お祭り騒ぎと鉄砲水
マスター名:香月丈流
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 4人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2014/11/29 01:43



■オープニング本文

 朱藩の首都、安州に広がる、威勢の良い掛け声と魚の匂い。例年より一ヶ月遅いが、この町では『海産祭』が行われていた。
 漁師達は魚介類を露店に並べ、声を張り上げて客の注意を引いている。旬のサンマやサバだけではなく、ズワイガニや牡蠣まで種類は様々。店も売り物も数が多く、目移りしそうだ。
 取り扱っているのは、鮮魚だけではない。海苔やスルメのような乾物も多く、中には高級食材の『干しアワビ』まで並んでいる。
 朱藩の海産物は豊富なだけでなく、品質も最高級。買い付けに来た旅泰が、大荷物を運ぶ姿も毎年恒例である。
「やれやれ…今年の海産祭も、大盛り上がりですね」
 祭りの熱狂ぶりを眺めながら、克騎は苦笑いを浮かべた。彼も海産祭に参加しようと思ったのだが……人の多さと熱気に負けたのか、早々に退散。近くの茶屋に入り、1人寂しくケーキを食べていた。ちなみに、カットではなくホールごと。
 何気なく視線を泳がせていると、露店に並んだ鉄砲魚の姿が目に留まった。一応食用にも出来るが、売り出されているのは珍しい。恐らく、客寄せ目的で置いているのだろう。水槽に入れて餌となる昆虫を近付け、水鉄砲を撃たせている。
「見て見て! あの魚、水吹いてるよ!」
 狙い通り、物珍しい光景に興味を示す子供達。鉄砲魚を置いている店に、大勢の人が集まり始めていた。
 水鉄砲に合わせて、空からポツポツと水の雫が滴る。と、思ったのも束の間。大量の水が祭会場に降り注ぎ、周囲を派手に濡らした。
 あまりんも突然の事に、祭り会場の雰囲気は一転。驚愕と混乱が入り混じり、鳴き声が響いている。水の衝撃で魚が流れ、転倒した人は数えきれない。唯一の救いは、怪我人が居ない事だろう。
「ちょっ…! 何だあれ!!」
 驚きの声を上げ、青年が波打ち際を指差した。人々が視線を向けた先で目撃したのは……何とも奇怪な魚。細長い体で、全長は3mくらい。鱗は鉄のような色で、口の部分が槍先のように鋭く尖っている。
 どう見ても、自然界の生物ではない。だとすればアヤカシの可能性が高いが…疑問が1つ。『波打ち際で何をしているのか?』。その答えは、すぐに解った。
 一般人が注目する中、アヤカシ魚の口…槍先に似た部分から水が溢れ出し、水鉄砲のように撃ち出される。強烈な水圧で建物が崩れ落ち、再び大量の水が降り注いだ。
 アヤカシの狙いは、海産祭りそのもの。人が集まっている所を狙えば、『餌』を一気に得られる。水鉄砲で人々を狙わないのは、恐怖の感情を煽るためだろう。
「この威力…鉄砲と言うより魔槍砲ですね」
 周囲の状況とアヤカシの動きを観察しながら、1人呟く克騎。細い体型は銃に見えなくもないし、穂先のような口は魔槍砲の特徴に似ているが、今はそんな事を言ってる場合ではない。開拓者を呼ぶため、彼はギルドへと急いだ。


■参加者一覧
リィムナ・ピサレット(ib5201
10歳・女・魔
ファムニス・ピサレット(ib5896
10歳・女・巫
ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905
10歳・女・砲
サライ・バトゥール(ic1447
