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■オープニング本文 紅葉も散り始め、冬の気配が色濃くなっていく毎日。きたるべき時に備え、人々は冬の準備を進めていた。 防寒のため、雨漏りや壁の隙間を修復。農民は収穫の終わった田畑を耕して平にし、大量の藁を土間に運び入れている。これは蓑や笠、わらじの材料になるし、加工しないで使っても保温効果が高い。 特に重要になるのは、薪と食糧の確保だろう。本格的な冬を前に、軒先に魚や野菜を吊るして干している家庭は多い。焚き木や野生動物を求め、男衆は山を歩き回っていた。 「チッ…今年は鳥も兎も鹿も居ねェなぁ」 自身が仕掛けた罠を確認しながら、初老の男性が不機嫌そうな表情を浮べた。野生動物を狩るため、前日から何個か罠を仕掛けていたが…その全てがハズレ。即席の罠にも変化は無く、獲物を狩れないまま時間だけが過ぎていた。 「でもさ、親父。キノコは豊富だろ? ほら、こんなに採れたし」 息子らしき青年が、嬉しそうに背負い籠の中身を見せる。今年は暑さが長く続いたが、気温が一気に下がって長雨になったのが良かったようだ。食用のキノコが、籠いっぱいに詰まっている。 「バカヤロゥ! んなモンは女子供にでも任せとけ! 天儀の男わなァ、昔っから大物狙いって相場が決まってンだよ!」 若干八つ当たり気味に男性が叫ぶ。天儀の頑固親父に、正論や理屈は通用しない。失敗続きでイライラしている今なら、尚更である。それが分かっているのか、青年は話を流すように『ハイハイ』と言葉を返した。 ズシン。 何の前触れもなく、重々しい音と共に振動が走る。反射的に、父子が音のした方向に視線を向けると…。 「あ……アヤカシ!?」 驚きのあまり、うわずった声を上げる青年。2人が目にしたのは、猪に似たアヤカシだった。しかも…1匹ではなく、3匹も。 2mを超える巨体に、異常なまでに成長した牙と筋肉。尻尾は鞭のそうに太く、角のような物まで生えている。 「おい、逃げるぞ!」 『待て、人間よ』 父親の叫びを遮るように、太く野太い声が響く。その重厚な迫力に、父子の動きが止まった。 『逃げても良いけど、ボクらはキミ達の村まで追いかけるよ?』 『それとも、今すぐ土に還るか? ククク……』 物騒な発言をしているのは、目の前に居るアヤカシ達。奴等の言葉が嘘や冗談じゃないのは、雰囲気で何となく分かる。これだけの巨体なら、人間を丸呑みにするのも難しくないだろう。 突然訪れた『命の危機』に、身を震わせる父子。息子は腰を抜かしたのか、地面に座って目に涙を浮かべている。 『お前達、死ぬのが怖いか?』 アヤカシの質問に、青年は何度も頷いた。父親は放心状態なのか、茫然としているが。 2人の反応を見て、アヤカシ達は軽く視線を合わせた。 『我等とて、無用な殺生は好まん。条件次第では、お前達を見逃してやっても良い』 「条件、だと……?」 声を絞り出し、父親がアヤカシに問い掛ける。彼の言葉に、3匹は大きく頷いた。 『土に還りたくないなら、村中の食糧を持って来い。それが嫌なら…お前達も村人も、全部喰ってやる』 『期限は、明日の夕刻。その時間まで、この場所に食糧を運んで貰いたい』 『一応言っとくけど…食糧を持ってこなかったり、逃げたりしたら、地の果てまで追い駆けるからね♪』 一方的に条件を伝え、木々の奥に消えるアヤカシ達。父子は暫くの間、茫然と虚空を眺めていた。 |
■参加者一覧
三笠 三四郎(ia0163)
20歳・男・サ
フィーナ・ウェンカー(ib0389)
20歳・女・魔
