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■オープニング本文 ●まっしろ牧場 ところどころに白い雪山を作りながら辺りを見回す夢。 「なんで私が手伝わなきゃいけないのよ」 「いつもお世話になってるからですよ」 「それ私の台詞だろ」 煙管をふかしながら雪山にばさばさと雪を投げながらいい運動。 だっりーとかいいながらも頼まれた仕事はきっちりと(さぼりながら)こなすのが得意です。 「つーかもふらどこいったのよ、もふって暖まろうと思ったのに」 「さっきから雪ぶっかけてるのがもふらっすよ」 あ?といいながらばさばさ雪を投げていたところをまさぐってみるともふもふしている。 寒そうな顔と恨めしそうな顔をしてこちらを見つめる。 「何でそこにいんのよ」 ぐっと押し込むとごろごろ転がしながら雪景色と同化していく。 「あぁ¨¨もふろうが!」 そして雪山に手当たり次第蹴りを入れてもふらか雪山かを判別しながら進んでいく。 殆どがごろごろしているせいで雪と同化してよくわからなくなってきたので安定の無視。 「もうめんどくさいからこのまま開放していいよね」 独断と偏見で開放することが決定する牧場、実際の権限を持っているのは夢かもしれない。 とは言え、この状態を眺めながらため息一つ。 「怠けててもいいけどよけるくらいしてほしいわね」 ふはっと空を見上げてから牧場を眺め直す。 青い空に白い平原、こんもりと動き回る白い塊。 見事に景色を台無しにしている。 「ちょっとばらけすぎじゃないの」 「あ、やっぱりそう思いますか?集めようにも転がり回るんで」 ふーんといいながら煙管をふかして。 「開拓者にでも任せる?どうせいつもみたいに開放するんだし」 近くに転がってきたもふらを転がしながら?。 「ご飯の時間になれば寄ってくるんで構わないんですけど」 「まぁ、いいじゃない、もふりたい時期だしさ」 それもそうですね、とか言いながら二人揃って牧場を眺めてから¨¨ため息一つ。 もふらがどこにいるかわからなくなったからだ。 そんなわけでもふらが地雷のように転がる牧場が開放される。 |
■参加者一覧
ダイフク・チャン(ia0634)
16歳・女・サ
柚乃(ia0638)
17歳・女・巫
喪越(ia1670)
33歳・男・陰
ルオウ(ia2445)
14歳・男・サ
鈴木 透子(ia5664)
13歳・女・陰
からす(ia6525)
13歳・女・弓
叢雲 怜(ib5488)
10歳・男・砲
ラビ(ib9134)
15歳・男・陰
緋乃宮 白月(ib9855)
15歳・男・泰
藤本あかね(ic0070)
15歳・女・陰 |
■リプレイ本文 ●雪景色の牧場 ぎゅ、ぎゅと雪を踏みしめながら柚乃(ia0638)が天澪と一緒にやってくる。 入り口で軽く夢に苛められていたりするがその魔の手を振り切って何とか牧場の敷地内までやってくる。 「ゆ‥‥き‥‥?」 じーっと地面を見つめながらぱんぱんと地面をたたいてみる。ぼふぼふと雪煙が軽く立ち上り、何度か叩いていると雪が固まってきたのか首を傾げて、他の場所をぽふぽふ。とりあえず何度か地面を叩きまわり、満足したのか雪を掬って巻き上げてみる。まだ柔らかい所なのでぱらぱらとした雪。もう一度掬って巻き上げる、次はさっきぽふぽふと叩いたところなのでぼしゃっと頭の上に固まった雪が降ってくる。 「ん、つめたっ‥‥」 ただ自爆しただけなのか頭をぷるぷると振って雪を落とす。ほふっと一息ついてまた柔らかい所を掬ってみようとするともふもふとした感触。そのもふもふした感触を探ったり、ひっぱったりするとぼこっともふら様。 「あ‥‥もふもふ」 ぷるぷると震えながら引っ張り出されたもふら。その様子を見つめてからころころと押してみる。ごろごろ‥‥ごろごろ‥‥。しばらく転がして遊んでから満足したのか近くに置いておき、かまくらを作り始める。 「もふらさまも一緒に、作りませんか?」 「もふもふおいでー」 ぷるぷる首を振って綿あめのように丸まって眺めるもふら、所詮もふらです。しょうがないと言いつつかまくらを作り続ける。 「ゆーきやこんこん、きつねもこんこん」 お菓子やらお茶やら用意しながらその歌を聴いている。 