スノー・ウェディング
マスター名:香月丈流
シナリオ形態: ショート
危険 :相棒
難易度: 普通
参加人数: 4人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2014/12/25 20:15



■オープニング本文

「今年も降ってきましたねぇ…雪」
 独り呟きながら、眼鏡の女性は部屋の窓から空を見上げた。年齢は恐らく、40代前半くらい。ジルベリア風のスーツに身を包み、若干困ったような、でも嬉しそうな、複雑な表情を浮べている。
(このまま降り続いたら、今年も銀世界になるのかしら…?)
 女性の脳裏に浮かぶ、去年の景色。雪が世界を白く染め、陽光でキラキラと輝いていた。その幻想的な光景は、天儀の国内外を問わず人気が高い。特に、クリスマスに雪が降ると『ホワイトクリスマス』と呼ばれ、恋人を中心に喜ばれている。
「あ! そうだ!」
 何かを思い付いたのか、女性は部屋を出て外へと急いだ。彼女が居たのは、最近建築された教会。ジルベリア文化が広まった事もあり、色んな様式の建物が増えている。集会や催事等、教会を利用する者は意外に多いのだ。
 眼鏡の女性は責任者を任され、スケジュール管理や運営を行っている。そんな彼女が思い付いたのは…。
「スノー・ウェディング……いけるかも!」
 雪空での結婚式。教会の庭は広く、祭壇や客席を置く場所は充分にある。吹雪にならない限り、式を執り行うのも可能だろう。
「センセー…急に飛び出して、どうしたんですか〜?」
 教会の入り口から聞こえる、間延びした女性の声。その方向に視線を向けると、毛布の塊が動いていた。
 いや…正確には、毛布に包まった若い女性。寒がりなのか、何枚も毛布を重ねている上、毛糸の手袋や帽子が覗いている。
 『センセー』と呼ばれ、眼鏡の女性は軽く微笑んで見せた。
「雪空の結婚式、やりましょう! 開拓者さんに依頼して、盛大に!」
 興奮気味なセンセーに対して、冷え性の女性が大きな溜息を吐く。反動でバランスを崩し、倒れそうになっているが…見なかった事にしよう。
「寒いのは百億歩譲って…何で開拓者サンを〜? 一般人募集じゃ駄目なんですかぁ〜?」
「『百億歩』て、リンちゃんは相変わらず寒がりさんですね」
 クスクスと笑い、センセーは空を見上げた。曇天から舞い散る、純白の雪……アヤカシが大暴れしていたら、雪の美しさを楽しむ余裕も無かっただろう。
「アヤカシが激減したし、開拓者さんが戦い以外のイベントに参加すれば、天儀の人々に『平和になった』ってアピール出来ると思うの。それって、立派なお仕事だと思いませんか?」
 そう語るセンセーの瞳は、子供のように無邪気に輝いている。リンとしては反対したかったが、センセーの言い分には共感出来る部分が多い。諦めて、彼女は溜息混じりに頷いた。


■参加者一覧
天河 ふしぎ(ia1037
17歳・男・シ
ユリア・ソル(ia9996
21歳・女・泰
ニクス・ソル(ib0444
21歳・男・騎
リズレット(ic0804
16歳・女・砲


■リプレイ本文


 綺麗に晴れた冬空の下、薄っすらと雪化粧をした大地。数分前までは吹雪いていたが、今はほとんど降っていない。目を凝らさないと見落としそうなくらい、少なくなっている。
 寒風が静かに頬を撫でる中、理穴のとある教会では挙式の準備が進んでいた。しかも、屋内ではなく屋外で。
 冬場の結婚式は低温のせいで人気が低いが、雪中での式には独特の魅了がある。それを伝えるため、依頼主の希望で屋外での結婚式が行われようとしていた。