リィムナ・ピサレット(ib5201)
10歳・女・魔
ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905)
10歳・女・砲
笹倉 靖(ib6125)
23歳・男・巫
クロウ・カルガギラ(ib6817)
19歳・男・砂 |
■リプレイ本文 ● 紅や黄色に染まった木の葉は完全に散り、冬の準備が進む山々。気温も下がり、今にも雪がチラつきそうな雰囲気である。静けさを増した大自然の中、とある山は異様な程に静まり返っていた。 冬直前とは言え、鳥の鳴き声も聞こえず、動物の姿形も見えないのは珍しい。と言うか、不自然である。 異常の原因は分からないが…この山に『アヤカシのフリをしたケモノ』が3匹居る事が確認された。奴らは近くの村人に、村の食糧全てを運んでくるよう指示。『言う通りにしなければ村を襲う』と脅しているらしい。 村人達からの依頼で、6人の開拓者が現場に向かった。ご丁寧な事に、ケモノ達は食糧を受け渡す場所と時間を指定している。開拓者達はギルドが準備した食糧を運び、時間が来るのを待っていた。 「そろそろ時間ですね。皆さん、平和的かつ穏便にブチ殺す準備は出来ていますか?」 ニッコリ微笑みながら、物騒な言葉を口にするフィーナ・ウェンカー(ib0389)。黒いドレスに身を包み、腰まで届く青みがかった銀髪が特徴的だが…表情や物腰は柔らかく、過激発言をするような人物には見えない。『人は見かけによらない』とは、今のような状態を指すのだろう。 「あたいは準備OKだよっ! 猪狩り、がんばるぞー!」 フィーナの言葉に応え、ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905)は小さな拳をグッと握った。今回退治するケモノは、大きな猪が3匹。相手が何であれ、ルゥミは『人々を苦しめる存在』を狩る事に抵抗は無い。 闘志を燃やす2人を見ながら、笹倉 靖(ib6125)は不敵に笑ってみせた。 「やれやれ…心強いお嬢さん達だな。まぁ、俺も情けをかける気は無いがね」 言葉と共に、煙管の煙を吐き出す。一見すると若干ユルい態度に思えるが、ケモノを許せない気持ちは皆と同じ。赤い長髪から覗く紫眼には、闘志が静かに燃えている。 靖が再び煙管をふかした瞬間、周囲の空気が張り詰めた。遠くから近付いてくる、野獣独特の気配。重々しい足音と共に、地面が軽く揺れている。数秒もしないうちに、『それ』は現れた。 木々の間から覗く、2mを超える巨体。牙や筋肉は異常なほどに発達し、角まで生えている。こんな奇怪な猪が3匹も現れたら、一般人は驚く事しか出来ないだろう。 『お前達、あの村の者か? 食糧はどうした?』 周囲に響く、野太くて低い声。驚くほど流暢な話し方は、人間と大差ない。 ケモノに質問され、クロウ・カルガギラ(ib6817)は荷車を移動。覆いの布を外し、積まれた食糧を見せつけた。 「い…言われた通り持ってきたぞ。これで、村は見逃して貰えるんだろうな?」 怯えたフリをしながら荷物を差し出し、ケモノ達の注意を引くクロウ。相手に怪しまれないよう、彼は村人から服を借りて農民のような格好で来ていた。その変装と演技が功を奏したのか、ケモノ達は全く疑っていないようだ。 『約束を違える気は無い。今回は見逃してやるよ。今回は、な…ククク』 2匹目のケモノが、意味深な言葉と含み笑いを漏らす。開拓者達は問答無用で殴りたい気持ちを抑えながら、ケモノを囲むように静かに移動を始めた。 ケモノを倒す事自体は難しくないが、万が一にも逃がしては意味が無い。