12歳・男・シ


■リプレイ本文


 大勢の一般人で盛り上がっている、朱藩の海産祭。その活気と熱気が、ほんの一瞬で恐怖と混乱に塗り替えられるなど、誰が想像しただろうか。
 数分前…会場から数百メートル離れた浜辺に、巨大な魚が現れた。サンマのような体型で、全長3m近い巨大な魚が。しかも、口の部分が槍先のように鋭く尖っている。
 この見るからに怪しい魚が、鉄砲魚のように海水を発射。圧倒的な奔流が押し寄せ、町を一瞬で水浸しにした。あまりにも突然の事に、祭り客も住民達も大混乱。被害から逃れるように、誰もが町から逃げ出していた。
 そんな危機的状況でも、叫びまどう人々の中をかきわけ、人波を逆走する者達が居る。たまたま、町の近くに来ていた開拓者である。
 彼らは騒ぎを聞き付け、祭り会場に急行。その途中で、現場に居たギルド職員…克騎から事件の話を聞き、人々を守るために立ち上がったのだ。開拓者達は町を一気に駆け抜け、浜辺へと到達。近くの木の陰に身を隠し、相手の様子を覗き見た。
 怪魚は数分置きに、町に向かって水鉄砲を撃っている。住人を狙うワケでもなく、町の破壊が目的でもない攻撃。弱者をいたぶるような、残忍な手口。こんな事をするのは、アヤカシしかいないだろう。
「へぇ…結構かっこいい魚だね。アヤカシじゃなければ飼いたかったな♪」
 余裕の表れなのか、不敵に微笑むリィムナ・ピサレット(ib5201)。相手は自身の3倍近い大きさだが、全く気にしていないようだ。それだけ、自分の強さに自信があるのだろう。
 リィムナの言葉に、ルゥミ・ケイユカイネン(ib5905)は苦笑いを浮かべた。
「本気なの? 逆に食べられたり…しない?」
 犬や猫と違い、目の前の魚は大きい。小柄なリィムナやルゥミなら、丸呑みにされそうである。仮にそうなっても、開拓者なら自力で脱出しそうだが。
「これ以上、街を荒らさせる訳にはいきません! 皆さん、準備は良いですか?」
 緑の瞳に闘志を燃やし、熱い言葉を口にするサライ(ic1447)。兎の獣人という事もあり、外見は若干頼りなく見えるが、彼は『他者を虐げる者』に容赦をしない。普段は表に出さないが、理不尽に抗う強さを内に秘めている。
 その事を知っているのか、仲間の開拓者が静かに頷く。全員でアヤカシに突撃しようとした瞬間、敵の瞳がこちらを向いたような気がした。
「みんな、逃げてー!」
 本能的に危険を感じ取ったのか、ルゥミが叫ぶ。ほぼ同時に、怪魚の尖った口先に水の塊が出現。そこから、細い幾筋もの水鉄砲が放たれた。無論、狙いは開拓者達である。
 ルゥミの声に反応し、全員がバラバラの方向に跳び退く。着地と同時に、数秒前まで居た場所に水撃が殺到。地表に無数の穴が穿たれた。
「この位置まで攻撃が届くなんて…早く倒さないと!」
 攻撃跡を眺めながら、ファムニス・ピサレット(ib5896)が決意を固めている。水撃は成人女性の指くらい細く、威力も大して強くないが、数と射程は厄介。もしアヤカシが本気で町を攻撃したら…壊滅は免れないだろう。
「まずは接近しなきゃ、だね。ジグザグ走行なら、狙いを絞れないハズ!」
 言うが早いか、リィムナは砂浜を疾走。彼女を追うように、他の3人も地面を蹴って駆け出した。迎撃するように、アヤカシが水鉄砲を撃ち放つ。敵までの距離は、約100m。開拓者の攻撃は射程圏外のため、回避に専念するしかない。
 不幸中の幸いとも言うべきか、今回の参加者は全員が小柄。一番身長の高いサライでも、140cmに満たない。『小さな動く的』に当てるのは、アヤカシでも難しいようだ。
