【夢々】超銀河大決戦
マスター名：香月丈流
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| ■オープニング本文 ※このシナリオは初夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。 宇宙。 無限の可能性が広がる、未知なる開拓地。 あらゆる存在を認めつつ、何物にも囚われない空間。 広大な宇宙を、人類はまだ知り尽くしていない。溢れる探究心が、生物特有の向上心が、新天地を求める行動力が、人々を『宇宙探索』へと導いていた。 そのキッカケとなったのは、宇宙船の開発である。飛空船の技術をベースに、宇宙での航行と活動を目的とした船。高い居住性と戦闘能力を持つ、超弩級宇宙飛行戦艦…通称『天照（アマテラス）』。 天照の開発により、人類の宇宙進出は一気に加速した。目的別に様々な船が製造され、太陽系と呼ばれる領域の調査や、他惑星の環境改造と移民も活発化。そして…人類は太陽系を越え、他の銀河領域に脚を踏み入れた。 それが、悲劇の引金になるとも知らずに。 『メーデー、メーデー、メーデー！ こちら、外宇宙探索大隊第25分隊！』 室内に警報が鳴り響き、切迫した通信音声が耳に突き刺さる。切迫した状況を察知し、通信担当の男性は急いで回線を開いた。 「こちら天儀宇宙航空管制室。外宇宙探索大隊第25分隊、何があった？」 『外宇宙探索中に、未確認生命体の群れと遭遇！ 通信には応じず、現在無差別に襲ってきている！』 新天地の調査をする以上、他生命体との接触は避けられない。そのため、天照には戦略兵器も搭載され、駆鎧のようなロボットも配備している。 にもかかわらず、戦闘中に緊急通信が届いたという事は…戦況が不利で、救援を求めている可能性が高い。 『詳しくは転送したデータを見てくれ！ 敵の数が多過ぎて、宇宙が黒く見えない！ 敵が七分（しちぶ）で、黒が三分（さんぶ）だ！ 至急、きゅうえ』 そこまで言って、通信音声が急に途切れた。担当者が呼び掛けるが、応答は無し。すぐさま外宇宙探索大隊第25分隊の現在位置を確認したが…こちらも反応は無かった。 つまり……第25分隊は全滅したのだろう。 彼らが最後に送ってくれたデータには、異形の生物が映っていた。蟲のような、獣のような…形容が難しい姿。化物ならアヤカシという前例があるが、この外敵は『怪獣』と呼んだ方が正しいかもしれない。 大きさは大小様々だが、正確な数までは分からない。データから推測するに…少なくとも数兆。最悪な事に…通信の電波を追っているのか、地球に徐々に接近している。 この絶望的状況を打開するため、天儀は一騎当千の猛者達による部隊を結成。地球に到達する前に、宇宙怪獣を殲滅する事になった。 天儀の…地球の、全生命体の運命を賭けた攻防が、今幕を開ける…。 |
■参加者一覧
三笠 三四郎（ia0163）20歳・男・サ 
羅喉丸（ia0347）22歳・男・泰 
九竜・鋼介（ia2192）25歳・男・サ 
からす（ia6525）13歳・女・弓 
サーシャ（ia9980）16歳・女・騎 
リィムナ・ピサレット（ib5201）10歳・女・魔 
フランヴェル・ギーベリ（ib5897）20歳・女・サ 
鏖殺大公テラドゥカス（ic1476）48歳・男・泰 |