確実に倒すため、クロウが注意を引いている間に逃げ道を塞ごうとしているのだ。それに…調べたい事もある。 『ん〜? この食糧、本当に村中から集めたの? 何か少なくない?』 食糧を眺めていた3匹目のケモノが、疑問の声を上げた。ギルドが準備した量が少なかったのか、それともカマをかけているだけなのか分からないが、ここで疑われるのは避けたい。 「あのっ! こっちも準備が間に合わなくて…残りの貢物を今運んでくる最中ですなのだ〜!」 咄嗟に、ルゥミは『食糧が少ない理由』をデッチ上げて叫んだ。少々語尾が変になっているが、必死な様子は充分に伝わっている。彼女の言葉に納得したのか、ケモノは軽く頷いて尻尾を振った。 「1つ、質問しても良いですか?」 三笠 三四郎(ia0163)の一言は、仲間とケモノ達を驚かせるのに充分だった。彼は博学で知識豊富だが、時に急進的な判断を下す事がある。無謀とは違うが、今がその時なのだろう。 「この山を調査しましたが、獣の姿がありません。もしかして…貴方達が原因を作っているのではないですか?」 依頼を受けてから、三四郎は山の状況を調査していた。無論、仲間達の邪魔にならず、猪に見付からない範囲で。生物の気配や痕跡を探したが…一切発見出来なかった。山の状況から推測すると、ケモノが何らかの一因になっているのは確実だろう。 『何の事か分からんな。無駄な好奇心は身を滅ぼすぞ、人間』 『ボクらアヤカシの食糧になりたいなら、話は別だけどね〜♪』 三四郎の言葉を軽く流し、シラを切る猪達。『アヤカシ』を強調するように、3匹揃って殺気を一気に膨らませた。 アヤカシとケモノは、見た目だけでは判断できないくらい似ている。もし猪達がアヤカシだったら、危険性は段違い。最悪、村人にも危険が及ぶ可能性がある。念のため、開拓者の1人がアヤカシか否かを確認しようとしていた。 それを担当するのは、リィムナ・ピサレット(ib5201)。彼女は隠密性を高めるため、事前に山の土を衣服に塗り込み、木の枝や草を全身に張り付けている。 その状態で気配を完全に殺し、常にケモノの死角に移動。赤いレンズの片眼鏡を装着し、金具に嵌め込んだ宝珠に手を添えた。 これはリィムナが作製した、精霊力と瘴気の流れを測定する道具。レンズの内側に様々な数値が浮き上がり、必要な情報を表示している。 (瘴気反応、ゼロ…やっぱ、アヤカシじゃないね) 猪3匹を順に測定したが、瘴気の反応は全くない。ケモノなら話し合いで解決する事も出来るが…猪達は、既に村人達を脅迫している。危害を加える可能性があるし、退治するしかないだろう。 『お前達、用が済んだなら荷物を置いて帰れ。それと、食糧の輸送を急がせろ。分かったな?』 自分達の正体がバレている事も知らず、高圧的な態度を取る猪達。リィムナは奴らにバレないよう、仲間達に合図を送った。その意味は、『猪はアヤカシじゃない』。 「待てよ。本当に全部持っていくのか? 俺達、どうやって冬を越せば良いんだよ!」 敵を油断させるため、一般人を演じるクロウ。彼の叫びを聞き、ケモノの1匹が溜息をつくように大きく息を吐き出した。 『知るか。そんなに食糧が大事なら、我等から奪ってみるか? 脆弱な人間には到底無理だろうがな』 小馬鹿にするような口調に、歪んだ表情。明らかに、開拓者達を『単なる一般人』だと思っているようだ。その油断が、命取りになるとも知らずに。 「人間、か。間違っちゃいないが、一般人と志体持ちの区別くらい出来るようにしとけよ…!」 靖は煙管を扇に持ち替え、逆の手に精霊力を集中。それを小さな白い光弾に変え、3匹の脚を狙って撃ち放った。