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■オープニング本文 ● 全ての始まりは、朱藩のギルド宛てに届いた1通の封書だった。 表書きは住所のみで、宛名は無い。裏面には住所すら無記入で、手紙を出したであろう日付しか書いていない。 しかも、その日付は一週間前。どう考えても、不審な郵送物である。 怪しい点は多いが…わざわざギルドに手紙を出した、というのは気になるトコロ。細心の注意を払いつつ、ギルド職員は手紙の封を開けた。 中に入っていたのは、丁寧に折られた書簡が1通。そこに書かれていたのは、依頼の申し込みだった。 『自分を殺して欲しい』という内容の…。 ● 依頼人の名前は、勇雪(ゆうき)。外見や性別は分からないが…数年前、アヤカシに村を襲われ、自分だけが生き残ったらしい。 以来、勇雪はアヤカシに復讐する事だけを考えて生きてきた。アヤカシに対する怒り、全てを失った絶望と孤独…様々な『負の感情』を、手紙で吐き出していた。 そして…たった1人で抱え込んでいた感情は、最悪の形で爆発する。復讐に身を焦がした勇雪は、とんでもない決意を固めた。 『自分もアヤカシになって、全てのアヤカシを滅ぼす』と。 冷静に考えれば、そんな事が出来るワケがない。だが…『復讐』という感情は、人を間違った道へと導いてしまう。勇雪も、例外ではなかったようだ。 しかし…悲しき復讐者には、僅かな良心が残っていた。万が一に備え、自分が正気を失った時のための対策が。 『自分が正気を保っていたら、手紙が届く前に郵送の取り消しを行う。もしギルドに手紙が届いたなら、自分を始末して欲しい』。手紙には、そう書いてあった。 直接ギルドに来なかったのは、話をしたら止められるのが分かっていたからだろう。依頼料を払うため、自宅の住所とヘソクリの隠し場所も明記されている。 最後に書いてあったのは…謝罪の言葉と、勇雪の村の位置。奇しくもその場所は、アヤカシの目撃が増えている場所だった。 恐らく…『勇雪』という人間は、もうこの世に居ない。勇雪のために出来る事は…最後の願いを叶える事だけ、だろう。 |
■参加者一覧
緋桜丸(ia0026)
25歳・男・砂
九竜・鋼介(ia2192)
25歳・男・サ
叢雲・暁(ia5363)
16歳・女・シ
アグネス・ユーリ(ib0058)
23歳・女・吟
明王院 浄炎(ib0347)
45歳・男・泰
朱華(ib1944)
19歳・男・志
葵 左門(ib9682)
24歳・男・泰
サライ・バトゥール(ic1447)
12歳・男・シ |
■リプレイ本文 ● 理穴南東部の山奥。数年前から廃墟と化している村を中心に、周囲には小雪が舞い散っていた。日差しは強く、気温が高いのに…である。 加えて、近隣ではアヤカシの目撃情報も寄せられている。雪とアヤカシ…関係があるとみて、間違いないだろう。 「随分と、季節外れだな…これが敵の能力ってことか…」 薄っすらと積もった雪を眺めながら、朱華(ib1944)が呟くように言葉を漏らす。金色の視線が見詰める先は、廃墟の村。無意識のうちに、朱華は拳を固く握っていた。 彼らがこの地を訪れたのは、異常気象の調査が理由ではない。『開拓者』として来た8人の行動目的、それは…。 「『自分を抹殺しろ』とは…何とも言いようの無い依頼だな」 溜息混じりに言葉を吐く、緋桜丸(ia0026)。