何だ、この資料は?」
 『会議中』という札が下げられた室内で、鬼のような形相を浮かべる中年男性が1人。その視線を正面から受けながら、20歳後半くらいの青年はニコヤカに微笑んでいる。2人の服装から、泰国の人間だろう。
「何って、店長が欲しがっていた『天儀の文化と、人気飲食店の詳細』ですが…何か問題でも?」
「大有りだ、馬鹿者っ!」
 店長と呼ばれた男性が、資料を机に叩き付けながら大声を上げた。青年は咄嗟に人差し指で耳を塞ぎ、苦笑いを浮かべている。
「何だ、このフザケた内容は! 女中が接客をする飲食店など、冗談が過ぎるぞ!」
「店長…女中じゃなくて、メイドですよ。御存知ありませんか? ここ数年、天儀で大人気なのですよ」
 怒り狂う店長に向かって、軽い口調で説明する青年。その行動が、店長の怒りを煽るとも知らずに…。
「女中でもメイドでも関係ない! 私が何のためにお前を天儀に送ったのか、理解しておるのか!?」
 額に青筋を浮かべながら、店長が怒声を上げる。怒りが頂点に達したのか、今にも頭が噴火しそうなイキオイである。
 激しい怒りを浴びながらも、青年は真っ直ぐな視線を返した。そのまま、床に片膝を付く。
「信用して頂けないのも無理はありませんが、そこに書いてある事は全て事実です。嘘でも、冗談でもありません!」
 青年の叫びが、周囲に沈黙を呼んだ。言葉無く見詰めあう2人。もしかしたら、目で会話していたのかもしれない。
 時間にして、数十秒後。店長は大きく溜息を吐いて視線を外した。
「……お前は、泰国で女中喫茶が成功すると思っておるのか?」
 問い掛けるような、店長の言葉。青年は一瞬驚きの表情を浮かべたが、軽く咳払いして口を開いた。
「可能性は高いです。まずは、試験的に運用してみてはどうでしょう?」
 自信に満ち溢れた、言葉と表情。入念な調査の結果、絶対に流行るという確証を得たのかもしれない。
「分かった。この一件は、お前に全て任せる。この報告書に偽りが無い事を、結果で示してみせよ」
 それだけ言って、店長は部屋を出て行った。


■参加者一覧
薙塚 冬馬(ia0398
17歳・男・志
アルセニー・タナカ(ib0106
26歳・男・陰
シルフィリア・オーク(ib0350
32歳・女・騎
一之瀬 戦(ib8291
27歳・男・サ
闇野 ジュン(ib9248
25歳・男・魔
春霞(ib9845
19歳・女・サ
緋乃宮 白月(ib9855
15歳・男・泰


■リプレイ本文

●泰国が『萌える』日
 その日、朱春の街は異様な雰囲気に包まれてきた。ある者は期待に胸を躍らせ、ある者は不快感を露にし…様々な感情が、渦を巻いている。
 その中心にあるのは、本日限定で開店する飲食店。店の名は…女中喫茶。どんな店かは、瓦版で住人に連絡済みである。だからこそ、朱春の人々は期待と不安を抱いているのだろう。
 渦中の店内では、開店の準備が進んでいた。衣装を着替えた開拓者達が、鏡の前で自分の姿を映す。
「女装をするのは…何だか、恥ずかしいです」
 鏡に映る自身の格好を眺めながら、恥ずかしそうに頬を染める緋乃宮 白月(ib9855)。彼は白を基調としたメイド服を着用しているが、全く違和感が無い。しかも猫耳と尻尾も付いているため、萌え要素満載である。
「いや〜…俺、白月くんと並んじゃいけない感じになってない? 大丈夫?」
 軽く笑いながら、闇野 ジュン(ib9248)はヘッドドレスの位置を直す。彼は『面白そう』という理由でメイド服を着ているが、フリル満載な上、全身どピンクな衣装なのは挑戦的過ぎるかもしれない。
「…大丈夫です! 緋乃宮さん、とっても可愛いですよ!」
 2人を見比べていた春霞(ib9845)が、両手をグッと握りながら微笑む。黒を基調としたメイド服に、同色の猫耳と尻尾。白猫の白月と、黒猫の春霞は、まるで双子の猫耳メイドのようだ。
 彼女にスルーされたジュンが若干イジケているが、見なかった事にしよう。
「あなたは女装しなくて良いのかい? 人気、出るかもしれないよ?」
 シルフィリア・オーク(ib0350)の、からかうような言葉。艶黒に近い紺色の執事服で男装しているが、大きく開いた白の開襟シャツの奥から、ふくよかな谷間が覗いている。黒革のチョーカーや、胸の谷間に続く首飾りがアクセントになっている。