白光が宙に弧を描き、ケモノの脚部に命中。皮膚が裂かれ、傷跡から鮮血が零れた。 『お…お前達、開拓者だったのか!?』 「気付くのが遅過ぎましたね。逃げてもいいですが、私は地の果てまでも追いかけますよ?」 驚くケモノを尻目に、挑発的な言葉を口にするフィーナ。この発言は、猪達が村人を脅した時に言ったセリフである。彼女なりの意趣返しなのだろう。 フィーナは微笑みながら手をかざし、呪文を唱えた。周囲の精霊力が氷の刃となって具現化し、ケモノ目掛けて飛んでいく。狙いは、靖と同じで脚部。氷刃が敵の1匹に突き刺さり、激しい冷気が吹き荒れた。 追撃するように、クロウは服の下に隠していた短銃を発射。脚部を撃たれて敵が怯んだ隙に、一気に距離を詰めて曲刀を奔らせた。黒灰色の刀身がケモノの首を捉え、一太刀で斬り飛ばす。鮮血が舞い散り、クロウの黒髪を軽く濡らした。 「皆さん、手加減はお忘れなく。粉微塵にしたら、食用に出来ませんし」 「りょ〜かいっ! 毛皮も傷付けないようにしないとね!」 仲間達に注意を促し、三四郎は瞬間的に殺気を放った。ケモノ達の全身を打つ、抵抗できない程の威圧感。敵2匹の動きを抑えると、三四郎は練力を放出しながら全力で駆け出した。 元気に返事をしたルゥミは、自身の身長よりも大きな前装式リロード銃を構える。緊張感と集中力を限界まで高めると、練力が全身を活性化させ、溢れる練力が背中から白い翼の形となって吹き出した。 高速移動する三四郎の練力が渦と化し、溢れ出すルゥミの練力が雪の結晶の幻影を生み出す。渦巻く力が加速し、大地を駆ける流星の如く敵を斬り裂いた。ほぼ同時に、白い光を纏った銃撃が敵の頭部を撃ち砕く。2人の攻撃を喰らい、ケモノは力尽きて地に伏した。 三四郎もルゥミも全力で攻撃したように見えるが、手加減は忘れていない。2人が本気で戦っていたら、ケモノは跡形も無く消滅していただろう。 最後の1匹は戦意を失ったのか、脱兎の如く駆け出した。クロウと三四郎が突撃した事で、包囲網に僅かな隙が出来ている。そこを一気に駆け抜け、自分だけでも逃げるつもりなのだろう。 逃走するケモノを、開拓者達は誰1人追おうとしない。何故なら、その方向にはリィムナが身を潜めているからである。ケモノの進路を塞ぐように、巨大な影が躍り出た。 「貴様等か、我が眷属を騙る不届き者共は! そこの人間共と同様、俺が喰らってやるわ!」 大気を震わせる、獣の咆哮に似た重低音。姿を現したのは、10m級の猪型アヤカシ…猪王だった。装甲を纏い、全身から殺気と瘴気が溢れている。 何故こんな場所に上級アヤカシが居て、突然現れたのか…いくつかの疑問はあるが、ケモノにそんな事を考えている余裕は微塵も無かった。恐怖心が全身を縛り、身動き1つ取れなくなっている。 かと思った直後、上級アヤカシがひと睨みすると、ケモノは口から血の塊を吐き出した。そのまま体が崩れ、苦しむような悲鳴を上げて転げ回る。数秒もしないうちに、ケモノは命を失って力無く倒れた。 敵の最期を見届けると、上級アヤカシの体が蜃気楼のように歪んだ。その姿が徐々に薄くなって霧のように消えると、代わりにリィムナが出現。何事もなかったかのように、彼女は仲間に笑顔を向けた。 さっきの巨大なアヤカシは、リィムナが生み出した虚像。周囲の認識をズラし、自身の姿を全く違う存在に見せていたのだ。ケモノが吐血したのも、彼女が『音も形も無い攻撃』をしたからである。 ケモノを退治し、依頼を達成した開拓者達。だが…彼らには、まだ『やるべき事』が残っていた。 ● 「はてさて、野生動物が居ない原因は何かねぇ。