 何より、全員が分かれて行動し、ジグザグに走っているのが功を奏している。狙いが分散し、軌道が読み易くなっているのだ。水撃は命中せず、砂浜に穴を開けている。
 このまま一気に間合いを詰めたいが、そう簡単にはいかない。砂浜は若干走り難い上、真っ直ぐ走れないため移動距離が増えている。今は巧く回避しているが、この状態がいつまでも続くとは限らない。
 そして…世の中、悪い予感ほど当たるものである。何の前触れも無く、浜辺全体に降り注いでいた水撃が止んだ。
 予想外の静寂に、視線をアヤカシに向ける開拓者達。4人の双眸に映ったのは、怪魚が水撃を撃ち出す瞬間だった。今までのような『広い範囲を狙った砲撃』ではなく、一ヶ所への集中砲火。恐らく、アヤカシは攻撃を1人に集中し、確実に攻撃を当てるつもりなのだろう。
 運悪く標的となったのは、ファムニス。無数の水鉄砲が宙を奔り、色んな角度から迫っている。咄嗟に、彼女は盾を構えて防御を固めた。
 次の瞬間、サライは砂浜を蹴って跳び、体ごとファムニスにぶつかった。衝撃で2人の体は横に大きく吹っ飛び、重なり合って砂浜を転がっていく。
 標的を失った水撃は、そのまま何もない空間に命中。砂が連続で舞い上がり、周囲に飛び散った。これだけの攻撃を受けたら、防御を固めても重傷を負っていただろう。サライは本能的にそれに気付いたのか、ファムニスを守るために突き飛ばしたのだ。
「大丈夫ですか? 怪我は?」
 攻撃も回転も収まり、サライが声を掛ける。さっきは無我夢中で飛び掛かったが…結果的に、彼はファムニスに覆い被さっていた。しかも、顔が物凄く近い。
 自分達の状態に気付き、2人の顔が一瞬で赤く染まった。サライが慌てて飛び起き、彼女から離れると、ファムニスもゆっくりと体を起こした。
「だ…大丈夫、です。ありがとうございました」
 多少のスリ傷はあるものの、ファムニスに目立った外傷は無い。その変わり、心臓の鼓動が今までにないくらい早くなっている。それは、サライも同じだったりするが。
「防水はカンペキ! 『本当の砲撃』ってのがどんなものか教えてあげるよ!」
 ルゥミの元気な叫びと共に、浜辺に雪が降り始めた。天気は晴れているし、気温は低くないが…確かに、純白の雪が舞い散っている。
 この不思議な現象は、ルゥミのスキルの副作用。膨大な練力を一気に解放する事で、身体能力が極限まで高まっている。溢れる練力は白い輝きを放ち、背面から翼の形に吹き出して『雪の結晶の幻影』を生み出していた。
 その状態で、ルゥミは自身の魔槍砲に練力を送り込む。宝珠に限界ギリギリまで力を込め、体勢を低くして兵装を構えた。自身の倍近い魔槍砲を巧みに扱い、狙いを定める。
 彼女が引金を引いた瞬間、敵の尖った口がヘシ折れた。次いで、衝撃波が発生して発砲音が周囲に響き渡る。音よりも早い、超高速の銃撃…それがアヤカシを射抜いたのだ。
 体の一部を失い、怪魚の傷口から瘴気が漏れ出している。それを眺め、ルゥミは立ち上がって小さな胸を張った。
「あたいの前で魔槍砲魚を名乗るなんて、ひゃくねん早いよ!」
 自身満々の表情で、アヤカシに向かって叫ぶ。細長い体に、槍先のように尖った口…怪魚の外見は、どことなく魔槍砲に似ている。魔槍砲の使い手であるルゥミとしては、密かに対抗意識を燃やしていたのだろう。
 ちなみに。『魔槍砲魚』というのは克騎が勝手に呼んだ名前であり、誰も名乗っていなかったりする。