| ■リプレイ本文 ● 宇宙の海を進む、超弩級戦艦『天照』。本来は宇宙を探査するための戦艦だが、今回は違う。艦長や艦内スタッフを含め、乗員達は戦いに行くのだ。 目的地は、太陽系の外側…外宇宙。そこに、宇宙怪獣と呼ばれる巨大な怪物達が群れを成し、地球を目指して侵攻を始めていた。 人類史が始まって以来の危機が迫っているが、敵の居ない宇宙空間は不気味な程に静まり返っている。天照の作戦会議室から船外を眺めながら、九竜・鋼介（ia2192）は軽く溜息を吐いた。 「外宇宙からの侵略、か。奴等は何が目的で地球を狙ってるんだろうな…」 地球にとって、宇宙怪獣は『未知の塊』。その存在は一部の者にしか知らされていない。鋼介が疑問を抱くのも、当然だろう。 「奴らの生態系や行動目的は、未だに解明されていません。アル・ピナーカにも該当データはありませんし…真相は闇の中、ですね」 アル・ピナーカ。かつて、宇宙怪獣を撃退した異星人が造り上げた、50ｍ級戦の闘艇である。 それを操縦する三笠 三四郎（ia0163）は、地球の人間ではない。本名は、ゼオン・シュラグ。過去、外宇宙を探索中に遭難し、異星人に命を救われた。その際にアル・ピナーカを託され、地球にやってきたのだ。 闘艇を託された理由は、ゼオン本人にも分からない。もしかしたら…彼を助けた異星人は『宇宙怪獣が地球を狙う』事を予見していたのかもしれない。 「理由が何であろうと…師匠が愛し、大事な人が居る天儀を、宇宙怪獣どもの好きにさせん…！」 静かに闘志を燃やしているのは、羅喉丸（ia0347）。今は亡き師匠に恩を返すため、自身の大切なものを守るため、彼の意志が揺らぐ事は無いだろう。 同乗者の話を聞きながら、サーシャ（ia9980）は視線を宇宙に向けて思案を巡らせていた。 「ん〜、敵が七分で、黒が三分……私達は８人ですから、８対７で若干余裕がありそうですね！」 糸目で若干分かり難いが、彼女の表情は真剣そのもの。嘘や冗談を言っているようには見えないし、そういう雰囲気でもない。 つまり…彼女は本気（マジ）で８対７を主張しているのだ。 思わず、その場にいた全員が苦笑いを浮かべた。 「サーシャ殿…そう単純な計算ではないよ。まぁ、前向きに考えるのは悪い事ではないがね」 からす（ia6525）は若干呆れた様子を見せているが、嫌悪感は微塵もない。サーシャの超常的計算には賛成できないが、その気概には一定の理解を示しているようだ。 「ちょっと待て。今、８人と言ったか？ わしを含め、この場には６人しかおらんぞ？」 室内に響く、重低音の濁声。反論の言葉を口にしたのは、鏖殺大公テラドゥカス（ic1476）だった。彼の言う通り、作戦会議室に居るのメンバーは６名。どう考えても、人数が足りないが…。 ● 地球の地下にある、多重結界で外界から遮断された禁断の祭壇。そこで、リィムナ・ピサレット（ib5201）は膨大な数の魔術書を同時に扱い、呪力を開放して術式を組み上げていた。 使っているのは、外道祈祷書や無名祭祀書といった高位の魔術書ばかり。呪力と神気が渦巻く中、彼女は叫んだ。 「出でよ…神の模造品！ ×××××！」 人間には発音できない、特殊な言語。それを口にした瞬間、破滅的な呪力と、全生命を狂死させる程の神気が一ヶ所に収束し、50m級の人型機械兵器へと変貌を遂げた。 風をイメージしたような、先鋭で流動的なデザイン。超高位の魔術師だけが扱える、神の模造品。その名は人語で表現不可能なため、召喚した本人しか知らない。 リィムナは機体に搭乗すると、再び術式を展開。五芒星に似た魔法陣が機体を包むと、その姿が光の中に消えていった。 ● 静かな海を航行していた天照艦内に、けたたましい警報が鳴り響く。次いで、宇宙怪獣の接近を知らせる艦内放送が流れた。 