「ふってもふってもめげない、くどい〜」 あれ‥‥? 「わんこは、よろこび、ひっかけまわり」 ちょっと待て。 「ねーこは、こたつで、ひきこもり」 「どんな歌だよ!!」 近くにいた牧場の従業員が突っ込んだ。 不意打ち気味につっこまれたのでびっくりしたり。 こちらは喪越(ia1670)と綾音。じっくりと辺りを観察しながら唸っている。 「これはつまり、白い雪原に潜伏している真っ白なもふら様を看破する訓練ということですね?」 いや、違うでしょ、寝ているだけだと思うんだけど。 「油断してもふらに引っかかったものか、容赦なくその毒牙に‥‥なんと恐ろしい‥‥!」 ‥‥ツッコミが通じるなんて俺も考えてなかったんだ。 「もっふもふにされ、その感触に魅入られて骨抜きにされるという狂気の罠‥‥なんという、禁断の果実‥‥このような場所であいまみえるとは。私、期待がマッハ加速して参りました」 楽しみなのかよ! っていうかどこからツッコンだらいいんだ。っていうか言っているそばから掘り起こしているし、しかもこんな一面真っ白でつかみどころがないのに迷いなく掘り起こしてやがる。 「このような隠蔽、私のもふもふセンサーにかかれば、余裕でございます」 そっすか‥‥そして何其のどや顔。しかし、単純にこれは遊んでいるってことで考えたいいのか?綾音の行動はたまに‥‥いや、ちょくちょく‥‥いや、常によく分からん 最近じゃ勝手に歩き回ったり動き回っているし自我が芽生えているんかね? 「はっ、主、あぶないっ!」 え、なに?うおっ‥‥! 「あぁ、主がもふらによってもふもふに、早くお救いしなければ‥‥!」 そんなわけでもふらに巻き込まれているのが二人。 「ふは、これはかなりのもふもふぐあい‥‥」 遠くからその様子を見ていた夢はそっと視線を戻したとか。 「ゆ、き、だぁああぁあ!!」 そう叫びながらルオウ(ia2445)が能天気に走り回ってばふばふと辺りを踏んでいたりする。はしゃぎまわりながら牧場の作業員に手伝いとかないのかーと言いまわると軽く睨まれて雪かきだよ!と突っ込まれる始末、もふらは色々いなくなっているらしいが。 そんなわけで走り回りながらたまにもふらを掘り起こしてつついたり名前を聞いてみるが冬眠モードに入りかけていたりするのを笑っている。 ひとしきり走り回ってからもふらごとごろごろと転げまわったり、走り回ったりしているさなか。 「よし、フロド、競争だ!」 急に走り出して横目でちらり、くぁーっと欠伸をしながらその様子を眺めて知らん顔。ちょっとムキになって挑発するとくるっと反対側に歩き出して、此方を向いてにんまり。ムキになってそれを追いかけ始めたり。 ばたばた走り回ってからかまくらを作っていた柚乃たちときゃっきゃと遊び始める。フロドはちょっと照れくさそうだったりするが。 こっちはこっちでひっかけ回ってはいないが、駆け回っている遮那王を見つめる鈴木 透子(ia5664)。さっき変な歌を聞いたような気がするけど多分気のせいだって言い聞かせながらやたらと左右に振れている尻尾をみつめてにんまり。 「可愛いですね」 そんなわけではしゃいでいる遮那王を見つめながらかるーく散歩し始める。流石に冷たいのかたまにぷるぷる震えたりする、そんな仕草がかわいいもんです。しばらく遊びまわって、じーっと此方を見つめているのを確認してから。 「ちょっと暖を取りましょう」 もふらがいそうなところにまでやってきてから 「かむのはなし」 そういうと同時にもふらをふんすこ探し始め、一匹ずつ掘り起こしてからワンと鳴きながらもふらを追い込もうとする。が、このもふらはっきりいって動きません。何度か鳴きつつちょっとムキになったのか前足でもふらを押してみる。後ろから押されたせいかころころと少し転がって、そのままてこてこ歩き始めるもふら。 それを追いかけるともふらのいた穴にはまってぱたぱた。でも流石に忍犬なのでもそもと雪の下で雪かきをしてから跳躍。空中で二回転すたっと着地したのを見て近寄って。 「よしよし」 なでなで、尻尾ぱたぱた、平和です。 ついでにもふらを探りつつ埋まっているところに染料を振りかけていく、地雷というか爆撃地点のような目印が点在するようになっていたりする。 此方はからす(ia6525)が陽炎燈を連れ着てきた‥‥と思ったら浮舟がどや顔しながら牧場を転げまわっている。