普段は飄々としているが、今は違う。金色の瞳に、深い悲しみが宿っている。 今回の依頼は、手紙で受理された。依頼人の名は、勇雪(ゆうき)。性別も容姿も年齢も分からないが、数年前に村がアヤカシに襲われ、自分だけが生き残ったらしい。 その時の復讐をするため、勇雪は『アヤカシになって、全てのアヤカシを滅ぼす』という手段を選んだ。そして…アヤカシと化した自分が一般人を襲う前に、開拓者の手で始末される事を選んだのだ。 「こんな依頼を出す良心が残っていたのなら、他の道を選ぶ事も出来ただろうにねぇ…」 九竜・鋼介(ia2192)は開拓者として、様々な事件と人を見てきた。その中には、アヤカシを倒すために生死の狭間をさまよい、後天的に志体を手に入れた者も居る。 『復讐』という行為に良し悪しは無いが…『違う方法があったのではないか』。そう思わずにはいられない。 「ククッ……ヒトが鬼に堕ちるか。げに面白きは現世…いや、『人間の憎悪』とでも言うべきだろうな」 葵 左門(ib9682)が、静かに笑う。そこに他意は無く、悪意も同情もない。ただ…本心を隠すように斜に構え、状況を冷静に分析している。 彼の言葉に反応し、サライ(ic1447)は歩みを止めた。 「でも…勇雪さんは、まだ犠牲者を出していません。『別の悲劇』を生まないために、頑張ってるんだと思います」 声量は若干小さいが、ハッキリとした力強い言葉。大人しい性格のサライが、ここまで自己主張をするのは珍しいかもしれない。 明王院 浄炎(ib0347)は彼の肩を軽く叩き、静かに頷いてみせた。 「もしかしたら…己が依頼に一縷の希望を繋ぎ、最後の一線を越えんと耐え忍んでいるのやもしれぬな」 浄炎の予測が当たっているか分からないが、為すべき事は1つ。アヤカシと化した者は、元に戻る事は出来ない。だから…勇雪の想いを無駄にしないためにも、勇雪を倒す。それしかない。 強い日差しと雪が降り注ぐ中を、静かに歩く開拓者達。数分後、壊れた柵に囲まれた場所に行き着いた。恐らく、ここが村の跡なのだろう。建造物の大部分が壊れ、完全な廃墟と化している。 寂しい風景の中に、『それ』は居た。 距離は30m前後。氷のように透明な体表に、筋肉質な体躯の鬼が、うずくまって頭を抱えていた。 「こんにちわ〜〜! 勇雪さんですか〜〜? 僕達、ギルドから派遣された開拓者です!」 周囲に響く、元気な声。叢雲・暁(ia5363)の呼び掛けに応えるように、異形は開拓者の方を振り向いた。 血のように赤い双眸に、2本の角…この鬼のようなモノが勇雪かは分からないが、アヤカシなのは間違いない。 「アンタが…ギルドに手紙を出した『人』か?」 目の前の存在は明らかに人ではないが、勇雪の意志を尊重し、静かに語り掛ける朱華。無論、アヤカシからの返事は無い。 代わりに…敵意と殺意を吹き出しながら、ゆっくりと立ち上がった。その全長は、3m近くありそうだ。 「勇雪さん…貴方はもう、充分すぎる程苦しみました。どうか安らかに眠ってください…」 朱華に続き、サライも声を掛ける。無駄かもしれないが…勇雪の『心』に語り掛けるように、優しく、穏やかな声で。 だが…僅かな希望を打ち砕くように、鬼の殺意は静まらない。それどころか、猛獣のような唸り声を上げている。 「依頼内容に従い、求められた願いを果たします。ご覚悟を…!」 勇雪に対して礼儀を示すように、言葉と共に一礼する暁。