「やれやれ、無粋な連中だね…」 警報と放送に反応し、フランヴェル・ギーベリ（ib5897）は大きな溜息を吐いた。彼女が居るのは、人気の無い倉庫。その腕の中で、スタッフの少女が小刻みに震えている。 フランヴェルは少女の頬にキスをして、倉庫から駆け出した。彼女と少女が倉庫で何をしていたのか若干興味を引かれるが…今はそれを気にしている場合ではない。 フランヴェルは通路を一気に走り抜け、格納庫に駆け込んだ。複数の機体が並ぶ中、彼女が目指す先にあるのは、黄金の甲冑を纏ったようなロボット。細身な外見ながら、騎士のような気品を放っている。 これは、彼女の愛機『レーヴェ』。剣聖騎と呼ばれる機体で、フランヴェルの動きをトレースして動く仕組みになっている。 彼女がコックピットを開けると、人妖の少女が鬼のような形相で待っていた。 『遅いわよ！ また女の子を騙して弄んでたのね！ 人でなし！』 怒りを露にする彼女は、フランヴェルの操縦補佐をする相棒、リデル。フランヴェルが『幼い少女好き』という事を知って、毎度のように雷を落としている。 「自由恋愛の結果さ♪ では、軽く運動といこうか♪」 そんなリデルの説教にも慣れているのか、フランヴェルは笑顔で誤魔化して操縦位置に移動。リデルは呆れながらもレーヴェを起動させ、格納庫から発射口へと移動した。 そのまま、レーヴェは真っ先に発進。彼女に続くように、鎧武者のような機体が発射口に姿を現した。 「これ以上、先には進ませない…九竜鋼介、戦神機、出る！」 溢れる闘志を隠す事なく、鋼介は天照から発進。赤と白銀、２本の刀を抜き放つと、宇宙空間に鮮やかな光が奔った。 サーシャは駆鎧に乗り込み、各種機関を素早く起動。大きさは5mで小さいが、貴族を思わせる金と白の機体は優雅で華麗である。 「アレクサンドラ・アルマーシャ・ユロージヴァヤ、アリストクラート、征きます！」 自身のフルネームと機体名を叫び、サーシャは星の海原へと飛び出した。他の仲間達も、各機体に乗って次々に発進している。天照の周辺に、一騎当千のロボットが並び始めた。 最後に、リィムナの機体が何も無い空間に出現。どうやら彼女は、地球からこの場所まで瞬間移動したらしい。タイミングが良いのか悪いのか、各機のレーダーが敵の反応で埋まっていく。 ８人は推進機関の出力を上げ、別々の方向に散開。数分もしないうちに、宇宙怪獣の姿が視界に飛び込んできた。一番最初に接敵したのは、ゼオンだった。 「まぁ…やるだけやりますか。手加減しませんから、あしからず」 そう言って、ゼオンは船体周辺の空間を弾丸状に歪ませ、対空砲と共に撃ち放った。見えない弾丸と、見える銃撃…２つの射撃が小型の宇宙怪獣を撃ち砕いていく。 羅喉丸は師匠が遺した50m級の機体、真武王を駆り、宇宙怪獣の群れに飛び込んだ。彼の機体も、フランヴェルと同じトレース方式。羅喉丸は操縦空間で太刀を構え、鋭く振り抜いた。 真武七星剣という銘の大刀が敵を捉え、敵を一太刀で斬り裂く。そのまま進路上の敵を蹴散らし、強敵を求めて敵陣に斬り込んで行った。 「脆いものだな、ふははは！」 遠く離れた位置では、テラドゥカスが敵を踏み台にして素早く動き回り、チェーン付き鉄球を振り回している。 他のメンバーとは違い、彼は機体に乗っていない。からくりとしての特性を活かし、コアを12mのロボットに移植。自身の姿を模した『鏖殺大公グレートテラドゥカス』と一体化し、敵を薙ぎ倒している。 派手に動き回る３人とは対照的に、鋼介は刀を構えたまま動かない。五感を張り詰めて敵の動きを感じ取り、突撃に合わせて一閃。