確かに温かい物ではあるのがいつもというか常に見ているので特に何とも思えない。 「持ってくる相棒はちゃんと確認しないとダメよ?」 足元にいる浮舟の鼻先をぐりぐりと指で突いている夢。 「それもそうだな」 ちょっと苦笑しつつ弄られているのを見ている。 とりあえず連れてくる相棒には気を付けましょう。 まぁ、しょうがないので浮舟を連れてとりあえず牧場をぷらぷらと歩いていく。 「ふむ、どうしようか」 ごろごろ転がりながらついてくる浮舟を眺めつつ思案。 しばらく歩いてから埋まっているもふらを発見すると、それに綱を括り付けて牽引して引っ張り出してみる。 「ふむ‥‥集めてみるか」 ごろごろ引っ張り出されたのをころがして集めてもふらの山を作っていく。大きいのは下に、小さいのは上に。たまにもぞもぞ動くのでごろごろ落ちてくるのを拾っては持ち上げて。 「もふらやま」 にんまりと笑ってそれを見上げる、後ろでゴゴゴと威圧感のある音が出ているような。 積みあがったもふらがじっくり下を眺めてどやぁ。 何か軽くいらっとするがとりあえず無視して夢に報告しに行く。 「あー‥‥うん、もふらね‥‥まあ、あんがと‥‥んま、のんびりしてら」 流石に雪かきやらは手伝いができないので夢の近くにある小屋でのんびり。 ついでにそこにあったお湯を使ってお茶を作りつつ作業員と夢にふるまってのんびりと過ごす。 きゃー!と嬉しそうな声を上げながらざくざくと雪の中を叢雲 怜(ib5488)が姫鶴と一緒に牧場の中を駆け回っている。 「おー、沢山積もっているのだ」 雪をすくってわしゃーっと姫鶴にかけたりごろごろしつつある程度周り。それなりに雪があるところ位来るとぐりぐりと地面に円を描いて大きさを測ると、早速と言わんばかりに雪を集めてかまくらを作り始める。ちなみに今日はやけにかまくらを作られる日です。 「んー‥‥姫鶴も入れる大きさは、無理なのだ?」 鼻先を雪につけては離して冷たいと小さく言っているように見える。そんな様子を見つつ雪を集め、途中からも姫鶴に手伝ってもらいながらわしゃわしゃと雪山を大きくしていく。 そんなわけでしばらくして姫鶴と一緒になって雪山を作ってかまくらを作る‥‥前にのしのしと雪山を踏み固めていく、しばらく踏み踏み。ある程度固めてから早速かまくらの中を掘る‥‥前に借りてきたソリをつかって雪山によじ登ってきゃー!と言いながら楽しそうに滑り始める。 ちょっと目的を外れてしまったが、とりあえず堪能してからかまくらの中を作り始める。わしゃわしゃと道具で中を掘り進めつつ、たまに顔を出してくる。またかまくらの中に行くと後ろから姫鶴も顔を入れてばたばた。 「おお、姫鶴は入れるほどおっきくないのだぜ?」 ちょっとしょんもりしてるのを撫でつつかまくら完成。 ついでにもふらを集めてころころ転がして暖房代わりに、もふら的にはどうにでもなーれ状態だったりする。もふらも集めて暖かくし火鉢やら持ってきたお餅やらを中で使ってほくほくと。 こっちではレイシーと手をつなぎながらラビ(ib9134)がやってくる。 しっかりとマフラーやら手袋を付けさせて、防寒をさせておいて。 「レイシー、感覚がなくてもちゃんと手袋とマフラーを付けておくんだよ?」 「お坊ちゃま、私は大丈夫ですから、足元にお気をつけてお遊びください」 ぽつりと小さく、楽しそうな姿を見ているだけで幸せですからと、付け足して。 とりあえず牧場を駆け回ってどんなふうになっているのか確かめてから雪玉を作り始める。 それを不思議そうに見つめながらも一緒になって雪玉を作って転がす。ごろごろとしばらく転がし続けてある程度雪玉を大きくして雪だるまを作り始める。流石に顔を作るものが手持ちになかったのでそこらへんに転がっていた枝やらで顔を作って完成。 「ん、中々うまくできたと思わない?」 「そうですね」 ほんわか二人で雪だるまを作ったり他の人の所に行ってかまくらの中で餅を堪能したりと一緒になって遊びまわる。しばらく遊んで回ってからぼふっと雪原に大の字で寝転がってほふっと息を吐いて一息つく。 「どう、楽しいでしょ?」 「ええ、とても綺麗で楽しいですね」 ふはっと息を吐き出しつつ隣に座っているレイシーを見つめる。