赤い両眼に闘志を込め、兵装を素早く構えた。 「勇雪…お前の願い、確かに聞き届けた! 全身全霊を持って必ず叶えてやる!」 咆哮にも似た、鋼介の叫び。勇雪に対して誓いを立て、霊刀を抜き放った。切先が降雪を斬り裂き、冷たい輝きが周囲に舞い散る。 「ハハハッ、感動的な光景だねぇ。徒労に終わるかもしれんが、結構な事だ」 若干の皮肉を込め、不敵に笑う左門。憎まれ口を叩いているが、仲間達の呼び掛けに勇雪が反応する事を期待し、一撃を打ち込む隙を窺っていたりする。 開拓者達の期待も虚しく、アヤカシは両腕を広げて拳を握った。誰の目から見ても、戦闘態勢なのは明らかである。 アグネス・ユーリ(ib0058)は残念そうに目を伏せ、竪琴を強く握った。 「もう戻れないなら…苦しい時間は、出来るだけ短くしないとね…」 しなやかな指が弦を弾き、ゆったりとした楽曲が周囲に響く。それが大気中の精霊を揺り起こし、仲間達の抵抗力を一気に高めた。 アグネスの援護を受け、仲間達7人が雪を蹴って駆け出す。 ほぼ同時に、アヤカシを中心に吹雪が発生。7人を一瞬で飲み込み、全身にまとわりついていく。本来なら動きを鈍らせる効果があるが、アグネスのサポートで抵抗力が増しているため実害は無い。 次の瞬間。猛々しい虎のような咆哮が周囲に響き、吹雪が消え去った。 (この一撃こそ、俺の言葉。勇雪殿よ…主が願い、叶えに参った) アヤカシの脇腹に打ち込まれた、棍の一撃。それは、浄炎の『言葉無き言葉』。練力を放出して吹雪の中を一瞬で移動し、兵装に白い気を纏わせて叩き込んだのだ。 「境遇がどうであれ、手心を加える気はない。全力でお相手いたす。それが…あんたの生きた証だろ?」 雪景色の中、緋桜丸の闘志が氷をも溶かすような勢いで滾る。荒ぶる感情を抑えながら足を止め、魔槍砲を構えて撃ち放った。弾丸が一瞬でアヤカシに届き、衝撃で体勢が崩れる。 その隙を狙い、暁は身の丈ほどもある雷槌をブン投げた。彼女の手を離れた兵装が、雷のように宙を奔る。鉄槌が浄炎の隣を通過し、アヤカシの腰に命中。鈍い金属音と共に火花が散り、兵装は暁の手元へ戻っていった。 間髪入れず、鋼介と左門が左右から距離を詰める。入れ違うように浄炎が後方に跳び退くと、鋼介は敵の顔面目掛けて焙烙玉を投擲。衝撃と爆風が瞬間的に広がり、敵の視界を遮った。 左門は高速で敵の死角に回り込み、脚を狙って泰剣を振り下ろす。銀色の剣閃がアヤカシの左膝を捉え、深々と斬り裂いた。 追撃するように、膝目掛けて棒手裏剣が突き刺さる。サライが走りながら更に兵装を投げると、1本目と同じ個所に2本の棒手裏剣が命中。傷口から、瘴気が漏れ出した。 「俺は、開拓者…だからな。アヤカシを、アンタを倒すのが…俺のすべき事、だ」 自分に言い聞かせるように呟きながら、朱華は逆刃の刃を返す。刀身に精霊力を集め、白い気を纏わせた。 勇雪がアヤカシに堕ちても復讐したい気持ち…朱華には何となく理解出来る。大切な者を失った後悔と…相手を憎まないと壊れそうになる理性。他人にとって、復讐は馬鹿な行為に見えるだろう。 それでも…朱華は勇雪を否定する気は無い。深い悲しみを刃に乗せ、全力で薙ぎ払った。兵装がアヤカシを斬り裂き、気が瘴気を浄化していく。 息も吐かせぬ、開拓者達の連携攻撃。全身に様々な手傷を負ったアヤカシは、怒りの声を上げながら両拳を振り回した。 反射的に、後方に跳び退く7人。