 依頼に参加した開拓者は、2組。それぞれ昼と夜を担当する事になっている。そして、昼に挙式する2人は、会場の準備が終わるのを教会内で待っていた。
 新郎は、小柄な17歳の少年…天河 ふしぎ(ia1037)。雪のように真っ白なタキシードを身に纏い、腰まで届く黒髪は1本に結っている。端正で優しい顔立ちは美少女にしか見えないが、間違い無く男性である。
 新婦は、猫の耳と尻尾を持つ獣人の少女…リズレット(ic0804)。純白のウェディングドレスを着ているが、それに負けないくらい白い肌をしている。
「式を挙げるのは二回目ですが…『本当の結婚式』が出来るなんて、夢みたいです!」
 結婚式が相当嬉しいのか、瞳をキラキラと輝かせるリズレット。ドレスの裾を摘んで軽く回ると、腰の下まで伸びた銀髪がフワリと揺れた。
 過去の依頼で『結婚式場だけを狙うアヤカシ』を倒すため、2人は新郎新婦を演じた事がある。あの時とは違い、今日はアヤカシも居ない。正真正銘、2人の『幸せな時間』が始まろうとしていた。
 ただし…心残りな事が1つ。
「リズや僕の両親を呼べなかったのは、少し残念だけどね…」
 苦笑いを浮かべながら、ふしぎが言葉を漏らす。今回は依頼という事もあり、親類や友人の参列は認められなかったのだ。
「そうですね…でも、手紙を預かっております。『遠き故郷より、リゼ達を祝福して下さる』と」
 微笑むリズレットの横顔が、若干寂しそうに見える。彼女の父親は、ジルベリア地方領主。忙しい職務の合間を縫って手紙を書いてくれた事は嬉しいが…晴れ姿を見て貰えないのは、やっぱり寂しいのだろう。
 寂しくて残念なのは、ふしぎも同じ気持ちである。加えて…彼はずっと前から、気になっている事がある。
 それは……。
「ご挨拶に行ったら、リズの両親は僕の事を気に入ってくれるかな?」
 『結婚相手の親への挨拶』は、結婚の最難関と言っても過言ではない。そんな彼の不安を消し去るように、リズレットは間髪入れず満面の笑みを浮かべた。
「えぇ。ふしぎ様なら、きっと…!」
 力強い一言。ふしぎの事を一番良く知っているからこそ、彼女は何の迷いもなく断言出来るのだ。
 リズレットの言葉を聞き、照れ臭そうに微笑むふしぎ。その脳裏に、懐かしい記憶が蘇った。
「覚えてる? 空を飛んで2人で見た、月の虹」
「もちろんです。ふしぎ様との思い出は、1つたりとも忘れていませんから」
 2人が依頼で乗った、豪華客船。その甲板から『月に架かった虹』を見上げ、朋友と共に夜空に飛び上がった。2人にとっては、忘れられない思い出の1つだろう。
「あの時…初めて『ふしぎ様』って名前で呼んでくれたよね」
 夜空の散歩が終わるまで、リズレットは彼を『天河様』と呼んでいた。それが名前を呼ぶようになったのは…2人の『心の距離』が近付いたから。意識したワケでもなく、リズレットは自然に名前を呼ぶようになっていた。
「他にも一緒に色んな所に行って…僕、リズが側に居ない生活なんて、考えられなくなったよ」
「それは…リゼも同じですよ」
 今も、彼らは『心に思った事』を素直に言葉にしている。絡まり合う視線…ふしぎの緑色の瞳は『最愛の女性』を見詰め、リズレットの銀眼には『一番大切な男性』しか映っていない。
 見詰め合い、想い合い、2人の距離が徐々に近付いていく。相手の頭髪が頬をくすぐり、互いの鼻先が軽く触れ合い……。
「お待たせしました。式の準備が整いましたので、移動をお願いします」
