暑苦しい牧場
マスター名：如月 春
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| ■オープニング本文 ●いつもの牧場にて 「あっちぃ‥‥」 団扇を使ってぱたぱたと扇ぎながら牧場の入り口で中を眺めていく。 嫌って程に照りつける日差しにもふらはほぼ全滅、ほかの朋友も日陰に入ってゆっくりと涼んでいる。 もふら、この間の五月病のときよりも動かない。完全に暑さにやられている。 「も‥‥も‥‥」とかなり末期状態になっている。 「そういや、近くに川あったよな？」 ぱたぱたと扇ぎながら隣にいる同僚の関係者に話しかける。 足元に桶を置いてその中に足を突っ込んで涼んでいる。 「だめだめ、ミズチ達があそこで涼んでる‥‥まぁ、狭くていいならあるけど」 麦茶を飲みながらぼんやりと空を眺める。 いやらしい程に輝いている太陽を見つけてはぁっと溜息。 「秋とか春とかその辺ならいいんだが‥‥熱いのはなぁ」 「あー、わかるわかる、極端に暑いか寒いかだと耐えられないよなぁ」 桶の中の水をかき回して温度を均一にし、冷たくさせておく。 とはいえかなりぬるくなっている。 「ま、いつも通り開拓者に開放の知らせ教えないとな」 「夢の姉御に送ればいいかね」 開放の知らせを書いた紙をさらさらと書きながら‥‥汗が垂れて字がにじむ。 一枚目をぐしゃぐしゃと丸めて捨ててから二枚目‥‥汗が垂れて字がにじむ。 「もういい、口頭で伝えてくる！」 筆を投げ捨てて開拓者ギルドに直接知らせに行くことになった。 |
■参加者一覧
朝比奈 空（ia0086）21歳・女・魔 
紗耶香・ソーヴィニオン（ia0454）18歳・女・泰 
嵩山 薫（ia1747）33歳・女・泰 
からす（ia6525）13歳・女・弓 
瀧鷲 漸（ia8176）25歳・女・サ 
和奏（ia8807）17歳・男・志 
鞘（ia9215）19歳・女・弓 
オドゥノール（ib0479）15歳・女・騎 |
| ■リプレイ本文 ●今日も快晴な牧場 相変わらず何故か引っ張り出されてくる夢が受付にてぐでーんと横たわっている。首筋にじりじりと熱い日差しを感じながら水の張った桶に足を突っ込んでいる。 「こんなクソ暑い日にこんなところに来るやつなんて‥‥そうとうの朋友好きかバカしかいないわよ‥‥」 「姉御、ダメっすよ‥‥ちゃんと仕事してくれないと」 ダメ出しをくらいながらも仕事だけはきっちりやる辺りは几帳面というか真面目というか。 そんなところに一人目の開拓者がやってくる朝比奈 空（ia0086）と黒蓮、のしのしと朝比奈の後ろを付いてくる。出会って間もない割には主従関係がしっかりしている。受付に近づいて夢の前までくると、もそもそ動いた夢が台帳に指をちょんちょん押し付ける。 「ここに書けって事ですか‥‥」 苦笑しながら台帳に名前を書いて中に入る‥‥前に夢の足元の水に少し氷を追加しておく。そうすると満足げに手を振る夢、心地よいようだ。 「向こうに行くのよー」 手だけを上げてぴっと指さして、誘導。案内する気はないようだ。 足元の水をかき回して冷やしながら鼻歌を奏でる夢の前にごろごろと毛玉が一つ。水と氷が入った桶から足を出して近寄ってきた毛玉を足でつついてみる。ひんやりした感触と毛が水に濡れて嫌な感触が出来たのか「もふー！」と言いながらいやいやしている。 「だめですよー、もふ龍ちゃんをいじめちゃ」 そういいながら紗耶香・ソーヴィニオン（ia0454）が、つつかれて濡れた部分を拭き拭き。「もふもふ」とご機嫌なようだ。 「相変わらずどこでも料理できるなぁ‥‥」 「後で食べに来ますか〜？」 「冷たい物ならなぁ」 そんな事を言いながら台帳に名前を書いていく。