 ルゥミの銃撃で傷を負ったアヤカシは、怒りを表すように尾ヒレや胸ビレを動かした。激しい動きに呼応するように水が生み出されたが、撃ち出される事なく砂浜に落下。開拓者の目の前で、少量の水飛沫と砂粒が舞い上がった。
 どうやら…体の一部を失った事で、水のコントロールが出来なくなったらしい。再び水を生み出したが、水鉄砲や塊にならないで飛び散っている。敵が攻撃手段を失ったなら、反撃のチャンスは今しかない。
 ファムニスは心を落ち着かせ、リィムナに視線を向けた。静かに、穏やかな舞で精霊力を活性化させ、リィムナの知覚力を増幅させていく。
「姉さん、あとはお願い! 中級アヤカシ程度なら、一撃で倒してお釣がくるでしょ?」
「任せといてよ! 破ぁあああっ!」
 妹の応援に応えるように、リィムナは片手で印を結んで気勢を上げた。激しい闘志が精霊を呼び寄せ、彼女の体に宿って身体能力を強化。精霊の力を得たリィムナは、鬼神のような迫力を放っている。
「あたしの式は凶暴なんだからね! 魚の1匹や2匹、喰い尽くしちゃうんだから!」
 叫ぶだけで、空気が震える。リィムナは呪本を取り出すと、練力を込めて式を呼び出した。高位に位置する、怨霊系の式…声も姿も無いが、威圧感だけはハッキリと分かる。
 それは、アヤカシも同じようだ。リィムナの式に気圧されて戦力差を実感したのか、徐々に後退している。敵の逃亡を阻止するため、サライは自身の『影』を伸ばした。
「暫く大人しくしていて下さいっ!」
 影がアヤカシの尾ヒレを掴み、瞬く間に全身に広がっていく。平面的な影が怪魚を大地に縛り付け、その動きを鈍らせた。
 サライのサポートに合わせ、リィムナが手を振り上げる。式を分解して『呪いの力』に再構成すると、アヤカシに向けて開放した。
 目に見えず、耳に聞こえず、静かに忍び寄る破壊の波動。怪魚は動物的直感で攻撃を察知したのか、全身の鱗に水の膜を纏った。攻撃は出来なくても、防御を固める事は可能なようだが…。
「そんな薄い膜で、魔の森で強化された鵺さえ一撃で葬るあたしの攻撃が防げると思ってるの!?」
 鬼神の如き戦闘能力を誇るリィムナの前では、焼石に水。和紙で銃撃に対抗しているようなモノである。リィムナの一撃で水の膜は簡単に弾け散り、破壊的な呪力が全身を駆け巡っていく。
 内側から体を破壊され、傷口や目から瘴気が吹き出す。もし怪魚が言葉を話せたら、間違い無く断末魔の悲鳴を上げていただろう。逃げる事も叫ぶ事も出来ず、全身を破壊されていくアヤカシ。数秒もしないうちに、その姿が瘴気と化して飛び散った。
「大アヤカシでもないのに、あたしの前に単体で現れるとは運が無かったね♪」
 アヤカシの消滅を確認し、にこやかに微笑むリィムナ。瘴気が空気に溶けるように消えていくと、一般人の居ない砂浜は静けさを取り戻した。


 魔槍砲魚を倒してから数時間後。開拓者4人は、町の住人と共に復旧作業に当たっていた。崩れた建物は数件あったが、その全てが廃墟や倉庫。住人が生活している家屋は、運良く無傷で済んだ。
 倒壊した建物の残骸は開拓者が撤去し、住人達は町中の水を掻き出す。流された物は全て回収し、持ち主に返された。
 中には祭りの売り物が含まれているが…商品価値を失った物も少なくない。それらは全て調理場に運ばれ、食べられる部分だけを加工。刺身や鍋を作り、無料で全員に振る舞われた。
 復旧自体はスムーズに進み、2時間程度で全ての作業が完了。被害が少なかった事もあり、海産祭が再開された。アヤカシが現れる前と変わらない、平和と活気…見物客も増え、楽しい時間が流れている。