拳の速度は速いが、アヤカシは開拓者達を狙っていない。荒れ狂うアヤカシを眺めながら、鋼介は軽く苦笑いを浮かべた。 「駄洒落の1つも聞かせてやりたいが…そんな余裕は無さそうだな!」 「そいつは良い。これ以上寒くさるのはゴメンだからな」 不敵な笑みを浮かべながら、魔槍砲を構える緋桜丸。2人は視線を合わせて軽く頷くと、タイミングを合わせてアヤカシに突撃した。 鋭い拳圧が緋桜丸の頬に赤い線を描き、鋼介の黒髪を数本散らす。それでも巧みな体捌きで攻撃を避け、アヤカシの懐に潜り込んだ。 接近した鋼介に狙いを定め、敵が拳撃を繰り出す。鋼介は右手の霊刀でそれを弾き飛ばし、左手の太刀を突き出した。切先がアヤカシの胸に突き刺さり、傷口から瘴気が吹き出す。 更に、左手を離して両手で霊刀を握り、本命の一撃を奔らせた。練力と斬撃の速度が刀身の残像を生み出し、複数の刃がアヤカシの胸に傷を刻み込む。 次の瞬間、緋桜丸の瞳が真紅に輝いた。敵の防御体勢が整うより早く銃口を突き付け、密着状態からの超至近距離射撃。弾丸がアヤカシの胸を貫通し、大きな風穴を空けた。 が…その傷痕を塞ぐように、氷が全身を覆っていく。開拓者達の実力を認識し、防御を固めているのだろう。 逆に言えば…アヤカシが自分の不利を認めた証拠でもある。 「ここからは、本気でイくよ…あなたの願いを遂行するために!」 「氷の鎧がどれだけ頑丈だとしても……氷を砕き肉を穿ちます!」 暁とサライが動いたのは、ほぼ同時だった。大量の練力を放出し、時間の流れに干渉。時すらも支配し、金色と黒色の影がアヤカシの周囲を駆け巡る。 金色の長髪を揺らしながら、忍刀と雷槌で氷を砕く暁。背後に回り込んで忍刀を迅速に操り、神速の早業で頸部を抉り斬る。瘴気が派手に吹き出したが、敵は彼女の動きに気付いていないようだ。 漆黒の風と化したサライは、縦横無尽の動きから棒手裏剣を投げ放つ。様々な方向から、色んな角度から飛来する、無数の投擲。それを避ける術は無く、撃ち込んだ兵装が氷の鎧を貫いて肉体を貫通した。 (憎しみに犯された勇雪の心が、人の心に還って静かに眠れるよう……この曲を贈るよ) 言葉の代わりに、アグネスは竪琴を掻き鳴らす。それは、魂を原初の無に還すと言われる楽曲。演奏が神霊の力を増幅させ、アヤカシの全身に広がっていく。荒ぶる力が駆け巡り、内部を破壊して口や目から大量の瘴気が吹き出した。 「もう、意識を手放しても良いのだ。これ以上、苦しむ必要は無い…安心して逝くといい」 言葉と共に、浄炎の全身が白いオーラに包まれていく。それが棍に収束し、純白の光に包まれた。 獲物を狩る虎のような視線が、アヤカシを射抜く。浄炎は敵の急所に狙いを定め、兵装を全力で突き出した。白い閃光が宙を奔り、猛虎の咆哮にも似た音が周囲に響く。強烈な一撃がアヤカシの左胸を貫通し、大きな穴を穿った。 その傷痕から瘴気が吹き出すより早く、左門が高速で距離を詰める。体勢を低くして大きく踏み込み、移動速度を上乗せした棍撃を敵の頭部に叩き込んだ。その衝撃で、アヤカシの巨体が揺らぐ。 「せめてもの手向けだ、三途へ案内してやるさ…先に行って待っていろ」 静かに語り掛け、左門は地面を蹴って反転。首を狙い、泰剣を奔らせた。 それが触れる直前、アヤカシは氷を生み出して首を守る。斬撃は氷鎧を僅かに斬ったが、止めには至らなかった。恐らく…勇雪が死を望んでいても、アヤカシの本能がそれを邪魔しているのだろう。 