その間、足元のもふ龍は夢の足が入った氷水の桶をぱしゃぱしゃ叩いている。冷たいのは好きなようだ。 「相変わらず貴方はだらけているわね？」 嵩天丸がのしのしだらだらと歩きながらその後ろをババ‥‥じゃなくて嵩山 薫（ia1747）が扇子でぱたぱた扇ぎながら夢の元に。 「あー‥‥ばば‥‥けほけほ、なんだか久しぶりねぇ」 「そうかしら‥‥？まぁ、忙しかったしね」 そんな話をしている足元では嵩天丸が桶の水で涼もうと夢（の足）と格闘している。だらける方向には全力。これぐうたらの極み。 「なんていうか、こっちもこっちで平常運転ね‥‥ほら、いくわよ胡瓜あげるから」 胡瓜の単語につられたのかふらふらと嵩山の後ろを付いていく。わかりやすくて助かるわ、とか言いながら歩いていく後ろ姿を眺めながら。 「あーあ‥‥水減っちゃったじゃない‥‥」 ちょっとしょんぼり。 「いいかな？」 あーあーと呟きながら机に突っ伏している夢に声をかけるのが一人。 「暑いからだめぇ」 その様子を苦笑しながら見ていると筆と台帳を差し出される。さらさらとその台帳にからす（ia6525）と書いて一息。 「あぁ‥‥鷲獅鳥は向こうね‥‥何かすんでしょ？」 「そのつもりだが」 「道具とかはあっちの管理人に言いなさい？あと他の朋友ｍｐところにいくのはダメよ」 どうして？と尋ねる前に夢が説明をし始める。 「いくら本人が言っても出会って間もないのに心なんて通じないでしょ、下手に暴れて被害がでるよりいいわ」 そういうとひらひらと手を振って見送る。とりあえず地図に従って進んでいく、からすと彩姫。 もう一人鷲獅鳥を連れた瀧鷲 漸（ia8176）が受付にやってくる。暑いせいか早くゆっくりしたいな、と言っている。とりあえず先ほどと同じように台帳を差し出してからそこに名前を書いていく。 「魔神ねぇ‥‥」 肘を付きながら台帳に書かれた名前を見てほふっと一息。 「認められるのは難しい道ねぇ‥‥」 その次にやってきたのは和奏（ia8807）、ぽやーっとしながら漣李と一緒にやってくる。 「暑いのは‥‥平気、寒いのも‥‥平気」 ぐったりしている夢をちょんちょん突いてみる。軽く寝ていたのか目をこすりながら起き上り台帳を差し出す。差し出されたのをしばし見つめてから、手をぽんと叩いて、その台帳に名前を書き込んでいく。大丈夫か？と心配そうに漣李が唸っているが、本人は相変わらずぼんやりしている。なんとも呑気な主人だこと、と夢がつぶやいたとかどうとか。 ぱしゃぱしゃと足で桶をかき回しているとまた一人「あついー、あぁつぅーいぃー！」と騒がしいのとそれをぺしぺしと叩きながら我慢しなさいと言っている鞘（ia9215）がやってくる。かなたと一緒にいる鞘、暑いのは苦手ではないらしい。 「ほれほれ」 足元にいるかなたに水をかけて笑っている夢をしり目に、台帳に自分の名前を書いていく。「こら、やめっ！」と騒いでいるかなたを抱えてから牧場の中へ入っていく。 「人妖も増えたわねぇ‥‥」 抱えられてわたわたしているかなたを眺めながら煙管を吹かす。 そして最後の一人がやってくる。遠目から見てわかる。完全に暑さにやられているのがとてもわかる。足取りがどう見ても重い。ついでに朋友のツァガーンもかなり暑さにやられている。まぁ羽毛まみれなわけで暑いっちゃ暑い。 「暑い‥‥いや‥‥熱い、首筋が痛い‥‥日差しで熱い‥‥はやく日陰にいかねば」 台帳にオドゥノール（ib0479）と書き終るとすぐさまツァガーンと一緒に日陰へとふらふら歩き始める。かなりやられているのかふらふら‥‥ふらふら‥‥。なんとも危なっかしい。 「んー‥‥今日は鷲獅鳥の多い日ねぇ‥‥帰りに焼き鳥でも買っていこうっと」 ぐてんと横になって受付に突っ伏し直し、お客を待ち始める。 ●熱地獄、牧場 牧場の木陰の近くで朝比奈が精神を集中しながら、周りの天候を調べ始める。一分後晴れ、十分後晴れ、一時間後晴れ、十時間後晴れ、明日晴れ、明後日晴れ。 「やめましょう‥‥げんなりするだけでした‥‥」 これでもかと言わんばかりに快晴、ついでに温度も三十度超えです。はふっと一息ついて、黒蓮と行動し始める。 「と、お願いしますね」 ちょこんと上に乗ってから一撫で。そこから手綱を持って合図をすると一気に上空へと上がっていく。速度によって軽く地面に引っ張られる感じを耐えつつ空へ。空にあがったせいか太陽が近くなってちょっと暑い。 「ん、いい子‥‥」 ゆっくり撫でながら次の指示。曲飛による複雑な機動をまずは試す。まだまだ慣れていないせいか朝比奈の事は考えてない機動を描いていく。それでも手綱は離さず、次に瞬速による急加速。ぐっと握りしめながらそれに耐えてからまた一息。 「どうどう‥‥」 少し落ち着かせてから地上に戻っていく。とはいえ着地も結構荒いもので。がくんと鞭打ちになるんじゃないかといくらいに衝撃が伝わる。とはいえそれでも手綱は離さずに。ぶるっと体を震わせているところからすとんと降りて一息。なかなかにきつい飛行だ。 「結構大変ですね‥‥大丈夫ですか？」 ふうふうと息が荒くなってる黒蓮を撫でつつ、日陰に入って休み始める。流石に暑い日差しの中で飛び回ると体力も削られていくものだ。持ってきた岩清水を凍らせて黒蓮の口にぽいっと一つ投げ入れる。ころころと口の中で堪能しているのかおいしそうにしている。それを満足げに見ながら自分も岩清水を飲みつつ一息。 「今日は鷲獅鳥が多い日ですね」 そんな事を言いながら膝に頭を乗せてきた黒蓮を撫でつつ、辺りを眺めていく。 がっちゃがっちゃと調理器具をいつものように牧場に持ってきている、紗耶香。もふ龍の背中にはいろいろと食材やらが乗っている。料理に来ているのか遊びに来ているのかよく分からないが、とにかくいつも通りだ。ちなみに今日の牧場のもふらはもふ龍を眺めてから「もっ」と手を挙げている。いつのまにか牧場のボスっぽくなっているもふ龍。多分後ろの紗耶香が料理を作ってくれるからだろう。 「さってと‥‥もふ龍ちゃんは遊んできていいですよー」 荷物と料理を運ばせるのはいいが、あの足で料理をするのは不可能なのでこれまたいつも通りに遊びに行かせている間に仕込みを始める。 もふ龍、あんな足先が「つ」のような癖に侮れません。川までいって水面をじーっと眺めてからぺしんと水面をたたく。ぴょこんと魚を一匹捕まえる。満足げに「もふっ」と言いながらぺしぺしと水面をたたいて魚を捕まえていく。‥‥しばらくしてからもふ龍が満足げに魚を運んでくるのを驚きつつ撫でつつ、その魚も捌いていく。 「んー、暑い日はやっぱり熱くて辛い物がいいですよね〜」 激辛アツアツの料理が少し、ついでにもふ龍が取ってきた魚は塩焼きに。二人そろっていただきますと言ってそれを食べ始める。ちなみに牧場もふらは料理を見ただけでべっしょりと毛玉が汗で萎れていった。 「ほふ、結構きますねぇ‥‥」 食べ終わってほっと一息。汗をぬぐって調理器具を洗うついでに日陰の川岸に行くともふ龍共々涼み始める。ちょこんと足を川に入れて涼みながら熱い今日一日を過ごしていく。 こちらは胡瓜バカとババ‥‥じゃなくて嵩山がのんびりとしている。相変わらずのんびり空間なので日陰まで胡瓜で釣れてくるとそこで嵩山共々まったりとそこで過ごし始める。 「なんだか最近、この子の性格がうつってきたような気がするわね‥‥」 くあっと欠伸をしている嵩天丸を撫でつつ、そんな事を思っている。動物が飼い主に似るのはよく聞くが、逆ってあり得るのかしら、と撫でまくっている。 「しかし、あんたはまぁ‥‥胡瓜とだらける事しかないのかしら？」 