「修復、終わりましたね。良かったら…一緒に海鮮丼でも食べに行きませんか?」
 依頼も完全に終わり、サライはファムニスに声を掛けた。いわゆる、デートの誘いというヤツである。突然のお誘いに、ファムニスは困ったような表情を浮べた。
 彼女は今まで、同年代の男の子と親しく接したことが無い。10歳という若さなら当然だが…どう答えれば良いのか分からず、戸惑っているようだ。
 とは言え、誘われたのは嫌ではない。それに、サライの事も。
「え、えっとぉ…私で…いいんですか?」
 困惑しながらも、小声で問い質すファムニス。サライは彼女に満面の笑みを返すと、2人は並んで歩き始めた。
「お祭り、お祭り〜♪ お土産、何が良いかなぁ?」
 ルゥミは鼻歌混じりに、露店の商品を眺めている。海産祭は収穫を祝う祭りだが、小物を扱っている店も若干ある。中でも、貝殻や真珠を使った装飾品は、女性に人気が高いようだ。
 食べ物にするか、小物にするか、他の物にするか、お土産選びに迷うルゥミ。周囲をキョロキョロと見回していると、見知った男女が屋台に居るのを発見した。ルゥミは不敵な笑みを浮かべ、コッソリと屋台に近付いていく。
「僕はずっと、きみと仲良くなりたいと思っていたんだ。友達になってくれる?」
「な、仲良くですか…」
 海鮮丼を提供している屋台に座ったサライは、隣に座るファムニスを見詰めながら甘い言葉を呟いている。依頼が始まってから、彼の視界には常にファムニスが居た。意図したワケではなく、無意識のうちに。
 サライに見詰められ、ファムニスは反射的に目を逸らした。男の子と2人で食事に来たのは初めてだし、言葉も視線も恥ずかしい。自分でも顔が熱くなるのを感じ、赤面しているのが分かった。
「嫌かい?」
 視線を逸らされ、サライが残念そうに呟く。その言葉を聞いた瞬間、ファムニスは彼の顔を正面から見詰め返した。
「そんな事ないです! 私も、お友達になりたいです…」
 目を合わせながら、自身の気持ちを語るファムニス。その声は徐々に小さくなり、語尾は聞き取れないくらいの小声になった。
「ふふ、ファムニスさんは可愛いですね♪ ファムって…呼んでいいかな?」
 ファムニスの可愛らしい仕草に、思わずサライから笑顔が零れる。そっと手を伸ばし、彼女の頭を優しく撫でた。
 少しだけ驚きながらも、撫でられて嬉しそうに微笑むファムニス。この2人の周囲だけ、空気が甘くなっているようだ。あまりに甘々っぷりに、海鮮丼を運んで来た店員が苦笑いを浮かべている。
「サライちゃんとファムニスちゃん、いい雰囲気! あたいも早く帰って、大ちゃんとラブラブしよっかなぁ〜♪」
 2人の様子を覗き見しながら、ルゥミは『大好きな人』の事を思い浮かべていた。『大ちゃん』というのは、その人の愛称。今頃、家でルゥミの帰りを待っていることだろう。
 そう思ったら、居ても立っても居られない。ルゥミはお土産を買い、自宅に向かって駆け出した。
 ほぼ同時刻。リィムナは依頼終了の報告をするため、ギルドに向かっていた。その道中、茶屋に並んだケーキが目に留まる。
(克騎さん…何で1人でケーキ食べてたんだろ?)
 今回の依頼は、事件現地で職員から直接頼まれた。あの時は時間が無くて詳しい話を聞けなかったが、大の大人が1人でケーキを食べているのは、寂しい事この上ない。リィムナは不敵な笑みを浮かべ、ギルドへと急いだ。
 数十分後…リィムナは克騎を引き連れ、茶屋で仲良くケーキを食べていた。当然、彼のオゴリで。