「いや、私はこのままで結構です! 真っ当な執事が居た方が良いでしょう?」
 彼女の言葉に動揺しながらも、キッパリと否定するアルセニー・タナカ(ib0106)。自前の執事服に白手袋という普通の格好で参加しているが、内心では女装に興味があったのかもしれない。あくまでも『依頼を成功させるため』という前提付きだが。
「まぁ、こういうのは楽しまなくちゃな。あ、薔薇欲しい奴いるか?」
 軽く笑みを浮かべながら、薙塚 冬馬(ia0398)は薔薇の花束を差し出した。黒いタキシードに身を包み、胸元には赤い薔薇が一輪。長髪を後頭部の高い位置で確りと纏め、赤い髪紐で結って枝垂桜の簪を飾っている。
「真っ赤な薔薇、か。美人を口説くのに、使えるかもしれねぇな。1本、貰っとくぜ?」
 一之瀬 戦(ib8291)が、言葉と共に薔薇の花を抜き取った。タキシードをシッカリと着こなし、準備は万端である。あくまでも『女性をエスコートする準備』であり、男性客を相手にする気は毛頭無いようだが。
 時計の針が午前10時を指すと、店の入り口が開け放たれた。

●お嬢様、ご主人様、お姫様
「お帰りさないませ、お嬢様。足元にお気を付けを」
「お帰りなさいませ、お嬢様、ご主人様。こちらへどうぞ♪」
 開店を待っていたように、一般客が押し寄せる。冬馬は無自覚に女性を優しくエスコートし、春霞が男女問わず席へと誘導していく。無論、他のメンバーも接客は忘れていない。
 遠巻きに眺めている一般人の中には、嫌悪感全開で陰口を叩いている者も居る。特に、熟年層の女性が多いようだ。
「そちらのお嬢様方も、お茶はどうですか?」
 そんなオバ様達に向かって、シルフィリアが凛々しくも丁寧に声を掛ける。彼女の発言にオバ様達の警戒心は一瞬で砕け散ったのか、若い乙女のように騒ぎながら店内に入って行った。『お嬢様方』という言葉が、相当効いたのだろう。
「お姫様にご主人様〜。ご要望がありましたら、何なりとお申し付けくださーい♪」
 膝丈スカートの端を軽くつまみ、回転するジュン。直後、店内に悲鳴と歓声が入り混じった。長身で外見は良いが、彼は24歳の青年。低い声のメイドでは、受け入れられない者が居るのは仕方無い。
「そんな野太い声の女中が、どこの世界に居るんだよ。少しは、あの子を見習ったらどうだい?」
 ジュンの脇腹を肘で小突きながら、シルフィリアが小声で呟く。若干痛そうな表情を浮かべながら、ジュンは彼女の視線を追った。その先に居たのは…白月。
「こちら、蒸し餃子と焼き餃子がありますが、どちらになさいますか?」
 お品書きを指差しながら、丁寧に接客している。どの角度から見ても、彼の姿は可憐な少女にしか見えない。
「承りました。少しだけ……あ、少々、お待ちくださいませ。御用の時は、遠慮なくお呼びください」
 言葉使いを間違い、恥ずかしそうに言い直す春霞。その可愛らしい仕草が、多くの男性客のハートを鷲掴みにしたようだ。
「茶髪の執事さ〜ん! 独りじゃ食べれないから、手伝って下さい♪」
 18歳くらいの女性客が、冬馬に向かって声を掛ける。食事を手伝うという事は、つまり…『食べさせろ』という意味である。突然の要望に、冬馬は苦笑いを浮かべた。
「それは…私には、恐れ多いですよ」
 丁寧に辞退の言葉を口にしたが、女性客は引き下がらない。同じような会話が3回繰り返された後、冬馬は優しく微笑みながら箸を握った。
「それでは僭越ながら、お嬢様…お口を、はいあーん」
 片膝を付いて首を少し傾げながら、半分に切った焼売をそっと口元に運ぶ。女性客が満面の笑みでそれを口にすると、黄色い悲鳴が店内に響いた。
「へぇ…良いですね。あ、そこの執事さん。僕にもアレお願いします」
 20代前半くらいの男性客が、アルセニーの左手を握りながら熱い視線を送る。恐らく『ソッチ系趣味』の人だろう。普通の男性なら嫌悪感を見せるが、アルセニーは執事である事にプロ意識を持っている。嫌がる素振りを見せる事無く、手を握り返しながら右手で箸を握った。
「はい♪ 貴方にお仕え出来る事を、心より嬉しく思います。あーん、ご主人様どうぞ」