撫でながらぺっちらぺっちら頭を叩いてみるが‥‥どうやらマッサージくらいにしか思ってないのか特に気にしていない。まぁ、嵩山くらいの年になるといちいち怒りもしないのでぺっちらぺっちらと続けていく。随分のんびり。 「最近は色々増えているわね‥‥あんたもちょっとは対抗心とか出しなさいよ」 ぺちぺちと叩いてみる。くあーっと欠伸をしている。そんな中に一匹の鷲獅鳥が上空を飛んでいる。飼い主は誰だかわからないがなかなかの速度で飛んでいる。 「あれに勝ったら胡瓜あげる」 ぴっと指さして胡瓜を取り出すと目つきが変わる。バサっと翼を広げると一気に飛び上がって飛んでいる鷲獅鳥を追い抜き、追い抜かれの空戦を繰り広げている。が、いいところで疲れたのか戻ってきて「胡瓜くれ」と催促し始める。 「まぁ、やるときやるのはわかったからあげるわよ」 ぽりぽり胡瓜食べながら満足げにする姿を眺めてはぁっと溜息。いつも通りね、と。 こちらではからすと彩姫が上空を回っている。飛行訓練ということで、適当な的を借りて地面に設置。それだけでもかなり重労働だが。とにかく準備ができたので上空に上がってから的を見据える。結構な高度だが騎射術も使っているし大丈夫だろうと呟いてから。 「私の事はきにせずやるんだ、振り落とさんばかりにな」 とんとん、と叩いてから合図を出して曲飛を始める。高速機動の上に複雑な機動で飛び回る。一射目、横にそれて外れ。二射目、横を掠めて直撃なし。三射目、的の中心に一撃。 そして最後に彩姫が最後の一つをクロウで攻撃してから着地をしていく。 「なかなかいいんじゃないかな」 そういいながら撫でてやる。そっぽを向いてむすっとした感じではあるが嫌がってはいない。とりあえず自分が撃った的の方を眺めて。 「まだまだ当たらんか‥‥」 高機動の上に高度のある上空からの撃ちおろし。そうそう当たるわけがないのが普通だが。はぁっと溜息を付きながら日陰で用意していたお茶とクッキーを頬張りながら辺りを見回す。流石にもふらはこのあたりにはいないようだ。 「まだ、抑えているのかな」 獰猛な部分を考えてもふらの所とは隔てているらしい。色々牧場事情も大変なものだ。 とりあえず他に上空を飛んでいる鷲獅鳥を眺めて観察。世の中いろんな種類のものがいる。たとえば向こう側のはやけに目つきの悪い黒い体のモノ、その反対側には真っ白な羽のモノ‥‥さまざまだ。 少し離れた所では瀧鷲とゲヘナグリュプスが飛行訓練をしている。まだまだ危なっかしいのでふらふらとしているが。まぁ、そうそうすぐになれるわけでもないこれからといったところだろうか。 「と、まだまだ慣れないな」 しっかり手綱を握りながら操りつつ、何度か落ちそうになりながらもしっかりと制御。一通り空中を飛び回ってから着地。 あまり炎天下の元で飛び回ると体力やら水分が奪われやすいので水と餌をやりながら体を撫でてやる。 「しかし、ここまで鷲獅鳥が揃っているなら、何かできないものか」 他の鷲獅鳥を眺めてみるが、まぁ、炎天下の中で飛び回っているのはごく一部。ほとんどが暑さにやられて涼んでいる。流石に獰猛とはいえ自然には勝てないわけで。 「仕方がないか‥‥なぁ？」 そんな事を言いながら羽毛を整えていく。こんな一日もあっていい。 「おー‥‥沢山いますね‥‥」 ぽやぽやとしながら漣李と一緒に牧場へ。特に変わらず暑いのも平気なのでまったりとしている。逆にへばっているもふらとかがうらやましいくらいに見える。 「さてと、久しぶりだし」 おいで、と言いながら漣李を近寄らせて手入れを始める。流石に黙って立っていれば絵になるほどなのか羽毛の艶などはいい。丁寧にゆっくりと櫛を使って梳きながら話しかける。 「いいこだねぇ‥‥」 のんびりと梳きつつぼやーっと。