「疲れただろう……もう、眠れ」 悲しみを帯びた、朱華の言葉。両手に握った兵装が精霊力を纏い、白く澄んだ輝きを放つ。覚悟を決めた朱華は、双刃を神速で奔らせた。 白い剣閃がアヤカシの首で交差し、氷を砕き斬る。そのまま…刃が首を切断。巨体が崩れ落ちるのと同時にアヤカシは瘴気と化し、雪と共に空気に溶けていった。 ● アヤカシを倒し、周囲を見渡す開拓者達。他に敵の姿は無く、雪も完全に消えている。 「雪も勇雪も、消えちゃったね……自己満足かもしれないけどさ、お墓、作らない? 人としての心が眠る場所を、さ」 アグネスの言葉通り、全ては瘴気と化して消え去った。勇雪の躯も、遺品も残っていない。それでも…墓を作って魂を弔いたいのだ。 「僕は賛成! 勇雪さんの家を漁れば、何か出てくると思うし!」 真っ先に声を上げたのは、暁。この廃墟には何も無いが、勇雪の家の場所は手紙に記されていた。愛用品でも見付かれば、遺品として埋葬できるだろう。 「本来であれば、アヤカシに堕ちし愚を蔑むのが筋かもしれぬ。だが…『他者を傷付けまい』と気遣う良心を忘れえなかった勇雪殿に、俺は一抹の寂しさと悲しみ、そして敬意すら感じる…」 復讐に身を焦がしても、良心を失わなかった勇雪。その生き様は、浄炎の心に深く刻まれたようだ。 「勇雪の心意気には、誠意をもって応えないとな。あいつが『ここに存在していた証』くらいは、遺してやりたい…」 勇雪の最期の願いが叶えられた今、緋桜丸達に出来る事は埋葬くらいしかない。とは言え、これは勇雪の最期を知る、彼らにしか出来ない事だが。 「まぁ、墓を作るのが悪いとは言わんよ。俺は手伝わんが、周囲を警戒しながら待つとしよう」 言うが早いか、左門は仲間達に背を向けて廃墟を出ていった。自身を『外道に堕ちた鬼』と評しているだけに、埋葬に手を貸すのは気が引けるのかもしれない。 周囲の見回りは左門に任せ、暁は勇雪の家に向かって駆け出す。待っている間、残った6人は廃墟を軽く掃除し、埋葬の準備を進めた。 数時間後、暁が遺品の煙管を持って帰還。それを埋葬し、花を供えた。 「姿形も分からんが…せめて、分かってる名前だけでも刻んでこの村に弔ってやろう。復讐を忘れて、安らかに眠ってくれ。最期くらいは…な」 石を調達した鋼介が、墓石に勇雪の名を刻んで建てる。浄炎が酒を周囲に撒いて清めると、開拓者達は手を合わせて祈りを捧げた。 「貴方は…命を無駄にせず、生きなければならなかったんですよ。最後に遺された者は、亡くなった人の分も生きて、幸せにならなければいけないんですから…」 言いながら、拳を固く握るサライ。勇雪を責める気は無いが…今回の結末に納得できないのだろう。サライも、『最後に遺された者』なのだから。 「これで…良かったのか? アンタは…何かを得る事が出来たのか…?」 物言わぬ墓石に問い掛ける朱華。全てを失い、人間である事すら失った勇雪…その生涯で得た物はあったのか、問わずにはいられない。 (今、たくさんの開拓者が冥越で戦ってるわ…アヤカシが居なくなる日が来たら、勇雪も安心して眠れるかな…?) 言葉にならない想いを込め、竪琴を奏でるアグネス。勇雪の魂を送り、天より高い所まで響かせるように。 『あり、がとう…』 開拓者とは違う、第三者の声。周囲には誰も居ないが、確かに8人の耳には届いた。 もしかしたら…これは、勇雪からの感謝の言葉なのかもしれない。 |