どこか苦しそうな顔というか感じを受け取りつつ、自分の心配をしているんだろうと思う。 「後悔なんてしてないから」 隣で座っているレイシーと自分に言い聞かせるように、呟く。そこで大の字になっている小さい主人を見つめる。純粋で、無邪気で、心優しいお坊ちゃま。其の笑顔は、私を楽しませようと見せているだけど其の性格がお坊ちゃまを苦しめる。貴方の笑顔が消えるのなどは。 「僕はもう、泣かないから」 「‥‥強く、なりましたね」 そんな事をいいながら小さく振ってくる雪を眺めて過ごす。 少し頭の上で飛び回っている姫翠を緋乃宮 白月(ib9855)がしばらく眺めている。とりあえず地面に積もっている雪を触ってみてきゃっきゃと騒いでいる。とにかくしばらく自由にさせてから。 「それで、姫翠は何をしたい?」 「うーん‥‥あっ、雪だるまを作ってみたいです!」 うんうんと、頷いてから小さい雪玉を作ってから転がし始める。流石に身長差が大きいので雪玉に潰されない様にしつつ後ろから手伝いながらころころを転がして大きくしていく。途中もふらに何度か引っかかって押せなかったり、押し返されたりと結構難航しつつも少しずつ確実に大きくしていき、とりあえず土台完成。 「結構、大変です」 ふーふー言いながら頭の部分を作っているのを確認して、一人でも大丈夫そうなのでもふらを集めておく、せっせと雪玉を転がしている姫翠をほんわか見つめながらももふらを掘り出して集めてほっかいろ代わりにし始める。 しばらく目を離していると雪だるまが二つ、猫耳が付いた大きい雪だるまと小さい雪だるまが手をつないでいる形で作られて、小さい方には羽っぽいものを、大きいのにはリボンをつけて完成。 「えへへ、マスターと私の雪だるまですっ」 むふっと得意げな顔をしている姫翠を優しくなでて。 「うん、よくできているね」 のんびり雪だるまを完成させてから、流石に体が冷えたのかもふらを抱きしめて暖を取る。姫翠は何か埋まっているみたいでちょっと怖い。 「しっかりあったまらないと風邪ひいちゃうからね」 「もふもふ‥‥暖かいです‥‥」 うとうとしながらもふらを抱きしめている二人、しばらく懐炉代わりにされるもふらもうとうとしていたり。 こっちではさくさくと牧場の雪原を歩きながらちょっと震えている藤本あかね(ic0070)が辺りを見回してため息交じりにつぶやく。 「すごい雪まみれね、ここ‥‥もうちょっと厚着してきた方が良かったかしら?」 うーっと軽く唸って寒いなーとか言いながら辺りを眺めつつ、首にマフラー代わりにしているおでんもすっかり丸まっている。 「とりあえず思い切り走ってあったまってみるかな?」 ぐっぐと軽く足を馴らしてから走り始める。ざくざくと雪をかき分ける音を鳴らしながら走っていくと不意に柔らかい地面に足を取られてびたーんと真正面から雪に突っ込む。 「ぶっ!!って、これもふらじゃないの!!」 ふかふかとした感触、もふっとした手触りを確かめてから一旦離れてぐいぐいと引っ張ってみる。ぼこっと掘り出されたもふら、何かものすごい寝ぼけ眼で此方をみている。 「え、なに、冬眠する気なの?っていうか冬眠するの?」 何か色々もふらに突っ込んでからまぁ、いっかと言いながらもふらを転がしてみる。うりゃうりゃと雪まみれにさせながらもごろごろ転がし続けて運動というか運搬というか。とにかくころがし回っては集めて転がしまわっては集めて、雪玉かもふらかよく分からない物体を集めて、ぱっぱと雪を払ってからぎゅっと抱き着いてあったまってみる。 幸せそうな顔をしているところ、おでんはかなり暑苦しいようだ。 ●夕方を過ぎて。 開拓者を見送ってから点在しているかまくらやら雪だるまを眺めて一息。とりあえず他の朋友がそれを珍しそうに見つめて中にぎゅうぎゅうにつまってみたり、雪だるまを警戒したりと何か面白い行動をしている。 「相変わらず騒がしい連中だこと」 煙管を吹かしながら受付の帳簿を整理して回収した火鉢で餅を焼きつつ、のんびり。 「ま、当分遊べるみたいだし、いいかもねぇ」 かまくらの中にぎゅうぎゅうにつまっているもふらを眺めて溜息、そのまま冬眠する気かと。 「次は花見とかそれぐらいになるのかねぇ」 ぶしゅっとくしゃみをしながら後片付けを始める夢だった。 |