双刀が宇宙怪獣を斬り裂き、塵と化した。 宇宙怪獣も、一方的に攻められるだけではない。反撃するように、10m級の敵が一気に加速。宇宙を駆け回り、サーシャに体当たりを放った。 「射撃でも体当たりでも、剣で受ければどうという事は無いという奴ですね！」 咄嗟に、サーシャは剣を構えて防御を固める。攻撃を正面から受け止め、推進機関の出力を上げて強引に耐えきった。 『100ｍ級が１千万匹、光速突撃…こいつら自爆する気だわ！』 急接近する敵の動きと、内部エネルギーが高まっている事から推測し、リデルが叫ぶ。フランヴェルは状況を確認し、自身の練力とレーヴェの出力を限界まで高めた。 「轟嵐牙！」 裂帛の咆哮と共に、光速に達する斬撃が黄金の軌跡を描く。その光景は、光の洪水と表現した方が正しいかもしれない。黄金の剣閃が突撃してきた全ての敵を寸断すると、体内のエネルギーが小爆発を起こした。 その爆発が微かに見える位置でも、大型の宇宙怪獣達が特攻。リィムナとの距離を一気に詰めていく。 「あたしのこの手が荒びて唸る！ 鏖滅せよと逆巻き哮る！」 敵を正面から迎え撃つため、リィムナは叫びながら魔力を高めた。機体を流れる黄金の蜂蜜酒が呼応して光を放ち、全身が金色に輝いていく。更に、機体周辺で激しい嵐が巻き起こった。 「征嵐っ…カルコサ・ハリケェェエエン！」 叫びながら、右手を突き出す。その甲に浮かぶ、高位魔術師の紋章…キング・イン・イエロー。解放された魔力が紋章を実体化して嵐を纏い、『黄衣の王』が腕組みしたまま突進して敵を消し去っていく。 数千万の宇宙怪獣を一撃で消滅させたリィムナだったが…操縦席で激しく咳き込み、血を吐き出した。彼女の機体は強過ぎる力を生み出す反面、操縦者への負担が大きい。もしリィムナ以外の人間が動かしたら、数分で命を失っていただろう。 開拓者達の活躍で、戦線は膠着。宇宙怪獣達の侵攻は止まったが、知能の高い個体が隙を突き、開拓者を無視して母艦の天照へ突撃を仕掛けた。 「数には数で対抗するとしよう。ただし、質は此方が上だが」 母艦が狙われる可能性は、開拓者達も考慮済みである。天照を守るように、からすの機体が立ち塞がった。 巨大な無人輸送艦『養蜂』と、人型戦術殲滅支援機『焔蜂』が結合した、50m級の戦艦。養蜂から無人小型狙撃機『蜂』を繰り出し、近付く敵を多角的に殲滅していく。 からすは焔蜂で蜂を指揮しながらも、背面武装による援護射撃も敢行。宇宙を駆けながら蜂を操り、砲撃を繰り返す姿は、蜂の王が舞っているように見える。 彼女の活躍で、侵攻してきた宇宙怪獣の８割が撃墜。残り２割は素早く後退し、群れの中に紛れていった。 ● 敵の数は徐々に減っているが、実感が全く湧かない。残存兵力も分からないが、敵の攻撃は激しさを増していた。 特に、群れの中枢に突撃した羅喉丸は格好の的になっている。雲霞の如く押し寄せる敵の攻撃に、真武王が徐々に機能を失っていく。羅喉丸の心に、絶望の影が忍び寄っていた。 『諦めてがいけない』 『真武王は、人の想いを力に変える機体』 『その無限の可能性を引き出せるかは、搭乗者次第』 突然、操縦空間に人の声が響く。その声に聞き覚えは無いが、羅喉丸は直感的に悟った。これは『真武王を作った古代人の想い』なのだと。 『羅喉丸よ…忘れるな。我が魂は、お前と共に在る』 （この暖かな光は…そうか……師匠も、ここに居られたのですね…） 最後に聞こえたのは、忘れもしない師匠の声。皆の想いを受け取り、羅喉丸の胸に再び闘志が宿る。それに呼応するように、真武王の全身から光が溢れた。 