 何の前触れも無く教会の扉が開き、依頼主の女性が声を掛ける。それに驚き、2人は弾かれるように離れた。
 頬を赤く染める開拓者達を見て、自身のタイミングが悪かった事に気付いたのか、依頼主は申し訳なさそうに頭を下げて退出。ふしぎは軽く咳払いし、教会の庭に出た。
「さぁ行こう…降る雪も僕達を祝福してくれてると思うと、とてもあったかく感じるね」
 言いながら、教会の中に居るリズレットに手を差し出す。彼女は小走りに移動してふしぎの手を取り、彼に寄り添った。
「もちろん、リズが側に居てくれるからだけどね」
「リゼも…同じ気持ちです。幸せ過ぎて、寒さを感じません」
 教会の出口から庭の中央に続く道には純白の布が敷かれ、両側には長椅子や背の高い花瓶を設置。白いヴェールや鮮やかな花で飾り付けられ、バージンロードを華やかにしている。
 その先には祭壇が設けられ、牧師らしき男性が待機。他に人の姿は少ないが、教会のスタッフらしき人達が正装で長椅子に座っていた。
 ゆっくりと、2人は純白の布の上を歩き始める。腕を組まず、手を繋いでいるのはご愛嬌。新郎新婦の登場に、全員から拍手が送られた。
「逆に、ふしぎ様は覚えていますか? 以前、避難した方々に物資を届ける依頼で一緒した時…」
 歩きながら、リズレットが静かに声を掛ける。彼女の言葉を聞いた瞬間、ふしぎの顔は耳まで真っ赤に染まった。
「あっ、あの時は…! えっと…その…」
 端から見ても分かるくらい、思い切り取り乱すふしぎ。依頼で物資を届けた際、2人は自分達の故郷について話た事がある。その時、彼は『リズのご両親にもご挨拶に行きたい』とハッキリ言ったのだ。
 もっとも…当時は結婚を意識していたワケでもなく、純粋に挨拶をしたかっただけだが。
 オロオロする彼を見詰めながら、リズレットはイタズラっ子のように微笑んだ。
「ねぇ、ふしぎ様…? リゼの両親への挨拶、いつに致しましょう…?」
 からかうワケでもなく、イジワルでもない、純粋な疑問。彼女自身、ふしぎが挨拶に来る日を心待ちにしている。
 その想いが伝わったのか、ふしぎは彼女の手を強く握った。
「リズが大丈夫なら、直ぐにでも。『リズを幸せにする』って、ちゃんと挨拶してご両親も安心させてあげないとね」
 肌を通して伝わる、心地良い温もりと熱い想い。若干痛いくらい握られているが、それ以上の幸せがリズレットを包んでいた。
 祭壇に着くまで若干時間がかかったが、それ以降の進行は順調。神父から祝福の言葉が送られ、一般的な結婚式と同じように進んでいく。
 指輪の交換をするため、2人は互いに向き合った。
「素敵です、ふしぎ様…」
 リズレットが呟いた素直な感想…それは、偽の結婚式をした時に告げた言葉だった。2度も同じ感想を言ってしまった自分に、不思議と笑みが零れる。
「リズも素敵だよ。じゃあ…先取りした未来を、僕達の今に戻そう。そして……これからは、現実の明日へ」
 彼女の想いを正面から受け止め、ふしぎは自分の気持ちを上乗せして指輪を嵌めた。左手の薬指に輝く、愛と幸せの証…自然と、リズレットの瞳から大粒の涙が流れた。
「ふしぎ様…リゼは今、とっても幸せです…」
 泣いているが、表情は幸せそうに微笑んでいる。どうやら、幸せ過ぎて感動し、涙が止まらなくなったようだ。
 ふしぎは彼女の涙を拭い、優しく微笑みを返した。
「今だけじゃないよ。これから一生…リズを幸せにするから」
 以前の結婚式では、幸せな未来を先取りした。それが現実となった今、2人の未来は幸せへと繋がっていく。新しい新郎新婦を祝福するように、舞い散る白雪はキラキラと輝いていた。