 爽やかな笑みを浮かべながら、一口大に切った春巻きを口元に運ぶ。野太い声援が上がる中、男性客は満足そうに春巻きを頬張った。プロ根性を披露するのは素晴らしいが、アルセニーには『道を踏み外さないで欲しい』と切に願う。
「カワイイ白猫さん! この餃子、フ〜フ〜して食べさせて欲しいな☆」
 焼き餃子を指差しながら、女性客が白月を呼ぶ。恥ずかしそうな表情を浮かべながらも、彼は要望通りに餃子を持ち上げ、吐息を吹き掛けた。
「えっと…はい♪ お姫様、あーん」
 程良く冷ました餃子を、恥ずかしそうに口元へ差し出す。女性客も恥ずかしそうに餃子を口に含むと、同じ卓の客から『あ〜ん』の要望が相次いだ。
 店内は満席、大盛況である。給仕をしている開拓者達も大変だが、調理場は戦場と化していた。次々に並んでいく料理に、ジュンがそっと手を伸ばす。周囲の様子を窺いながら、そっと餃子を摘んで素早く口に含んだ。
「ジュンちゃーん? お仕事サボって、なぁにしてくれちゃってんのかなぁ〜?」
 背後から掛けられた声に、ジュンはビクッと身を震わせる。ゆっくり首を回すと、そこには戦が仁王立ちしていた。爽やかな笑みを浮かべながら、戦はジュンの首根っこを掴む。そのまま厨房を後にし、店内に向かってポイッと放り投げた。
「ぐへぇ、そんなに乱暴に扱わないでください…か弱いメイドなんですからー…」
 わざと女らしく振舞い、ジュンは若干高い声で訴える。口元を手で隠しながら、上目遣いの視線を戦に送った。
「そこのイジメられてるアナタ! 凄くイイわぁ……ちょっと、こっち来て下さらない?」
 ジュンに向けられた、野太い声…その主は、長身で筋肉質な男性である。しかも、女装趣味の。
「ご指名だぜ? 折角可愛い格好してんだから、サービスして来いよ」
 放心気味なジュンに、戦が意地悪く笑いながら肩を叩く。立ち上がって大きく深呼吸し、ジュンは意を決して接客に向かった。

●ショー・タイム
 正午を過ぎても、客は衰える事を知らない。未だに、多くの人々が女中喫茶に足を運んでいた。
「姫、お帰りなさいませ。帰りが遅いので、心配していたんですよ? さぁ…此方へどうぞ」
 戦は来店した女性客の手を取り、膝を付いて指先に口付ける。黄色い声を全身に浴びながら、微笑みと共に席へと案内した。
 混雑する店内では、色んな事が起きる。女性客が箸を落とすと、冬馬は素早くそれを拾い上げた。
「お嬢様の手から落ちるとは…躾の悪い箸ですね。どうぞ、こちらをお使い下さい」
 柔らかく微笑みながら、替えの箸を差し出す。その行為に、女性客は心を奪われたようだ。頬を赤く染めながら、ボ〜ッと冬馬を見詰めている。
 店内の違う場所では、少女が白月の尻尾を目で追っていった。クネクネ動く尻尾に興味を持ったのか、コッソリと手を伸ばす。
「お姫様、申し訳ありません。おさわりは厳禁とさせて頂いています」
 その手を優しく掴み、やんわりと対応する白月。少女は苦笑いを浮かべながら、ペロッと舌を出した。
「にゃあぁぁっ! …っご主人様、これは駄目ですからっ!」
 室内に響く、春霞の悲鳴。20代前後くらいの男性客が、彼女の尻尾を急に掴んだのが原因である。目に涙を浮かべながら必死に訴えるが、男性客と同席者は下品な笑みを浮かべた。
「固いコト言うなよ。本当は触られたいんだろ?」
 春霞の言葉に耳を貸さない上に、勘違いも甚だしい。男性客が更に力を込めようとした瞬間、シルフィリアはその手首を握って力を込めた。情けない悲鳴と共に、男性の力が緩む。
「給仕の人への悪戯は勘弁しておくれよ…ね?」
 言葉と共に、シルフィリアの鋭い眼光が男性を射抜く。彼の手から完全に力が抜けると、春霞はペタンとその場に腰を下ろした。
「あぁ!? 俺達は客だぞ? 口答えする気か!?」
「お客様! 肩に虫がっ!」
 難癖を付けようと立ち上がった同席者だったが、直後にアルセニーのお盆が炸裂した。彼の行動に、店内が一気に盛り上がる。
「ってぇな! 何すんだ!?」
「申し訳ありません。良からぬ虫が悪さしているようなので、退治しました」
 恥をかかされた同席者は、怒りの形相を浮かべながらアルセニーに詰め寄った。それを一切気にせず、彼は涼しい顔で言葉を返す。『良からぬ虫』とは、同席者に対する皮肉なのだが…多分、彼が気付く事は無いだろう。
「ったく…うちの可愛い猫さんをイジメんなよ、『ご主人サマ』?」