漣李としては危なっかしい主人を持ってさっきからひやひやしている。なんていうか手付きが怪しい。鈍感な部分があるせいか暑さにやらてるのが分かってないんじゃないかと思う。本人としては鼻歌を奏でながら気を使っているつもりなのだが。 「ん、こんなものかな‥‥」 満足げに梳き終った漣李を眺めて頷いている。梳かれていた漣李としては何か複雑だが。とりあえず気持ちはよかったので良しとしよう。実際の所こちら側に振り回されたのは主人の正なのだが‥‥まぁ、この状況のほわほわっぷりを見ているとどうでもよくなってくる。きっと暑い日差しのせいなんだ、とか。 こちらでは全滅しているもふらを眺めながらかなたと格闘している鞘、先ほどからあついあついと言いながら服を脱ごうとするのを止めています。むしろ暴れまわっているせいでこう熱くなっているじゃないのかと突っ込みたくなるのだが。敢えてその辺は触れていかない。絡まれるのは面倒だと結構遠巻きに見ている。 「暑いのはわかるけど、脱ごうとするのはダメ！裸もダメ！」 「いいじゃない、あついのよー！」 わたわたしながらも抱きしめられて完全に捕獲、とりあえず全裸になるのは阻止。流石に女性体の人妖なうえに姉妹のようだとどうしても止めないとまずい、とっても。とりあえず暴れたせいでぐったりしたかなたを抱えながら日陰へと入っていく。 「どーして鞘は平気なのよー」 むすーっとしながら尋ねると。 「だって実家にいた時、真夏の厨房で働いていたのよ？」 「ごめん、聞いた私がわるかった‥‥」 何かを想像したのかぐったりしながら大人しく。 冷たい蕎麦の一つでも作ろうかと思ったけど、設備的な問題でダメだったのでのんびりと木陰でかなたと戯れる。流石に牧場に求めるにはいささか無理があったとか。 そしてこちらではツァガーンの背中に乗ってぐったりしているオドゥノール、羽毛に毛皮に乗っている足元からじわじわと熱が上がってくる。とりあえずミヅチとはまた離れた川岸の方へと向かっていく。 「暑い‥‥熱い‥‥」 そんな事を言っているとぺたんと川岸に下りて足を付けて涼む。しゅわーっ蒸発するようなそんな感覚。ツァガーンもそれに見習ってぱしゃぱしゃと水浴び。流石に応えているのかほんわかと浸かっている。 流石に他の朋友と一緒は難しいのでこういうところで二人きりでのんびりするのもまたいいものだ。ばっしゃばっしゃと翼にも水浴び、もちろんオドゥノールにかかりまくりだ。 「む、こら、ちょっとは大人しくしろ！」 とりあえず十分に水浴びを堪能したのかぶるぶると体を振って水を飛ばす。それを見計らって櫛を使いブラッシングを始める。水がかかったおかげで涼しいので作業もそれなりにはかどっていく。 櫛を掛けられている間、向こう側にいる他の朋友を眺めて「おぉ」と一息。だが暑いので絶対にこの空間からは出たくない。 「いいんだ、今日はこうやって休む日だからな？」 嘴をなでなで‥‥かじかじ‥‥。 「こら、噛むんじゃない！」 ぺちっと叩いて撫でなおし。そんなまったりした日も悪くない。 ●帰り支度 開拓者と朋友達が帰った後にいろいろと事務作業をしている夢が開拓者の後ろ姿を見てぽつりと。 「何だかんだで、新しい物好きよねぇ‥‥」 「姉御も新しい物は好きでしょう？」 一通り整理し終わり片づけてからいつものように足を机に乗せて一息。 「駆鎧やグライダーならねぇ？」 「ほわん」と煙管の煙を吹かして牧場の方を眺める。 「人間、いつ死ぬかわからないでしょぉ？私は尚更ね」 「姉御も複雑ですねぇ」 けらけらと笑っている関係者をよそに煙管を吹かし続ける夢。 「そういうものよ、私は色々残されてきた人間だもの」 ぐっと伸びている夢がそういいながら。 「ま、なんでも大事にするに越したことはないけどねぇ‥‥」 |