 ふしぎとリズレットの式が終わってから数時間後。日が傾き始め、暗くなった教会の庭に篝火が置かれた。雪の量も若干増え、庭全体が白く染まっている。
 教会のスタッフは、『次』の準備で大忙し。設置した物を片付け、新しい装飾を施している。
 慌ただしく準備が進む中、教会を訪れる人影が2つ。その人物達に心当たりがあるのか、依頼主の女性が素早く駆け寄った。
「ようこそ。貴方達が、夜を希望された方ですか?」
「ニクスという。隣に居るのは、妻のユリア。今日は、よろしく頼む」
 自身と愛妻を紹介をし、軽く頭を下げるニクス・ソル(ib0444)。サングラスで素顔は見えないが、ショートの黒髪をナチュラルに流している。180cmを超える長身だが、腰が低く感じるのは、彼が礼儀正しいからだろう。
 その隣で、ユリア・ソル(ia9996)は太陽のように明るく微笑んで見せた。身長はニクスより10cm近く低いが、長身でスマート。鮮やかな青銀色の長髪と、宝石のような新緑色の瞳が印象的である。
「二度目の結婚式だけど、お世話になります♪」
 言いながら、ユリアは深々と頭を下げた。彼女達も結婚式は二度目だが、リズレット達と違い、偽の結婚式をしたワケではない。正式に結婚し、籍も入れている。
 だが、結婚式を挙げる回数は当人達の自由。依頼主もそれを承知で、ユリア達の参加を歓迎していた。
「ご要望通り、庭は飾り付けておきます。一時間程で終わりますので、その間にお召し替えを」
 会場となる庭の状態を説明し、教会の衣裳部屋へと促す。2人はそれに従い、スタッフに連れられて屋内に入って行った。
 それから約一時間後。雪が静かに降る中、2人の結婚式が始まった。
 日は完全に落ち、周囲は暗い闇の中に沈んでいる。教会の庭を明るく照らしているのは、無数のランプと蝋燭の炎。蝋燭には精油を垂らしてあり、周囲に甘い薔薇の香りが広がっていた。
 運の良い事に、夜空には星が輝いている。漆黒の闇に浮かぶ、純白の雪と明るい星々…それを照らすのは、揺らめく無数の炎。光と闇、白と黒が織りなす幻想的な光景は、滅多にお目に掛かれないだろう。
 薄っすらと淡雪を被ったバージンロードに、主役の2人が現れた。
 ニクスは、紺碧色の上質な生地で仕立てたスーツを着て登場。これは、ユリアが彼に贈った物である。職人技で丁寧に作られたスーツは、見事としか言い様がない。誠実さと気高さに溢れ、襟元には紺糸で百合の刺繍が施されている。
 ちなみに、サングラスは外していない。
 もう一人の主役、ユリアは、真紅のドレス姿。幾重ものトレーン…天儀語で言うところの『引き裾』が花びらのように広がり、まるで薔薇の花を纏っているかのようだ。頭部は淡い薔薇色のロングヴェールで覆い、全身を赤系の色で統一している。
 紺碧と真紅…対照的な配色だが、そのコントラストが互いを鮮やかに引き立てる。多分、ニクスとユリアも、そういう関係なのだろう。
「ああ…綺麗だ。ユリア」
 愛妻の姿に、溜息混じりの言葉を漏らすニクス。幻想的な光景の中でも、ユリアはそれに劣らず美しく咲き誇っている。彼が見惚れるのも、当然の事だろう。
「そんなに褒めても、何も出ないわよ?」
 嬉しそうに微笑みながら、ユリアが言葉を返す。視線を庭に向けると、そのまま会場全体を見渡した。
「二度目の結婚式も素敵ね♪ 空にも大地にも、星が輝いてる」