 騒ぎを聞き付け、不快感を露にしながら歩み寄る戦。その威圧感に、男性客と同席者の表情が蒼ざめていく。
「春霞さん、大丈夫ですか…!?」
 その隙に、白月は春霞に駆け寄って体を支えた。ゆっくりと立ち上がらせ、寄り添いながら奥に移動する。
「お、お前ら…馬鹿にしてんのか!?」
 シルフィリアの腕を振り解き、男性客が声を上げた。恐らく、大声で叫んで自身を奮い立たせているのだろう。強がる男性客の肩を軽く叩き、アルセニーは軽く笑みを浮かべた。
「貴方は運が良い…素敵な催し物が始まりますよ。シルフィリア殿!」
「はいは〜い♪ お嬢様方、一時のショータイムをご堪能下さいませ。尚…雰囲気を楽しむ為、お静かにご鑑賞を下さいね?」
 一般客を不安がらせないよう、シルフィリアが注意を促す。彼女の言葉に、周囲の視線が一気に集まった。
 アルセニーは男性客の背を押し、冬馬の居る方向へ飛ばす。冬馬は体勢を崩した男性の腕を取り、素早く横に移動して回転させた。更に、後ろから腕と肩を掴んで一緒に回転。その動きは、まるでダンスを踊っているように見える。
 全員の視線が冬馬達に集まっている隙に、同席者はシルフィリアの背後から飛び掛かった。が、彼女はそれを軽々と避けて後頭部にお盆の一撃を叩き込む。よろめく同席者を、戦が支えながら回転。ペアダンスのようにポーズを決めると、周囲から歓声が上がった。
「今日の為にアクション寸劇を練習しましたので、ご覧になってお楽しみくださーい!」
 魔導書を取り出しながら、ジュンが叫ぶ。冬馬と戦は視線を合わせて頷くと、悪質な客を彼に向かって突き飛ばした。その体が、不自然に膝から崩れ落ちる。ジュンが呪文を唱え、2人を眠りの底に落としたのだ。タネを知らない者が見たら、一連の動きはアクション寸劇に見えなくもない。
「駄目ですよ、お客様。店内は店内は居眠り禁止ですので、外でお休み下さいませ♪」
 不敵な笑みを浮かべながら、ジュンが男性客の首根っこを掴む。戦がもう1人を引きずりながら移動し、店の外にポイッと投げ捨てた。
「これにて、寸劇終了です。ご主人様、楽しんで頂けましたか?」
 可愛らしく挨拶する春霞に、拍手喝采が沸き起こった。

●営業終了
「ご主人様、行ってらっしゃいませ。お帰り、お待ちしてますね♪」
「また、ジュン子に会いに来て下さいね。や・く・そ・く♪」
 春霞とジュンが、最後の客を見送る。夕日が周囲を赤く染める中、女中喫茶の営業は終了を迎えた。静まり返った店内を見ていると、さっきまでの喧騒が嘘のように思えてくる。
「皆さん、お疲れ様でした。マナーの悪い客のせいで、不快な想いをさせてしまい…申し訳ありません」
 開拓者達に向かって、店長代理の男性が深々と頭を下げた。試験運用に巻き込んでしまった事を、申し訳無く思っているのだろう。
「様々な新しい試みに挑戦する時は、色々と軋轢もあるもんさ。あなたが謝る事、無いよ」
 そんな彼の肩を、シルフィリアが優しく叩く。実際、変な客が来たのは店長代理の責任ではないし、店への苦情は1件も届いていない。結果的に、大成功と言って良いだろう。
「女装は恥ずかしかったですけど、女中喫茶の従業員をするのは面白かったですね」
 今頃になって恥ずかしくなってきたのか、若干頬を染めながら白月が微笑む。もし女中喫茶が本格的に営業したら、彼が看板娘になっているかもしれない。
「なぁ、軽食や甘味のレシピ、教えて貰っても良いか?」
 髪をいつものように緩く結び直しながら、冬馬が口を開く。料理が得意なため、様々なレシピに興味があるのだろう。
「レシピ、ですか? 調理場にありますから、写しても構いませんよ」
 店長代理の発言に、冬馬は軽く礼を言いながら厨房へ脚を向けた。次いで、アルセニーが店長代理に深々と頭を下げる。
「本日は貴重な体験をさせて頂き、感謝致します。私、執事として何か『別の世界』に目覚めそうになりました」
 『別の世界』が何を意味するかは不明だが…目覚めない方が良いだろう。
「なら、次の機会があったら女装したらどうだ? あんたなら、男にモテそうだしな」
 不敵な笑みを浮かべながら、戦が冗談半分に言葉を掛ける。当のアルセニーは、否定もしなければ肯定もしない。
 ただ…視線を逸らしながら、頬を赤く染めた。