「北天の守護者たる真武大帝よ、我らに力を！」 人機一体。絶体絶命でも折れない心が真武王に認められ、真武王が真の姿へと覚醒していく。羅喉丸は真武七星剣を握り直し、北斗七星の７つ星の名を冠する封印を解き放った。 「七星解放、最終リミッター解除…！ 真武両儀拳！」 光速に限り無く近い速度まで加速し、連続で斬撃を繰り出す。圧倒的な速度と破壊力が周囲の敵に直撃し、その内部から全身を破壊。ほんの数秒で、宇宙怪獣の大群は塵と化した。 強大な敵を前に、奮い立っているのは羅喉丸だけではない。サーシャが全身の練力を限界以上に放出すると、それをアリストクラートが吸収。彼女の膨大な練力が機体に作用し、一瞬で10倍に巨大化した。 「敵が小さく見えるって事は、私が勝つという事！ 淑女として、この一撃に全身全霊を込めます！」 巨大化した事で機体性能が上がり、サーシャのリミッターも吹き飛んでいる。構えた剣にオーラを纏わせ、刀身を３倍以上に延長。全身全霊を込めた斬撃が、宇宙怪獣の群れを薙ぎ払っていく。 「凄い斬撃だな。俺も負けてはいられないか…！」 サーシャの剣技に触発されたのか、鋼介は双刀を構えて敵に突撃。白銀の刀を、狼の爪の如く鋭く。赤い太刀を、血に飢えた虎の牙のように突き立てる。２色の剣閃が入り乱れ、敵を次々に斬り裂いた。 空間歪曲を繰り返し、攻防一体の攻撃を繰り返すゼオン。その眼前で、小型の宇宙怪獣が、大型の宇宙怪獣に攻撃を加え始めた。 「同士討ち？ でも、何故…」 「私の『蜂』は、毒を持っている。電気信号を狂わせる『毒』が、な。機械ならバグを起こすが、今回は神経を狂わせた」 困惑するゼオンの耳に、からすの声が通信機から響く。彼女は天照を防衛した時、敵に毒を仕込んでいたのだ。その後も蜂を操り、複数の宇宙怪獣を狙撃。恐らく、戦場の様々な場所で同士討ちしているだろう。 状況を理解したゼオンは、口元に笑みを浮かべながら大型宇宙怪獣に突撃。戦艦正面の空間を螺旋状に歪ませ、時空間に巨大なドリルを作り上げた。 『限外螺旋衝』。 ゼオンの切り札が、宇宙怪獣を打ち砕く。小型や中型だけでなく、小惑星級の超大型すらも吹っ飛ばし、宇宙の藻屑へと化した。 「リィムナぁ！ フランヴェルぅ！ 恒星破壊級砲撃だ！ 往くぞぉぉぉ！」 ゼオンが切り札を持っていたように、テラドゥカスにも奥の手がある。自身をバスターカノン形態に変形させ、広範囲に反物質砲を放つ超必殺技が。 ただし、この攻撃には『射手』と『膨大なエネルギー』が必要になる。だからこそ、彼は２人に向かって叫んだのだ。 仲間達の目の前で、テラドゥカスは銃に変形。それをフランヴェルが支え、リィムナは自機のエネルギーバイパスを銃に繋いだ。 尋常ではないエネルギーが、銃口に集まっていく。テラドゥカスとリィムナは出力を調節し、フランヴェルは狙いを定めて引金に指を掛けた。 『ドラコニック・バスター・ブレイカァァァァァァ！』 ３人の雄叫びが重なり、緑色の光が一気に溢れ出す。破壊の閃光は扇状に広がり、宇宙怪獣を飲み込んで一瞬で消滅させていく。 運良く射線を外れた個体は、覚醒した羅喉丸とサーシャが中心となって撃墜。全員が全ての力を振り絞り、勝利を信じて宇宙空間を駆ける。 砲撃の光が止んだ時、銀河は再び静けさを取り戻していた。 「有視界距離、及び広域レーダーに敵の反応無し。戦闘終了を確認」 からすの報告を聞き、開拓者達の顔に安堵の笑みが零れる。ゼオンは回線を開き、仲間達に声を掛けた。 「帰りましょう、皆さん。地球へ、私達の故郷へ…！」 |