 ランプと蝋燭はユリアの指示で配置したが、その並びは星空に良く似ている。炎揺らめく『大地の星』に、夜空で輝く『夜空の星』…2種類の星も、新郎新婦を祝福しているようだ。
 とは言え…ニクスは会場の幻想的な場景よりも、隣に佇むユリアの姿に目を奪われていたりするが。
「ニクス? どうしたの?」
 サングラスの奥から自分を見詰める視線に気付いたのか、ユリアがニクスの顔を覗き込む。実際、彼女の美しさに見惚れていたのだが…そんな事は口が裂けても言えない。
「いや…何でもない。気にしないでくれ」」
 ニクスは誤魔化すように視線を逸らしながら、ユリアの体を抱き寄せた。これから式が始まり、雪の中のバージンロードを歩く事になる。彼女の体を冷やさないよう、寄り添って温めているのだ。
 突然の抱擁に、ユリアは頬を染めながらも嬉しそうに微笑んでいる。ゆっくりと、2人は寄り添ってバージンロードを歩き始めた。
 昼間同様、道の両脇には長椅子が並び、数人のスタッフが座っている。2人が歩く速度に合わせ、薔薇の花びらが散らされた。
 雪と薔薇が舞う中、2人はバージンロードの先の祭壇に到達。そこに居るべき神父の姿は、何故かドコにも無い。代わりに、祭壇には金製の鍵が2本置かれていた。
 これは、ソル家の鍵。ペンダント式で、首から下げる事が出来る。金は『不変の愛』の象徴。鍵を金製にしたのは、そういう意味が込められているのだろう。
 ユリアは薔薇の意匠が施された鍵を、ニクスは大地の意匠が施された鍵を、それぞれ手に取った。意匠は一部が外れる設計になっており、そこには小さな空間がある。
 スタッフが2本の儀礼剣を運んでくると、ニクス達は自身の頭髪を少量斬り、鍵の中に入れて封をした。準備を終えると、2人は視線を合わせて向き合う。
「いつも君を守れる様に」
 想いを口にし、ニクスは自身の鍵をユリアの首に掛けた。
「傍にいなくても愛しい人を守るように」
 今度は、ユリアからニクスに。互いの鍵を交換し、手を優しく握り合う。
「決して君を離さない」
「心はいつも、貴方と共に」
 2人が鍵に想いを込めるように発した言葉は、完全に重なって響いた。
 数秒の静寂。鍵の交換が終わり、静かに手を離す2人。ニクスは再び儀礼剣を持ち、胸の前で構えた。
「大地の如き礎となりて、富める時も、貧しき時も、共に想い、時に悩み、確かな愛と共に太陽を支え続ける事をここに誓う」
 愛する妻に向けた、特別な誓いの言葉。彼の苗字、『ソル』は、ジルベリアで2つの意味を持っている。1つは、『大地』。雄々しく広がり、命を支える様は、ニクスに似ている。
 誓いが終わると、儀礼剣はニクスからユリアに手渡された。
「太陽の光輝を戴き、幸せな時も、困難な時も、共に歩み、共に笑い、時に叱咤し、黎明の愛を持って大地を照らし続けることを誓います」
 ソルのもう1つの意味は、『太陽』。明るく情熱的なユリアを現すのに、最適の言葉だろう。太陽と大地…2つの意味を1つの音に乗せ、互いを現す言葉を姓にしたのだ。
 誓いの言葉が終わると、2人はそっと口付けを交わした。淡雪のように優しく、静かなキス…周囲のスタッフ達は拍手を送り、新郎新婦を祝福している。
 唇を離した2人は、互いの手を取って祭壇の奥側に移動。広い雪のステージで、軽やかに舞い踊った。ユリアの長髪に淡雪が積もり、髪飾りのように輝いている。
「式が終わるまで…手を繋いだままでいましょう? 片手が使えないのは大変かも知れないけれど、私達ならきっと大丈夫」
 踊りながら、耳元で呟くユリア。ニクスは軽く微笑み、一言だけ言葉を返した。
「愛しているよ、ユリア」