自然が破壊でもされているのか、はたまた村人が何かしたのか…」 煙管片手に、周囲を見渡す靖。村人を脅していた存在は消えたが、野生動物が居なくなった原因は分かっていない。山の異常を調べるため、靖、三四郎、フィーナ、リィムナの4人は調査に来ていた。 「動物たちはどこへ消えたか…どうして消えたか。ケモノが現れたのも気になりますね」 疑問を口にしつつ、フィーナは動物の足跡や爪跡を探している。彼女の求める答えがどこにあるのか…それは誰にも分からない。だからと言って、何の対策もしないで見過ごすワケにはいかないのだろう。 「その点も含めて、もう一度調査してみましょう。ケモノが居なくなった事で、何か変化があったかもしれません」 事前調査をした三四郎なら、ケモノを倒す前後で変わった点があれば、気付く可能性が高い。それに、さっきは『猪の目が届かない場所』しか調べられなかったが、未調査箇所に何かがあるかもしれない。 早速、4人は調査を始めた。草や茂みを掻き分け、地面や木の幹を注意深く調べ、水場で動物の影を探す。そうやって数時間歩き続けたが、新しい発見は無かった。リィムナはアヤカシの関与を懸念し、瘴気の反応も探っていたが…こちらも、結果は同じである。 「瘴気の反応は無いし、アヤカシの仕業じゃないね〜。何か、他に原因……」 状況を説明していたリィムナの言葉が、不自然に途切れる。不審に思った仲間達が声を掛けようとした瞬間、小さな影が視界の隅を走り去った。 その影を追い、視線を動かす開拓者達。4人の瞳に映ったのは、木々の間を駆け抜ける野兎の姿だった。 野兎だけではない。タヌキやキツネも居るし、遠くからハトやスズメの鳴き声も響いている。 「もしかしたら…あのケモノから逃げていたのかもしれませんね。完膚なきまでにブチ殺して正解でした」 フィーナの仮説が正しいかは分からないが、山に動物が戻って来たのは事実。これで、村人達も無事に冬を越せるだろう。 ● 開拓者達が山の調査をしていた頃、ルゥミとクロウは依頼主の居る村に来ていた。ケモノを倒した報告もあるが、一番の目的は食糧の提供。ギルドで用意した物資に加え、ケモノ肉が3頭分ある。 村人達は慣れた手付きで猪を解体し、肉や骨に分解していく。並行して、村の広場にカマドを設置。火を起こして猪鍋の準備も進めている。 「猪は、肉も骨も内臓も利用出来るよ♪ 毛皮は高く売れるし、ちゃんと『なめして』おかなきゃね♪」 解体しただけの毛皮だと、匂いもキツいし確実に腐敗してしまう。それを防ぐための加工を施し、毛皮を商品にする一連の作業を『なめす』と呼ぶらしい。手間と時間がかかるため、ルゥミも作業を手伝っている。 「こんだけの肉があれば、越冬食糧の足しになるだろ。鍋の分は残しといて、燻製とか乾物にしようぜ」 無事に解体が終わり、肉の加工に取りかかるクロウ達。正確な量は分からないが、これだけの肉があれば冬を越せるだろう。村人全員で分けても不足はしない。 各作業は順調に進み、猪鍋の匂いが漂う頃には一区切りついていた。誰もが手を休め、鍋の周りに集まっている。 「いい匂い〜♪ おかしなケモノだったけど、お肉は上質みたいだねぇ♪」 タイミング良く、調査に行ったリィムナ達も合流した。が…村に来たのは、彼女と靖の2人だけ。三四郎とフィーナの姿は見当たらない。 「お、調査お疲れさん。三四郎さんとフィーナさんは?」 「先に戻ってギルドに報告するってさ。俺達は牡丹鍋食ってから帰ろうぜ」 クロウの質問に、靖が笑顔で言葉を返す。その後、ケモノが居なくなった祝いに、村人と開拓者で宴会が開かれた。 |